Sonar Members Club No.36

カテゴリー: 言葉

あかあかや 華厳

2017 NOV 13 19:19:47 pm by 西 牟呂雄

あかあかや あかあかあかや あかあかや
あかあかあかや あかあかや月

 一瞬、真っ赤な月でも幻視した狂人の歌と思った人、違います。
 この『あか』はレッド=赤ではなく『明るい』の『あか』。
 華厳宗中興の祖、明恵(みょうえ)上人の作です。
 京都栂尾(とがのお)にある高山寺で教学研究や厳しい修行中に詠んだのかも知れません。それにしても、そこら辺の子供が初めて詠んだような無邪気さというか楽しさというか。
 座禅修行で考えに考え抜いてまだ悩み経典を読み込んでフッと見上げると輝くような満月が目に飛び込んで来る。えもいわれぬ充実感に満たされて、さてもう少し研究してみようか、こんな心境が想像できます。

 華厳教学はこの世の森羅万象がことごとくバタフライ効果のように作用しあっているが、修行によってそれが妨げあわず共存することのできる境地に至る、と教え(るのかな?私なんかに分かるわけない)数ある仏の中で盧舎那仏をひたすら信仰する。
 この『作用しあっている』は僕の造語というか、まぁテキトーに考えた概念だが、素粒子論でいう粒子と反粒子が衝突によって消滅し2mc²のエネルギーを放出、それがまた粒子・反粒子を生成し・・・といった感覚のことでしょう。
 すると絶対善である盧舎那仏とはブラック・ホールのことで・・、うっもういいや。

やさしい顔

 明恵上人は紀州の生まれで、高雄山神護寺で華厳五教章を始めた。東大寺(盧舎那仏の大仏ですね)で戒律を、仁和寺で真言密教を極め、栄西から禅まで学んだ。途中紀州で隠遁修行したりインド行きを企てたりしする、大変な学僧なのです。修行中に激情にかられて右耳を切り落とした、という話があったと記憶しますが出典を思い出せません。もしかしたら別の人かもしれないですね。
 そういう偉人が冒頭のような無邪気な歌を詠むのは微笑ましいを通り越して結構鬼気迫る。
 どうも明るい月の光に何かを刺激される感性の人らしく”月”を詠んだ歌を多く残した。代表的なのをもう一首。

 くまもなく  すめる心の かかやけば
         我が光とや 月おもふらむ

 僕も影が出来るほどの月の光を浴びるのが好きで、夜中に喜寿庵の庭に出てしばらくボーッとしている事が。特に泥酔して見上げているとこのまま宙に浮くような気がします。一度そのままひっくりかえって頭を打ち、翌日畳に血溜まりができるほど出血したことがあったっけ(酔い過ぎて翌日までケガに気が付かなかった)。

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同時代を生きた隠者 (今月のテーマ 列伝)

あやしうこそ物狂ほしけれ 

萌え出づる春になりにけるかも

沖の小島に波のよる見ゆ 

雨ニモマケズ

地域住民説明会で思ったこと

2017 AUG 2 6:06:50 am by 西 牟呂雄

 住んでいる近くに立派なお屋敷があって、近隣ではそれなりの地域の名所だったが、居住者の都合でマンションが建設されることになり「近隣居住者の皆様への説明会」というのに行ってきました。
 大手不動産会社・設計事務所・窓口デベロッパーの担当者が挨拶をし、丁寧に説明をしてくれたのですが、質疑応答で雰囲気が一変しました。
 一番前に座った私よりも少し上と思しきジイ様が口火を切ります。そのジジイはやる気満々で、要するに目の前に自分の所より大きなマンションが建てられるのが気に入らない。特に自分の面した部屋にルーフ・バルコニーがあるのが気に入らない。口を極めてイチャモンを言うのですな。
「売主ができるだけ緑を残したい、と仰ったそうだが、この計画のどこに反映されているのか」
 さっき説明してたじゃないか。紅葉と松を残す設計にしたって。
「こっちに向かってバルコニーがあったら私が洗濯物を干すときは挨拶から始めなきゃならないでしょう」
 誰もお前なんかと挨拶なんかしたかネーヨ。
「女性の方なんか下着は干せないじゃないか」
 お前の下着を見るのもイヤな人はどーすんだ。
「施主は来てないのか」
 最初に挨拶してただろ。覚えてないのか。
「北側にバルコニーを作るなんて常識でありえないでしょう」
 テメーが引っ越してきた時は土地の売主は見降ろされてさぞイヤだったろう。
「この住環境が気に入って住んでるんですよ」
 そこは賃貸だろー。引っ越し代でもせしめる魂胆か。
いちいちカンに触る発言が相次いでいたたまれず途中で席を立ちました。
 たかが住宅街の一角でこの騒ぎなのだから、大規模開発ではさぞ凄い事になるのか想像に難くないです。

