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カテゴリー: 野球

大谷の満票MVPに見る日米比較文化論

2021 NOV 21 14:14:11 pm by 東 賢太郎

中島さんの「大谷翔平選手、ありがとう!」に心から同感。毎日毎日、日本国は姑息な計略や裏技で世をにぎわせる「超小物の連中」のニュースばかり。いつからこんな屑みたいな国になったのか、国民的に精神衛生上悪く、子供の教育にも暗澹たる思いだ。それをぶちかまして日本どころかアメリカでバズーカ砲級の大技を決めてくれた大谷君。救世主だ。ほんとうにありがとう!

もうひとつ爽やかな気持ちにさせてくれたのは30人の「満票」だったこと。イチローですらない日本人初だ。僕はアメリカの学校に2年いてたくさんの  Yes/No の場面に出会ったが、何であれアメリカ人が「全員賛成」というのを見た記憶がない。3人いれば1人はノーのイメージで、日本みたいに安易なme-tooの満票であれば裏でイカサマさえ疑われるだろう。国民投票なら反対派もいたろうが、記者30人の間ではオッケーだったわけだ。記事のユナニマスリー、

これが「全員一致」「満票」である。これが度肝を抜く「凄さ」なのである。

30人は新聞 、雑誌、ウェブサイトなどの野球記者で組織された団体で1908年10月14日に設立された全米野球記者協会The Baseball Writers’ Association of America, BBWAA)の会員である。

東洋人がベーブルースの聖域を脅かす。そういうアンチはあったと聞く。終盤で四球四球になった。MVP阻止のためタイトルを大谷に取らせたくなかったのだろうが、日本でもアメリカ人が王貞治の55本の記録を抜きそうになった時の四球責めがあったから非難もできない。

そういう姑息な計略や裏技を無視して満票になったのは、アメリカ人の野球への深い愛情とプライドあってこその大谷翔平の図抜けたオールラウンドな野球能力への評価だったと僕は思う。大谷がナイスガイでアメリカに溶け込んだのもプラスではあるがそれでMVPにはなれない。ホームランを46本も打って100打点あげて26も盗塁を決め、130回1/3投げて9勝して防御率3.18で156個も三振を取ったことに尽きると思う。「二刀流」と日本では言うがアメリカ人に「刀は二本」という頭はまったくない。

思えば日本だって高校生までは全員が多刀流だ。投・打・走・守、全部やる。全部うまい連中がいてうらやましかったが彼らも大学、プロでは投か打に分かれていった。僕は長らく、それは理系文系に似てあんまり意味がないのではと思っていた。例えば桑田、松坂、マエケンは打者でもレギュラーだったと思う。たまたま投手ができたから打者の道が封じられた。オールスターでイチローを登板させると「打者に失礼だ」といって投手が代打に出る。実力の世界に「失礼」なんてものが何で出てくるんだ、わけわかんねえ、ずっとそう思っていた。

アメリカはそうじゃなかった、よかった。記者の方々も野球少年の時代があったんだろう。そこでは投・打・走・守、全部できる奴は天才で、誰がどこからどう見たって凄いのだ。そこに失礼とか嫉妬とか派閥とか家柄とか学歴とか、そんなくだらないものはないのだよ。

諸君脱帽したまえ。 天才だ」

ショパンをこう讃えたシューマン。言えた彼も天才だった。そういうことだ。

30人の記者諸氏の決断には頭が下がる。僕が日本人だからということではまったくない。野球を愛し、誇りを持つアメリカ人に心から敬意を表したい。

 

オリックス「うっちゃり」で日本シリーズへ

2021 NOV 13 12:12:26 pm by 東 賢太郎

近ごろ大相撲の決まり手で「うっちゃり」が少ない。もとより然う然う出るものではないが、大勢が決したと見た瞬間に予想を覆す技は満場をどよめかす。目撃すると忘れられるものでないが、僕が覚えてるのは千代の富士が北の湖に決めた一番だ。いつだったのかまったく記憶はないが、今は便利なものでyoutubeで検索していたら見つかった。昭和55年の秋場所だった。

「うっちゃり」に思いが往ったきっかけは、きのう疲れて帰宅して、いったん仮眠してから眠気まなこで観ていたオリックス対ロッテ戦だ。CSファイナル第3戦である。

この試合を勝たないとロッテは敗退。同点でも負けという背水の陣である。

7回に足を痛めたマーティンがヒットで出塁、気合の二盗(!)を決め、代打佐藤が執念のタイムリー(同点)。8回は中村が左翼席にホームラン(逆転)。ロッテの怒涛の寄りにあい、オリックスは土俵際に詰め寄られた。

そして9回裏。ロッテのマウンドには絶対の守護神・益田があがり必勝の構えである。

打席はT-岡田。初球、外角のシュート(シンカーか)はどう見てもボールだったがなぜかストライク・コール。

バッターは外角が広くなって嫌だ。バッテリーは儲けた感があるだろう。

2球目も同じ球。ファウル。最後はもっとはずして打ち取る布石だ。

3球勝負で低めに落とす(フォークか)。平然と見逃してボール。

布石を岡田が逆に読んだかどうか・・・やっぱりシンカーが来て、拾われてライト前に・・・この勝負は結果的に天下分け目だった。

次の安達はこの日3タコである。そりゃそうだろうなというバントの構え。それを失敗。2球目はバスターだったと思っていたが、ビデオを見ると普通に構えているからそうではない。しかし、当然またバントに違いないとサードが猛然と突っ込んでいるのだ。

