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With コロナ2021

2020 SEP 13 13:13:57 pm by 西 牟呂雄

 第2波は2020年7月末に来ていたとか。それで8月は検査数も増して感染者の数字が跳ね上がった。現在は東京で言えば100人台、もはや感覚が麻痺してきて、収束に向かっているように見える。
 しかも医療関係者の懸命の努力で死に至る患者さんは少ない。
 この病気の恐ろしいところは、感染力もさることながらその死の直前には呼吸困難になり、病床で溺れ死ぬように最期を迎えることだ。しかもウィルスは次々にその性格を変え勝手に進化してしまう。
 一方、卸元である中国の様子は先日プールでのイベントの映像が流れ、抑え込んだのか隠し倒したのか共産党幹部もマスクをしないで出てきて不謹慎極まるものであった。また、アメリカは世界一感染者が多いのに相変わらずデモだ選挙だでもう過ぎ去ったことのような振る舞い。罹ってもそう簡単に死なない、という開き直りが蔓延し世の中は狂って行った。
 まぁ、第二波に至る経緯は、自粛を真面目にやったので我慢できなくなりキャバクラ・風俗に押し寄せてクラスターを作ってしまい、そこで働く女性がホストクラブに蔓延させた、といったところではないか。仮に歌舞伎町を封鎖したところでソノ手の需要はなくならないから周辺に分散しただけだったろう。
 2021年、東京で毎日100~200人位の新規感染者が出て、大規模イベントはなくなり、オッサンも若者もウジャウジャと居酒屋で飲んだくれるような光景は廃れ、テレワークやデジタル化が加速する一方で、文化的な生活はガラリと変わった。
 例えばオーケストラを(演奏者が)オール・リモートでやり、その音源を自宅のネットで鑑賞する。イベントもスポーツ観戦も好きな席のチケットを買い、自宅でのバーチャル鑑賞になる。すなわち席に設置されたカメラを画像で見るのだ。観光でさえ現地に行かないで味わえることになって人は移動しなくなったのである。
 深刻な問題は男女の関係であった。
 どちらかがコロナ陽性で肌を合わせられなくなった恋人同士がガラス越しに接しているうちに、互いを傷つけあって最後には相手を破滅させてしまう事件が後を絶たない。
 気の毒なケースもあった。ウィルス対策の最前線で戦う医者に重症化した患者が二人運び込まれると、少女ともう一人は自分の妻だった。命の選択を迫られた医者は葛藤の末、既に意識のない妻よりまだ若い少女の方を選び、そのことで心に深い傷を負ってしまう。少女は一命を取り留め退院するのだが、医者の方は自分を攻め続け酒に溺れ身を持ち崩す。フラリと寄った風俗店で出会ったのは彼が妻の代わりに救った少女だった・・・(ヨーロッパでは医療崩壊に伴い実際に高齢者施設でトリアージ(命の選別)が行われたらしいことを今月号の文芸春秋で宮下洋一氏がレポートしている)。
 1月半ば、ノーベル物理学賞・医学賞受賞の二人の学者が共同でネイチャーに論文を発表する。日本人の死亡率の低さを科学的に証明したと難解な理論を駆使し、ニューロンの波動を受けると毒性が緩和されると言いきった。そしてニューロンの波動を増幅するのは日本人が神社で打つ柏手(かしわせ)でこれがファクターXである、ヨーロッパでも医療関係者を励ますため、時間を決めて窓を開け一斉に拍手をするようになると治まった、柏手によって日本はあの程度の対策で先進国最低の死亡者数だった、とした。
 するとある男の打つ柏手が効くという噂がネットで流れ、その男が教祖の怪しげな宗教団体に信者が殺到する。どうやらネットで入信できるという触れ込みで、会費1万円で信者になれるとか。
 令和三年の建国記念日の早朝、教祖を名乗る二死牟呂夫(にし・むろお)という男が突然『これから都内某所で悪霊退散の柏手を打つ』とツイッターした。物見高いテレビはどこなのか慌てるが、場所はわからない。すると朝方の午前7時、靖国神社に約千人はいると思われる正体不明の白装束の集団が現れた。集団の中心には背中に真っ赤な日の丸を染め抜いた羽織の男がいて、その男を中心に参道を進み門をくぐったあたりでその大集団が一斉に二拍の柏下を打つ。周辺にいた人々はその拍手の迫力に圧倒された,その光景は居合わせた人達の動画がYouTubeにアップされたが、見るからに胡散臭かった。
 ところが、その日から感染者数は東京でゼロとなり、本当に効いてしまったようなのだ。味をしめた二死一派は調子に乗って名古屋の熱田神宮・大阪今宮戎神社・博多櫛田神社に突然姿を表し大袈裟な柏手を打って歩いた。彼らは別々にワラワラと集まって来てはその場で白装束に着替え、柏手を打つと移動している間に10人20人と着替えてたちどころに街に溶け込んでしまう。
 かくしてコロナ騒ぎは収束し、菅政権はついに入国制限を撤廃した。すると疫病退散を目指した外国人は来日し靖国神社に詣でるのが大ブームとなり、経済はインバウンド効果でV字回復した。勢いがついて東京オリンピックは大成功、日本の未来は明るく開けるのだった。

 その後の二死一派は、疫病退散ツアーと称してインドのガンジス川のほとりやロシアの赤の広場で柏手を打つ映像が投降されるのだが、不思議な事に現地でそれを見た者はいない。CGの画像ではないかとの疑惑が生まれた。そしていつのまにか姿を消してしまう。
 更に感染者ゼロも、政府がPCR検査を操作して全て陰性とすべくデータを改ざんした、との内部告発があったのだが、マスコミはスルーした。
 一部の良心的マスコミが二死一派の調査をしたところ、実態はスーパー・マインド・コントロールSMCという得体の知れない合同会社で宗教法人でも何でもないことが分かったのだが、後の祭りとなった。景気浮揚を狙った菅政権が官房機密費を使ったヤラセ疑惑も持ち上がった。
 浮世の真実は一体何なのか、誰も分からなくなって2021年は暮れようとしている。

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Categories:2021年の安寧

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