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カープ森下に見たエースのたたずまい

2026 AUG 15 0:00:27 am by 東 賢太郎

なすすべなしの12対0で6連敗。悲しくなるほど凄惨な負けだった。昨日ヤクルトの第3戦が台風で流れてよかった。しかし、ホームに帰って迎え撃つは巨人を3タテした阪神である。 20対0で負けたらカープはどうなるんだろう。こういうときにマウンドで仁王のように立ちはだかるのがエースというものである。

エースはチームの数だけいるが、背番号1や開幕戦の先発になればいいというわけではない。首位を快走する阪神は村上、高橋、才木と勝てる先発が3人いるが、はてどれがエースかなというと僕的には難しい。なぜならエースには、数字の裏付けだけではない、チームを鼓舞する「たたずまい」が必要なのだ。

たたずまい(佇んでいる様子)という言葉のニュアンスは英語にも中国語にもない。何かする前にどう在るかを静かに伝える気配や空気感、とでもいうもので美意識にもなるし威圧感にもなる。たとえば「木鶏」は中国の故事に由来する言葉で、木彫りの鶏のように全く動じることのない最強の状態にある闘鶏をさす。横綱双葉山が70連勝を逃したとき「われ未だ木鶏たりえず」と言ったが、横綱は木鶏のたたずまいあるべしという含意であろう。

今日、最強の阪神タイガースを8回1失点で抑え込み勝利した森下投手を見て、そのたたずまいにおいて、広島カープのエースだと僕は感じたのである。

奇しくも6年前の今日、森下は京セラドームで阪神を2安打完封した。

その時に書いたブログがこれだ。  カープ森下、惜しかった準完全試合

1ヶ月ほど二軍落ちに甘んじた今年を彼は勝利インタビューで「思い出したくない」と語った。当然だ。森下君の辞書に「二軍」の文字は無いだろう。今日のピッチング、力感なく淡々と投げたように見えたが、森下・サトテル・大山のセリーグ最強クリーンアップを2安打に封じ込んだ。 三振はカーブが効いたが、ストレートに伸びがないと三振は取れない。

今時150キロは当たり前で、エイヤと160キロ出すピッチャーが讃えられる傾向があるが森下は平均146だ。そんなことには目もくれていない。腕づくで球速で押し込むのは有力な戦法だが慣れれば打たれるし、エネルギーを使う。 140の腕の振りで120を投げればマイナス20の分、打者は前のめりになって強いスイングができず、しかもエネルギーの消費は少なくて済む。森下の速球は伸びがある分、落差は20以上、しかも伸びはランダムだから落差も変動してバットの芯を外す。その変数を駆使して打者のバランスを崩す。エイヤと160キロより知的であり、馬鹿力でなくインテリジェンスで打者の優位に立つ。今日も彼は当然完封しようと思っていたはずだ。理由はない。そういうたたずまいがあったのである。

投手が分業制になった昨今、 6回を3点に押さえればクオリティスタートだか何だか知らないが、僕はそんなものに何の関心もない。あっさりそう言ってはセットアッパーやクローザーという地位と名誉が確立している今は失礼に当たるが、関心ないものはない。つまり僕の美学は、ピッチャーは完投して当たり前、できれば完封を狙うである。だから8回の1アウト二三塁でサードゴロを取って一塁に投げた佐々木君、 6対0のスコアで安全策をとるのはわかるし青学ではそう教えるかもしれないけど、あれはホーム全然間に合ってただろ、ホームで殺してやれよ森下さんのために。解説の野村謙二郎氏はあれでいいと言っていたが、チームはそうでも防御率にも関わる。1点入ったからあっさり9回は交代したけどまだ113球だったからね、0点のままだったら9回も行ったと思う。野手の君たちにはわからんと思うけど、ピッチャーってのはそういう生き物だ。

あと2回の先取点ね。無死一二塁で佐々木・左飛、石原・三振だよ。ここで打席に入った森下は、高めのボール球を引っ張ってレフト前。芯くったいい当たり。あれでがぜんカープの打者の空気が変わった。ファビアンは激走して3塁打にしたし、モンテロは初球を鬼の形相でレフト前に火の出るようなヒットを放った。ヤクルト戦の12対0の屈辱的な負け。ドミニカ人の2人は、おかしなムードになっているベンチにいてどう思ってたのか。男としてやられっぱなしはありえねえと思っていたはずだよ、 2人とも強烈な一撃を放ってチームに火をつけてくれたと思うよ。その2人がベンチで森下のナイスピッチをたたえてる笑顔、本当に頼もしい。ピッチャーとしてあれほど嬉しいことはない。

結果論ではあるが、石原より森下の方が打者として芯でとらえる能力は全然上だ。石原君もっとトスバッティングを地道にやった方がいいね。もう1つは6回だ。一死三塁で打席に森下。たたずまいからして打つと思った。完璧なセンター返しがピッチャー門別を直撃。本来センターに抜けるべく狙って打った感じだった。マエケンもそうだったが森下は2刀流で通用する。打者に専念したら3割近く打つんじゃないか。ちなみに大分商業時代は、ソフトバンクに入った同期の川瀬晃とピッチャー、ショートでライバルだったから打撃力あるのは当然だ。僕は川瀬の守備の反射神経はプロでも一流と思っていてショートでもそれと競ったのだ。スポーツは何をやらしてもうまいのだろう。

たたずまいが全てを変える。それができるのがエースである。カープはこの一勝で何が変わるわけでもない大変な渦中にあるが、グラウンドにおいては、マウンドにこういう男が立ちはだかれば空気は変わる。全員が本気を出せば難敵・才木をKOし、首位を独走する阪神タイガースにこんな勝ち方ができる。ファンが望むのはこれに尽きる。

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僕が広島カープファンになった意外な真相

2026 AUG 9 3:03:47 am by 東 賢太郎

8月6日の朝8時、東京タワー近くのカフェで初対面の皆様とミーティングが始まりました。これが建ったのは昭和33年、高さ333メートルは当時の日本一。その年に生まれた妹が物心ついたころに父に連れてられて展望台にいちど昇ったきりで、今回このあたりに来たのもそれ以来という塩梅なのだから東京が広いのか行動範囲が狭いのか。スカイツリーだって近寄ってもおりませんから、高いところが苦手で下から見上げるのもちょっと弱いというのがあるかもしれません。今回はタワーに用事があって来たのですが、たまたまとはいえ8月6日という日付も気になっており、広島に原爆投下された8時15分に心の中で黙祷をいたしました。

原爆をいつどこでどのように知ったかは覚えてません。調べてみると、社会科で習うのは小学校6年のようです。そうではない。なぜなら、小学校2年から広島カープファンになっていたからで、それから4年も経って原爆投下を知ったとするとその脈絡で覚えているはずですから100%それはない。つまり原爆を知ったのはカープファンになるのと同時の8歳か、それ以前であります。自分の中では、「王貞治と大羽進の甲子園予選東京大会決勝戦での対決」で1-0で敗れた大羽を応援しているうちに判官びいきでカープが好きになったというストーリーになっており、ブログにそう書いてもいますが、本当にそうだろうかとふと思い、先ほど調べてみたのです。少々ショックでした。おふたりの対決のとき僕は4歳であり、どう考えても誤りということが発覚したのです。

