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カテゴリー: 野球

昨今の野球を取り巻く不思議な現象

2026 SEP 4 2:02:20 am by 東 賢太郎

還暦になろうかという税理士のN氏が、テニスでどっかの県の中学生チャンピオンにシングルで勝ったという。うまいのは聞いていたが、これは大変なことだ。同時に思ったのは、そういうことが起こり得るテニスはいいなということだ。野球はせいぜい40までだ。還暦じいちゃんズが中学のチャンピオンチームに勝つことは、もとプロのオールスターチームだったとしてもまずないだろう。

10年ぐらい前、そのN氏とグアムでゴルフのマッチプレイをやった。ドライバーは20ヤード置いていかれ、白旗状態の9番で5打負け。そのグリーン上で何だったかひとこと言われて火がついて、5mの下りフックラインを気合でねじ込んで俄然優勢になり、後半でひっくり返した。彼はよほど悔しかったとみえ、いまだにその話が出る。それだ。それで彼はいまビジネスで成功しつつあるのだ。

男であれ女であれ、何事かでいっぱしになろうと思ったら、 いちばん大事なのは「負けず嫌い」だ。才能は発射台にすぎない。生まれつきゴルフがシングルの人はいない。同じ「つとめる」でも「務める」「勤める」はパッシブである。努力の努の「努める」はアクティブに「力を尽くしてはげむ」の意味だ。尽くすには燃料が必要で、負けの悔しさほど火力抜群のものはない。

本当を言えばこうやって大人に諭されて出る火力は知れてる。本能的に、悔しい、ちくしょう!と悶絶してこそ最大の火力になる。昨日の阪神ヤクルト戦で、外角きわどい所をストライクコールされて三振した阪神の森下が主審にガンをたれて詰め寄り危うく退場になりかけた。勧められた態度じゃないが、よほど悔しかったんだろう。最近はおとなしくなってこういう選手がいなくなった。

その象徴が、昨今のエンタメ・オールスターだ。江夏の九者連続三振。打者と投手の究極の力勝負は三振で、あれは9人に恥辱を与えて悔しがらせたいサディストのショーだった。仲良し村の今の選手たちにそんな空気はない。紳士になったというか女性化したというか、僕には全く理解できない。サーカスで牙と爪のないライオンのショーを見てる感じ。あれのなにが面白いんだろう。

同じく昨日、信じがたいことだがカープのピッチャーが中日のバッターに4回ぶつけた。さすがに4つ目、中日ベンチがぞろぞろ出てきてカープ側もおうやったろうじゃねーか風情で応じ、乱闘やむなしかと思われた。ところが中日の選手にそんな気配はなく人ごとみたいに整列なんかしちゃってる。すると、井上監督が新井監督に歩みより、肩をポンポンして何やらささやいて終わりであった。

これはちょっと背景がある。鈴木投手の2つは120キロ台で痛くない。ターノックの2つは150キロ超えの危険球だが悪意はないただのノーコン。選手もわかってる。こんな奴マウンドに立たすなよが井上のひと言で、新井もやむなく替えたんじゃなかろうか。井上は入団時はピッチャーだ。中日ファンのためにあえてポーズだけの怒りさえも見せなかったとすれば大人と思う。新人監督だしその道での実力は知らないが、おそらく、企業経営者で偉くなるタイプであろう。

そこで思い出すのが、一昨日の解説者の権藤さんだ。ベンチの井上監督が画面でアップになると「見て下さいよ。勝負してる者の顔じゃないですよ」とボロカスだ。なにせ権藤、権藤、雨、権藤の球界レジェンドだ、言いたい放題である。「ピッチャーもうまく間を取ってますよね」「間じゃないんですよ、テンポが分かんなくなっちゃっただけですよ」とアナウンサーなど眼中にもなし。ピンチになると「あのねえ、水なんか持ってってる場合じゃないんですよ」とやることなすことこの調子だ。

いや権藤さんご立派です。僕もあの水とタオルはやめてほしいな。あれ、駅伝の給水の影響じゃないかな、みんなで支えてるよタスキを繋ごうぜっていうあれは確かにいいシーンだよね、駅伝はそういうものかもしれないが、ピンチのピッチャーがサービスしてもらって立ち直れるって、そんな甘いもんじゃないよどう考えても。持ってく投手コーチは当然わかってるけど、世の中そういうほんわかムードが「いいですね」なんてなっちゃって、これも1つのお仕事だ、こんなんで雇ってもらえるんならと割り切ってやってんじゃないかな。権藤さん、それも気に食わないんだろうね。

ついでだけど甲子園の7イニング制ね、誰が考えたか知らないがジョークは勘弁してほしい。そんなもん野球じゃないよ。暑さ対策ならベスト8決まるぐらいまでは京セラドームでやれよ。高野連に金がない?クラウドファンディングで簡単に集まるよ。株式会社化して資金調達すればもっと集まるよ。可能な道はあるのに、お偉いさんのポストと地位名誉のためにルールを壊す。野球の神様の冒涜だ、やったらバチが当たるよ。

もうひとつ。スポンサー側にうまくまとめるアナウンサーが評価されるんだろう、東京ドームのゲームでの巨人OB解説者とナアナアのビバ・ジャイアンツ節に辟易してテレビから離れた僕にとって、バンテリンドームでダメならダメで中日をボロカス言うなんてこれぞ中立のメディアだと座布団10枚贈りたい。スポンサー側にうまくまとめる姿勢は、よってたかって高市政権の足を引っ張るクズみたいな番組とまったく同じだ。やればやるほどテレビ消す人が増えていくが、テレビ局はそうしないとファンが怒る、スポンサーが逃げる。つまり全てカネである。カネにメディアの操を売っている。死球4つの背景を見定めて乱闘しなかったとすれば、井上は野球人の操を売っておらず立派だ。

