團菊祭五月大歌舞伎
2016 MAY 22 21:21:48 pm by 西 牟呂雄
いやはや物凄い顔ぶれです。居ても立っても居られずに行ってきました。夜の部です。
勢獅子音羽花籠。なんてったって音羽屋(菊五郎)さんと播磨屋(吉右衛門)さんの孫、和史ちゃんのお目見えですから華やかです。初日に転んで泣いちゃったとの噂を聞いてましたが、今日は抱っこされながら泣かずに頑張りました。
菊五郎さん、胃潰瘍で大喀血をしたそうですが元気に勤めておられました。この人のお酒の量ハンパないですからね、気をつけてくださいよ。
場所は我が産土神の神田明神。成田屋(海老蔵)さんも鳶の頭で出てます。
このお芝居の楽しみはズバリ獅子舞、面白いんですよ。
それに私の贔屓、高島屋左團次が世話役で出て来たのがうれしかった。この人が子役だった頃は新橋演舞場の裏手の築地川で釣りができたそうですから超ベテラン。
團菊祭は何と明治の市川團十郎(九世)と尾上菊五郎(五世】を顕彰するために昭和11年から今年で八十年という催しであります。二人は能狂言や黙阿弥狂言を素材として古典歌舞伎を磨き上げ、今日にまで至る現代歌舞伎の礎を築き上げた名優なんですな。
河竹黙阿弥の得意の白波者(盗賊話)で『三人吉三』が次の演目でした。女装の盗賊お嬢吉三(菊之助)・御家人崩れのお坊吉三(海老蔵、ピッタリ)・悪徳坊主上がりの和尚吉三(ギョロ目の松緑)が百両を巡って七五調のセリフで沸かせます。上手いなぁ、海老蔵。この人が出て来るだけで万座が固唾を飲んでいるのが分かります。
最後が安珍・清姫の悲恋物語『男女(めおと)道成寺』にまたまた菊之助・海老蔵コンビが舞います。
これは最後に蛇身に変身することになるのですが、どう代わるかは見てのお楽しみ。しかしその艶やかなことといったら!そもそもこれは踊りがウリでズラリと並んだ小坊主が入れ代わり立ち代わり。
昼の部では楼門五三桐(さんもんごさんのきり)で『絶景哉、絶景哉』の石川五右衛門を吉右衛門さんがやっていますよ。
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Categories:古典