 話が大げさになると手に負えないので重大な問題なんかとは切り離して考えてください。
 ここでは売主が土地を手放して、買った側が法に則ってそこを開発します。デヴェロッパーの人は”地元条例”を参考に手続きを進めている説明会ですよ。いかなる事情かしらないが売る側はそれなりの事情があって、近隣住民の知った事ではない。文句を言う前に売却せざるを得なくなった元地主の無念を僕は思っていました。
 それがあたかも弱者の英雄にでもなったかのようなジジイの物言いに非常に強い違和感を持ったのです。
 そもそも全員の希望が100%かなえられる事などあり得ないのに、自分の都合をクドクド(本当におなじ事ばかり何回も言い立てた)抜かしているの。もう少し品良くやれないのかと不愉快な気持ちになりました。ところがそのジジイがつべこべしゃべるとオバサンだって黙っていません。次から次からまるで何も言わないで帰ると損でもするかのように、ほとんど同じ内容を何人もが喋ります。
 そして暫く聞いていて、この光景は既視感があるなと思ったものです。

 それは国会質問です。
 〇池問題とか加〇学園の話を”追求”する場面ですが、同じ事を聞き同じ答弁を引き出し(同じことを聞くから当たり前だ)新聞には『ノラリクラリと交わした』との記事が出ます。最初から分かっているから見る方は(少なくとも僕は)初めから結論が分かってしまって面白くもなんとも無い。新聞記事なんか読む気にもなれませんね。
 加〇学園は元事務次官というトリック・スターが出て野党が嬉しそうにしてますが、もう出ガラシですね。文書(ってメールでしょうが)が出てオシマイ。
 そしてそれを解説する新聞報道も論説もファクトなし。近い将来ファクトだけ打ち込むと人工知能が自動的に書いてくれるようになるでしょう、特にA新聞なんかは。
 国会議事堂と議員会館の間を昼間通ったことがある人なら分かりますが、いつでもプラカードや拡声器を持ったオジサンやオバサンが大勢いて(2組も3組もの集団が順番待ちをするくらい)共謀罪でも原発でも基地でも公務員の給与から何から何まで反対の人が毎日毎日シュプレヒコールをやっています。
 ほとんどがオッサン・オバハンだけどかあの人達はあれが仕事なのでしょうか。それでシールズは若い人だったから目立ったのかもしれません。

 僕の見たところでは、デヴェロッパーの若いオニーチャンは乱暴な口もきかず丁寧に答えようとしていました。そうするとオッサンは鬼の首でも取ったかのように益々エラソーに言うのです。
 テメーは現役の時にどんなに偉かったのか干されていじけたのか知らないが、もう少し礼儀ってもんがあるだろう、と思いましたね。品性下劣だ。
 そして、この光景が今日では常態化して違和感を持つ方が(すなわち私の方が)非常識だとすると、私などこういう所にはもう住めないのでしょうか。我が家の目の前にドカッとした高層マンションが建つとすればイチャモンを言うより引越しを考えるかもしれません、無理か。
 
 嘗てのこういう光景は理不尽に対する弱者の団結という構図で、労働組合とか農協のように一定のバランサーの役割があったのでしょう。しかし私の目の前の光景はそれが逆転して見えるのです。
 実際に見たことはありませんがモンスター・ペアレントとかクレーマーとかもっと凄いんでしょうが。

