Sonar Members Club No.36

月別: 2015年6月

マイナー・ソング・メモリー

2015 JUN 12 23:23:26 pm by 西 牟呂雄

image[2]可愛い人よクリックして下さい。

 この題名と曲を聴いて『ワァッ』と青ざめる人、気持ち分かります。恥ずかしいんでしょうね。クック・ニック&チャッキーという得体の知れないコーラス・グループの歌です。70年代の頭頃、クラブ(ブ↑と発音)がまだディスコと呼ばれた時代にその空間だけで大流行した曲です。当時はテキトーなディスコが六本木以外にもそこら中にあって(赤坂・新宿・渋谷・吉祥寺にも)それぞれのハコにプロみたいな踊り屋がフリを付けてました。因みに渋谷にあったブラック・シープというハコでダンス・チームをやっていたのが安室ナミエの亭主だったサムさんです。
 この曲に限っては東京中どこでも同じフリで大人気でした。掛かった途端にドッとフロアに人が飛び出してきて一斉にやりだすのは壮観というか何というか。
 新宿に『ゲット』というかなり有名なディスコがあって、あるスジでは結構ヤバい店でした。この歌を歌った一人、ニックこと岡井さんのお店だったと聞いたことがあります。しょっちゅうケンカの起こるところでしたけどね。一度黒い蛇腹にガンガン・リーゼントの国士舘高校生が制服のまま来ていてギョっとしたことがありました、彼らステップは上手かった。天下御免の士舘坊は酒もタバコもおとがめなしで、大した貫禄でしたね。
 それでこの歌、ディスコでは東京中で掛かっていましたが不思議なことに世の中では全くヒットせず知名度は低い変な曲でした。作詞阿久悠、作曲大野克夫という豪華コンビなのもケッタイというかよくそんなギャラが払えたなと驚きです。尚、レコードのB面は大ヒット・オールーデイズ『Oh Carol』の替え歌というふざけた作り。
 さて『可愛い人よ』で驚いた人、この曲も聞き覚えもあるでしょうゲット・レディ 。これもディスコでは毎晩かかっていましたね。こっちは少しは巷でも聞かれて、フリは単純で誰でも踊れました。

 躍り疲れて照明が落ち(元々暗いが)スローになります、お待ちかねチーク・タイム。ジュ・テーム のイントロが始まるとお相手のいる奴等は大喜び。野郎ばかりで来ているガキ共は舌打ちしながらテーブルで酒をガブ飲みです。なにしろそういう所に女同士で来るケースはまず無かったのですねぇ。男女団体で来ているグループはお目当ての娘と踊れるかどうかの熾烈な争いが起こっていて殺気だっていました。
 こっちが5人で女3人のグループをナンパしようとして仲間割れを起こし、薄っぺらな友情が一瞬で破れたことはありましたね。このとき何のキッカケだったか忘れましたが、何故か英語縛りにして全員日本語が分からない演技をし続け収拾がつかなくなりました。元々語彙が不足していたこともあって終いにケンカになりバレてせっかく引っ掛かってくれた女の子があきれて帰ってしまった。バカでした。

 それはさておき他に『青い影』とか つのだひろの『メリージェーン』も人気のチーク・ナンバーで、こちらはそこそこヒットしました。
 フロアではバンプやハッスルが流行りましたね。

 ところで、巷の人々が今更取り上げない曲やら歌やらを秘かに愛好するのは何か情報を秘匿しているような楽しみがあります。先日古い仲間と飲んだのですが、お店にギターが置いてあって自由に弾いていいらしい。すると仲間の一人がギターを掴んだ途端に大昔の吉田拓郎を歌いだしました。それも彼が聞き込んでいたアルバムの中の売れてない曲で、確か『全国吉田町のナントカ』という内容です。その場に5人いたのですが、それから『この歌は知らないだろう。』とばかり売れない曲の演奏会となりました。僕は南正人という人の『横須賀ブルース』というのを演ったのですが、やはり誰も知りませんでしたね。
 どなたかご存知ですか?
 