おそらく、大羽投手が「王キラー」として名を成した10歳のころにふたりの高校時代の因縁が世間で話題になり、僕の中でそのストーリーが後付けでくっつき、今に至るカープ愛が完成したものと思われます。ところがです。そうだとすると、きっかけなしに、自発的に、8歳の東京の子が万年5位、6位だった地縁も何もない広島カープの熱烈なファンになったことになります。広島県がどこにあるかも知らない子がカープファンになった納得できる理由が消えてしまうのです。当時は巨人戦しかテレビ放映がありません。ときおりしか見ない相手チームは情報も少なく東京の子はみな巨人ファンの時代ですから、何か強い理由がないと起こりえないことでしょう。ではそれは何か?ここで「原爆を知ったのはカープファンになるのと同時の8歳か、それ以前であります」という条件が活きてくる。つまり、原爆投下を知ってから(あるいはほぼ同時に)カープファンになったのであれば納得できるのです。すなわち、球団の好き嫌いとは関係なく、誰かがまず広島への原爆投下の悲劇を8歳ごろの僕に教えこみ、感化を受けて湧き起こった同情と義憤から僕はカープという球団を強く意識するようになったのです。

では教えたその人物は誰だったのでしょう?

母は野球、政治に興味はなく、精神的ショックを与えかねない話を他人の子供にするような親戚もおりません。それは父以外にあり得ません。おそらくはテレビでいっしょに巨人・広島戦でも見ながら、少し日本語が理解できるようになった息子に、広島というところはねと原子爆弾の話をしてみたのでしょう。16歳で開戦となり、学徒動員され陸軍の高射砲部隊で片耳の聴力を失い、家は空襲で焼失して大学も断念せざるを得なかった父は戦争と、原爆投下を行ったアメリカ合衆国をという国を心底憎んでおりました。しかし同時に、入隊して体験した理由もない体罰から日本軍への憎悪を語っており、矛盾のようですがGHQにはそれほど批判的ではなかったのです。三井銀行に入行し、三井物産の幹部で資産家だった祖父が末娘の婿に選んだことで体制批判ご無用の立場になったのですが、母方の親族が東京裁判で無罪になったこともGHQと新政府に親和的だった背景かもしれません。そんな父が、母の庇護下でのんびり、のほほんと育っていた息子を見て、戦争について教育しておかなくてはと考えた可能性は大いにあります。そのコンテクストでプロ野球を見れば、帝国主義、軍国主義の犠牲となった広島という都市に強い同情が芽生え、樽募金で資金をまかなって誕生したカープを応援しようと8歳の少年がなっても不思議でなかったと思えるのです。父はあまり野球を知らず月並みな巨人ファンでもあり、その後の言動からしてカープ応援に誘導した形跡はありません。あくまで僕の心の中でおきた化学反応だったのです。

もし父の語ったアンチ原子爆弾、アンチ・アメリカ合衆国がそれほど影響があったなら、ことは野球に限らず、僕の中に何か別の痕跡もないだろうか?あるのです。アメリカ文化への徹底した蔑視です。武力で負けても文化では勝っているという精神的レジスタンスです。それが僕のクラシック音楽の受容に影を落としました。日本の西洋音楽評論界では親・独伊、反・英米の立ち位置がありえました。軍事同盟と文化は本来無縁なのですが、ルーズベルトのオレンジ計画など吹っ飛んで痛快である。僕はそれに染まり、後々に留学先で2年間定期会員にしてもらいオーマンディーやムーティの指揮で何度も深い感動にいざなってもらった名門フィラデルフィア管弦楽団を芸術性においては完全に見下しておりました。父のスタンスの影響から、アメリカの音楽文化について都鄙感覚からくる頑強にネガティブな心理バリアができてしまっていて、刹那は感動しても敬意には至らなかったのです。レナード・バーンスタインという天才を知って中和はされ、彼の方法論の薫陶でこうしてブログを書いているわけですからアメリカの美質は認めてはいます。しかし、その音楽文化が欧州に匹敵するなどとは申し訳ないが今もって微塵も思わず、言葉は汚いが蔑視は消えていないのです。抗いがたいcomplexityであり、ニューヨークに教師として滞在したドヴォルザークが、土地や文化や人々を愛したにもかかわらず米国音楽に抱いていたとされる気持ちに似たものかもしれません。

後述するように父自身はアンチ・アメリカ合衆国のバリアを乗り越えましたが、好きになったわけではなく、敵の強さを素直に認めて良いものは良いとして学んでしまおうというプラグマティックなものでした。敵は無傷で捕獲したゼロ戦を分解して空中戦で負けない手法を編み出しましたが、父もそういうエンジニア的性向のある人で、神風と大和魂だのみの日本軍より実用主義的な米軍を評価したのです。対して、敵を鬼畜と罵るだけで研究せず、無線は傍受され放題で大勢の若者を無為に犠牲にした日本の軍神たちをシンプルに馬鹿だと考えていたと思われます。その証拠に、性向が丸々遺伝した息子がそう確信しているわけです。戦争というものは女性や子供も苦しむのですが、なんといっても亡くなった310万人の8割近くは男だったという厳然たる事実は重い。東家の墓にもガタルカナルで戦死と刻まれた親類が眠っているし、男だ女だという話は忌避される平和な世の中になってはおりますが、数字が示す通り男にとって戦争とは逃げ隠れできないものだったのです。犠牲者である父が息子にした広島原爆投下の話は、当たり前のこととしてそうした “強度” を伴っていたはずであり、だからカープが好きになりましたなどという安易で拙速なものではなかったのだろうと思います。

小学校2年生が理解できたことは、自分もそのめちゃくちゃにされた日本人である、父がかわいそうだ、であればこれから自分が鉄腕アトムみたいにやり返せばいいではないかの程度だったでしょう。そして、それが今も僕の性格の根幹にある「判官びいき」のルーツになった理解は容易です。今もって、何らの理由もなく、「でかくて強いもの」はいつも僕の中では好悪の悪であり敵なのです。でかくて強い。アメリカそのものじゃないですか。そして野球少年になりつつあった当時、あこがれとともに毎日毎日テレビにかじりついて見ていたプロ野球の世界では、9連覇した常勝巨人軍こそが悪の権化みたいなものであり、僕が応援すべき弱者はといえば、故なき原爆被害に遭ったにもかかわらず、それをはね返して強くなりたいという不断の願望をもち、他チームをしのぐ激烈な努力を重ねていた広島の球団だった。ここで王と大羽のストーリーが、これまた判官びいきのフォーマットに綺麗に収まる話として縫合され、王の5打席連続、6試合連続などの本塁打記録を3度も阻止し、通算48勝中19勝が巨人戦という感動的で正義の味方としか表現の言葉もない大羽進投手の快投を聞き知って、カープファンという魂が形成されていった。これが時系列から見ても文脈としても、僕が広島カープファンになった矛盾のない結論、すなわち、真相であります。