 そうだ、いっそのこと一定のルールの儀式にしてしまえ。そして双方おごそかに読み上げて人工知能に妥協点を決めてもらうというのはどうでしょうか。

2035年 人工知能天国 (今月のテーマ 人工知能)

議事進行を遅らせると何が見えるのか

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トランプ大統領の言葉

2017 JUL 28 19:19:33 pm by 西 牟呂雄

 なかなか支持率が上がらないが、この変わった大統領は意に介さない。 
 このトランプ大統領の言葉はどうしたら読み解けるだろうか。
 安倍総理とはアッと言う間に仲良しになっていまい、日本への悪口は影を潜めたが油断は禁物。 
 習近平とのディナーの最中にシリアにミサイルを撃ち込み涼しい顔だ。
 このとき僕はフト思いついた。ヤザワ語で解釈すると腑に落ちるのじゃないか。
 ヤザワ語とはエーチャンがステージやインタヴューで喋るあの口調だ。
「あのよー。今ミサイル59発シリアにブッ込んどいたからよー(エーチャンの口調を想像してください)」
「・・・・もう一度言ってください」
「だーかーらー、毒ガス使ったッツーから我慢できなくてよ。オメーだって頭来るだろ」
「それはそうですが」
「おれ達ァこんなこといつでも軽いんであの刈上げのデブの方はよろしくぅ」
 この調子だと分かりやすい。習近平は呆気に取られて抗議もできなかったろう。
 ”全てのイスラム教徒の入国を禁ずる”とまで署名して総スカンを食ったのに、中東を訪問してサウジには愛想を振りまく、やるじゃないか。
サウジはISと同じスンニ派の中でも過激なワッバーフ派なのにガッパリ武器を売りつけて、
「共通の敵はISだがオレ等が組めば一発で潰せる。コヨー・コヨー・コヨー!サイコーだぜ!」
 その足でイスラエルに行っても吠える。
「ユダヤ教もムスラムもクリスチャンも一緒にやれるぜ、ベイベェ!」
 トランプはバカじゃない。面倒な奴とは会わず、周到に選んだ相手としか会わない。会えば初めは相手に合わせることも自在だ。

 僕はその時の外遊のコースを秘かにささやいたのは安倍総理ではないかと見立てている。娘のイヴァンカに『あなたは安倍総理の言う事を聞いてればいいのよ』と言われたそうだし。
 安倍総理は学生時代にどう過ごしていたのか知らないが、トランプとかプーチン・橋下徹のような元ワルとつきあうのが上手いのではないか。逆にいかにも真面目そうな相手とは相性は悪い。習近平とか朴元大統領、福島みずほ、公明党山口代表。
 そのトランプ大統領はG7でもNATOでも実に居心地が悪そうだった。要するに集団合議がいやなのだ。
 そしてヒョットしたら任期途中で投げ出してしまうか、暗殺される危険がつきまとう。1期目の最後までやり遂げる可能性は50%くらいなのではないだろうか。

 その後もマスコミとの戦いが続く。プロレスに登場した時の有名な動画がアップされ、ビンス・マクマホンの顔が”CNN”になっているのは笑えた。だけどこの後本人はリングでスティーヴ・オースチンに投げられているのだが。

トランプ 五番勝負

トランプ10番勝負


 そして『魔女狩り』とツイッターで。『ウィッチ・ハント』これ大丈夫だろうか。
 現代アメリカではこの言葉はマッカーシズムを指す場合があり、大変にきつい言い方になっている。まぁ他にも散々ヤバい言葉を使っているからどうってことないかもしれないが、あんまりやっているとアメリカの亀裂を深めるだろう。
 その後フランスで64歳のマクロン大統領夫人に
You’re in such good shape.
You’re physically in good shape. Beautiful.
 とやって物議を醸す。ちなみにマクロン大統領は40歳!
 しかしこれ翻訳の大家、友人の某名誉教授によると「調子良さそうだな」程度の意味のようである。いずれにせよあまり品が無いことは確かだそうだ。