すると対極なのが阪神の森下だ。しかし彼はカネのために審判の冒涜をしてない。単に「負けず嫌い」で悔しいと見える。昨今は3割打者が減っているが、投手の球速が増したからが通説だ。しかし腕を強くふるなら制球は甘くなるからノーコンが増えた。速いノーコンは打ちにくく打者は率を落とすということだろう。だから審判にストライクゾーンを厳格にとってもらわないと厳しい。そういうギリギリの心理の中で森下は三冠王を狙っているだろう。サトテルに負けたくない気持ちもあるだろう。それもこれも負けず嫌いのなせるわざ。 26歳として当然といえば当然。カープ戦で打って欲しくないが清々しい若者だ。

 

履正社高校の敗戦に見た失敗の本質

2026 AUG 16 17:17:45 pm by 東 賢太郎

甲子園の大阪代表というとPL学園時代が長らくあり、廃部になってからは大阪桐蔭一強だった。履正社が出てきたのは2000年代、プロでT-岡田、山田哲人が活躍したぐらいから二強時代になった。特に大阪を応援しているわけではないが、 2年住んだ街だからひとかどの愛着はある。チーム数は多いが甲子園では今ひとつの東京勢にカツを入れる意味でも、強くあってほしいと思っている。

今年は春に大阪桐蔭が全国制覇した。ところが夏の予選で初めて名を聞く大阪立命館に3対2で負け4回戦で消え、時代は変わったもんだとショックを受けた。大阪立命館は5回戦で箕面学園に2対1で負けた。箕面学園は決勝戦で履正社に16対2で負けた。結局は二強の1つが勝って帳尻を合わせたのだった。

豊中に住んだので箕面(みのお)は隣町だ。箕面学園はカープの床田投手の出身校として知っていた。準々決勝で大商大に 3対2、準決勝で東海大阪暁星に 7対6で勝った。 4回戦から準決勝まで4試合を1点差で勝ち抜いてきたこのチームが甲子園に出ると面白いと思ったが履正社の壁は厚かった。なにせ決勝までの7試合中4試合が10得点以上、失点は準決勝まで0か1で、はじめて2点取られたのが決勝の箕面学園だったのだから。

さて甲子園に出てきたその履正社だ。初戦の享栄には 6対2で勝った。 10得点は行かなかったが2点で押えたのは地区予選の延長戦上だ。ところが、今日の三重に5対2であっさり負けた。これもまたひとかどのショックである。序盤に先制され、打線は2点返すのがやっと。第1戦で投げたエースを温存し11番、20番が出てきたが、守備のほつれから制球が甘くなりいきなり5失点してしまったのが敗因だ。

履正社の守備は、本来は、優勝候補として不足ないほど鍛え上げられている。小飛球になったバントを瞬時の判断で捕手がワンバウンドさせてゲッツーなんてのが当たり前のようにでき百戦錬磨感いっぱいだ。ところが初回にエラー、野選が出て三重にかき回され、14人の打者に6安打され1、2回であっという間の5失点だった。僕の感想としては、履正社にエラー以上の失敗があったというよりは、敵の混乱に乗じて一気呵成に攻め込んだ三重高校こそあっぱれであった。

野球の常識と言ってもいいが、投・攻・守で最も読めるもの、日によって良かったり悪かったりしない安定したものは圧倒的に「守」なのだ。だから新チームができるとまず鍛えるのは守備であり、それに穴があれば何をしてもむなしい。したがって「守備が弱くて強いチームはない」は野球の鉄則ということになるのである。だから強豪である履正社の守備にああいう破綻は想定できなかった。

破綻は初見の相手が想像以上に強かったときに起こりえる。今回の原因があるとするとそれぐらいだ。初回、サイレンが鳴り終わる前にセンター前ヒットが出てイケイケだった履正社に点が入らず、その裏にキャッチャーの悪送球、ファーストの野選が出ていきなり3点取られた。予選の最高失点が2点だから未体験のことが起きた。

桑田・清原のPL学園や松坂の横浜でこういう破綻は想像できない。投手力が図抜けていたわけだが、それもバックの守備力あってのことだ。先発した履正社の11番は予選では安定した二番手投手で、15回無失点の好投手であり、それも守備力に支えられていたはずだ。しかし、常にボロ勝ちしてきたから破綻の経験がない。そこで焦って球が浮き、打たれてしまったと見た。 スイスイと人生を勝ち抜いてきた者がドツボにハマると脱出法を知らないから深みに落ち込むことがある。11番はまだ2年だからそうならないことを祈る。

これは野球に限らないことだが、誰でも失敗はする。大事なのは、そこで何が起きようが平静を失わないことだ。履正社はそれができなかった。かつてより書いてきたように、僕は野球も受験もサラリーマン人生も数々の失敗を重ねてきた人間だ。個々の失敗について語ろうものなら、どれひとつであれ、あれは悪夢だ、なければ良かったと吐き捨てるに決まっている。ところが、それだけ重ねると失敗の練習量は半端でないということにも気づくのだ。そうなりたいと願ったわけではないが、もう少々のことではびくともしなくなった自分がここにいる。

練習と書いたが、実は、失敗は練習できない。成功しようと願ってやって成功しないことが失敗だからであり、暴投しようと思ってする暴投は暴投でないから、わざとそう投げて横っ飛び捕球のシミュレーションをすることはできても、予想外にそれが起きてしまったときの心持ちまでは練習できないのである。しかし実際の試合で暴投をなくすことはできない。だから、起きてしまった時に冷静に対処することこそが最善の策であり、「平静を失わないこと」が最善の対処法なのだ。履正社の選手諸君はこの敗戦を、そういうプラス思考で人生の糧にしていただきたいと切に願う。

