三十一文字の思い~中村雅俊と“震災の短歌”~
2013 JUL 7 14:14:26 pm by 東 賢太郎

じっとTVに見入っておりました。投稿者最年長の岩手県山田町の中村ときさんの歌。
「九十一の われ三度目の 大津波 ながらへて見し この世の無惨」
紹介されたどの歌もどこか澄みわたった静けさを湛えており、詠まれたおばあちゃんたちの胸の思いがかえって強く伝わります。歌を解する粋人でもないのに引きこまれるのは、詠まれているのが花鳥風月でも恋の想いでもなく、あの事だったから。
何年か前、沖縄はひめゆり平和祈念資料館でのこと。展示資料品を前に力のかぎり語りかけるおばあちゃんたち。「ここでこんなことがあったのよ。この事をみんな忘れないでね。」と見入る子供たちに訴えかけるかすれた声。忘れません。
生き抜いてこられた方々のこころははかり知ることができません。東北のあの事がほんの2年前ときいて、ふと、こころの風化は早いかもしれないと思いました。忘れなければ生きる力が出ない、でも忘れてはならない。じっと耳を澄まし、声を聴いて感じて、生きる喜びを一緒に味わうようなこと、なにかそのようなことができないか日本中が考えること。大事ではないでしょうか。

花崎 洋 / 花崎 朋子
7/7/2013 | 4:19 PM Permalink
東さんがおっしゃる通り、同じ日本人として、風化させてはならないと思います。長生きした分、楽しいことだけでなく、辛いことも多いだろうに、逞しく長生きしている、お年寄りの方々、つくづく偉大だと思ってしまいます。花崎洋