益田もそう思ったのだろう、力の入ってない球が高めに行く。安達は難なく芯でとらえてガラ空きの三遊間を抜き、事実上、バスターみたいな結果になった。このシーン、新庄が敬遠球を三遊間に打ったあのサヨナラ打を思い出した。

無死一二塁である。1点取られたらCS敗退だ。ロッテ内野陣がマウンドへ。いちど散って、また集まる。投手コーチも来る。

次の小田は守備要員で途中レフトに入っていた。今シーズンわずか1安打で打率6分7厘である。こりゃもうバントしかない。ロッテは腹をくくったのだろう。

ファースト、サードが突っこむ。小田は初球から迷いなくバスター。ひっぱってファーストの右を抜け、打球はゴロでライト線へ。一瞬にして勝負がついた。

一気に目が醒めてしまった。これぞ「うっちゃり」だ。

中島監督おそるべし!秋田県出身。そういえば今シーズンは2ランスクイズも決めていたっけ。まるで3年前に金足農業が近江にサヨナラ勝ちした試合だ。

僕はキャッチャー中島を思い出している。何をするかわからない。あの「星野のカーブ、素手で捕球事件」だ。

星野は「あの日は調子悪くて、逆玉ばっかりで怒ってたんでしょう」と別のチャンネルで語っている。「おまえ、ええかげんにせ~よ、こんな蠅がとまるクソボールでストライクも入らんのか」という無言の鉄拳だと僕は思う。星野に返した中島の球の方が速かったという伝説もある(注)。

いや、素晴らしい。野球に思いがこもっている。やることなすことに人柄が出ているから憎めない。

こういう熱いものが無言で伝わって、オリックスの若手の元気の良さになってる気がする。付け焼刃ではないだろう。

ロッテにとってオリックスは去年の開幕から6連勝したお客さんだ。それが今や別のチームである。中島は名将になってきたと思う。来年はやっぱり何をするかわからない新庄監督との対戦が楽しみだ。

ロッテの井口監督も今年は良いシーズンだった。佐々木朗希が育ったし、打線も破壊力はないが勝負強さが際立った。安田、藤原を育てて、ぜひ来年は優勝して欲しい。

 

(注)そんなことはない。星野の130キロ少しのストレートは速かった。

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令和3年10月18日、阪神・広島戦の大誤審

2021 OCT 19 15:15:27 pm by 東 賢太郎

これは100%ヒットである

「球がグラブに入る前」か「いったん入った後」かが判定できないが、前者ならワンバウンド捕球、後者なら落球である。この2つ以外にこの写真が示す状態が発生することはあり得ない。従って、板山選手は直接捕球しておらず、アウト判定は100%誤審である。

しかしビデオでは100%とまでは言い切れない。ここが問題だった。

TVで流れた別角度の映像でも判定は微妙だった。リクエストの検証で審判団が確認したのも同じ画像であり、だから僕はこの誤審は仕方ないと思う。しかし、そう思わない人もたくさんいるだろうし、現にこうして証拠写真がネットばらまかれて誤審が証明されてしまうとプロのジャッジとして権威がなくなる。審判員の方々も大変だと思うがIT化は世の流れなのだから前向きに対処していくしかないのである。

問題はそこではない。アウトのコールを至近にいた2塁または3塁の塁審が即座にしたか否かである。コールがあれば1塁走者はゲッツーだから即座に帰塁する。ところが走者はそうしておらず、阪神の野手も確信をもって1塁に返球してはいない。ビデオには映っていないがアウトコールがはっきりせず、もしくは出たのが遅かった可能性が非常に高い

佐々岡監督はまさにその点(塁審の判定の遅さ)について球審に抗議したが、その是非の検討はなくそのまま試合が再開した。問題はこちらの方である。「塁審のコールは必要なく、走者は自分のリスクで走塁せよ」ということならば結構だ。そう説明してこの事例を「判例」にすべきである。すると紛らわしいコールは不要だから現場は「しないでくれ」「しても見るな」となるだろう。

本件でいうなら、まず板山の捕球コールの是非、かつ、帰塁をアウトとした1塁塁審のコールの是非の2つを必然的に同時にビデオ判定することになるのである。

つまり、審判の権威はのっけから奪われ、若い世代の目からすれば、「なぜ目の悪いおじさんが決めてるの?」「そんなもんで私たちが一喜一憂しなきゃいけないの?」「審判はいらん、ロボットにしろ」となってITの浸食が進むのである。それを望まないのであれば、塁審が板山の捕球のアウト判定を「即座に」しなくてはならないのは自明だ。

したがって、本件において、「塁審の判定の遅さ」につき、捕球のアウトセーフとは全く別な問題として抗議があったにもかかわらず、「その是非の検討はなくそのまま試合が再開した」ことが大誤審なのである。佐々岡がNPBへ意見書を提出するよう球団に要望した行為はまったく正しいものとして擁護する。