 そしてその友人に冒頭のヤザワ語への変換の話をしてみた。大受けするだろうと期待したのだが、返って来た返事は、
「エーチャンはツイッターなんかやらないぞ」
だった。
 

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『職業としての小説家』 読後感

2017 JUL 9 11:11:54 am by 西 牟呂雄

 さる先輩に『これ読んでみろよ』と勧められ、躊躇したが一気に読んだ。
 躊躇したのは、僕は小説をほとんど読まず、村上春樹は一回も読んだ事がなかったからだ。何だか題名からして難解そうだったし。
 ところがこの本は講演原稿のように書いたもので(あとがきを読むまで講演だと思っていた)出だしは苦戦したが面白かった。
 いや、一回もというのは正確ではなく、月間文芸春秋に書き下ろした作品を見て以下のマヌケな感想を書いている。

タイム・イズ・オン・マイ・サイド 歌詞取り


 畏れ多いことだ。

 この人は相当緻密な人だと思った。とにかく相当な量の小説を、どうやら原書で読んでいる、それも高校生くらいから。
 そしてまず『小説を書くのはあまり頭の切れる人には向いてない』と説く。初めはこの言い方に随分と違和感を感じた。よくある反語的な言い回しで『自分が頭はいいが』といった方に持っていきそうだ、と警戒した。だがそれは違って、せっかち、とか軽率な人には向いていない、という話だった。
 作中の表現を借りれば『なるべく回りくどい』方法を好んでそのプロセスをむしろ楽しむふうであり、『物事をそう簡単には結論付けない』ことを心がけている。そのやり方が長い作家生活を続けていけるコツのようなものと言っている。なるほど僕はマヌケ・ブログを面白がって書いているが、けったいな思い付きの小説めいた連作は失敗してほとんど読まれない。
 それはある意味当然で、現役時代の口癖は『オレに哲学もクソもない。能率とスピードにしか興味がない』と喚き散らして部下達から嫌われていた。小説が書けないわけだ。
 学生結婚をして、ジャズ屋を長くやっていたという点。バド・パウエルとかビル・エヴァンス、ハービーハンコックなんかをガンガンかける(レコード時代)お店と聞くと、なかなかヤルなと思わせられる。もっと若い頃はビーチ・ボーイズとビートルズだそうだ。これなんかも取っ掛かりがローリング・ストーンズでその後YAZAWAだった僕とは格が違う。ボブ・ディランの記述もないが、音感的に単純すぎるので聞く気にならなかったのだろう。
 衝撃的なのは、初めの方にガラガラの神宮球場でヤクルトー広島の開幕戦を見ていた時の話が出てくる。初回のヤクルトの二塁打を見て、突然小説がかけるかも知れない、という感覚に陥ったとある。以下表現を引用する。
『それは空から何かがひらひらとゆっくり落ちてきて、それを両手でうまく受け止められたような気分でした』
 私事で恐縮だが、僕はブログの読者の方は御存知の日本ハム・ファイターズのファンだ。それも昨年の優勝・大谷フィーバーからのミーハーではなく、弱い弱い東京ドーム時代のそのまた前からのファンである。パ・リーグだからヤクルトよりも人気のないチームだった。
 学生時代の恩師が球団関係者の義弟だったので、ノベルティーのチケットがゼミで大量に出回り、東京ドーム行きたさにガラガラの内野スタンドに行った。
 村上春樹は1978年にその感覚を得たというから、ほぼ同時期に弱小球団の試合を見ていたことになる。
 それなのにヤジを飛ばす事に夢中になっていた僕にはひらひら落ちてくるものなどなかった。ドーム球場だったから空から降ってこなかったのだろう。やはり作家になる人は違うのだな。
 中学・高校のころの話も書いているが、学校というものが苦手だったとのことで、これは僕もいつの学年でも居心地は実に悪かった。しかし唸らされたのは、表面的には僕と同じような事をして遊んでいたらしいが、勉強を怠けて遊び呆けているという意識がなかった、と言っている。恐らく英語の小説を読んだり音楽を聴いたりすることに相当な濃密な時間を使ったのだろう。僕程度の不良だと”遊び呆けている”自覚がしばしば襲ってきて、これではヤバイくらいのことは思ってしまった。酒の味を覚えるのも早かったのがまずかったのかもしれない。
 その後はプロの小説家として、極めてストイックに歩みを進める。驚いたのは長編小説を何回も書き直すらしい。ノリの悪い”章”はまるごと書き換える。或いは英語で書いて(たいしたもんだ)それを日本語に起こすといったことまで試している。
 まるで大きな彫刻を掘り進めるように、規則正しく体まで鍛えて、尚且つ書き始めるときはウキウキして『充実感は何ものにも変えがたい』そうだ。
 しかも”長編”を書く時には主人公に語りかけられるように筆を進めるとある。ということは小説の終わり方を考えずにスタートしエンドに持っていく(読んでないからわからないけど)自動書記のように(それこそ天啓のようにひらひらと)作品を紡いでいくのだろうか。
 これも初めて知ったが、二回芥川賞にノミネートされて受賞しなかった。そしてそれがその後の作家活動に何の関係もないと言い、どうやら本当に関係ない。さらに噂されるように、この調子でノーベル文学賞を取っても文筆活動には全く影響しないと思われる。もっともボブ・ディランと違って授賞式くらいは行くだろうが。