ではどうしたらそうできるか?頭の中で妄想したり、先人の教えを受けたりハウツー本みたいなもので耳年増になってもだめだ。万人が回復できるうまい方法なんてないので、上手くいった他人の経験が自分にワークする保証もないのである。自分が実際に窮地に陥って、悩み抜いて、誰にも助けてもらえず、眠れぬ夜を過ごし、もがいていたら、別に殺されるわけではないということぐらいは頷(うなず)けるようになってくるだろう。死刑になる恐れのある罪を犯したのでなければ、世の中の大概の事は実はそんなものだ。誰もそんな思いをしたいと思わないが、それに遭遇することを恐れてはいけない。なぜならその経験の1つや2つは子供の麻疹(はしか)と一緒で、あった方が長い人生にとって保険になるかもしれないからだ。そう思う安楽な心持こそが平静への第一歩だ。

これもかつて書いているが、僕は高2で肩を壊して投球不能になり、だましだまし続けるより退部することに決め学業にシフトした。心の底から世をはかなんだが、別に野球ができなくても殺されはしないし実は何も失わないということを後になって学習した。50歳手前にしてサラリーマンとして思うところがあった時、その経験が心によみがえり、そこからほんの数日で、自分の力がより発揮できる会社に移籍する決断に至った。野球を断念するのはそれよりずっと重かった。「仕方ないことをうじうじ考えても何も産まれない」。以来これは僕の鉄則となり、万事において決めたら委細構わず即決する人間になった。

それがいいか悪いかは別だ。失敗だったこともある。でもそれで人生が楽で軽やかになったことだけは間違いない。会社の移籍は失敗した場合を考えはしたが、やらないで後悔するよりやって後悔する方がましだ。どっちであれ別に殺されはしない実感がたくさんの失敗経験によってガッチリと出来ていた。であればやらない手はない。プロとしての勘から成功する自信があった。「やって得」と思えることはやった方が現実に得であることが確率的に多い確信があった。であれば、チャレンジ数を増やせば増やすほど「大数の法則」によってその高めの勝率はより確かに固定されてゆくのである。

サイコロを振って1が出る確率は1/ 6だ。 6回振っておおよそ1回は出る。出ないかもしれないので「おおよそ」だ。それを不確実性という。 60回振ればおおよそ10回出るが「おおよそ」は減る。60億回振れば10億回出るが「おおよそ」はほぼゼロになる。つまり、振れば振るほど1が出ない不確実性は減る。これが「大数の法則」だ(保険会社の本業収益はこれによって出ている)。ということは、プロとしての勘がある人は、それがプラスと確信できるチャンスがあるなら転職は出来る限りやった方が良いということを示している。それに伴うコストを差し引いても得かどうかは判断しなくてはいけないが、常識とかけ離れていることは何の問題もない。数学は常に正しいからだ。

これに従ってより良い人生を生きるために必要なことが2つある。 1つ目は、どんな職業であれプロにならなくてはいけないこと。 2つ目は、実現可能な選択肢をたくさん持つことである。それにはまず大前提として就社でなく就職していることが大事だ。僕は学卒で野村證券という会社に「就社」したが、 10年ほどでプロの証券マンとなることで初めて「就職」資格を得た。この差は決定的に大きい。就社に留まる人は市場で買い手がつかないサラリーマンであり、給料と退職金をもらって社会人終わりである。ところが就職になると買い手がつく。野村でいくらもらっていたかに関係なく市場の値段がつく。これのプロ野球版が「フリーエージェント」である。大谷選手は日本ハムで数億円はもらえたが、市場の評価としてドジャースから1000億円のビッドが入ったわけだ。

僕はみずほ証券の執行役員を最後に市場でビッドが入らなくなったのでソナー・アドバイザーズ株式会社という雇用主を自分で作り、そこに雇われて16年になる。この行為を別のアングルから「起業」と呼ぶ。これをするためには市場で値段のつく人間になっていることが最低条件であることは以上の論旨から自明であろう。僕の市場価格はソナーなど僕の作った会社から頂く金額であることも理解されるだろう。お金で表せないものはあるが、表せる部分は表した方がいい。自分は何のために生まれてきたのか、社会にとって何の役に立っているかなんてことを悩まないですむからだ。

履正社の選手諸君はこの敗戦で、強い組織にいても世の中一寸先は闇であることを身をもって学んだ。優勝してしまっていたら一生わからなかったかもしれない教訓だ。優勝のトロフィーや記念写真やメダルやたくさんの記事やファンの祝辞を頂いても、どうだ俺達は強いだろで終わり、10年も経てば世間はそんなこともあったねで終わりである。勝利は美酒ではあるが、学ぶことは実はあんまりない。負けは失敗であり、失敗はたくさんの教訓を残してくれ、しかも悔しかったので肌身に染みて忘れない。お偉いさんの訓示や、誰かさんの体験談や本をいくら紐解いても、涙を流すほど悔しい思いをした者にはかなわないのである。

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カープ森下に見たエースのたたずまい

2026 AUG 15 0:00:27 am by 東 賢太郎

なすすべなしの12対0で6連敗。悲しくなるほど凄惨な負けだった。昨日ヤクルトの第3戦が台風で流れてよかった。しかし、ホームに帰って迎え撃つは巨人を3タテした阪神である。 20対0で負けたらカープはどうなるんだろう。こういうときにマウンドで仁王のように立ちはだかるのがエースというものである。

エースはチームの数だけいるが、背番号1や開幕戦の先発になればいいというわけではない。首位を快走する阪神は村上、高橋、才木と勝てる先発が3人いるが、はてどれがエースかなというと僕的には難しい。なぜならエースには、数字の裏付けだけではない、チームを鼓舞する「たたずまい」が必要なのだ。

たたずまい(佇んでいる様子)という言葉のニュアンスは英語にも中国語にもない。何かする前にどう在るかを静かに伝える気配や空気感、とでもいうもので美意識にもなるし威圧感にもなる。たとえば「木鶏」は中国の故事に由来する言葉で、木彫りの鶏のように全く動じることのない最強の状態にある闘鶏をさす。横綱双葉山が70連勝を逃したとき「われ未だ木鶏たりえず」と言ったが、横綱は木鶏のたたずまいあるべしという含意であろう。