王貞治vs大羽進

自我の成り立ちはかように複雑なものです。皆さんどなたも、ご自身なりの物事に対する善悪の感情をお持ちと思います。戦中派を親に持つ世代のそれは大なり小なり終戦と無縁ではないでしょう。自分たちは絶対に戦争はしない。この教訓は合致していましょうが、ではどのような国になれば我々日本人が戦争ぬきで幸せに生存していけるのか。喧嘩はこちらがふっかけなくても逆はあるわけです。それへの対処も放棄してどこかの国の核の傘の下で生きながらえる。これをまじめに信じられる人はよほどの性善説か、何も考えてないか、どこかの国の奴隷でも戦争で死ぬよりましだと考えるか、仮にそうなっても自分の一族は上級奴隷として良いポジションで生きられると積極的に思っている方々です。ちなみに世襲政治家は代々が上級国民であり、奴隷になってもその支配を一任される上級奴隷のはずと考えており、傘を持つ可能性のある米国・中国どちらであれ媚を売る可能性がとても高いわけです。米国・中国もその連中をスパイにしておく絶大なメリットがあり、カネ、女、秘密医療、秘密口座などを総動員して手なずけ、逆らえばそれをネタに脅します。ODAの3割が秘密口座にキックバックされるなど、実弾は日本の税金だから出す方も腹は痛みません。ストレートに書くなら、その連中は表の顔は議員や官僚ですが、実態は堂々たる売国奴であるということを言っております。国策絡みの収賄はシーメンス事件が著名で、日本海軍はロンドンの銀行に英国人名義で秘密口座を持っていました。大東亜戦争が太平洋戦争になる過程でもそうした動きがあったことは多くの方面で指摘されております。その行動を国民がじっくり観察し注視していれば、そういう者どもの本性はおのずとあぶり出されてきますし、日本を愛する国民が高市官邸に大きな期待をよせる一端はそこにもあろうと思料いたします。

我がカープ愛の由来はそのように意外なものでした。判官びいきはそれが弱くて負け続けても愛するし、必死に戦った結果が最下位でもいいのです。だからこそ、今回のゾンビタバコ事件は逆鱗に触れた、なぜなら弱くても愛するのはその者が勝ちたくて死ぬほど努力しているからです。 10連敗したっていいよ、そこから何かを学んでいずれ強くなるさ。そう思えるから応援する。現に弱小のカープが昭和50年に初優勝したときの喜びは、奇しくも大学合格の年でもあったゆえ人生最大の歓喜の年だったといって過言ではありません。判官びいきは、応援する対象自身の強い願望、努力と裏腹の推し活なのです。だから怒りは半端でない。違法かどうかなど僕のコンテクストにおいては些末なことで、コンプラで騒いでる世間とはぜんぜん別次元の怒りなのです。願望、努力とは程遠い薄汚れたおぞましい自堕落はアスリートであるなしにかかわらず人間として終わってる。日夜必死に練習して当たり前の二軍の分際で、田村というガキがネエちゃんとイチャついてる。適当に楽しくやって何年か経てば上がいなくなって一軍に上がれるだろうと甘く見ているとしか思えない。ネエちゃんと遊んでいかんという気はない、それがストレス解消で努力のうちなら大人の判断だが、それで世間に通るのは一軍で3割打ってから。こいつのしてることは、ただのその辺のサラリーマンと同じです。僕はこういう勘違い野郎が問答無用で大嫌いで、顔を見るのも不愉快。こいつが出るなら試合は見ない。

王貞治は荒川コーチの自宅で日本刀を毎日振って集中力を研ぎ澄ました。高校からの宿敵である大羽進は王を三振に打ち取ることに命を懸け技を研ぎ澄ました。なんのため?勝ちたいからです。その一挙手一投足にファンは酔い、少年だった僕は男と男の真剣勝負の潔さと残酷さを学んだ。今どき巨人の星かと思われる方も多いでしょうが、その今どきの世界のトッププレーヤー、イチローやダルビッシュや大谷だって厳しく自分を律して磨き上げて頂点へ登りつめた点で王や大羽と同じです。だから僕は昨今の日本のなあなあでお遊びでしかないオールスターは見ません。こんなくだらないものなら、とんねるずの「リアル野球BAN」のほうがよっぽど面白い。ゾンビ吸ったりネエちゃんとキスしてるところを間抜けにも撮影されてるカープのこいつらは球界全体のユルさが生んだかもしれず、サッカーの方がずっと真剣勝負であるとだんだん思えてきました。青少年に何を教えてくれるんだろうという視点はプロのアスリートには必須です、僕もそれを見て育てていただきました。カープのキミたち、自分は大谷さんとはレベルが違うんでと思ってるなら、そもそもプロ野球選手じゃないんで歌舞伎町のホストにでもなれ。

父がどこでどうしてアメリカを許したのかは聞けませんでしたが、GHQが決して鬼畜米英ではなく、入隊するなりスリッパでビンタを食らわせた畜生のごとき陸軍の上等兵どもに比べればずっと人間としてマシであり、頭から押し付けられた自由主義、民主主義ではあったが、天皇総帝論のもとでの八紘一宇よりまともな治世ではないかとどこかで確信に至ったものと思われます。一転して英語を学ぶようになり、息子には米国留学を奨励し、銀行定年後もインドネシア国立銀行、トーマス・クックの顧問に就任しておりました。 「97歳でも勉強されてたんですよ」と入居していた施設の皆さんからうかがい、まさかとは思いましたが、遺品に漱石の坊っちゃんの英語訳があったのはいささか驚きました。父が所有していたLPレコード、ビリー・ヴォーン楽団の「浪路はるかに」をきくと、あのなつかしい居間の午後の陽だまりが目の前にぱあっと広がります。

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広島カープ、社会なめちゃいけねえよ

2026 AUG 1 0:00:02 am by 東 賢太郎

広島カープを64年応援してきた東京のいちファンとして、 7月13日に出てきた雑誌のおぞましい写真、昨日報道された家宅捜索は寝耳に水だ。許し難い。球団のコンプラ対応がどうのとかそんなこと以前に、 二軍選手ごときがチャラチャラこんなくだらん奴らと夜遊びしてるって何なんだよ。そんなの野放しにしてる球団がプロ名乗ってお客から金取ってんのかよ。社会なめちゃいけねえよ。 一般企業でもね、一人前でもねえ奴がこんなことしてたら一発でクズの評価だよ。しかもそれが法に触れてました?シャレにも何にもなんねえんだよ。

新井さん、家族野球も結構だけどね、あんたが親父なんだろ?なら自分の息子がこんなことやってたら即刻呼びつけてどやしあげろよ。何が家族なんだよ、叱ってやるのが仕事だろ。息子が万引きしてました、気がつきませんでした、大変遺憾に思います、それとおんなじじゃねえか、それで終わりかよあんたの家族は。一発張り倒しておけば社会なんかわかってねえ小僧どもは人生間違えずに済んだんだよ。青少年の模範にされる業界だよ、えんがちょ付いちゃったら終わりだ、誰もそんなやつ気持ちよく応援できないぜ。こういうのイメージはもうゴキブリと一緒でね、一匹出たらってなる。野球界ってひと皮むけばこうかってことになってファンも野球人口も減るよ。これはカープのコンプラ問題なんてチンケな話じゃない、すべての野球を愛する人たちに土下座して謝るべき事件だ。

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「カープ女子」はどこへ消えたのか?