ノーベル文学賞 ボブ・ディランは喜んでいるか

良く分からない

 ここまで言われるとなにやら”長編小説”なるものを書いてみたくなるではないか。著者も最後の方で言っている。
『物語というのはつまり人の魂の奥底にあるものです』
 多少なりとも僕にも心の奥の喜怒哀楽はあるのだから。

 しかし悲しい事に上梓されたこの本によれば僕はその資質を全く持ち合わせていない。だが最後の奥の手はあるような気がする。
 それは例えば『長編小説』という題名のアホ・ブログを書けばいいのだ。

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映画 『花戦さ』

2017 JUN 18 15:15:30 pm by 西 牟呂雄

 信長・秀吉・利休そして池坊専好。キャストは順に中井貴一・市川猿之助・佐藤浩一そしてご贔屓の野村萬斎ときてはこれ、見ざるを得ませんね。さるお見舞いの合間にチョイと行ってきました。

利休と池坊

 秀吉の狂気、利休との友情、意を決して秀吉に挑む専好。
「いやしくも池坊を名乗るなら、花の力で世を正そうぞ」
 手練れの芸達者がズラリと並んでさぞや。それがですねぇ、どうも脚本がメメしいんですよこれ。
 萬斎さんの坊主頭が似合わないんですな。
 初めに出てきたアップが何ともマヌケ面に見えて笑えたし、人の顔と名前が覚えられないというコミカルさを狙ったキャラの設定がチョット。
 それでもこの一見ボケ芸がクライマックスで生きる、という演出なのでしょう。
 冒頭の信長に松を活けるところ、中井貴一はさすがでした。
「見事なり!池坊」
 信長の登場はこのシーンだけでしたがかっこいい。そしてあの役者だったらどうやったろう、などと思いを巡らすのも一興です。まず考えたのは勿論成田屋の海老蔵。
 そしてクライマックスは豊臣秀吉VS池坊専好。歌舞伎VS狂言の芸の打ち合いといった趣です。そこは見てのお楽しみ。

聖徳太子象

 ところで池坊は聖徳太子建立の京都六角堂のお坊さんです。
 如意輪観世音菩薩をご本尊にしています。
 作中で萬斎さんがしばしばお経を読むのですが、これが聞いた事もないお経なのです。
 いったい何経なのでしょうか。
 検索してみるとどうやら『光明真言』のようです。
 「オン アモ キャーベー ロシャノウ マカボダラ マニハンドマ ジンバラ ハラバリタヤ ウン」と言っているのだとか。
 サンスクリットではと表記して、不空なる御方よ 毘盧遮那仏(大日如来)よ、偉大なる印を有する御方よ 宝珠よ 蓮華よ、光明を 放ち給え という意味のようです。

 猿之助ファン、萬斎ファン、並びに生け花関係者にはお勧めですが、某映画館はガラガラでしたね。
 ところで池坊はこの映画にいくらスポンサードしたのでしょうか・・。
戦国三部作を貼っておきます。

黄金の首 (紅蓮の炎)  

黄金の茶室(見果てぬ夢) 