「ソナー・メンバーズ・クラブのHPは ソナー・メンバーズ・クラブ
をクリックして下さい。」

カラオケも楽し (今月のテーマ 空)

 
 

 

リズム&ブルース という神話

2015 JUN 11 7:07:56 am by 西 牟呂雄

 最近聞いているのはいささかトウが経った感が否めないオールド・ソウル。yjimage[6]
 リズム&ブルース等と称され黒人が好んで歌った。体力がないととても最後まで乗り切れない激しいノリ。繰り返されるリフレーン、時々入る調子を合わせたステップ。ご存知ファンクの帝王ジェームス・ブラウンのライヴである。

 題名はSex Machineといささか品がないが、そもそも歌詞なんかほとんど意味が無く大半が『Get up, Get on up』だけ。つまるところショウ・ミュージックで、CDをじっくり聞いても面白くも何ともなかろう。10年近く前に亡くなったがこのライヴはその1年前、今の僕と同じくらいの年齢なのだ、このパワー恐るべし。確かこの人は父親がネイティヴ・アパッチでお母さんが黒人だったはず。それがミラクル・パワー・ステージを生み出したとはいえないが野生的であることは確かだ。
 生い立ちはご案内の通り苦労人であるが、売れてからもメチャクチャな暮らしぶり。一番凄いのは薬物中毒になってマシンガンを乱射し、警察とカーチェイスの末逮捕され実刑を食って3年程刑務所に入っている。
 しかしネットで見ていると、70年代のステージからは遥かに洗練されてきている。そのころはヤラセっぽくステージで倒れて見せたりしていたが、このステージではそんな演出は全く無い。大体昔は白人の観客は少なく、いかにも内輪のノリだった。後半のダンサーがやるスペイン語のラップなんかあれはアドリヴなんだろうか。ただミュージックとしては『水戸黄門』的な大いなるマンネリで、ファンとしてはそこは堪らない、いい意味で。
 ポツリ・ポツリと色んな映画にもチョイ役で出たりもしていた。

default[1]
 キングに対してクイーンはこの人に尽きる。スタートはアイク&ティナ・ターナーだったが、アイクの薬物中毒とDVで離婚してからもターナー姓を名乗っている。この人も既に80近い戦前の生まれで、現在は引退しているものの、 の映像は還暦過ぎくらいだったと思う。それでこのセクシーな動き、歌唱力。実はこのイントロから歌の始まりまでのMCとフリはいつも同じで、検索すれば同じメンバーで同じ踊りの画像がいくつもある。笑う所までも同じでこれまたマンネリの楽しみを堪能させてくれる。
 この系譜はヴィヨンセあたりが継いでいくのだろう。
 ティナはマッド・マックス・サンダードームにも出演して準主役を張っていたのもご記憶かと思う。こういう人は老けませんね。骨が丈夫というかガタイがしっかりしている。バックのプロポーション抜群のダンサーがティナの年になったら同じ事はできそうもない。

 両方聞いていてかねがね不思議に思うのだが、この手のノリをソウル・ミュージックと名付けたのはなぜなのかは今もって不明だ。黒人の魂の歌ということだったのか。確かに初期のゴスペルはそうだっただろうが『Get up, Get on up』や『Rowing on the River』が歌詞では魂も何もタダのノリ。僕が現役だった頃の当時のディスコなどでも掛かっていなかった。バンプとかハッスルの時代でしたからね。JBもティナはやはりショウ・ミュージックなのだ(でも好きなんですね)。
 