今日、最強の阪神タイガースを8回1失点で抑え込み勝利した森下投手を見て、そのたたずまいにおいて、広島カープのエースだと僕は感じたのである。

奇しくも6年前の今日、森下は京セラドームで阪神を2安打完封した。

その時に書いたブログがこれだ。  カープ森下、惜しかった準完全試合

1ヶ月ほど二軍落ちに甘んじた今年を彼は勝利インタビューで「思い出したくない」と語った。当然だ。森下君の辞書に「二軍」の文字は無いだろう。今日のピッチング、力感なく淡々と投げたように見えたが、森下・サトテル・大山のセリーグ最強クリーンアップを2安打に封じ込んだ。 三振はカーブが効いたが、ストレートに伸びがないと三振は取れない。

今時150キロは当たり前で、エイヤと160キロ出すピッチャーが讃えられる傾向があるが森下は平均146だ。そんなことには目もくれていない。腕づくで球速で押し込むのは有力な戦法だが慣れれば打たれるし、エネルギーを使う。 140の腕の振りで120を投げればマイナス20の分、打者は前のめりになって強いスイングができず、しかもエネルギーの消費は少なくて済む。森下の速球は伸びがある分、落差は20以上、しかも伸びはランダムだから落差も変動してバットの芯を外す。その変数を駆使して打者のバランスを崩す。エイヤと160キロより知的であり、馬鹿力でなくインテリジェンスで打者の優位に立つ。今日も彼は当然完封しようと思っていたはずだ。理由はない。そういうたたずまいがあったのである。

投手が分業制になった昨今、 6回を3点に押さえればクオリティスタートだか何だか知らないが、僕はそんなものに何の関心もない。あっさりそう言ってはセットアッパーやクローザーという地位と名誉が確立している今は失礼に当たるが、関心ないものはない。つまり僕の美学は、ピッチャーは完投して当たり前、できれば完封を狙うである。だから8回の1アウト二三塁でサードゴロを取って一塁に投げた佐々木君、 6対0のスコアで安全策をとるのはわかるし青学ではそう教えるかもしれないけど、あれはホーム全然間に合ってただろ、ホームで殺してやれよ森下さんのために。解説の野村謙二郎氏はあれでいいと言っていたが、チームはそうでも防御率にも関わる。1点入ったからあっさり9回は交代したけどまだ113球だったからね、0点のままだったら9回も行ったと思う。野手の君たちにはわからんと思うけど、ピッチャーってのはそういう生き物だ。

あと2回の先取点ね。無死一二塁で佐々木・左飛、石原・三振だよ。ここで打席に入った森下は、高めのボール球を引っ張ってレフト前。芯くったいい当たり。あれでがぜんカープの打者の空気が変わった。ファビアンは激走して3塁打にしたし、モンテロは初球を鬼の形相でレフト前に火の出るようなヒットを放った。ヤクルト戦の12対0の屈辱的な負け。ドミニカ人の2人は、おかしなムードになっているベンチにいてどう思ってたのか。男としてやられっぱなしはありえねえと思っていたはずだよ、 2人とも強烈な一撃を放ってチームに火をつけてくれたと思うよ。その2人がベンチで森下のナイスピッチをたたえてる笑顔、本当に頼もしい。ピッチャーとしてあれほど嬉しいことはない。

結果論ではあるが、石原より森下の方が打者として芯でとらえる能力は全然上だ。石原君もっとトスバッティングを地道にやった方がいいね。もう1つは6回だ。一死三塁で打席に森下。たたずまいからして打つと思った。完璧なセンター返しがピッチャー門別を直撃。本来センターに抜けるべく狙って打った感じだった。マエケンもそうだったが森下は2刀流で通用する。打者に専念したら3割近く打つんじゃないか。ちなみに大分商業時代は、ソフトバンクに入った同期の川瀬晃とピッチャー、ショートでライバルだったから打撃力あるのは当然だ。僕は川瀬の守備の反射神経はプロでも一流と思っていてショートでもそれと競ったのだ。スポーツは何をやらしてもうまいのだろう。

たたずまいが全てを変える。それができるのがエースである。カープはこの一勝で何が変わるわけでもない大変な渦中にあるが、グラウンドにおいては、マウンドにこういう男が立ちはだかれば空気は変わる。全員が本気を出せば難敵・才木をKOし、首位を独走する阪神タイガースにこんな勝ち方ができる。ファンが望むのはこれに尽きる。

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僕が広島カープファンになった意外な真相

2026 AUG 9 3:03:47 am by 東 賢太郎

8月6日の朝8時、東京タワー近くのカフェで初対面の皆様とミーティングが始まりました。これが建ったのは昭和33年、高さ333メートルは当時の日本一。その年に生まれた妹が物心ついたころに父に連れてられて展望台にいちど昇ったきりで、今回このあたりに来たのもそれ以来という塩梅なのだから東京が広いのか行動範囲が狭いのか。スカイツリーだって近寄ってもおりませんから、高いところが苦手で下から見上げるのもちょっと弱いというのがあるかもしれません。今回はタワーに用事があって来たのですが、たまたまとはいえ8月6日という日付も気になっており、広島に原爆投下された8時15分に心の中で黙祷をいたしました。

原爆をいつどこでどのように知ったかは覚えてません。調べてみると、社会科で習うのは小学校6年のようです。そうではない。なぜなら、小学校2年から広島カープファンになっていたからで、それから4年も経って原爆投下を知ったとするとその脈絡で覚えているはずですから100%それはない。つまり原爆を知ったのはカープファンになるのと同時の8歳か、それ以前であります。自分の中では、「王貞治と大羽進の甲子園予選東京大会決勝戦での対決」で1-0で敗れた大羽を応援しているうちに判官びいきでカープが好きになったというストーリーになっており、ブログにそう書いてもいますが、本当にそうだろうかとふと思い、先ほど調べてみたのです。少々ショックでした。おふたりの対決のとき僕は4歳であり、どう考えても誤りということが発覚したのです。