2026 JUL 12 12:12:33 pm by 東 賢太郎

【一軍】

広島 1-10 中日

広島 1-8  中日

【二軍】

広島 1-12 ソフトバンク

広島 1-12 ソフトバンク

 

直近2試合の結果だ。20連敗ぐらいしてるチームかと見まごうほどの腰の入った負けっぷり。なぜか二軍まで同じ日に仲良く2試合連続のボロ負けである。

一軍は前のカード(ヤクルト)の勝敗は〇〇✕であり〇〇は「サヨナラの2連勝」である。このところスタンドはガラガラだったのだが1戦目でサヨナラ2ランの4番坂倉がインタビューを「満員にしてください!!」と叫んで締めくくり、なるほど明日からはきっとそうなるだろうと思ったものだ。

ところが翌日もガラガラだった。地元ファンの目はそう甘くない。しかし、この2試合目も選手は奮起した。モンタナが押出しの四球を選んでサヨナラ勝ちだ。ヤクルト星投手は泣いていた。そして迎えた第3戦、観客は少し増えた感じである。

ところがここでヤクルトの外人投手3人に継投ノーノーを食らってしまう。

負けたのはいい。腑に落ちないのは、「昨日まであんなに元気だったのにね」という事故のお悔やみのような複雑な感情なのだ。そして、その感情が選手にもシェアされてたかの如く、続くカードで最下位の中日にブルドーザーのように押しつぶされてしまったのが上掲の2試合なのだ。するとさらに不可解なことに、兄貴が名古屋でボコボコにされると弟まで同じ日に広島でソフトバンクに粉砕されているではないか。いったい何が起きたのだろう?

ちょっと私見を入れよう。ノーノーはきつい。ボクシングでゴングから5秒でKO負けしたみたいな、相撲で立ち会って2秒で電車道で吹っ飛ばされたみたいな、屈辱でしかない圧倒的な負け、全人格的にすべてを否定されたような仕打ちだ。やった方はその逆だ。僕は1安打をしたことがあるが、マージャンで言うなら今までヘボだったのが役満あがって上級者になった気がした。やられた方はその逆なのだ。彼らはプロだ。それで飯を食ってる。そのショックで無残な連敗になってしまったのだろうか。

さらに細かく見るならば、ノーノー食らった翌日のバンテリン初日で先発森下ってのは微妙と思ってた。 3年前に名古屋で初回に5連続ヒットを打たれて負けた不甲斐ない姿を新井は覚えてないのかな。エースが投げて1番から5番までヒットなんて人生初だ。森下は名古屋は嫌いに違いない。大瀬良がいない中、森下を立てての10失点は精神的被害が甚大だ。そしてその大瀬良までもが同じ日に二軍戦で4回8失点、これまた信じがたいほど酷い。ソフトバンクが強いんだという意見もあるかもしれない。しかし2日目は秋広に1回と9回に2度満塁ホームランを打たれるという珍事に等しい屈辱を味わってるのである。もうこんなのプロと認めがたい。日々何を練習してるんだ?二軍監督・コーチは何をしてるんだ?お前ら野球選手以前に男として恥ずかしくねえのか、もういい加減にせえだ。

カープの一軍はここ3試合で2点しか取れていない。当然と言えば当然だ、先発メンバーを見れば、坂倉と小園以外は二軍みたいなものである。名原が出てきて多少元気が出たが、それを除けば元々その程度の打線なのである。百戦錬磨の涌井にすれば赤子の手をひねるようなものだったろう。

外野に2本しか飛ばない広島カープ

外野にも飛ばない打線がホームランなど出るはずがない。原因は簡単だ。小兵を好んで採ってる。岡本、村上、佐藤輝、牧、清宮、浅村、柳田、山川みたいなガタイのいいのを採らない。年俸が高いからだ。例外だった2017年の丸、鈴木誠也、バティスタのクリーンアップは3人ともOPS1の超ド迫力で、東京ドームで原監督が青ざめるほどのホームラン攻勢で巨人を粉砕したあの試合は一生忘れない。もしあの打線が今あったなら、僕は休日返上でマツダスタジアムまで足を運ぶだろう。つまり、そういう補強をすればスタンドがガラガラになどなるはずがないのだ。

ありがとうバティスタ(僕の永遠の4発)

小兵でかき回して少ない得点を守り勝つ。昭和の広島カープだ。判官びいきの僕はそこが好きでファンになった。しかし昨今の「投高打低」現象は一時の現象ではない。最近の子は大きい。大柄な投手たちが筋トレでマッチョになり、高校生でも150キロを超えるのがザラになった。昨日のゲームであんまり知られてない阪神の育成ドラフト出身の工藤があっさり163キロを記録した。少々コントロールが甘くてもそこまで出れば打たれない。今年の交流戦でそうしたパワーピッチャーがそろうパリーグがセを圧倒して証明したことだが、デカくて筋肉モリモリの奴が160キロで打者をねじ伏せにかかり、ボディービルダーみたいなマッチョマンがその球を180キロのスイングでバックスクリーンに叩き込むなんてスポーツに野球は進化しつつある。大谷だって顔はやさしげだが裸になればマッチョマンだ。投手の球が速くなれば打者のスウィングだって速くなり、観客はスーパーマンとスパイダーマンの戦いみたいなスリルを期待して球場に足を運ぶだろう。これは自然なことだ。 2000年前のローマでコロッセウムの観衆は剣を持った屈強の奴隷が猛獣と戦うのをワクワクして観ていたし、スペインの闘牛場ではいまもそれが行われている。来年からセリーグも指名打者制になり、日本でもその傾向に拍車がかかっていくであろう。それが良い悪いではない。ここでの論点は観客動員数だ。サッカー、バスケ、テニス、ラグビーなど他のスポーツに比して現状の野球人気がこのままである保証はないことを念頭に、ショービジネスとしてのエンタメ性の変化には敏感であるべきだということだ。

従来よりカープは交流戦を不得意としており今年も10位に終わった。パリーグの投手の速くて強い球を遠くに打ち返すにはカープ打線は火力が足りず、 5000ccの大型車が居並ぶレースに軽自動車が入ったみたいなものだった。それでも勝てばいいではないか、「小よく大を制す」だし日本の美学であるという声もあろう。しかし世の中は動いている。小が大を制しきれない時代になった。アメリカに逆らえばあっさりと元首を殺され、NATOとて潰されかねない。アンソロピックのミトスを野放しにすれば世界の銀行口座はハッキングし放題だ。大を大でも制せない時代だ。そこに勝率ゼロである「小よく大を制す」を掲げてコストをセーブするモデルは国家戦略として根本的に無意味となる。野党の皆さん、国民が日々の生活に苦しんでいる時に国防予算増額なんてなどと言ってる場合ではない。ミサイルが飛んでくればあなた達も死ぬのだ。そういう空気に連れてスポーツにファンが求めるものも変わっていくと僕は確信している。スポーツを戦争のシミュレーションとして始めたのが五輪だ。そんな時代ではないが、ボクシングのリング上で殴ってけがをさせても傷害罪にはならないしパンチがもろに入って死んでも殺人罪にはならないだろう。競技であってその故意がないからだが、行為は同じでも故意があって国家が罰しなければ戦争になる。そうした戦争と接点がある力と力の戦いで「小」が何しても勝てない時代になり、毎日そうしたニュースを眺めていれば無意識に人間の思考回路も変わっていく。やがて日本においても勝てない戦略など支持する者はいないリアリズムの時代がくるだろう。昭和の美学で野球をやり今もそれを愛する僕が望むことではないが、いずれ金を払う側に昭和生まれはいなくなる以上それで飯は食えないし生きてもいけない。だから興業主である球団もそれについて行かなければあっという間に倒産するリスクがある。こうしたマクロ的な視座がこの球団にはないから現状に至っているのであって、経営陣に変わる様子がない以上今後も気づかないだろう。よって、本稿の最後に論じるような危機に陥る可能性はある。経営者の心配をする気は毛頭ないが、いち野球ファンとしては困るのである。

