喜寿庵の雪
2016 JAN 28 20:20:48 pm by 西 牟呂雄
頼んでもいないのに今年も喜寿庵は雪に埋もれた。
何しろ門から家までラッセルしないと入れない。幸い近所の北富士総合大学の学生さん達が手伝ってくれたので何とか母屋にたどり着いたが、庭を見て息を飲んだ。この風景を見て風情がある等と思われてはたまらない。奥のネイチャー・ファームまでとてもたどり着けず、手前の庭木は雪の重みで潰れてしまっている。
門の入口付近はもっと酷く、通行を確保するためにシャベルカーで雪を積み上げてしまい、フェンスがたおされた。この部分は私有地化どうか微妙なあたりなので、行政にイチャモンを言っていいものかどうかわからず、毎年山のような雪を一人で道路に撒き散らして捨てる。これがまた恐ろしく空しい作業だ。腰をやられる。
寒い中汗まみれになってつらつら考えた。これと似たような仕事とは何だろうか。初めに思いついたのは炭鉱。しかし小倉時代に筑豊の炭鉱跡地を見学したが、昔の採鉱は坑道も狭くシャベルでホイッと言う感じではなかった。
現在の海外の巨大露天掘りは大規模に機械されて更に人手はないだろう。
他にはないか。そうだ、蒸気機関車の石炭をくべる『投炭』というのがある。これだってやたらに釜に放り込めばいいというものじゃなく、ちゃんと投炭の練習をする場所があって訓練を受ける。
右手に少し短い投炭専用のスコップを持ち、左手でタイミング良く釜の口をサッと開けシャッよ放り込むそうだ。この当たりの技も、火床の部位によって(奥・中・手前と右・左)高さを変えて熱効率を上げる熟練が必要らしい。
名作「坂の上の雲」に日本海海戦の詳述があるが、開戦直前の最初の命令は『石炭捨テ方ハジメ』だったとある。長期航海のために甲板に積んでいた石炭を海に捨てる、戦闘の際に引火してしまうからだ。当時の天丼一杯がスコップ一すくい位の値段で、水兵は『天丼一杯』『天丼二杯』と思いながら捨てた、とある。
ふぅー、これだけやっても大雪塊は少しも小さくならない。春まで待とうか。
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Categories:和の心 喜寿庵
中島 龍之
2/1/2016 | Permalink
九州もかなり雪が積もりましたが、喜寿庵はかなりですね、放置するしかないでしょう。