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10連敗の巨人に広島が肉薄

2021 OCT 18 15:15:59 pm by 東 賢太郎

チームスポーツには闘将が必要だ。みんなで仲良く民主的になんてのはないのである。その男の覇気と活躍でチームに勇気がみなぎって勝ってしまう、たとえば、V9の巨人には長嶋茂雄、黄金時代の西武には秋山幸二がいたし、カープ黄金時代は山本浩二がそれだった。単なる4番やエースとはちょっとちがう。王、江川、イチロー、松井、松坂、マエケンはそれではない。大谷翔平もそうかどうかチームが弱くてわからない。喧嘩が強い清原や近鉄のデービスも違う。甲子園制覇した時の斎藤佑樹、楽天で全勝した年の田中将大、昨年までのホークス柳田はそれだ。

いまヤクルトの闘将は、終身名誉キャプテンの青木でも、キャプテンの山田でも、選手会長の中村でもない。21才の村上だ。そう思ったのは、例の近本のサイン盗み疑惑で両チームに一触即発の緊張が走った阪神戦である。動作でコースを教えてると文句をつけた村上に矢野監督が「やっとるわけないやろ、このボケがぁ」とえげつない口調で罵声を浴びせると、村上は何だこの野郎とばかりに三塁から阪神ベンチに向かってつかつかと歩いていった。大人しいヤクルトにああいう選手はいない。

阪神にもいない。でもチームは元気がいいのは、あそこで強烈な大阪弁をかます矢野監督こそが闘将だからである。中日は森監督は怖かったが、今はいないから投手はいいのに打線が弱い。DeNAはラミレス闘将だったが英語だから通じず、三浦番長はリーゼントに闘魂は感じるもののまだ未知数である。巨人はどうか。阿部、坂本、菅野、岡本、丸。ぜんぜん無理である。原監督が闘将なのだ。罵声は不要だ。読売が全権委任する隠然たる球界政治力・人事力は絶大で、日ハムで出場停止処分になった中田翔が移籍するや試合に出てしまう。公文書改竄だろうが公職選挙法違反だろうがものともせず無視できる安倍元首相並みの絶対君主であり、怖くて誰も逆らえないのである。

では我が広島カープはどうか。いたのだ。黒田である。ビーンボールで藤浪を恫喝したらイップスになってしまった。同じのを投げられて転倒した大瀬良は笑顔で気にするなだ、なんていい奴だろう。黒田がパワハラなのではない、闘将とはそういうものであり、野球は格闘技なのだ。カープの3連覇は闘将・黒田、副将・新井、戦闘員タナキクマルがいたからできた。去年今年の負けは佐々岡監督の力量のせいではない。彼は優しいし、闘将がいなくなったから自動的に弱くなったのである。

いまカープが登り調子である。鈴木誠也という新たな闘将が現れたからだ。彼は元からいたが、若手の躍動がそうさせたと思う。小園の怖いものなしの不敵な面構え、初球からガンガンいく強靭なバットスイング、身体能力を尽くした遊撃守備は相手が嫌がるレベルにある。ツボに来たらスタンドだねという不気味な雰囲気が濃厚に漂う林も嫌だろう。2人とも高卒3年目の21才だが、かようなことに年齢など関係ない。23才の坂倉はその刺激か打率3割を打って首位打者争いに加わっている。副将が菊池と西川で若頭が坂倉、戦闘員の先鋒が小園・林といい形にはまってきた。投手も高卒2年目でハタチの玉村がローテに入った。ベテランも守備では上本が外野で凄い球際処理を見せてくれ感動ものだ。いずれも、監督やコーチの説教で出るものではない、闘将の覇気と活躍のなせる業だ。

それはケガの功名であった。昨年からのカープ低迷の原因はフロントの外人獲得戦略の失敗にある。去年のスコットはジョンソンの代わりだろうがストライクも入らない欠陥品だ。今年のクロンはエルドレッドの推薦で彼同様に市民には愛されそうだが彼以上に変化球は打てそうもない。メヒアは万年2軍の帝王だ。だから序盤から弱かったわけだが、ということは投打とも和製になるから若手にチャンスがあった。さらにそこを交流戦前のコロナ感染が襲った。西武戦が延期になるほど一軍がスカスカになり、小園、林、羽月、大森、宇草、玉村、高橋らが穴埋めに昇格して出番が与えられたのだった。五輪ブレークで主力5人が抜けたのも彼らには良かった。練習試合で坂倉、小園、林はクリーンアップを打って躍動し、いつの間にかレギュラーに収まり、松山、田中、安部、堂林、長野は完全に控えに追いやられていた。

その若手の急激な台頭で五輪まで眠っていた獅子が目覚めた。おとといの東京ドームでの巨人戦、試合前の「君が代」でふがいなかった五輪の記憶のスイッチでも入ったんだろうか、目を閉じた鈴木誠也の鬼気迫る集中ぶりは画面で見ていて半端でなかった。これは打つなと思っていたら戸根の簡単でない内角をノーステップで軽く振ってライナーで左翼上段に叩き込んだ。強烈なスイングスピードは巨人ベンチの度肝を抜いたろう。あれだ。あれこそが、正調の闘将の姿である。不安は8回の投手だけだ。島内は四球を出して失点が続いたがきのうは良かった。球は速い。コントロールと気の持ちようだけだ。これは佐々岡がやらなくては誰もできない。締めれば誠也はもっと打つだろう。