広島カープの問題は新井監督の采配ばかりにあるのではない。ピッチャーが少々打たれようが後半戦でひっくり返して2016~18年の3連覇を支えた丸、鈴木誠也、バティスタの長打力はオールドファンの山本浩二、衣笠、ホプキンス、シェーンへのノスタルジーをかき立てた。それを知らぬ若い女性ファンも2014年に田中広輔が入団してタナキクマルが揃った年から増え始め、「カープ女子」という言葉が流行を始めた。ついに優勝した2016年、鈴木誠也とバディスタの出現で攻撃の破壊力がMAXとなるとカープの観客動員数は2018年に223万人と最大になり、 2019年の丸の巨人移籍とバティスタのドーピング疑惑で破壊力が減衰すると観客動員数もピークアウトした。スタンドを真っ赤に染めた「カープ女子」の増減とカープの興亡はシンクロして象徴的ではあるが、 経営は数字であって男も女もない。球団の収入の根幹である観客動員数は「攻撃の破壊力」を指数化して回帰分析をすれば有意に高いRスクエアが得られるはずである。したがって、数学の示す所はクリアだ。ガタイのいいスラッガーを採らないという戦略は誤りなのである。

知らない方もおられるかもしれないと思い「カープ女子」の写真を探したのだがない。あるにはあるのだが、この語は僕にとってsheep、 fish、deerと同様に単複同形名詞と理解される。「five sheeps」といわないように「fiveカープ女子s」ともいわない集合的な概念である。したがって、誰かひとり、あるいは数名の女子が目立っている写真はそれに該当しない。ところが探してもそれしか見当たらないのである。仕方なく下の写真が候補になったが、今度は男性が入ってしまっている。さてどっちがマシだろうという究極の消去法的判断に至り、熟慮の末これに落ち着いた。ご覧のように、市民球場で酔っ払って汚いヤジを飛ばしてたオジサンたちとはサマ変わりの様相で、「女子」と銘打つだけあって女性客の猛烈なエネルギーが先導するムーヴメントであった。昭和のオジサンは刺身のつまなのだ。

 

ちなみにグッズの売上の方も繁盛していたようだ(観客動員数の関数である)。女性ファンたちはそれを身にまとうことでカープ女子の一員となり、人数が増えるにつれて社会現象となり、グッズはその一員のトークンとなるのだ。選手と一体感を持てる、集団に属していると安心する、どこか誇らしい、誰かに見て欲しい、ああ、あの強いカープね、あんたも元気はつらつでいいね、なんて隣のおばちゃんに声かけて欲しい。これは10年後の今だったら「推し活」的な側面も指摘されていただろう。ねえねえユニフォーム着てタナキクマル、セーヤを推してるワタシって素敵じゃない?かように野球のことはなにも知らないがファッションやエンタメには興味ある女性たちを中心に、広島ローカルであった波がナショナルブランドにまでなった歴史的事件だったのだ。 64年前の東京で、クラスで仲間はずれにされながらすでにそれを誇らしいと思っていた僕は何という先見性のある子どもだったのだろう。しかしこのたびの波の中で僕はそれを声高に誇れなかったのだ。男だから。共産党さん、立憲民主党さん、それっておかしくないか、差別なんじゃないの?そうか、でも「LGBT理解増進法」ができたっけね、岸田さんと稲田朋美さんのご尽力で人格的尊厳が守られる。素晴らしいことだ。ヒゲオヤジが女風呂に入っていけると同様、僕もカープ女子をブログで堂々と名乗ればよかったのだ。

しかし実はそれを横目で見ながらロッテファンのほうがすごいぞと思っていた事実がある。こっちは女子などと料簡の狭いことは言わない。18連敗しても止むことがない野球が好きな人たちだ。カープは立ったり座ったりだがロッテはジャンプだ、必要とされるエネルギーは10倍もあろうか。スタンドを揺るがすオーケストラみたいにシンクロされたすさまじい迫力はマリンスタジアムに行かれてみれば度肝を抜かれると思う。

でも神宮球場の熱量だって半端じゃなかった。10点以上取って大勝した試合で、ホームランが出るたびにスーツ姿の僕も立ち上がって後ろのお姉さんに背中をバンバン叩かれるという熱狂の渦の中にあった。思えばカープ戦は楽勝で当日券が買えたものだ。仕事が早く終わるとぷらっと3塁側の33列目に座ったが、 2016年ぐらいから嵐のライブより入手困難となった。それはこんな具合だ。スタンドの強烈な圧で敵軍は畏縮し、カープのホームゲームでの勝率は圧倒的だった。

このスタンドが昔の川崎球場みたいにスカスカになったのだから選手はやりきれないだろう。それどころかオーナーの怒りの顔が浮かんできて、来年は俺もそろそろ戦力外かと、ただでさえ打てない選手がさらに萎縮してパコーンと力のない内野フライを打ち上げ、右打者は何回やっても懲りる事なく外角のスライダーを追っかけてくるくると空振り三振し、左打者は振り遅れることを前提にレフトに向けてチョコンと走り打ちで当て逃げする。そんな非力な男たちと同じユニフォームを身にまとって、女性たちが誇らしいと思うだろうか?

川崎球場

女性の大群は跡形もなく去っていった。残るのは寒々しく荒涼とした裸のスタンドである。敵軍は安心して元気になり、昔と比べてしまう選手はマツダのホームゲームなのに劣勢の空気をまとう。ああたぶん今日もうちの打線は打たないな、3点取られたら負けだな。始まる前から肩に力の入った先発投手は先取点を取られる。すると打線は打たねばと焦ってリキむ。そしてますます敵の投手の術中にはまって赤子の手をひねるようにタイミングを狂わされ力ない内野フライを打ち上げる。毎日これ。すべてが悪循環。当地のファンのみならず、そんなつまらない試合に誰が金を払うのか。年俸が高いから岡本、村上、佐藤輝、牧、清宮、浅村、柳田、山川みたいなガタイのいいのを採らない。だから4番がいない。元凶はここにある。坂倉はいい打者だが打球が上がらない。良いコーチがいればホームラン30本は軽いだろうが16本が最高だ。カープにいる4人の打撃コーチの生涯本塁打数は4人足してたったの82本だ。ここにいても坂倉の進化は無い。