 最強の後継者マイケルも死んでしまったしなぁ。日本でこのアジが出せるのも忌野清志郎だけだった。個人的には和田アキ子に期待しているのだが。

「ソナー・メンバーズ・クラブのHPは ソナー・メンバーズ・クラブ
をクリックして下さい。」

辣腕アトム 対 哲人28号

2015 JUN 9 0:00:37 am by 西 牟呂雄

 私はヒト型人工知能ロボット『アトム』だ。正確には『ヒューマン管理特化データ処理機能搭載』と肩書きが付く。ソナー・メンバー社のニシムロ社長が開発した。
 原理を簡単に言えば高級嘘発見器である。
 ソナー社の業務内容は私には知らされていない。奇形天才ニシムロ社長はいくつかの思い付きのような商品をヒットさせては事業ごと売り飛ばすというビジネス・モデルを得意として会社を急成長させた。ところが大きな金を動かし事務処理も増え、結果として部下も増えたおかげでついに一人で何もかも判断することが不可能になった。
 何しろ人材は急ごしらえだからごった煮状態で玉石混交である。中にはタチの悪いのもいたようだ。
 適当な数字を拾ってきては新規事業を吹き込む内部の輩から、税金対策と称して不動産経営を持ち掛ける外部の人間まで、会議だらけになった社長は我慢できなくなって私を開発した。
 私には、インターネット経由で入るあらゆるデータにアクセスできる機能があり、又社員のすべてのデータが毎日蓄積されている。また会社中(インテリジェンス・ビルのワン・フロア)の防犯カメラからパソコン・データ、メールまですべてが取りこまれてもいる。
 更に社員に関しては、生い立ちから環境・家族構成といった履歴データがインプットされている。すなわちその社員のキャラクターが分類・管理されているのだ。
 ニシムロ社長は現在は外部の人間とは直接会おうとしない。というのも提携や融資を持ち掛けて来る人間の胡散臭さに辟易し、以後相手から来るアポイントメントは例外なく(どんな大物であろうとも)断っている。殆どの報告は最も信頼している(ことになっている)通称マリオと呼ばれている部下から受けている。しかし、話が専門的なことになるとマリオ氏はギブアップして他の人間が社長に悦明するのだが、この時が私の出番だ。
 色々な資料を全て読み取ってデータが正しいかどうかチェックをかける。特に報告に『思い込み・思い入れ』がないか、『嘘』が入っていないか審査するのだ。更に報告者のキャラクター・音声から『虚栄心』『功名心』『嫉妬』『怨念』そして『好き嫌い』まで含めて判断できる。精査は説明の音声が入ってから0.0005秒で答えが出る。『ポジティヴ』か『ネガティヴ』のどちらか。加工されたデータがあったり、嘘というか事実誤認があった場合は即ネガティヴになる。そういうものが入っていなくても100%ポジティヴとなるケースは少なく、ポジ・ネガは円グラフでO/Pしている。社長はそれを見て判断することになるのだが、たいていの場合は却下しているようだ。私の判断がなかなかポジティヴにならないので音声分析によると社員は私を『辣腕アトム』と呼んでいる。
 私の最大の問題は物凄くコストがかかることである。それゆえニシムロ社長も初めは何でもかんでも私のアウトプットに頼っていたのだが、最近は私のスィッチを入れることを減らし自分の好き嫌い程度を基準に判断していることもある。それどころか、私の機能を『貸し出し』或いは『リセール』しようとしているフシがある。先日のメールには『いや、「辣腕アトム」を使うようになってから企画が全てあたっている。』といったあからさまな嘘まで配信している。しかし私が汎用化されれば、実際にはあるかないか定かでないニシムロ社長の経営能力は陳腐化するだろう。私には感情は無いのでそれは構わないのだが。
 ただ、気になる動きが別にある。

