Sonar Members Club No.36

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この海が教えてくれた 波間に揺られて

2017 AUG 9 23:23:18 pm by 西 牟呂雄

 最近は介護と仕事と農作業に励んでいますが。
 この話複雑で、色々なことがいっぺんに押し寄せて来たようです。いよいよ始まったか、人生最後のドタバタ・ステージが。
 ありとあらゆる困難とツキの無さと金の切れ目が身の廻りを飛び回っている感じですか。これは今年いっぱい何もするな、という天の声でしょう。
 するとどうしたことか、人と会うことがめっきり減りましたね。飲みにも行きません、というか行けません。
 ヒマ人の繰り言に聞こえるかもしれませんが、不思議と気ぜわしい。誰にも会わないのに何かが追いかけてくるような恐怖感というのが一番近いかもしれません。ひょっとして物の怪に取り付かれているのでは。

湾の入口(クリックして下さい)

 海を見に行きたいなぁ。
 矢も楯もたまらずハーバーに出かけました。ウィーク・ディなので人も少なくチョコッと船を出します。真夏の太陽に焼かれるのはつらいな、と思っていたらいい塩梅に曇ってきました。
 ところが湾を出てみるとウネリもないのに18~20ノットのいわゆるドン吹きで、セールは上げられそうもない。沖にはいかずにポンツーンに舫って暫く海に浸かっていました。

春夏秋冬不思議譚(熱すぎる夏に干からびる恐怖)

 このブログからもう何年も過ぎたのですが、本当にこうなりそうでチョット怖い。
 海水浴場のようなビーチと違ってズーッと目線が水面と同じですから、ユラユラと漂う感じで(浮き輪に入ってます)考え事ができるのです。
 これからどうしようか、ほっておくとオレはどうなっちゃうのか、親しい人々の行く末はどうか、野垂れ死にしたら家族は迷惑か。
 広い海にポツンと浮いて空を見ていると孤独感は感じません、淋しくない。
 結局”自分”という概念は様々な紆余曲折をもってこの海に”点”として漂っているばかりで、本人が消えてしまえば今見ている世界も消えてしまうように思えるのです。過去と未来の境目に浮いていながら。

3分後の世界は見えているのか

 1時間ほど経ってようやく船に上がると少し寒く感じます。
 ところで湾内といえども潮は複雑に流れていて、浮き輪には長いロープをくくりつけていますが、チョットびっくりするような方向に流されます。お子さんなんか絶対に夜の海で遊ばないように。おじさんも二回ほどアワヤと言った時がありました。

 午後も遅くなっても日差しは強い。晴れてはきたようですが、湾内は切り立った山肌を映して暗くなってきました。
 周りに誰もいないのでデッキに上がってからもズーッと考えていると、今度は昔の事を思い出すようになりました。
 今はもういない人達、取り返しのつかない失敗、40日も入院していた事。
 そしてハッと思うのです。これからはそういった記憶が積み重なり過ぎて、失っていく記憶の方が多くなるだろう、と。

 揺られても 揺られても尚 波の中
        海と空とは どこで溶け合う 

 まぁいいや。言われなければ思い出さないことは忘れてしまえ。悲しむほどのことじゃなかろう。断・捨・離かぁ、この海が教えてくれました。

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今はもう秋 港で思ったこと

おじさんだって前向きに生きる 


 
 

Categories:ヨット

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