おそらく、大羽投手が「王キラー」として名を成した10歳のころにふたりの高校時代の因縁が世間で話題になり、僕の中でそのストーリーが後付けでくっつき、今に至るカープ愛が完成したものと思われます。ところがです。そうだとすると、きっかけなしに、自発的に、8歳の東京の子が万年5位、6位だった地縁も何もない広島カープの熱烈なファンになったことになります。広島県がどこにあるかも知らない子がカープファンになった納得できる理由が消えてしまうのです。当時は巨人戦しかテレビ放映がありません。ときおりしか見ない相手チームは情報も少なく東京の子はみな巨人ファンの時代ですから、何か強い理由がないと起こりえないことでしょう。ではそれは何か?ここで「原爆を知ったのはカープファンになるのと同時の8歳か、それ以前であります」という条件が活きてくる。つまり、原爆投下を知ってから(あるいはほぼ同時に)カープファンになったのであれば納得できるのです。すなわち、球団の好き嫌いとは関係なく、誰かがまず広島への原爆投下の悲劇を8歳ごろの僕に教えこみ、感化を受けて湧き起こった同情と義憤から僕はカープという球団を強く意識するようになったのです。

では教えたその人物は誰だったのでしょう?

母は野球、政治に興味はなく、精神的ショックを与えかねない話を他人の子供にするような親戚もおりません。それは父以外にあり得ません。おそらくはテレビでいっしょに巨人・広島戦でも見ながら、少し日本語が理解できるようになった息子に、広島というところはねと原子爆弾の話をしてみたのでしょう。16歳で開戦となり、学徒動員され陸軍の高射砲部隊で片耳の聴力を失い、家は空襲で焼失して大学も断念せざるを得なかった父は戦争と、原爆投下を行ったアメリカ合衆国をという国を心底憎んでおりました。しかし同時に、入隊して体験した理由もない体罰から日本軍への憎悪を語っており、矛盾のようですがGHQにはそれほど批判的ではなかったのです。三井銀行に入行し、三井物産の幹部で資産家だった祖父が末娘の婿に選んだことで体制批判ご無用の立場になったのですが、母方の親族が東京裁判で無罪になったこともGHQと新政府に親和的だった背景かもしれません。そんな父が、母の庇護下でのんびり、のほほんと育っていた息子を見て、戦争について教育しておかなくてはと考えた可能性は大いにあります。そのコンテクストでプロ野球を見れば、帝国主義、軍国主義の犠牲となった広島という都市に強い同情が芽生え、樽募金で資金をまかなって誕生したカープを応援しようと8歳の少年がなっても不思議でなかったと思えるのです。父はあまり野球を知らず月並みな巨人ファンでもあり、その後の言動からしてカープ応援に誘導した形跡はありません。あくまで僕の心の中でおきた化学反応だったのです。

もし父の語ったアンチ原子爆弾、アンチ・アメリカ合衆国がそれほど影響があったなら、ことは野球に限らず、僕の中に何か別の痕跡もないだろうか?あるのです。アメリカ文化への徹底した蔑視です。武力で負けても文化では勝っているという精神的レジスタンスです。それが僕のクラシック音楽の受容に影を落としました。日本の西洋音楽評論界では親・独伊、反・英米の立ち位置がありえました。軍事同盟と文化は本来無縁なのですが、ルーズベルトのオレンジ計画など吹っ飛んで痛快である。僕はそれに染まり、後々に留学先で2年間定期会員にしてもらいオーマンディーやムーティの指揮で何度も深い感動にいざなってもらった名門フィラデルフィア管弦楽団を芸術性においては完全に見下しておりました。父のスタンスの影響から、アメリカの音楽文化について都鄙感覚からくる頑強にネガティブな心理バリアができてしまっていて、刹那は感動しても敬意には至らなかったのです。レナード・バーンスタインという天才を知って中和はされ、彼の方法論の薫陶でこうしてブログを書いているわけですからアメリカの美質は認めてはいます。しかし、その音楽文化が欧州に匹敵するなどとは申し訳ないが今もって微塵も思わず、言葉は汚いが蔑視は消えていないのです。抗いがたいcomplexityであり、ニューヨークに教師として滞在したドヴォルザークが、土地や文化や人々を愛したにもかかわらず米国音楽に抱いていたとされる気持ちに似たものかもしれません。

後述するように父自身はアンチ・アメリカ合衆国のバリアを乗り越えましたが、好きになったわけではなく、敵の強さを素直に認めて良いものは良いとして学んでしまおうというプラグマティックなものでした。敵は無傷で捕獲したゼロ戦を分解して空中戦で負けない手法を編み出しましたが、父もそういうエンジニア的性向のある人で、神風と大和魂だのみの日本軍より実用主義的な米軍を評価したのです。対して、敵を鬼畜と罵るだけで研究せず、無線は傍受され放題で大勢の若者を無為に犠牲にした日本の軍神たちをシンプルに馬鹿だと考えていたと思われます。その証拠に、性向が丸々遺伝した息子がそう確信しているわけです。戦争というものは女性や子供も苦しむのですが、なんといっても亡くなった310万人の8割近くは男だったという厳然たる事実は重い。東家の墓にもガタルカナルで戦死と刻まれた親類が眠っているし、男だ女だという話は忌避される平和な世の中になってはおりますが、数字が示す通り男にとって戦争とは逃げ隠れできないものだったのです。犠牲者である父が息子にした広島原爆投下の話は、当たり前のこととしてそうした “強度” を伴っていたはずであり、だからカープが好きになりましたなどという安易で拙速なものではなかったのだろうと思います。