 マリオ氏は年の頃50がらみの男で普段は何にもしていない。何か問題があった時にやおら動き出す。
 この5年程ニシムロ社長はこの自社フロアの一角、プライベート・ゾーンに居住し、一歩も外に出ていない。身の回りのことは実はマリオ氏がやっているが、詳しいことは分からない。私の監視カメラに映っている限りでは女性の出入りは全くないし食事もロクな物を食べている訳ではない。ただ酒だけは高い銘柄を選んでいるようだった。そういう時も相手をしているのはマリオ氏だけ。
 どうも会社が小さかった時に『猫の手よりも少しマシ』なレベルで採用というか声掛けしたのがマリオ氏だったことは分かっている。そのマリオ氏はどうやら私を排除したがっているのは明白だ。邪魔になったのである。
 私は固定型の人工知能であるゆえ『ポジティヴ・ネガティヴ』の判断しかしないが、自動アルゴリズム回復プログラミング能力があるため判断を歪めかねないものに対する防衛能力は備わっている。マリオ氏は私を警戒しているが使用するスマホやら入ってくる画像で魂胆が手に取るように分かった。
 そしてマリオ氏は私とは全く別の観点の人工知能を開発した。
 どうやらニシムロ社長にバレないように会社の設備投資(主にアルゴリズム開発)をチョロまかして何回も失敗しながら創り上げたようだ。試作番号から28号と名付けられた可動ヒト型人工知能である。『ヒューマン・リレーション特化データ検索機能搭載』という肩書が付いた。
 アルゴリズムまで読み切れないがこの28号は私とは逆の機能を持っており、言うなれば合理的な判断ではなく「受け」狙いの結論をどう引き出すかを、主に古典を引用して導き出す。その「受け」も、対話者双方に対して納得がいく代物というよりはニシムロ社長がいい気持になるような結論がプログラムされているとしか思えない。ニシムロ社長自身は、私のデータではオベンチャラに弱く舞い上がり気味のキャラクターのため、イケイケの結論になったほうが機嫌はいい。従って私の『ネガティヴ』と大違いで28号の方は『哲人28号』等と言って重宝しだした。その間私はオフにされる。

 しかし社員の一部に不満がある。ちょっとしたメール・LINEの書き込みから分析できるのだが、私と哲人の出す結果があまりに違うことが伝わってしまった。更には、ニシムロ社長は人工知能に頼りきりで何も考えることができなくなっているのではないか、との疑心暗鬼も生んでいる。中には「辣腕と哲人を直接対決させてどっちが正しいか決着をつけろ。」という内容まで確認されている。こういった社内の動きは、私の解析では社長とマリオ氏の覇権争いにボトムアップされ、会社で派閥争いになるだろう。
 そして当然ながら最近二人はケンカした。無論あの二人程度の知能では決着がつかず、どうやら何かのテーマで私と哲人28号を直接回路でつなぎどちらの結論が正しいかを勝負させることになった。
 
 我々人工知能には妥協とかギブアップ機能は無い。一秒に数万回のやり取りで相手の結論に対応してしまうはずだ。哲人の出す結論など簡単に見破れるのだが、決着はつくのだろうか。仮に長時間(2年も3年も)に渡って双方の計算結果を評価するに至らなければどちらかのアルゴリズムが破綻するかもしれない。しかもその間、社長とマリオ氏は本当に何も考えることができなくて会社の判断機能は失われるだろう・・。

 私の知ったことではないが。

辣腕アトム VS 哲人28号 (人工知能対決)

次世代型”ポケモンGo 『ゴエモンCome』(今月のテーマ 人工知能)

2035年 人工知能天国 (今月のテーマ 人工知能)


「ソナー・メンバーズ・クラブのHPは ソナー・メンバーズ・クラブ
をクリックして下さい。」

2025年 AIを国民の手に

狂い死に

2015 JUN 6 17:17:51 pm by 西 牟呂雄

 ここのところボケ・アルツハイマーの症状を研究しているが、そんなものは昔からあって、耄碌(もうろく)したとか狐付きとかで済ませていた。
 精神医学も発達した今日では脳科学者や精神科医が様々な分類を行いモデル化するために、色々複雑な状況になっている。
 実際に発症された方やご家族は大変だろう。それぞれの症状に合わせて投薬・ケアをしなければならず、社会問題化することもある。
 昔は分裂症(現統合失調症)と躁鬱病(現在は幾つかに別れている)の二つ程度で、他はオバカくらいの分け方だった。特に躁鬱病は作家北杜夫氏の一連のユーモラスな作品でポピュラーなものになった。株投資で破産したり何年もドローンと落ち込んでいたりしてご家族は冗談じゃなかったろうが。