黄金の分銅(燎原の果て)

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月窓寺 薪能

 

話芸の間 圓楽と小遊三

The Smoke Man Show Ⅲ

2017 MAY 2 23:23:06 pm by 西 牟呂雄

みなさんこんにちは。スモーク・マン・ショウが始まります。
健康の為くれぐれもタバコの吸いすぎには注意しましょう。私は止めませんけど。
ところで前回、タバコの吸殻のポイ捨ては決してしないようにお願いしました。何故かと言うと私もポイ捨てが大嫌いだからです。
都内では路上喫煙は禁止されるエリアが増えて、その内全面的に展開されてしまうでしょう。わかってないな、人間というものが。
僕の住んでる街も駅の周辺はダメです。人通りも多いですしね。
ところがですな、朝歩いていると道端にはたくさんの吸い殻が捨てられているではないですか。
私は頭に来てある日それらの吸殻をウチの前から駅までズーッと拾い集めてみました。電柱の影、排水溝の辺り、公園の中、コンビニのゴミ箱周辺。恐らく人が少なくなった夜中に酔っ払った喫煙者が捨てたに違いありません。
ところで、その時はモク拾いのホームレスに思われないようにわざわざ作業服を着て(メーカー勤めの時にもらった)軍手、首にタオルといういでたちですね。ヘルメットも被りたかったのですが、適当なのがなかったので残念でした。なにしろ私が防災用に持っているヘルメットは横田の米軍放出品を扱うジャンク・ショップで買った迷彩色カバー付きなので、そんな恰好をしているとホームレスどころか危ないオジサンに見られてしまいます。
あるわあるわ、これ皆さんが想像するより遥かに多い吸い殻が捨ててあるのです。どれくらいかと言うと、燃えるゴミ用の袋に一杯になります、イッパイですよ。

どうも路上喫煙者はちょっとでも捨ててあるところに、まるで吸い寄せられるように捨てる習性があるんじゃないでしょうか。民度が低ーい!こんなことをしていると東京オリンピックの時に街中全面禁煙にされちゃうじゃないか!
この私の必死のボランティアで街はすっかり快適になったのです。
こうなると後には引けません。我等の喫煙権を守るため、街の美観を保つため、やめる訳にいかない。
しかし私にも都合があります。一週間ほど旅に出ることもあります。
そんな時は街中が吸い殻で埋まるのではないかと気が気ではありません。
飛ぶように急いで帰ってきてまず街に出ます。
ところが、全然吸い殻がないのです!
これは私の尊い行いに感化されて、ポイ捨てをする人がいなくなったのでしょうか。
全く違います。
商店街は店を開ける時、住宅街は午後に周りを掃除していたのです。私の善行はしてもしなくてもドーデモよかった。
そんなことはない、とばかりに散歩のたびにどこかに捨てられた吸い殻を捜し歩くのです。

健康のため、くれぐれもタバコの吸い過ぎに注意しましょう。
道端でのポイ捨ては絶対に止めましょう。

The Smoke Man Show Ⅰ

The Smoke Man Show  Ⅱ

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The Smoke Man Show  Ⅱ

2017 MAY 1 18:18:49 pm by 西 牟呂雄

全国2千万人の喫煙者の方々、お待たせしましたスモーク・マン・ショーが始まります。
健康の為に吸い過ぎには注意しましょう!
1970年代にスーパー・バンドの大ヒット曲が流行りました。普通は『水上の煙』と言われていますが、私達喫煙者は『湖上のタバコ』と読んでいました。
そうです、あのスモーク・オン・ザ・ウォーターです。還暦以上のバンド・ボーイだったら必修科目のようにコピーしましたね。
余談ですが、歌詞の中にある『Frank Zappa and the Mothers were at the best place around. But some stupid with a
flare gun burned the place to the ground』は本当の話で、カジノでライブをやっていると観客がフレア・ガンを撃って火事になりザッパとマザーズはその機材すべてを失いました。別にタバコで火事ではありませんよ。
更に余談ですが『スネーク・イン・ザ・ファクトリー』という別バージョンもあってこんな替え歌まで作りましたがね。