9連敗の巨人は変だった。試合前、ベンチが映った。右端に原と阿部。3メートルぐらい無人で、左の方にぎっしりと三密状態の選手たち。コーチの姿はひとりもない。原続投の報道にファンがブーイングらしいが、読売の野球本部長なのだからクビはないだろう。だからコーチは「やばい、俺が切られるか」と逃げるのだ。そしてそのカープ戦、追い上げはしたが8-7で負けて10連敗。あれだけ盛大に他球団の4番とエースを札束で獲りまくったのに全員ドボンしてそれだ。9月以降は8勝24敗7分の大失速だったが、トドメは10月14日の阪神戦で髙橋遥人、岩崎、スアレスに食らった血も凍る1安打完封14奪三振だろう。坂本、丸、岡本で7三振。この3人が闘将もへったくれもないのである。

きのう4位のカープは阪神にも4-2で勝って3位巨人と2.5ゲーム差になった。ヤクルト・阪神はCS確定だ。弱い巨人に3位になって欲しいからカープ戦は死力を尽くして潰しにくるだろう。今年は最後の最後に面白いことになった。受けて立って欲しい。残り7試合を全部勝てばCSだって制するかもしれない。

 

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番狂わせだったヤクルトとオリックス

2021 OCT 4 17:17:34 pm by 東 賢太郎

ことし3月27日の僕のセ・パ順位予想である(中島さんの記事にコメント)

①阪神②巨人③広島④中日⑤ヤクルト⑥DeNA

①ソフトバンク②楽天③ロッテ④西武⑤オリックス⑥日本ハム

現実はこうだ(10月4日現在)

①ヤクルト②阪神③巨人④中日⑤広島⑥DeNA

①オリックス②ロッテ③楽天④ソフトバンク⑤西武⑥日ハム

どっちも5位予想だったチームが首位、大・番狂わせだ。個人的にはロッテに勝って欲しいのだが、先日のオリックスとの直接対決の3連敗が痛い。特に2つ負けて落とせない3戦目、2点勝ち越してほっとした9回二死から守護神・益田直也が打たれたT-岡田の逆転3ランには降参だ。オリックスの強さは伊達じゃないのである。ソフトバンクの低迷も想定外だし楽天も戦力の割にぱっとしない。パリーグはあんまりわからないが中島さん、西室兄に聞きたい。

セ・リーグは昨年最下位ヤクルトの大躍進につきる。まずオスナ、サンタナだ。コロナで4月末に合流したが、オスナはもう初戦から嫌なのが出てきたなと思った。次いで塩見である。だいぶ前から僕は恐れていて、なんで巨人は廣岡をとったのか不思議だったが、やっぱり開花してしまった。センターで打率3割で本塁打12本で長打率4割で20盗塁してOPSは8割台、こんなのが1番にいて2番青木、3番山田、4番村上、5番オスナ。この打線の「圧」は半端じゃない。

先発投手は小川(8勝)、スアレス(5勝)、石川・高梨・サイスニード(各4勝)、原樹理(2勝)はいいとして、高卒4年目の高橋奎二(3勝)が出てきて7枚目。巨人のローテ投手・田口は中継ぎに降格である。ところがこれで終わりでない。今年初勝利をあげた高卒2年目の奥川が8勝していきなりエース格になり先発は8枚、さらに驚くのは19年に楽天をクビになった今野が中継ぎで何と7勝もしており、しかも、8回の男には昨年の最優秀中継ぎ投手・清水がいる。後半でいかに勝ち切ってきたかを物語ってる。

クローザーにマクガフ、石川と奪三振率10が2人、中継ぎも清水、今野、梅野が9~10と、投げるボールが大変強力で打てそうに見えない。三振を取ればいいというわけでないのは先発の話で、前に飛ばさせないということだから1点を争う後半の投手は取れるに越したことはない。奪三振率9とは1試合完投して平均して9奪三振という意味だが、9以上がこんなにいるのはヤクルトとソフトバンクしかない。名クローザーで飯を食った高津監督の手腕であること疑いないだろう。

カープは阪神に3連勝していい感じで戻った広島でヤクルトに3連敗。阪神ファンにお詫びしないといけない。問題は7,8回の中継ぎ投手だった。ケムナ、島内、コルニエル、いずれも150キロ出る才能は認めるが、そろって制球がだめである。極めて甘い。しかも、毎度毎度、高めに抜けた変化球を痛打されてるのにぜんぜん学習しない。矢崎もそうだ。どうしてカープはこういう1軍半ばかりになってしまったんだろう。本人もそうだが捕手もコーチも学習しないのか考え方の問題なのか。まあ、こっちも番狂わせだったカープのことは別稿にしよう。

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斎藤佑樹投手の引退について

2021 OCT 2 15:15:00 pm by 東 賢太郎

いよいよきたか・・・。斎藤佑樹、2006年に全国を湧かせた「ハンカチ王子」の引退である。松坂大輔もとうとうそのトシになって、それはそれで感無量なのだが、視点はやっぱりどうしても彼らの高校時代に向いてしまう。それは僕自身が原体験から脱却できないことでもある。

松坂が目覚ましい活躍をしたことは知っているが、僕は神奈川県の野球に体感がない。あるのは東京の高校だけで、今は別物だろうがそこだけは実証的にも革新的にもなれない。そういう感じの頑固な集大成が「保守的」というものの正体なんだろう。畢竟、保守というものは手前味噌のことであり、革新というものはその味噌が口にあわないことをいう。