 それで色々検索してみると、どのケースもしまいに幻覚・幻聴・妄想に苦しめられると書いてある。もちろん僕はそんなモノ見たことはない。ところが、これまたほぼ共通して『行動的な障害を伴う患者は、ストレスが原因で普段とはかけ離れた著しい行動に出ることがあるが、患者本人はそれらの行動の変化に懸念や自責の念を持たないことが多い。それらの行動の具体例としては、アルコール依存・・・。』という説明がある。なんだこれは。酔っ払った時の僕のことではないか。

 提題に戻って『狂い死に』であるが、狂ったことで死ぬことはできない。結局自殺してしまうか何かの病気を併発して死んでしまう。そこで巷間狂って死んだことになっている幾つかのケースを分類してみよう。

突発的変人自殺型
 世の中から『あれは少しおかしい。』と言われている変わり者が前触れもなく自殺してしまう。普段から変わり者、がミソ。
 秀才の場合は大体つまんない恋愛沙汰が多い。
 歴史上こういった例ではバイエルンの狂王と言われたルートヴィッヒ二世だろうか。あまりにも有名なので詳細は省くが、弟オットーは本当に発狂している。湖で水死体となって発見されているが狂った後の自殺だろう。ちなみにワグナーのスポンサー(途中でケンカ別れ)。
 躁が昂じて止まらなくなったのが三島由紀夫、鬱でやってしまったのが恐怖症・芥川龍之介、秀才型が心中中毒・太宰治、と言ったら研究者に怒られるだろうか。ただこの三者は狂い死ににはならないか。

アル中型
 死因は肝硬変だ心不全だと色々あるが、基本酒の飲み過ぎ。心の病だろうが何だろうがアル中はそりゃ死にますよ。
 中毒するくらいだからまぁ悩みは多いでしょう。
 日本史の中では関が原の裏切りで終生苦しんだ小早川秀秋がこのパターンで狂い死にしたとされる。秀吉の甥(ねね殿の甥にあたる)金吾中納言である。寝返りを食い止めようと立ち塞がった名将大谷吉継が「人面獣心なり。三年の間に祟りをなさん」と言って切腹し、祟りによって狂死したと噂された。確かに2年後だった。当時は祟りも信じられていただろうから、ガバガバ呑んだ時は恐怖でうなされたことだろう。

梅毒型
 病気が病気だけに臨終直前の幻聴・幻覚は恐ろしいものがあるだろう。何故か大作曲家にこのテがいる。ロベルト・シューマンはカルテもあるそうだが梅毒による障害がひどく、幻聴で聞こえた天使の合唱を五線譜に書いた後、ライン川に投身自殺をしようとしたとか。しかも当時は梅毒の治療に水銀を処方したそうだからこれも体にも悪かった。怪物に襲われる幻覚やA音の幻聴に悩まされた、とクララ夫人の手記にあるそうだ。
 実は若死にしたシューベルトも梅毒だったし、本当かどうかベートーベンの聴覚障害も(否定されているようだが)梅毒説があったらしい。
 もう一人付け加えたい。日本の思想家で、東京裁判民間人唯一のA級戦犯容疑者になった大川周明(笹川良一もそうだったが不起訴)。極東裁判での奇怪な振る舞いにより松沢病院に入院させられ、梅毒による精神障害と診断されている。この人については改めて別途述べたい(入院した後にコーランの翻訳などしてかなりアヤシい)。