その坂倉がいよいよ危機の中心人物になる。今年中に床田、森下、島内、坂倉が国内FA権を取得するからだ。この4人が出て行ったら外人と菊池、小園、秋山を除けばつい最近まで二軍にいた人と新人ばかりになる。ということは、ソフトバンクの二軍と2試合やって2試合とも12対1で負けるレベルのチームに成り下がる可能性があるのだ。ツケが回ってきたのである。そもそも素人であるオーナーが口を出すなど論外だ。その証拠に、同じことをやってる楽天イーグルスもおかしくなって、12球団ドベで交流戦を終えている。逆に何年か前に交流戦を優勝で終えた今江監督をあっさり1年でクビにしている。訳がわからない現場は士気が下がるのである。それでも口は出したい。そこで楽天はヤクルトにいた石井をGMにしている。ジェネラル・マネージャーとは何やらもっともらしいが、要するにオーナーの言葉を選手言葉に翻訳する役目、いわば江戸幕府の「側用人」である。カープの場合、ここでも経費節減の思想は貫徹され側用人はベンチに置かれている。それが新井監督だ。GMか監督か、オーナーにとってそんなのはどっちでもいいのである。しかし石井と新井は決定的に違う。石井はダメなら監督の首をすげ替えればいい。新井は自分のを差し出すしかない。

オーナーにとって最も、というより唯一大事なのは客の入りだ。経営者だから当たり前だ。つまり新井がいくら負けようと客さえ入ればいいのである(中日ドラゴンズがそれ)。ということは、川崎球場化しつつある現状は死刑宣告が近づいているということになる。しかし、ここが非常に重要だが、12球団で唯一大企業の後ろ盾のない「ファミリー経営」であるカープのオーナーには固有の弱みがある。経営の切り札といえる「監督手形」の価値が低減することだ。将来の監督ポストという手形を切って有力な選手の年俸高騰を抑止し、FA流出を食い止めて球団に留め置くビジネスモデルの根幹だからである。去年新井をクビにすれば手形の値打ちが下がると踏んだのだろう、延命させた。首がつながった新井がシーズン終了のあいさつで、「来年以降もこの苦しみは続いていくと思います」と、ファンにとっては耳を疑うが、正直者の新井には赤裸々の事実である痛ましい言葉を吐いてしまい、球場内は騒然となって怒号が飛んだ。こんなことが阪神タイガースのシーズン終了挨拶で起きたらケガ人が出て警官隊が出動していたに違いない。そしていま、心優しい広島カープファンたちは「この苦しみ」が想像を上まわる根深いものであり、「続いていく」のは来年以降どころの騒ぎではないだろうと半ば絶望していると思われる。だからスタンドは坂倉が呼びかけてもガラガラなのだ。これを選手のせいにするのは酷だ。金をかけてチームをパワーアップさせるのは球団だ。コーチングして鍛え上げるのも球団だ。 新井がひとりで護摩行と家族野球で頑張っても仕方ない。力のない選手はそれでも残る。稼げる選手はそんなチームの監督手形などいらない。だから、予定調和的にカープは力のない選手ばかりの集団になっていく。ファンはそれを悟っていた。だからすでに数年前から「カープ女子」は絶滅種になっていたわけだが、これからの危惧は球団がそうならないかということだ。

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外野に2本しか飛ばない広島カープ

2026 JUN 12 3:03:23 am by 東 賢太郎

今年の交流戦も残りひとカードになった。 12球団中11位の広島カープがパリーグ首位の西武に勝とうはずもない。しかし、ここまでひどいと二の句が継げない。まるで1軍と2軍の試合だ。弱い。本当に弱い。


 

4対1だからそこそこ競ったゲームに見えるが、ご覧の通りカープは1安打である。平良の暴投で1点入ったので騒ぎにならなかったが4人の継投であわやノーノー。かたや4番のネビンを休ませ余裕のライオンズはあまりの楽勝にファンが湧くこともなく淡々と終了。ある意味、非常に不思議な試合であった。

投手はこうだった。

 

 

カープの一本は8番打者勝田(新人)の内野安打で外野に飛んでない。驚くなかれ、9イニングで外野に飛んだのは坂倉と石原のセンターフライ2本だけ。レフトとライトは無人でよかった。DH制で27アウトに投手はいない。ベンチの動きもなく、先発野手9人の交代は代走1、代打1のふたりだけ。ということはベストメンバーでのぞんでいたと解釈せざるを得ず、要するに、打つ手もないまま力でねじ伏せられたフォール負けである。

プロの試合でこんなの初めてだ。解説者も番組を盛り下げてはいけないと忖度したのかそれにふれない。カープはゾンビタバコ事件がどうのと言われてるが、自業自得の始末でこんな試合をやっていたならプロ野球の存亡に関わる。

明日から、いよいよ待ちに待った楽天イーグルス戦だ。12球団中11位と12位の不名誉をかけた激突! 雌雄を決する注目の大一番である。負けた方は最下位だからくふうハヤテ、オイシックスの勝者と入れ替えにしたらどうだろう。

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阪神がぶっちぎり優勝したシンプルな理由

2025 OCT 17 9:09:29 am by 東 賢太郎

きのう、最後のほうだけ阪神とDeNAの試合を見た。8回裏の佐藤輝の同点タイムリー、伊勢はいいピッチャーだがちょっとおかしかったね、なんであんなの投げたんか高めにぬけたスライダーみたいなのをひっぱたいて一二塁間をぬく。まあ大根切りってやつだが腕ずくでマン振りで強引にもっていった。いやこいつ凄い。スイング速い。

そして阪神は9回のマウンドに石井大智を送る。同点にされて浮足立った敵の戦意をそぐねえ、藤川監督いい所で出すね、なにせいまセリーグで最高のストレートを投げる男だ、林は当てるのやっとでサードゴロ。これ見てる次打者はビビる。その渡会君、インローの凄まじいストレートに動けず三振。坂本誠志郎のフレーミングですねとマエケンが解説。いいキャッチャーだ坂本。そして延長10回の及川。うわすげえ、こいつこんなに速かったかというストレートで桑原三振、神里三邪飛、筒香三振。前に飛ばない。完膚なきまでに敵を叩き潰しておいてその裏、DeNAは佐々木がマウンドに。彼には大変申し訳ないが投球練習見てあっこりゃもう駄目だと確信。球威ない。中野が巧打でレフト前にあわせ、そして3番 森下翔太。初球。へなちょこのおいしそうなカーブみたいのを一閃。左翼にサヨナラホームランをたたきこんだ。

失投をごっつぁんで仕留める動物的瞬発力はもう肉食獣である。この男と佐藤輝は危険極まりない。近本、中野と選球眼も打力も足もある嫌らしい1、2番にその二人が続くとくれば先発投手はいやだよ。1~3番でどっと疲れちまって4番に40本もホームラン打たれる、こんなチームと誰もやりたくない。打者はマン振り、ピッチャーは速い。これ強いチームの証し。外人なしで13ゲーム差とぶっちぎりのリーグ優勝。外人しか怖くないカープは実質最下位。ドラフトと育成でこんなに差がつくもんかね?