小学校2年生が理解できたことは、自分もそのめちゃくちゃにされた日本人である、父がかわいそうだ、であればこれから自分が鉄腕アトムみたいにやり返せばいいではないかの程度だったでしょう。そして、それが今も僕の性格の根幹にある「判官びいき」のルーツになった理解は容易です。今もって、何らの理由もなく、「でかくて強いもの」はいつも僕の中では好悪の悪であり敵なのです。でかくて強い。アメリカそのものじゃないですか。そして野球少年になりつつあった当時、あこがれとともに毎日毎日テレビにかじりついて見ていたプロ野球の世界では、9連覇した常勝巨人軍こそが悪の権化みたいなものであり、僕が応援すべき弱者はといえば、故なき原爆被害に遭ったにもかかわらず、それをはね返して強くなりたいという不断の願望をもち、他チームをしのぐ激烈な努力を重ねていた広島の球団だった。ここで王と大羽のストーリーが、これまた判官びいきのフォーマットに綺麗に収まる話として縫合され、王の5打席連続、6試合連続などの本塁打記録を3度も阻止し、通算48勝中19勝が巨人戦という感動的で正義の味方としか表現の言葉もない大羽進投手の快投を聞き知って、カープファンという魂が形成されていった。これが時系列から見ても文脈としても、僕が広島カープファンになった矛盾のない結論、すなわち、真相であります。

王貞治vs大羽進

自我の成り立ちはかように複雑なものです。皆さんどなたも、ご自身なりの物事に対する善悪の感情をお持ちと思います。戦中派を親に持つ世代のそれは大なり小なり終戦と無縁ではないでしょう。自分たちは絶対に戦争はしない。この教訓は合致していましょうが、ではどのような国になれば我々日本人が戦争ぬきで幸せに生存していけるのか。喧嘩はこちらがふっかけなくても逆はあるわけです。それへの対処も放棄してどこかの国の核の傘の下で生きながらえる。これをまじめに信じられる人はよほどの性善説か、何も考えてないか、どこかの国の奴隷でも戦争で死ぬよりましだと考えるか、仮にそうなっても自分の一族は上級奴隷として良いポジションで生きられると積極的に思っている方々です。ちなみに世襲政治家は代々が上級国民であり、奴隷になってもその支配を一任される上級奴隷のはずと考えており、傘を持つ可能性のある米国・中国どちらであれ媚を売る可能性がとても高いわけです。米国・中国もその連中をスパイにしておく絶大なメリットがあり、カネ、女、秘密医療、秘密口座などを総動員して手なずけ、逆らえばそれをネタに脅します。ODAの3割が秘密口座にキックバックされるなど、実弾は日本の税金だから出す方も腹は痛みません。ストレートに書くなら、その連中は表の顔は議員や官僚ですが、実態は堂々たる売国奴であるということを言っております。国策絡みの収賄はシーメンス事件が著名で、日本海軍はロンドンの銀行に英国人名義で秘密口座を持っていました。大東亜戦争が太平洋戦争になる過程でもそうした動きがあったことは多くの方面で指摘されております。その行動を国民がじっくり観察し注視していれば、そういう者どもの本性はおのずとあぶり出されてきますし、日本を愛する国民が高市官邸に大きな期待をよせる一端はそこにもあろうと思料いたします。

我がカープ愛の由来はそのように意外なものでした。判官びいきはそれが弱くて負け続けても愛するし、必死に戦った結果が最下位でもいいのです。だからこそ、今回のゾンビタバコ事件は逆鱗に触れた、なぜなら弱くても愛するのはその者が勝ちたくて死ぬほど努力しているからです。 10連敗したっていいよ、そこから何かを学んでいずれ強くなるさ。そう思えるから応援する。現に弱小のカープが昭和50年に初優勝したときの喜びは、奇しくも大学合格の年でもあったゆえ人生最大の歓喜の年だったといって過言ではありません。判官びいきは、応援する対象自身の強い願望、努力と裏腹の推し活なのです。だから怒りは半端でない。違法かどうかなど僕のコンテクストにおいては些末なことで、コンプラで騒いでる世間とはぜんぜん別次元の怒りなのです。願望、努力とは程遠い薄汚れたおぞましい自堕落はアスリートであるなしにかかわらず人間として終わってる。日夜必死に練習して当たり前の二軍の分際で、田村というガキがネエちゃんとイチャついてる。適当に楽しくやって何年か経てば上がいなくなって一軍に上がれるだろうと甘く見ているとしか思えない。ネエちゃんと遊んでいかんという気はない、それがストレス解消で努力のうちなら大人の判断だが、それで世間に通るのは一軍で3割打ってから。こいつのしてることは、ただのその辺のサラリーマンと同じです。僕はこういう勘違い野郎が問答無用で大嫌いで、顔を見るのも不愉快。こいつが出るなら試合は見ない。

王貞治は荒川コーチの自宅で日本刀を毎日振って集中力を研ぎ澄ました。高校からの宿敵である大羽進は王を三振に打ち取ることに命を懸け技を研ぎ澄ました。なんのため?勝ちたいからです。その一挙手一投足にファンは酔い、少年だった僕は男と男の真剣勝負の潔さと残酷さを学んだ。今どき巨人の星かと思われる方も多いでしょうが、その今どきの世界のトッププレーヤー、イチローやダルビッシュや大谷だって厳しく自分を律して磨き上げて頂点へ登りつめた点で王や大羽と同じです。だから僕は昨今の日本のなあなあでお遊びでしかないオールスターは見ません。こんなくだらないものなら、とんねるずの「リアル野球BAN」のほうがよっぽど面白い。ゾンビ吸ったりネエちゃんとキスしてるところを間抜けにも撮影されてるカープのこいつらは球界全体のユルさが生んだかもしれず、サッカーの方がずっと真剣勝負であるとだんだん思えてきました。青少年に何を教えてくれるんだろうという視点はプロのアスリートには必須です、僕もそれを見て育てていただきました。カープのキミたち、自分は大谷さんとはレベルが違うんでと思ってるなら、そもそもプロ野球選手じゃないんで歌舞伎町のホストにでもなれ。