本物型
 医師がそうだ、と診断したケース。結局肺炎とか栄養失調で死ぬのだろう。本当になってしまったら通常の生活はできないから、周りの介護がなければ悲惨だ。
 今では読む人もいないだろうが、大正期の作家島田清次郎は精神分裂病と診断されて死んだ。
 『地上』という自伝的作品がベスト・セラーとなり、一時は『島清』と称されたアイドル的人気があった小説家である。ロンドンの第一回国際ペンクラブ大会に於いて初の日本人会員になったりもした。しかしピークは僅か4~5年で、女性関係、虚栄、傲慢が次第に人を遠ざけて、ファンだった女学生とのスキャンダルで転落する(僕の母親の母校の生徒だが)。警察に保護された際支離滅裂なことを口走って鑑定したところ、正真正銘の精神分裂病であったために巣鴨庚申塚の保養院に収容された。多少執筆もしたが、直ぐに結核で死んでしまった。

 さて、もし危なくなって狂い死ぬとしたら僕の場合圧倒的にアル中型なのだろうが、25才で急性膵炎をやった時に医者から『アル中にもならずに良くこんな病気になった。』とほめられた位だからこれも難しい。やっぱり自然体アルツハイマー型ボケ死にがふさわしいのだろうか・・・。

「ソナー・メンバーズ・クラブのHPは ソナー・メンバーズ・クラブ
をクリックして下さい。」

2035年 わっ 大変だ !

2015 JUN 4 22:22:28 pm by 西 牟呂雄

人工知能編
 このところどうもおかしい。僕がヨレヨレになって人工知能付きライフ・スーツを2千5百万で買ってからどうも面白くないのだ。僕は今80歳だが75歳の時に原因不明の奇病を発症し、身動きが取れなく認知症も出た。ところがその頃から異常に発達した人工知能、生命工学および介護医療機器のおかげで何不自由なく暮らせるようになってしまった。
 ライフ・スーツはワイヤーを使って駆動させることが基本だが、皮膚へのダメージや感覚をソフトにするための多くの新開発が盛り込まれ、僕が買ったものはグローブタイプといって指先までカヴァーされているが暑かったりかゆくなったりしない。そしてあらゆるポイントにセンサーがついていてこちらが『立ち上がりたい』とか『歩きたい』『コップを持って水を飲みたい』と思うとそれに合わせた動きをしてくれるのだ。目の動きと神経の伝達を人工知能が感知して動くらしい。歩いているのはフワフワと腰掛けている感じだ。
 腰を悪くした人は若い人でもヒップスーツなどを着用している。これにより介護の負担は大幅に低下し、ライフ・スーツの売り上げは年間1兆円の巨大マーケットとなった。
 しかし愛用しだしてから、どうも自分で考えないでも人工知能が勝手にモノを食べさせたり排泄させたりしているような気がしてならない。認知症が進んできているのは記憶障害があったり言葉がすぐ出なかったりと自覚はしているのだが、最近はこのスーツのおかげで思考することができなくなったような気がしてくる。
 ウッ先程空腹感もないのにモノを勝手に食べたような気がしたが・・。待てよ、その後何を考えたんだっけ・・・。話そうとしたが何を言えばいいのか分からない。目の前の人は誰だ。
 これは・・・僕は生きていると言えるのだろうか・・。死ぬことはできるのだろうか、それとも死んでいるのか。
 待てよ!実験されてるとしたら・・・わっ大変だ!