2006年の西東京大会は日大三高が第1シードで本命、早実は第3シードであった。ちなみにこの年のドラフトでソフトバンクの高校1位指名だった福田秀平(現ロッテ)がいた無名の多摩大付聖ケ丘高も西東京大会第3シードであり、日大三に準決勝で10対2で敗れていた。手前味噌だが僕が入部した年の都立九段は第6シードだったが東西分離前だから第3シードだ。こういうのが「体感」で、この年の早実は割と身近に感じてしまう。

斉藤を擁する2006年の早実の戦績だ。

初戦は都立とやって1点差の辛勝、準決勝、決勝も1点差だし、完封勝ちがひとつもない。よく甲子園に行けたなというイメージである。決勝の日大三高戦は2,3点差で負けるかなと思っており、サヨナラ勝ちは意外だった。いまビデオを見返すと、斎藤は細身だが勝ち気で冷静で、素晴らしいボールを投げている。ただ、この段階でも全国制覇すると思った人は多くなかったろう。

この先は皆さんよくご存じで書く必要もない、あの甲子園でのマー君との激闘がやってくる。壮絶な引き分け再試合は忘れられないが、あの年に直接、間接に斎藤が戦った同期の選手でプロ入りしたのはこんな面々だ。

田中将大、吉川光夫、福田秀平、堂上直倫、福田永将、坂本勇人、前田健太、會澤翼、梶谷隆幸、澤村拓一、大嶺祐太、大野雄大、柳田悠岐、大石達也、福井優也、秋山翔吾、伊志嶺翔大

メジャーリーガーが4人も出たこのメンツを押しのけて1位というのは気が遠くなる。斉藤は鯉のぼりか出世魚みたいなもので、甲子園での駒大苫小牧との試合は我が事のように全身全霊で応援していたのを思い出す。

大学でも全国制覇してプロに入って、残念ながら肩と肘を故障した。しかし、ものは考えようだ。それでもめげることなく、自身のプライドとの戦いに負けることもなく、ここまで投げぬいてきたのはあっぱれ。これからはむしろそれが活きると思う。

甲子園の決勝戦。ついにむかえた「あとひとり」。マー君を空振り三振に仕留めて優勝を決めた最後の一球、疲労で肩も上がらなかっただろうあの高め147キロは歴史に残る素晴らしいストレートだった。

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中日ドラゴンズ・木下雄介投手のこと

2021 AUG 8 14:14:09 pm by 東 賢太郎

外出はまったくしないことにしているが、先月にひとつだけ禁を破って某著名企業の新社長T氏と会食する運びになった。氏が慶応のラガーマンであることは周知である。ひとしきりその話になったはずみで「東さんは?」「野球しかやったことないです」となり、しばし間があって、眼をじっと見ながら「ガチですか?」とくる。さすがだ。ガチの人しかそういうことは聞かないから。「ガチです」。眼を見て答える。ラグビーも野球もない、それだけであの “キツくて理不尽な体育会の世界” をくぐりぬけた同志という感じになる。

中日ドラゴンズの木下雄介投手のことを書きたい。彼は駒大で肘(ひじ)を故障して1年で中退、大阪でアルバイト生活を送り、フィットネスジムのトレーナー、不動産会社で営業の仕事を経て徳島インディゴソックスで復活、育成選手枠1位で中日に入団した速球投手だ。僕は肘を故障した自分とどことなく重なるものを感じ、やった者だけが知る ”あの” 苦しみから不死鳥のように蘇った彼をずっと応援していた。

人生最大のトラウマだ。あれでメンタルが強くなったなんて負け惜しみを言ってる自分がみじめでしかない。あれだけは消えてしまってほしい・・・いまでも夢に出るシーンがある。投げてるのに痛くない。目が覚める。寝ぼけまなこで「ほんとうならいいな」としばらく願っている自分がいる。しかし、肘を伸ばしたまま左右にひねってみると、やっぱりその箇所がかすかに痛く、肩は怖くて寝返りを打てないポジションがある。

肘をやった当初は投げられないし、バットも振れない。ショックで何とかならないかと母に相談し、整形外科へ通い、電気治療もしたし鍼灸師にハリを打ってもらったりもしたがだめだった。高2の夏の前だ。チームの空気は暗転し東京大会は初戦で負けた。3年生には土下座して謝りたい、本当に申し訳なかった。背番号は1番から2桁に降格になり明けても暮れても走るだけの悶々とした日々を送ったが、秋には少し良くなって、球速は落ちたが投げられるようにはなった。ところが、肘をかばって無理に投げたせいか、秋になって今度は肩をやってしまった。直観的にこれは致命傷だと感じ、運命を呪った。

木下は今年一軍に定着が期待され、3月21日に日ハムとのオープン戦の8回に登板した。そこで、試合で肩をやったらしいということを記事で知った。肘、肩の順番が僕と同じであり心配だったが、そのシーンは怖くて画像を見ないまま今に至っていた。そして昨日のことだ、それをyoutubeでとうとう見ることになった。言葉にならない衝撃を受けた。(ここに貼るのは控えます)

