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和の心 (山梨の記録的大雪) 

2014 FEB 28 16:16:31 pm by 西 牟呂雄

雪に埋もれた庭

観測史上最大の積雪を記録した山梨県に、我が山荘・喜寿庵はある。道路・鉄道が3日くらい全て不通・閉鎖になり、何箇所も陸の孤島になるくらいだから心配になって恐る恐る行ってみた。いや、凄いの何の。ライフラインを確保するために、重機が道路の雪を脇に寄せるので、道の両側が壁のようになってしまっていた。それを崩しても入り口から玄関まで、まるでラッセルするように少しずつ雪を掻き分けなければ行けない。まるでスキー場のたたずまいに仰天した。街の中はあちこちにピラミッドのような雪の山が築かれ、物流はまったく滞り、シーンとしていた。しかも進退窮まった車が何台も乗り捨てられていて、それを掘り出しに来た人が汗だくになっていた。喜寿庵の前庭には十本くらいの竹が植わっていて筍を毎年掘ったりしているが、重みに耐えかねて地面までしなり下がっていた。こういうのを恐ろしい光景と言うのだろうか。

そして芝生を這わせている庭がすっかり埋もれているのが写真だ。これで1m以上積もってしまい、こんもり盛り上がっているところが庭石なのだがとてもそこまで行けなかった。この写真は風情があるように見えないことも無いが、表面がガリガリに凍っていて、そうっと乗ると少し歩けた。ところがその庭石の側までいったところで突如足がめり込み、大げさでなく腰まで嵌って倒れてしまった。人が見ていたならば、オッサンが埋まってのた打ち回っているように見えたことだろう。例年この時期は芝焼きをするのだが、いったいどうなることやら。写真手前のゴツゴツした枯れ木にみえるのは楓で,普段から赤い葉をつける。それが紅葉の時になると、鮮やかな朱色となる。昔から一族で愛でてきたが、一部の枝が折れてしまったようだ。僕は色弱だから、ほかの人にはさぞ強烈な色なんだろう。枝が折れたことで景色が少し変わるはずだが、惜しいといえば惜しいが、またその景観を伝えていくことに違いない。あるがまま、『和の心』とはこういうことか。

この写真の右奥は桂川渓谷に面した崖になっていて、それこそそのうち雪崩でも起きることになるのではないか、下には何もないが・・。川瀬の音は相変わらずザワザワしていた。遠景に山が重なっていて、ちょうどその窪んだところに冬至の日の太陽が落ちる。この時期はすでにもう少し北側に夕日が沈むことになる。奥の林の先には小さい畑があって、昔は人を頼んでとうもろこしや茄子・きゅうりを作っていたが、今は年老いたオヤジが、手がかからないジャガイモなんかを植えてる。しかしとうてい辿り着けないので、様子がわからない。毎年毎年庭に落ちる枯葉をセッセと入れているのだが、あれは雪の下でちゃんと土になっているのだろうか。

街には江戸時代に生活用水をはりめぐらした水路があるが、静けさを破る『防災放送』によると、『家中川(水路のこと、御家中を流れていた)に雪を捨てないでください。溢れてしまいます。』だそうだ。いかに想定を超えていたか。メンバーになっているゴルフ場も当面クローズで大損害を被っているし農業の被害も甚大。しかし、120年に一度の大雪なぞ、地震の被災地からみれば何程のこともない。門前の雪のピラミッドを崩しながら、積んで崩して積んで崩して、と呪文のように唱えた。

それにしても仰ぎ見た富士のきれいだったこと。あるがままの『和の心』って・・・。

喜寿庵2

突然の大雪で遭難か


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Categories:和の心 喜寿庵

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