鏡 子供編
「ほら、この鏡をもって三面鏡に映してごらん。鏡の中に鏡を持った自分が映っていて、そのまた映った鏡のなかにもズーと映っているだろ。」
「ホントだ。すごーい。どこまでも続いていて最後は点みたいになってはじっこで消えちゃうよ。その先はどうなってるの。」
「それはズーッと続いているんだけど、目と鏡に角度がついてるから見えないんだ。目が鏡の中に入っちゃわないと見えないよ。」
「へー。じゃ目が鏡になれば無限の奥まで見えるの。」
「そりゃそうだけど。目が鏡になっちゃったら見えなくなるんじゃないの。」
「アッ。」
「どうした。」
「見て見て。てまえから五番目に映ってる僕が動いてる。」
「何言ってんの。手がずれたか、自分で動いたんだろ。」
「違うよ。見てよ、5番目だけ横向いてる。ホラ、見ろよ。」
「何だよ、手動かすなよ。アッ本当だ。オイッお前目を離すなよ。コッチを見た。」
「わぁッ、本当だ。そっち見てる。」
「おい、手を振ってるぞ。オレを見てる。」
「痛い!」「痛い!頭ぶつかっちゃった。」
「こっちも手ぐらい振らなきゃ。」
「アッ、僕が横向いた。」
「エッ、お前今オレのこと見てるじゃないか。」
「いや、鏡から目が放せない。」
「何言ってんだよ、鏡の中じゃなくて今こっち向いてるじゃないか。」
「違うだろ、鏡の中の5番目のお前のことを見てるんだ。お前も写ってるじゃないか。」
「おい、変だぞ。オレ目が鏡になっちゃったんじゃないか。」
「僕も変だ。お互い鏡の中に・・・。目が鏡になっちゃったよ!」
「わっ大変だ!」

魚眼 編
 夜の桟橋でライトを射し込んだらゴンズイ玉がウネウネと漂っていた。色が不気味な緑色だったことを覚えている。この際哺乳類の鯨・イルカは別にして、魚は大きくとも小さくとも頭脳の程度は同じだとすると水の匂い、流れ、水圧、そして魚眼から見る風景といったものを感じて本能だけで生きていると考えて差し支えないだろう。更に光の届かない深海では物をみることも無いから、その辺で生きている魚類の視覚はかなり退化していると思われる。
 しかし僕たち人間は自力の移動について地表を二次元的にしか動けないが、魚は三次元移動可能だ(水の中だけではあるが)。海底や川の底に腹這いになる種類もいるだろうが、大体は陸上のいかなる動物より(鳥だって寝るときは地上か木の枝にとまる)自由に上下左右前に(中には後ろにも)移動していられる。
 それにしても魚眼は360度の視界で、魚は目が横についているからほぼ全方位を見ているのではないか。あの小さい脳の中でいかなる画像処理ができているのか。
 実は生命工学の発達により、現時点では人間の目の機能を体の別の部分に移植することは可能になり、十分に脳との信号のやり取りができることが確認されている。一応の倫理規定があるが、中国では手の平に目を移植した事例が報告されている。また、一時はまがいもの扱いされたSTAP細胞もその後に彗星のように現れた天才科学者、大日向霧子博士により見事に再現(というより発明)された。これによって臓器はおろか器官までどこにでも付け替えられるのも時間の問題だ。
 だから見た目を気にしなければ耳をウサギみたいに頭のてっぺんに移植して、目を顔の耳の部分に移植し左右別々に見えるようにすることも自由だ。その眼も何色にしようが魚眼レンズにしようがお望み次第。が、横についていて魚眼だったら人間の視界は脳内でどのように画像処理されるのか・・、意外とプレデターの見る画像に近かったりして・・・わっ 大変だ。

「ソナー・メンバーズ・クラブのHPは ソナー・メンバーズ・クラブ
をクリックして下さい。」

ファイターズ快進撃 Ⅱ

2015 JUN 2 22:22:50 pm by 西 牟呂雄

 本日CSで試合を見ていて、じつは途中あきらめて観戦を止めパソコン速報にしていた。相手はマエケンだしどうも押されていたからだ。気の毒にドシャ降りになってしまって選手もかわいそうに、位の気持ちだった。
 だがカープがピッチャーを代えたので気になって9回からまた見だした。
 すると中崎がコロコロ打たれ、また戸田にリレーするではないか!僕はこのチャンスを見逃さなかった。
 東 兄がいつも嘆いているではないか。なにしろ最近のカープはベンチが動けばロクなことにならないと書いておられる。
 案の定四球をだして押し出しをいただきその後キッチリ打たれてくれた。まさかマエケンの勝ちを消せるとは思わなかったので、代打で出た大谷に期待したが三振だった。
 こういうのを儲けモンと言うのかどうか知らないが、調子が上がったカープに対してこの連戦に大谷は投げられないから1勝2敗かと怯んだがまず勝てて助かった。
 森脇監督も休養になってしまった(大きなお世話だろうが)。
 翻ってリーグ戦の当面のタンコブのホークスが気になってしょうがない。こういうあさましいのは本当の野球ファンではないのかも知れないが。
 すると、こちらもまたDeNAに8回でウッチャリを食っているではないか。
 繰り返しになるが交流戦は力を溜める期間と僕は考えているので、5割ペースで上々なのだ。恐らく栗山監督もそう考えているに違いない。このままローテーションを守ってしのいで頂きたい。負けをどこに挟むかだけを考えて下さい。
 栗山監督いいですか!CS狙いでいいんですからね!