スモーク・オン・ザ・ウォーター Smoke on the Water (但し 工場に蛇が出た)

それで喫煙の話に戻りますが、昔のチンピラはカッコつけの為に様々なタバコの吸い方を工夫したものです。口の端で咥えタバコをしながら喋る、なんという技は随分練習までしました。失敗すると口を火傷することも、今から考えれば人の迷惑もおびただしい。マナーは守らなければ終いにはシンガポールみたいに全面禁煙にされてしまいますよ。

それでもシンガポールの喫煙者は健気に吸っていました。前のリー・クアン・ユーが罰金まで導入して禁煙国家にしたのですがね。実は元々はスモーカーだったのが禁煙して人が吸っているのが我慢できなくなった、と噂されていました。
更にポイ捨てされる吸殻の汚らしさが不愉快だったようです。だから初めは『捨てる』行為に罰金が課されていて、こんな光景を見たことがあります。
広東語だったので良くわからなかったのですが、大体以下の会話と推察されました。
男がタバコに火をつけて紫煙をくゆらせている。それにる警備員のような格好のオッサンが猛烈に注意をする。
『君!禁煙だぞ!罰金をを取る』
『何を言ってる。タバコに火は付けたが私は吸ってはいない』
『タバコに火を付けて何をしている!』
『煙の流れで風を見ているんだ』
『嘘つけ!吸ったに違いない』
『何を言う。私は吸っていない。タバコに火をつけてはいけない、という法律ではないだろう』
『それではそのタバコをどうするんだ』
『風向きが変わったようだ。消して吸殻は持って帰る』
『本当か』
『本当だ』
そして本当に吸殻をポケットに入れて歩いて行きましたとさ。
これは本当の話です。

The Smoke Man Show Ⅰ

The Smoke Man Show Ⅲ

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The Smoke Man Show Ⅰ

2017 APR 30 21:21:42 pm by 西 牟呂雄

こんにちわ!スモーーク・マンです。きょうも元気だタバコが旨い!
皆さんくれぐれも健康のためタバコの吸いすぎに注意しましょう。

喫煙者のナントカ病の発症率は禁煙者の〇倍、といったキャンペーンはたくさん発表されていますね。
一方で喫煙者と禁煙車の平均寿命は全体で見ると一週間くらいしか違わない、といった研究もあって、大したことはないかもしれません。
私は勿論タバコを止められません。何故かと言うと昔アメリカで解禁されていたあるモノを常用していて、ソノ感触が忘れられず帰国してからスモーカーになりました。
そのモノは現在の医学的分析からは体に害はないとされていますが、日本では禁止されているアレです。神事に使われたり七味唐辛子に入っているアレ。わたしはそれをガン・ガンやってました。アブリとかコケ・ヘロじゃありませんよ。解禁を公約にして選挙に出た人もいるくらいです、その人パクられましたけどね。
肉体的に害は確かにありません。吸い込んだ時の抵抗感はタバコの方がはるかに強い。ただし日本では不法です。
それでもアレはあんまりやると食欲なんか確かになくなってやせます。依存性もないといえばないのですが、酒と同じで簡単には止められませんよ。
まぁ、体に悪いと言えば酒の方が悪いかもしれないでしょう。アレは二日酔いにはなりませんから。

もう直ぐ室内での喫煙は全面的に禁止にされるそうで、困ったもんです。JTはどうするつもりでしょう。
JTだけじゃないですよ。皆さんはJRに分割民営化される前の国鉄、正式には日本国有鉄道を覚えていますか。国鉄がなくなってから生まれた方も多いでしょう、今から30年も前に民営化されJRになったのですから。
国鉄は色々と政治の介入やら労働組合問題を抱えながら前回東京オリンピックの年以降毎年大きな赤字を出してしょっちゅう値上げをしていました。
そしてもうダメ、となった時点で清算事業団解散時に28兆3千億円の借金が、28兆円!そのうち16兆1千億円の有利子債務は国の一般会計(たばこ特別税)に承継されたんですね。おかげで1箱200円(マイルドセブン)だったのが段階的に今の440円(メビウス)にまで上がり、大雑把に言って毎年2千5百億円がタバコ税としてこの借金の返済に充てられているのです。もちろん払っているのは我等喫煙者なのですよ。
それなのにJRの我々に対する扱いはひどい!新幹線の喫煙ボックスくらいもっと増やしたらどうなんだ!
ですがそれも難しいでしょうね。
飛行機や車両のような密閉された空間だと禁煙者の嗅覚は非常ーに鋭くなるらしく、タバコに対するクレームが物凄いんだそうです。
禁煙者の皆さん、一度でいいからアメリカの解禁州にいってアレを試して下さい。タバコなんか気にならなくなること間違いなしですよ。