父がどこでどうしてアメリカを許したのかは聞けませんでしたが、GHQが決して鬼畜米英ではなく、入隊するなりスリッパでビンタを食らわせた畜生のごとき陸軍の上等兵どもに比べればずっと人間としてマシであり、頭から押し付けられた自由主義、民主主義ではあったが、天皇総帝論のもとでの八紘一宇よりまともな治世ではないかとどこかで確信に至ったものと思われます。一転して英語を学ぶようになり、息子には米国留学を奨励し、銀行定年後もインドネシア国立銀行、トーマス・クックの顧問に就任しておりました。 「97歳でも勉強されてたんですよ」と入居していた施設の皆さんからうかがい、まさかとは思いましたが、遺品に漱石の坊っちゃんの英語訳があったのはいささか驚きました。父が所有していたLPレコード、ビリー・ヴォーン楽団の「浪路はるかに」をきくと、あのなつかしい居間の午後の陽だまりが目の前にぱあっと広がります。

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広島カープ、社会なめちゃいけねえよ

2026 AUG 1 0:00:02 am by 東 賢太郎

広島カープを64年応援してきた東京のいちファンとして、 7月13日に出てきた雑誌のおぞましい写真、昨日報道された家宅捜索は寝耳に水だ。許し難い。球団のコンプラ対応がどうのとかそんなこと以前に、 二軍選手ごときがチャラチャラこんなくだらん奴らと夜遊びしてるって何なんだよ。そんなの野放しにしてる球団がプロ名乗ってお客から金取ってんのかよ。社会なめちゃいけねえよ。 一般企業でもね、一人前でもねえ奴がこんなことしてたら一発でクズの評価だよ。しかもそれが法に触れてました?シャレにも何にもなんねえんだよ。

新井さん、家族野球も結構だけどね、あんたが親父なんだろ?なら自分の息子がこんなことやってたら即刻呼びつけてどやしあげろよ。何が家族なんだよ、叱ってやるのが仕事だろ。息子が万引きしてました、気がつきませんでした、大変遺憾に思います、それとおんなじじゃねえか、それで終わりかよあんたの家族は。一発張り倒しておけば社会なんかわかってねえ小僧どもは人生間違えずに済んだんだよ。青少年の模範にされる業界だよ、えんがちょ付いちゃったら終わりだ、誰もそんなやつ気持ちよく応援できないぜ。こういうのイメージはもうゴキブリと一緒でね、一匹出たらってなる。野球界ってひと皮むけばこうかってことになってファンも野球人口も減るよ。これはカープのコンプラ問題なんてチンケな話じゃない、すべての野球を愛する人たちに土下座して謝るべき事件だ。

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「カープ女子」はどこへ消えたのか?

2026 JUL 12 12:12:33 pm by 東 賢太郎

【一軍】

広島 1-10 中日

広島 1-8  中日

【二軍】

広島 1-12 ソフトバンク

広島 1-12 ソフトバンク

 

直近2試合の結果だ。20連敗ぐらいしてるチームかと見まごうほどの腰の入った負けっぷり。なぜか二軍まで同じ日に仲良く2試合連続のボロ負けである。

一軍は前のカード(ヤクルト)の勝敗は〇〇✕であり、〇〇は「サヨナラの2連勝」である。このところスタンドはガラガラだったのだが1戦目でサヨナラ2ランの4番坂倉がインタビューを「満員にしてください!!」と叫んで締めくくり、なるほど明日からはきっとそうなるだろうと思ったものだ。

ところが翌日もガラガラだった。地元ファンの目はそう甘くない。しかし、この2試合目も選手は奮起した。モンタナが押出しの四球を選んでサヨナラ勝ちだ。ヤクルト星投手は泣いていた。そして迎えた第3戦、観客は少し増えた感じである。

ところがここでヤクルトの外人投手3人に継投ノーノーを食らってしまう。

負けたのはいい。腑に落ちないのは、「昨日まであんなに元気だったのにね」という事故のお悔やみのような複雑な感情なのだ。そして、その感情が選手にもシェアされてたかの如く、続くカードで最下位の中日にブルドーザーのように押しつぶされてしまったのが上掲の2試合なのだ。するとさらに不可解なことに、兄貴が名古屋でボコボコにされると弟まで同じ日に広島でソフトバンクに粉砕されているではないか。いったい何が起きたのだろう?

ちょっと私見を入れよう。ノーノーはきつい。ボクシングでゴングから5秒でKO負けしたみたいな、相撲で立ち会って2秒で電車道で吹っ飛ばされたみたいな、屈辱でしかない圧倒的な負け、全人格的にすべてを否定されたような仕打ちだ。やった方はその逆だ。僕は1安打をしたことがあるが、マージャンで言うなら今までヘボだったのが役満あがって上級者になった気がした。やられた方はその逆なのだ。彼らはプロだ。それで飯を食ってる。そのショックで無残な連敗になってしまったのだろうか。

さらに細かく見るならば、ノーノー食らった翌日のバンテリン初日で先発森下ってのは微妙と思ってた。 3年前に名古屋で初回に5連続ヒットを打たれて負けた不甲斐ない姿を新井は覚えてないのかな。エースが投げて1番から5番までヒットなんて人生初だ。森下は名古屋は嫌いに違いない。大瀬良がいない中、森下を立てての10失点は精神的被害が甚大だ。そしてその大瀬良までもが同じ日に二軍戦で4回8失点、これまた信じがたいほど酷い。ソフトバンクが強いんだという意見もあるかもしれない。しかし2日目は秋広に1回と9回に2度満塁ホームランを打たれるという珍事に等しい屈辱を味わってるのである。もうこんなのプロと認めがたい。日々何を練習してるんだ?二軍監督・コーチは何をしてるんだ?お前ら野球選手以前に男として恥ずかしくねえのか、もういい加減にせえだ。

カープの一軍はここ3試合で2点しか取れていない。当然と言えば当然だ、先発メンバーを見れば、坂倉と小園以外は二軍みたいなものである。名原が出てきて多少元気が出たが、それを除けば元々その程度の打線なのである。百戦錬磨の涌井にすれば赤子の手をひねるようなものだったろう。