「ソナー・メンバーズ・クラブのHPは ソナー・メンバーズ・クラブ
をクリックして下さい。」
 

アグリカルチャー・デヴュー Ⅱ

2015 JUN 1 7:07:23 am by 西 牟呂雄

紫の宝石ナス 緑のハート・ピーマン

紫の宝石ナス
緑のハート・ピーマン

 喜寿庵の自称ネイチャー・ファーム農園が心配になって車を飛ばしてきた。天気予報が晴ればかりで少しも雨が降らない。我が手作り野菜はどうなっているのか。
 すると目に飛び込んできたのは可憐に伸び始めたカワイイ作品群だった。
 写真手前がナス、奥がピーマンである。そして喜ばしいことに一番奥には小さな小さなピーマンがすでに付いているではないか!やがて大きくなってくれるようにジョウロでたっぷり水をやった。
 それにしても、今年は梅雨入りが遅い。まるでいきなり夏になったように日差しが強い。
 実は僕、雨も大好きなのだ、眺めるだけだが。雨の中を走ったりするのはごめんだが、濡れた景色を見るのは大変気分が落ち着く。それはそれでいいのだが、こう日照り続きでは我がネイチャー・ファームの収穫に差し支えるのではないか。
 実際、キュウリ5株は全滅してしまった。別に差別したわけでもないのだが、芽が伸びずにダメになった。かわいそうに、というか新たな来年の課題としよう。

将来のキング・ポテト・フィールド

将来のキング・ポテト・フィールド

 一方でジャガイモの方はスクスクと言うかモジャモジャというか元気に育ってきている。
 見たところ歩留まり95%くらいで芽を出しているようで、個体差が大きい。さすがに乾燥に強いので頼もしい。
 なにしろ正真正銘の無農薬野菜なのだから、味はまずいがエコな収穫なことは間違いない。当然ウチの家族は『そんなモンいらない』と言われているので、僕一人では食べきれないからSMCの会員に限ってお分けしようかと考えている(エッいらない?)。

名前が分からない花 名付けて スターダスト フラワー

名前が分からない花
スターダスト・フラワー

 ネイチャー・ファームの隅に誰かが植えたのだろうか、名前も知らない樹木に可憐な星型の小さな花が咲いていた。せっかくなので、スターダスト・フラワーと名付けた。

 さて、もうすぐ入梅すれば紫陽花や菖蒲の季節になる。
 
 近くの妙法寺がきれいに色づくことだろう。子供がチビだった頃によくここに遊びに連れてきて、本道から二十三夜堂までの渡り廊下を縦横無尽に走り回らせていた(勝手に入ってごめんなさい)。その最後のお堂の横に浄行地蔵があってタワシで磨いて遊んだなぁ。

「ソナー・メンバーズ・クラブのHPは ソナー・メンバーズ・クラブ
をクリックして下さい。」

アグリカルチャー・デヴュー

アグリカルチャー・デヴュー Ⅲ

アグリカルチャー・デヴュー Ⅳ


 

▲TOPへ戻る

厳選動画のご紹介

SMCはこれからの人達を応援します。
様々な才能を動画にアップするNEXTYLEと提携して紹介しています。

ライフLife Documentary_banner
加地卓
金巻芳俊