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国境を考える Ⅲ

2015 MAR 15 15:15:24 pm by 西 牟呂雄

 国境とは税金を取っていい範囲。すると国の中にあっても税金を払わない所は国家に守ってもらえない。最低限のナントカ税を払ってまるで独立した国家の様な組織を樹立するのは、オウムが思い出されてはなはだよろしくないが、ISもそんなもんだろう。国境も何も従わない者は排除する原理だ。あのN田という人は研究者なんだろうが、一度は兵士を送り込みかけたこともあるヤバい人でしょう。ISとの窓口になんかなるようなことを言っていたが、そんなペースに乗ったら明らかに国益を損なうんじゃないのか。公共の電波に載せたり出版物を出すのは理解に苦しむ。マッ報道・表現の自由なんですがね。

 もうちょっと穏健な例を挙げればアメリカで自給自足で暮らすアーミッシュがそれだ。ルター派のクリスチャンなのだがチューリッヒで発生した後ドイツに移住、その後アメリカに移民してペンシルバニアやカナダのオンタリオに約20万人いる。言葉も英語ではなく、ドイツの方言を話していて一般のアメリカ人とは交流しない。兵役も拒否しているのじゃなかったか。固く信仰を守り(一部観光化しているところもあるらしいが)基本は『何事も変えない』こと。電気もガスも車もない。多少の経済活動はあるものの、消費もしないで自活しているから税金の取りようもない。こちらは徹底した平和・非暴力主義なのでオウムのようなことにはならないが、国に頼らず何でも自分でやるからサービスを受ける必要もない。今頃でもインターネットなんかを拒否して暮らしていることだろう。
 それはそれでいいのだが、今日のように下手にテロリストが侵入したりすると。その時は警察権によって守ってもらうことになるのか、火縄銃で戦うのか、心配の種は尽きない。これ大いなる矛盾を孕んでいる。

 

 人口学者のエマニュエル・トッドの言説によれば、隣接する国家同士は必ず比較優位差が発生し一方から収奪されることになるらしい。トッドはTPPによる経済の囲い込みに異を唱えている学者で、その文脈からEUの将来の分裂を予想している。僕もEUはどうも危ない気がするのだ。某国のように借金だらけになって、あとは知らん、とやったら50年前なら戦争だったろう。
 少し北に登ってウクライナでは、ガス代払うの払わないのからモメはじめ、キエフ中心部で百人単位で狙撃したのはウクライナ右派。そこから本当に戦争になった。

 どこでもそういった過去の経緯に加えて歴史じゃ宗教じゃ資源じゃマーケットじゃと縺れまくって国境線が引かれる。

 中村兄の直線国境の考察を読んで、カナダーアメリカ国境というのはまぁまぁスマートな引き方だと思った、ネィティヴ・アメリカンの都合は誰も考えなかったが。それでいて昨今の二国間協定の結果カナダはボロボロにされっぱなしだと考えれば先述の比較優位差理論も頷ける。反対側のメキシコは同じようなことになってもっと酷い。
 それでは国境線のない我が国の隣国とは・・・。僕は半島・大陸に深入りするのに慎重派故、ハワイあたりでアメリカさんと馴れ合っているくらいが一番良さげかとも思う。もう一つ意外と近いロシアという手もある。実は中国は日本海には面していないのですぞ。

 いくら何でも今更まさかの鎖国はできっこないし・・・(移民も反対なもんで)。
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Categories:国境

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