僕が肩をやったのも試合中だった。投球の寸前に肩甲骨に異常を感じ、肩にビリッと激痛が走り、投じたボールは右打者の頭の1メートル上あたりを通過してバックネットにぶつかった。とっさに驚いて逃げた打者の姿をはっきり覚えている。監督が飛んできて交代を告げられ、1塁側ベンチで後輩の投球をボーっと眺めていた。やっちまった、どうしよう。悔しい。そんな思いがぐるぐる渦巻いていたのは覚えている。そして、そこからは、何も覚えていない。相手がどこだったかも。球場は南武線の矢野口にある九段高校の尽誠園だった。そこのマウンドで野球人生は終わった、記憶はそれだけだ。

問題のyoutubeで木下投手が平沼選手を三球三振に取った2球目、3球目を見てほしい。ため息が出るほど素晴らしいストレートだ。僕の大好きな球、憧れの球、何度見返しても元気をくれる球だ。藤川球児が自分のようになれるとエールを送っていたのはこれだったのだ。そして次の浅間選手の4球目に突然 “それ” は起きる。そして僕はトラウマが蘇り、しばし固まって動けなくなった。なんとかビデオを止め、やがて涙がぽろぽろ出てきた。これはもう厳しいのだろうか、でも彼の野球は職業だ、奥さんも2人の小さいお子さんもいる・・・・

ピッチャーというのは天国と地獄が隣り合わせのポジションだ。こんなにハイリスクなんだけど、やった者しかわからないウルトラ・ハイリターンがあるからやめられないのである。木下投手は僕なんかの千倍もそれを味わう才能と実力があったし、恐らく人知れない凄まじい努力をしたのだろう、その結果、地獄から這い上がってそれをついに掴み取った。それだけでもまぎれもなく超一流の男である。そして、もっともっと凄いことだが、彼は体がぼろぼろになるまでガチでそれをやり遂げたということなのだ。

このビデオを見ることになったのは、27才の木下投手の訃報にびっくりしたからだ。とうとう勇気を出して見ずにはいられなくなった。これ以上言葉もないのでここで本稿は閉じる。再々復活に向けて勇躍してランニングを始めた姿が中日ドラゴンズ球団のビデオにはある。怪我した者の星として応援したかった。多くの野球ファンに勇気と希望を与えて下さった。心からご冥福をお祈りします。

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強い者は生き残れない(広島カープの法則)

2021 JUL 4 12:12:50 pm by 東 賢太郎

広島カープの応援というのは気力と忍耐力がいる。好きになったのが小学校2年で、そこから初優勝するまでの13年間は忍従の日々だった。元はといえば早実の王貞治と日大一の大羽進という両左腕の対決が夏の甲子園大会の東京予選であって、大羽は決勝で1-0で王に惜敗した。その因縁が両者のプロ入り後にも持ち越されて、判官贔屓なので大羽のカープを応援していた。はっきり覚えてるのはそれだけだ。

高校に入って初めての夏の甲子園大会東京予選、その日大一と当たって何という偶然かと身震いしたが、エース保坂も大羽と同じ小柄な左腕であった。僕は1年生で補欠だったが、神宮第2球場の1塁側ベンチから眺めた彼の球は忘れもしない。自分の野球メモリーで巨大な位置を占めるこの試合がカープ好きの原点とコラボするのは不思議なものだ。カープファンを離れられない縁がこの時からあったのだろうと思う。

1975年に初優勝してからカープは何度か優勝するそこそこのチームになった。強いのだから判官贔屓という磁力は消えかけたが、1992年から25年間優勝なしの氷河期がまたやってくる。長いトンネルだった。特に1998年から2012年まで万年Bクラスで14年中11回は5位という初優勝前より長くて絶望的な暗黒期に突入していた。そうして迎えたのが、あの輝かしい2015年だったのだ。黒田帰国!マエケン・黒田とメジャー級の先発2人がそろった。日本中のカープファンが待ちに待った “優勝できるぞ” という年は、緒方監督の就任1年目でもあった。

その期待はあっけなく裏切られ、予想だにしない4位に終わった屈辱は筆舌に尽くし難い。拙攻拙守、素人でもわかる采配ミスのオンパレード。夏まで我慢に我慢を重ねたが、緒方に対する怒りは積もるばかりで、ついに1安打完封負けでCS出場すら逃した10月7日、ブログでカープファン終了宣言を発出するに至ったのである(カープファンはやめようと思う)。53年も愛したカープとの離縁は自分史上の重大事件で、同年のブログは緒方や選手への “罵詈雑言の嵐” である。愛憎は裏腹というが本当だ。選手時代の緒方は特に贔屓で、最初は愛の鞭の気持ちも半分あったものだが、秋になってそれがとうとう憎さに変わってしまった。

その緒方カープが翌年に優勝し、3連覇までしてしまうのだから穴があったら入りたいとはこのことだ。どうやって宣言を撤回したのかは書いてない。采配が格段に向上したわけではないが選手が育った。前任の野村謙二郎監督が手塩にかけた選手たちだから彼との共同作業ではあったが、勝手にそうなったのではないと感じ入ったのは優勝を逃した5年目にこれがあったからだ(緒方監督が野間を殴った気持ち)。緒方は選手一同に本件の謝罪をしているが今どきの世に衝撃だった。これが宣言の完全撤回になった。古いと言われようが体育会といわれようが、そういう風土で育った僕の歴史を変えることは誰もできない。監督を辞めてネット番組で熱く語る彼の素顔は、現役時代に神宮で先頭打者初球ホームランを何本も打って留飲を下げてくれたあの緒方だった。1年目は監督業「仮免」だったのだと思い直すしかない。