カープは何の趣味か知らんが小兵か草食獣好みだからね、投手優位の昨今は非力じゃ押し込まれて当て逃げ打法で内野フライばかりだ。しかも軸も軸、キャッチャーがいない、盗塁阻止1割の坂倉はもう論外。そんなんで勝つわけねえだろ、しかも草食だから負けがこむと目線がたれてベンチに勝ちそうなムードがない。暗い。家族野球なんて弱っちんだよそんなの、ヤクルト村上なんて見てみろよ、野次られた阪神ベンチにサードからつかつか寄ってガンたれる奴だよ、こんなのがマン振りしたらバッテリーは怖い。そういう奴とれよ、なにやってんだよカープのスカウト、今年は鈴木誠也みたいなデカくてケンカ強そうなのとってくれ。

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自民党と広島カープはとても似ている

2025 OCT 5 3:03:07 am by 東 賢太郎

カープは今年も弱かった。阪神は19勝6敗、最下位ヤクルトも15勝8敗と「お得意様」を超えて二軍のピッチャーでオッケーのレベル。村上の故障がなければぶっちぎりの最下位だった。

5位で今季を終えた新井監督がファンにあいさつした。

「変わろうとするとき、また新しい力が生まれるとき、必ず苦しみが生じます。来年以降もこの苦しみは続いていくと思います・・・」

ふつうは、ここで球場が「がんばれよー」と温かい拍手と声援につつまれる。オーナーも新井もその予定だったのだろう。ところがだ。マツダスタジアムはにわかにざわめき、怒号が飛び、新井は16秒間も沈黙してしまったのである。

もう時代は変わっている。

ファンが厳しくなったわけではない。ネットで他のファンの情報や意見を知って、目が肥えたのだ。勝って欲しいのだから何をやってるんだと怒りを覚えてくるのは自然である。

政治の世界でもそうだ。一般の有権者がこれまで知らなかった情報や意見をネットで知り、政治家や役人は何をやってるんだと怒り、デモや落選運動をするようになってきた。

新井は誰もが「いい人だ」とほめるらしい。これ、誰かさんに似てないか?「会ったよ、あいつはナイスガイだ」と我がパートナーのアメリカ人があっさりほめてた自民党の小泉進次郎議員だ。

「小泉を総理にしとけば国民はなんとかなるから好き勝手できる」

自民党のお爺ちゃんたちがそう思っても不思議じゃない。

「新井を監督にしとけばファンはなんとかなるから弱くても満員だ」

カープのオーナー様が思っても不思議じゃない。

今時の世の中、どっちも大きな勘違いだ。総理大臣も、野球の監督も、企業の経営者も、結果を出さなければ何の価値もない。彼らの成果は世間にあからさまにネットで公表され、厳しい批判の目に晒される。昔とは違うのだ。

つい昨年まで「昔」が続いていると勘違いしていた自民党は3連敗に懲りたのか小泉を総裁に選ばなかった。新井は続投だ。

ネットの書き込みを見ると、ファンはよくわかってる。

ホームラン数リーグワースト。 得点、失点ともリーグ5位、二軍も大きく負け越し。絶対的な4番もエースもいない。ドラ1がぜんぜん育ってない。最終戦に向けての負け方はファンを無視で目に余る。現在の監督・コーチでまんねりを続けないか心配だ、そうなれば今年以上に客は来なくなるね。普通は監督変えないにしてもコーチ総とっかえとか、結果を出せなかったことにファンに対しての示しはつけるもの。

新井の後に挨拶をした田中広輔が「一軍は勝ちを求められる、監督の言葉に甘えることなくスタジアムを満員にする野球を」と言っていたがその通りだ。

ネット情報でファンの眼はどんどん肥えてきている。自民党より遅れてるって、企業経営としてもう絶望的じゃないか。

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カープ 阪神・大竹に今季7試合で6敗目

2025 SEP 19 19:19:41 pm by 東 賢太郎

同じピッチャーに7回やって6回ひねられる。通算はさらに壮絶で2勝15敗の惨状を呈しているのであって、ものもいえない。

こんなのがプロのチームといえるんだろうか??

しかもである。大竹は失礼ながら2017年のソフトバンク育成4位の投手だ。同年の広島の育成指名3人はすでに退団、いっぽうソフトバンクの育成1~4位は尾形、周東、リチャード、大竹で大当たりだ。しかも大竹は2022年の現役ドラフトでも採れたのに阪神が指名して、そのあげくがこれ。阪神は純和製打線でぶっちぎり優勝。スカウト能力からしてプロとアマじゃないか。

これを書いたのは今年だが、

広島カープは打撃コーチを全員クビにしろ

去年からこうだったのだ。

「まさかのコーチ全員留任」責任放棄にカープOB2人 …

 

フロントはなんにもやらずに、今年また同じことをくりかえしてる。ファンはどうでもいい。国民はどうでもいい自民党と似たにおいがする。

スカウトがヘボ、指導するコーチがヘボ。勝つわけない。

先日、投手の床田がついにホームランを打った。大竹からも会心のツーベース。クリーンアップを打たせたい。

ちなみに床田投手の通算安打数は53本

朝山打撃コーチの通算安打数は49本

 

わけわかんねえ

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記憶に焼きつくことになった三連休の最終日

2025 JUL 22 9:09:42 am by 東 賢太郎

次女と近場でランチに出たが、陽ざしの強さはかつて住んだ香港なみだ。後で調べると都心の最高は34.3度だったようだが日本と思えない。食事しながら、彼女が幼稚園から小学校低学年までをすごしたヨーロッパでどこがよかったかの話になった。思えば実にあちこち家族旅行したものだ。覚えているのとそうでないのがあるようだが、少しでも記憶があれば大事な思い出だろうと思い地名とエピソードを伝える。するといまどきの情報収集速度で瞬時にググって「ここ?」と返ってくる。「そこだよ。お薦めだ、行ってごらん」。

僕は多分もう行かないが、子供たちはきっと行く。そこに立って何を想うだろう。その地に立って歴史をふりかえるのが趣味だが今はその地の未来を空想してる。これも大いなる楽しみだ。記憶の中でギリシャの島でもスイスのベルナー・オーバーラントでも瞬時に行ける。宗教画にある妖精、スピリットはこれの可視化だろうか、素晴らしい魂の自由さである。写真があるところもないところも親の話を聞いておかないと後悔する。僕は16年も日本におらずその機をだいぶ逸した。先日のクラス会でも、そんなことがあったのかという思いをずいぶんした。聞いておいてよかった。子供にはできる限り残してあげたいと思った。

次女については、親が言うのも変だが瞬発力と機動力はいっぱしで屋久杉も富士山登頂も軽々、英語はネイティブ、コロナの真っ最中にひとりフランスへ飛んで行ってケロッとMBAを取ってくる。あんまり苦労してる観はなく、そういう点で間違いなく親を凌駕している。こうなってほしいと枠にはめたこともないし勉強を教えたこともない。ピアノも弾くがジャンルは違うしそれでいい。自分もそう育ててもらってこうなったし、今や何の不足もなくて幸福であり、子供たちも三人三様の個性になった。それがなによりだ。全員に言っている。ほかに何も望むことはない。三人とも素晴らしい人生を生きてほしい。

夕刻に家を出て神宮球場にむかった。何年ぶりだろう。真夏のここで目撃したゲームというと、2017年、カープが8-3で負けている最終回に6点取ってひっくり返して9-8で勝った「七夕の悲劇」がある。まさかゲーム終了後にそれを思い出そうとは想像だにしなかったが、こういう結末になった。