くれぐれも健康の為、吸い過ぎに注意しましょう。

The Smoke Man Show  Ⅱ

The Smoke Man Show Ⅲ


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漢字は楽し 『谷』の読み方

2017 APR 15 12:12:52 pm by 西 牟呂雄

 東京下町で暮らしていたので『谷』は『ヤ』と読むものだと刷り込まれていて、訓読みが『タニ』で音読みが『ヤ』だと思っていた。四谷も市谷も下谷もみんな『ヤ』と読んでオトナも当たり前のような顔をしてたし。
 鎌倉に遠足に行けば『扇ヶ谷』は『おうぎがヤツ』と読ませた。
 谷野さんだって『ヤノさん』。
 しかし音読みは『コク』だけで、『ヤ』はマイナーな訓読みとは何事か、最近まで知らなかった。恥ずかしい。
 検索してみると低地・谷間を指す蝦夷言葉『ヤトゥ』が語源のアズマ言葉、それも武蔵野国や相模国あたりの方言だとある。標準語じゃないのか。まあ、関東が中心になったのは江戸時代以後だからそれまでは田舎方言だったに違いない。
 残念ながらアイヌ語で『ヤトゥ』又は『ヤ』が本当に谷及び低湿地をさすのかというと色々調べてもわからない。谷のことは『コッ』沢のことは『ナイ』らしい。

 友人に熊谷と言うのがいて「くまがい」と読む(常識だが)。熊谷次郎直実のくまがい、である。ところがその次郎直実の出身地、あの日本一暑くなる所は「くまがや」と呼び習わされているのは何故か。
 結論はわからなかった。名字も関西では「くまたに」さんとか。
 どうも「くまがや」の方が正しく「くまがい」はそこからナマッたようなフシがあるが、どっちでもいいか。

 僕はこの次郎直実という人が好きで去年こんな「なりすましブログ」を書いている。実は今月も歌舞伎座で幸四郎・染五郎親子の『熊谷陣屋』を見に行く。

熊谷直実顛末

熊谷直実顛末 Ⅱ

熊谷直実顛末 Ⅲ

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漢字は楽し 色彩編

惹句師になりたい Ⅱ

2017 APR 9 19:19:06 pm by 西 牟呂雄

 何かと悲しげな気分の時にいいセリフを思いついた。
『心に沁みができそうです。まだらで汚いシミが取れません』

 気ぜわしい時にはこう言ってみたい。
『ひとつのことだけを考えていたらお腹が空かないよ』

 淋しい、と感じたら声に出してみたらどうだろう(オジサン用)。
『子供じゃあるまいし。高齢者には天の声が聞こえる』

 失くし物をしたらこう考えてはどうか。
『もっと大事にしてくれる人に拾われているだろうなァ』

 いい事があったら必ず心に刻もう。
『どうってことないぜ』

 年を重ねてくたびれたらこんな感じ。
『昔みたいにしなきゃいい。誰か困るのか』

 友を失った時は無理にでも言ってみる。
『時々話そうぜ。オレもまだやってるよ』

 なんで私ばかりに、と感じた場合。
『おんなじ目に会ったのはこの100年で1億番目くらいかな』

 ひがみ根性に染まってしまいそうなら。
『よかった。もっと怠けなければ』

 退屈でたまらないときは。
『やる事が何も無いのに生きていられる。素晴らしい』

 人に嘘をつかれて困ったとすると。
『これがオレでよかった。ほかの人だったら騙されただろう』

 会うのが億劫な人から、それでも声がかかったら。
『あいつも淋しがり屋だな』

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