殴られた野間はそれからぱっとしなかった。佐々岡時代の1年目になると冷遇され、尻を向けたみっともない見逃し三振に僕は「こいつは二度と出すな!」と大声で怒鳴ってTVを消したぐらいだからそれも当然と思う。ところがその野間が今年、グリップをひと握りあけて開眼したように見える。いやいや、去年そう思った堂林が今年は「行って来い」になってるんだから即断はできないが、先日、メジャー帰りの巨人・山口に8回までノーヒットの試合、2年ぶりのホームランで1-0で勝ったのは讃えたい。たかが1勝だし翌日はまた負けたが、僕は野球に限らず物事をストーリーで見ているので、これは我が事のように嬉しい。

佐々岡の采配は2年目になっても相変わらずでおよそ原や矢野の域になく、楽天戦ではやはり双葉マークの石井監督になめられ、意表を突いた2連続スクイズで内野が草野球みたいにぼろぼろになった。悲しかった。あれは本来カープがするべき野球である。走塁も極めてまずい。2桁安打なのに1,2点しか入らない。盗塁は少ないし技術的にまずいのもカープと思えない。そして佐々岡のお家芸のはずである投手陣はというと、アホみたいな腑抜けの変化球が高めに行って全球団にまんべんなく長打を浴びている。なぜ叱り飛ばさないか不思議で仕方ないが、それが彼の流儀なのだろう。

このままだと最下位も十分にあり得る。ネットは緒方の時のように佐々岡やめろの大合唱だ。仮免だからという容赦などなく、鈴木誠也はスタンドから野次でなく声援が聞こえて嬉しいと勝利インタビューで苦笑した。鈴木君、そうじゃない、野次ってくれるだけ有難いだろ、本気で怒れば球場に来ないしテレビも観なくなる。カープファンの熱い愛情を感じないのか?4番の君がチャンスで打つしかないんだ。打たないなら君もいつの間にかひっそりと野次られなくなり、不要になるだけだ。

僕は主力がコロナ離脱のすきに小園、林、宇草、玉村が出てきたのを評価する。監督のためではない、若手は貪欲なのだ。何がいいって、面構えだ。相手をぜんぜん怖がってない。ビビりがないからボール球の見逃し方がいい。こういうのは技術じゃない。誰とは言わないが怖がらずに高めに投げて何度も同じ失敗をする馬鹿でもない。そういうのを一口にセンスと言ってしまえばそれまでだが、高校野球であれほどセンス抜群だった根尾や藤原が苦労しているのだからプロのレベルでそれをやるのは大変な俊英たちなのだ。それを引き出したのは監督だろう。黒田、新井がいてタナキクマルが旬でエルドレッド、ジョンソンがいた緒方2年目とはちがう。緒方から引き継いだのは黒田、新井、丸が抜け、3連覇で疲弊した投手陣だったのだ。それは緒方のせいでもない。

今年は最下位でもいいので見守ってあげるしかない。これは筆のすさびでなく本当にそう思っている。そしてそう書きながらずいぶん優しくなったものだと自分で思ってもいる。カープと付きあって59年、ずっと怒れるファンだったが、まあいいやと認めてしまった方が自分の心の安寧を保てることに気がついてきた。これを身をもって学べたのはカープファンの特権だったとすら考えている。弱いのが平常。それを恒常にする心のホメオスタシスを自然とするマインドセットを具備すると、常勝巨人の1勝よりたまに勝つカープの喜びのほうが大きい。限界効用価値逓減の法則が正しくワークする。しかるに人生の喜びの総和が増えて、長丁場ではカープファンの方が得なのである。

このことは「強い者は生き残れない(環境から考える新しい進化論)」(吉村仁著、新潮選書)に書いてある。何事もそこそこがいい。3連覇は心地よかったが、1/6× 1/6× 1/6の確率という際どいことが既に起きているのであり、そう続くはずがないことは計算しなくてもわかる。つまりカープが勝ち続ければ続けるほど環境が変わったら脆い喜びという性質が増すのであり、いつかは消える不安というマイナスの方が大きくなってきてQOLが下がる。企業経営や家族や友人関係の安定だって同じことだろう。勝ち過ぎは良くないし、良い事づくめはかえって良くないのである。

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広島カープ、恥辱の17三振を喫す

2021 JUN 12 1:01:05 am by 東 賢太郎

オリックス山本がいくら好投手だからってこれはひどい。同じプロとしてみっともないと思わんのか。17三振なんてのは高校野球の地区予選でもそうはないし、やられたことも見たこともない。

「3回で完全試合を意識しました」となめきられ、7回までそのとおりになった。生き物のように落ちるフォークとカーブに手も足も出ておらず、やばい、確実にやられるなと思った。

スコアは0-0だったので引き分ければ参考記録で汚名は逃れられる。とにかく相手打線をゼロに抑えろよと念じたが7回に森浦、中田が失点した。ええい、こうなれば何点取られても関係ない、延々と10個ぐらい連続四球でも出して時間かけて、山本の肩を冷やしてやれと念じた。