三塁側ベンチとネット裏の間16列目で良い席だった。昨日カープは8-7で負けてる。今日も打つには打ったが期待の林が5回に放ったレフト中段への3ランがあってこそだ。結果としてだが、毎回の13安打で7四球もらった20出塁で6点という物足りなさは5回時点で予兆があり、特に、先発メンバーで肝心の5番が長打のない野間という完璧に意味不明な起用のせいであったのだ。林のホームランで、喜びも束の間「昨日も一発放ってる林がなんで5番じゃなかったんだ」と怒りがこみ上げ、三塁側スタンドの歓喜の大騒ぎの中で十分に酔っぱらっていた僕は「なんで5番が野間なんだバカヤロー」と昭和のファン並の罵声をベンチにかましていた。

ヤクルトは主力が不在中に若手が覚醒している。7回に中崎から1点取った伊藤、赤羽のヒットがそれだ。一方カープは記録には現れてないが1回の二遊間のゲッツー逃しの凡ミスで先発床田が29球を費やす羽目になり、山田にパームボールをツーランされて3点差となって6回97球で交代となったのが痛かった。久々に生で見たせいもあってヤクルト先発のランバートの152kmの速球は到底人間が打ち返せそうもないほど怖さと迫力を感じたが、打てん打てんと文句を言ってるカープの打者がそれを打つんだからやっぱりプロは凄い。

最終回。ハーンの154kmはド迫力だったが古賀、益田珠が難なくはじき返したのがリードに効いたんだろうか。打たれたのは中途半端な高めだから低めの154kmで押しまくれよと念じていたが、二死一三塁から赤羽への初球は甘めの変化球だった。それをレフトへすくい上げた大飛球。球はポール際で跳ね返りフェンス直撃かと思ったがファビアンは追わず何があったか見えなかった。審判の協議中、ポール近くのカープファンが帰りだしており、ビデオでもよくわからずたぶんポールに当たったんだろうと諦め、やっぱりサヨナラ3ランということで幕切れとなった。仕方ない、打った赤羽があっぱれだ。カープは林と、昨日凄まじいライナーのホームランを左中間に叩き込み、今日も2ベースを放ちショートで好捕をした二俣を激賞したい。二俣クン、きみは西武の監督だった秋山みたいになれる。頑張れよ。

6回に小園のタイムリーで6-1となった時点で楽勝ムードだった。油断大敵、勝って兜の緒を締めよだが、そのまま終わってたらこのゲームは数日で忘却の彼方に消えたに違いない。ありがとう、一生忘れない日がまたひとつ増えた。

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超常現象?カープ田村のサヨナラ本塁打

2025 APR 6 9:09:36 am by 東 賢太郎

あっ、ホームラン打ちそうだ!アップで映った打席の顔を見て、ウソのようだが本当に、ビビッと感じた。山崎康晃がゆっくり投球モーションに入る。初球。高めのストレート。バットが一閃。右中間に大飛球。ちょっとシュートしたから先っぽ気味だったかな・・・・はいった!田村俊介、プロ入り初ホームランでサヨナラ勝ちだ。

伏線があった。東と床田の先発で投手戦が予想されていた。ところがDeNAが4失策もやってくれて6対2の楽勝ムードで9回表をむかえる。セーブのつかない4点差なので普通は守護神は出てこない。ところが栗林だ。ブルペンが映ったが森浦もやっていた。う~んなぜかなあ、まさか4人右が続くからじゃないだろうな・・・。いやな予感があたる。球威も変化球の切れもコントロールもいまいちだ。何もいい所がない。四球、安打、安打、二塁打、三振、四球で6対4にされたあげくに一死満塁を残してKOである。こんなピッチャーの降板をやさしいカープファンは拍手で慰労?する。やめてくれんかな。かわってマウンドに立った塹江は球速、切れ、メンタルどれも文句なしで一番いやなバッターである梶原を三振にとって二死だ。なんとかなるか・・・。ところが、ここで満を持して出たかどうか知らないが、島内に交代だ。おいおい、牧が右だから右かよ。彼は剛球が良いときは無双だがメンタルが弱いのだ。やばい。これまた球威もコントロールもいまいちである。なんと押し出しで1点差。なおも満塁。ここでついに佐野にレフトの頭を超えてワンバウンドでスタンドに入る二塁打を食らう。6対7の逆転だ。新井の投手リレーは無様というしかない。広島市民球場だったらベンチの上まで酔っ払いのオッサンが出てきて罵声を浴びせとるぞ。

その裏。代打の野間がいきなり痛烈な右前安打を放つ。これが嫌なムードを押し戻した。内角を引っ張った野間の鋭い振りは数年前とは別人だ。進化に驚くしかない。そしてその代走・羽月が三球牽制させたあとの初球を二盗したのも効いた。羽月は強力な武器だ。そこで打者・会澤が体の真正面に死球をうける。DeNA入江投手もまさかの登板だったろうから仕方ない。会澤が退場だと守る捕手がいないピンチだったが根性で一塁へ。ここで、先日にバント自打球を顔面に受けて前歯を8本折っており、怪人二十面相の黒覆面みたいなのをかぶって根性で出場している二俣。しかし、あいにく、ここはまさしくバントの場面なのだ。嫌だろうなあ・・。あの時と似たような顔に近い難しい球!ビビらずに成功した二俣!男だねえ。そして作った 一死二三塁で矢野がしぶとく二塁にころがして7対7の同点に持ち込んだ。これぞカープ野球。執念でもぎ取った1点だ。

ここでマウンドに立ちはだかったのが森浦である。これが本当に凄かった。10回表をあっさり三者三振!11回も戸柱、京田を三振で五者連続!当たっている梶原も一ゴロであっさり零封した。森浦君、9回のブルペンで、栗林のむこう側でもう肩できてたよな。見てたよ。あそこで君の名が呼ばれていればこの試合は難なく6対2で勝ってたのである。お立ち台で「名前が呼ばれたら全力で投げるだけです」と淡々と語った気持ちはわかる気がする。君のメンタルは素晴らしい。最高にピッチャーに向いてる。去年のホークス戦で三者連続三球三振(イマキュレート)をやった男だ。打者を手玉にとることこそピッチャーやる快感と思ってる僕は君のマウンド姿を見るのが楽しみで仕方ない。

そこで迎えた11回裏。ここだったのだ。冒頭のシーンがやってきたのは。以上のドタバタ劇は、まるでオセロみたいに、みんな田村の鮮烈デビューへのお膳立てでしたねという話になってしまった。4点差で栗林をマウンドに送った新井の意味不明の采配あってこそ。まったくもってなんともいえない。大逆転を食らった直後のカープベンチはお通夜状態、我が家は激怒を通り越して絶句だったのである。

いやいや、それなくしてあのホームランはなかったのだから新井独特の華がある霊感だったというしかない。それにしても、「あっ、ホームラン打ちそうだ!」。打席に入ってアップされた田村の顔を見てビビッと感じた、あれはいったい何だったんだろう??

「谷深ければ山高し」。相場の格言だ。喜びは10倍だ。代打でのプロ初本塁打がサヨナラ本塁打となるのは広島カープ球団史上初の快挙らしい。田村が「持ってる男」であることが天下に知れた日だ。

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