そうしたら3人目の高橋樹が間の抜けたストレートの四球を出して、緊張してた空気がたるんだ。よしよし、いいぞいいぞ。案の定、次の8回、先頭の鈴木誠也がセンター前にゴロで抜いて、世紀の恥辱は免れることができた。もしやられてたら1994年のミスター・パーフェクト、槙原以来27年ぶりになる所だった。しかも、その時も、やられたのは広島だったんだ。

しかし、もうひとつ恥辱があって、こっちはやられた。1試合17奪三振だ。

1試合最多奪三振記録

山本は8回投げて交代して15奪三振、9回は平野が2つ取って17だったが、ぜんぜん球威は落ちておらず代えなければ18いけたと思う。まあとにかく、やられた側から言えば史上6度目あたりの「17三振以上」という球史に残る恥ずかしいものだったわけである。

今年の交流戦はどういうわけかセリーグが強い(あるいはパリーグが弱い)。予想だにせぬ戦績で、負け越してるのは巨人と広島だけだ。そして、例年と何ら変わらない弱さなのが広島なのである。

コロナ禍があったとはいえ交流戦2勝8敗と堂々たる最下位独走である。今日はセリーグの他チームは全部勝った。DeNAは3位と好調であり、連戦連敗で始まったリーグ戦はまだ6位だが、5位広島を抜くのは時間の問題だろう。

先発投手もボロボロだが打線がひどすぎだ。ヒットは出るが長打もタイムリーも出ない。戦力で目新しいのは新人投手だけで、多少の若手の台頭はあるが外人が目も当てられない。ソフトバンクもキューバ勢が五輪で抜けて苦戦してるが、カープは元からいないのだ。かえすがえすもバティスタが消えたのが痛い。

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浜口投手の悔し涙は一服の清涼剤

2021 APR 3 0:00:16 am by 東 賢太郎

横浜DeNAベイスターズが広島カープに敗れて球団ワーストの開幕7戦勝ちなしとなった。先発の浜口は開幕投手だったが巨人に3回6失点でKOされ、今日は2度目の先発だったが2-0でリードされた6回で代打を送られた。左足に張りがあったせいだが、それでも踏んばって堂林から三振を奪っていた。

驚いたのは浜口投手がベンチで泣いていたことだ。6回で2-0など、まだ全然敗けてるわけでない。そうではないのだ、投手出身の三浦新監督の信頼にこたえられなかったからだろう。昨日のヤクルト戦は4回までに11点取りながら中継ぎが打たれて引き分け。エースとして期するものがあったに違いない。

思えば最近は甲子園で負けても泣かないチームがある。笑顔の子すらいる。別に泣けというのではない、ラグビー精神でノーサイド?美しいね、でも野球だよねと思うのだ。甲子園の土は持って帰るが、なんとメルカリで売っていたりする。おい、そーじゃねえだろう。そう嘆いてしまう僕は古いんだろうか?

浜口を見て解説者が「良く投げましたよ、クオリティスタートですし」なんていう。おい、そーじゃねえだろう。相手はゼロに抑えてるんだ、なにがクオリティだよそんなもん、日本語で言ってみろよ、浜口に無礼だろう。だから「今日は自分の仕事ができました」なんて奴が出てくるんだ。

思えば最近は乱闘もない。かねヤンみたいにぶん殴ったりスパイクで蹴ったりしたら今どきは傷害罪で告訴されかねない。ケンカしろとは言わないが塁上で走者と野手と談笑するなど応援してる客に背信行為だろう。なんだよ仲良しクラブの野球大会かよ、そんなんで金取るなよ、八百長ねえのかよと思ってしまうのだ。

野球は格闘技じゃなくなったのだ。そりゃそうだ。巨人を見たらわかる。投手(井納、野上、大竹、高梨)、捕手(炭谷)、一塁(石川)、二塁(中島)、三塁(ウィーラー)、遊撃(廣岡)、左翼(陽岱鋼)、中堅(丸)、右翼(梶谷)と他球団からの引っこぬき組でそこそこの一軍チームができちまう。

これで塁で話すなといっても無理だ。引っこ抜かれたのは広島、ヤクルト、DeNA、楽天、日ハム、オリックス、西武、ソフトバンク、ロッテの9球団だ。セリーグの3つは金欠トリオ。分が悪いと主力(丸、梶谷、井納、昔のラミレス、ペタジーニ)を抜くWパンチ戦略の餌食になってみな翌年凋落している。

巨人が球界の盟主だ、横綱だと「常勝巨人」を作る裏工作丸出し。フェイクの横綱であっても勝つと気持ちいい。そういうコアな巨人ファンは確かにいるが、もう多数派ではない。今年の開幕戦「巨人×DeNA」の視聴率は史上最低の8.8%だったらしいが、要は、もう8.8%しかいないということである。

そこで対応策のつもりなのか解説席に芸人を入れたりしてると聞く(僕はそんなものは1000%見ない)。コアな野球ファンが芸人の解説など聞きたいはずがないだろう。つまり、そんなことをすれば、野球観戦にリピーターとして金を払ってくれる一番信頼できる客は、断言するが、確実に逃げていくのである。

マスコミの質、それこそクオリティの問題以外の何物でもないが、ひいてはプロ野球界の問題になっていくのだから野球を心から愛する人間として看過し難い。浜口投手の悔し涙は一服の清涼剤であった。浜口くん、すばらしい、そういう男は伸びるぜ、これからも応援するぞ。

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