外野に2本しか飛ばない広島カープ

外野にも飛ばない打線がホームランなど出るはずがない。原因は簡単だ。小兵を好んで採ってる。岡本、村上、佐藤輝、牧、清宮、浅村、柳田、山川みたいなガタイのいいのを採らない。年俸が高いからだ。例外だった2017年の丸、鈴木誠也、バティスタのクリーンアップは3人ともOPS1の超ド迫力で、東京ドームで原監督が青ざめるほどのホームラン攻勢で巨人を粉砕したあの試合は一生忘れない。もしあの打線が今あったなら、僕は休日返上でマツダスタジアムまで足を運ぶだろう。つまり、そういう補強をすればスタンドがガラガラになどなるはずがないのだ。

ありがとうバティスタ(僕の永遠の4発)

小兵でかき回して少ない得点を守り勝つ。昭和の広島カープだ。判官びいきの僕はそこが好きでファンになった。しかし昨今の「投高打低」現象は一時の現象ではない。最近の子は大きい。大柄な投手たちが筋トレでマッチョになり、高校生でも150キロを超えるのがザラになった。昨日のゲームであんまり知られてない阪神の育成ドラフト出身の工藤があっさり163キロを記録した。少々コントロールが甘くてもそこまで出れば打たれない。今年の交流戦でそうしたパワーピッチャーがそろうパリーグがセを圧倒して証明したことだが、デカくて筋肉モリモリの奴が160キロで打者をねじ伏せにかかり、ボディービルダーみたいなマッチョマンがその球を180キロのスイングでバックスクリーンに叩き込むなんてスポーツに野球は進化しつつある。大谷だって顔はやさしげだが裸になればマッチョマンだ。投手の球が速くなれば打者のスウィングだって速くなり、観客はスーパーマンとスパイダーマンの戦いみたいなスリルを期待して球場に足を運ぶだろう。これは自然なことだ。 2000年前のローマでコロッセウムの観衆は剣を持った屈強の奴隷が猛獣と戦うのをワクワクして観ていたし、スペインの闘牛場ではいまもそれが行われている。来年からセリーグも指名打者制になり、日本でもその傾向に拍車がかかっていくであろう。それが良い悪いではない。ここでの論点は観客動員数だ。サッカー、バスケ、テニス、ラグビーなど他のスポーツに比して現状の野球人気がこのままである保証はないことを念頭に、ショービジネスとしてのエンタメ性の変化には敏感であるべきだということだ。

従来よりカープは交流戦を不得意としており今年も10位に終わった。パリーグの投手の速くて強い球を遠くに打ち返すにはカープ打線は火力が足りず、 5000ccの大型車が居並ぶレースに軽自動車が入ったみたいなものだった。それでも勝てばいいではないか、「小よく大を制す」だし日本の美学であるという声もあろう。しかし世の中は動いている。小が大を制しきれない時代になった。アメリカに逆らえばあっさりと元首を殺され、NATOとて潰されかねない。アンソロピックのミトスを野放しにすれば世界の銀行口座はハッキングし放題だ。大を大でも制せない時代だ。そこに勝率ゼロである「小よく大を制す」を掲げてコストをセーブするモデルは国家戦略として根本的に無意味となる。野党の皆さん、国民が日々の生活に苦しんでいる時に国防予算増額なんてなどと言ってる場合ではない。ミサイルが飛んでくればあなた達も死ぬのだ。そういう空気に連れてスポーツにファンが求めるものも変わっていくと僕は確信している。スポーツを戦争のシミュレーションとして始めたのが五輪だ。そんな時代ではないが、ボクシングのリング上で殴ってけがをさせても傷害罪にはならないしパンチがもろに入って死んでも殺人罪にはならないだろう。競技であってその故意がないからだが、行為は同じでも故意があって国家が罰しなければ戦争になる。そうした戦争と接点がある力と力の戦いで「小」が何しても勝てない時代になり、毎日そうしたニュースを眺めていれば無意識に人間の思考回路も変わっていく。やがて日本においても勝てない戦略など支持する者はいないリアリズムの時代がくるだろう。昭和の美学で野球をやり今もそれを愛する僕が望むことではないが、いずれ金を払う側に昭和生まれはいなくなる以上それで飯は食えないし生きてもいけない。だから興業主である球団もそれについて行かなければあっという間に倒産するリスクがある。こうしたマクロ的な視座がこの球団にはないから現状に至っているのであって、経営陣に変わる様子がない以上今後も気づかないだろう。よって、本稿の最後に論じるような危機に陥る可能性はある。経営者の心配をする気は毛頭ないが、いち野球ファンとしては困るのである。

広島カープの問題は新井監督の采配ばかりにあるのではない。ピッチャーが少々打たれようが後半戦でひっくり返して2016~18年の3連覇を支えた丸、鈴木誠也、バティスタの長打力はオールドファンの山本浩二、衣笠、ホプキンス、シェーンへのノスタルジーをかき立てた。それを知らぬ若い女性ファンも2014年に田中広輔が入団してタナキクマルが揃った年から増え始め、「カープ女子」という言葉が流行を始めた。ついに優勝した2016年、鈴木誠也とバディスタの出現で攻撃の破壊力がMAXとなるとカープの観客動員数は2018年に223万人と最大になり、 2019年の丸の巨人移籍とバティスタのドーピング疑惑で破壊力が減衰すると観客動員数もピークアウトした。スタンドを真っ赤に染めた「カープ女子」の増減とカープの興亡はシンクロして象徴的ではあるが、 経営は数字であって男も女もない。球団の収入の根幹である観客動員数は「攻撃の破壊力」を指数化して回帰分析をすれば有意に高いRスクエアが得られるはずである。したがって、数学の示す所はクリアだ。ガタイのいいスラッガーを採らないという戦略は誤りなのである。

知らない方もおられるかもしれないと思い「カープ女子」の写真を探したのだがない。あるにはあるのだが、この語は僕にとってsheep、 fish、deerと同様に単複同形名詞と理解される。「five sheeps」といわないように「fiveカープ女子s」ともいわない集合的な概念である。したがって、誰かひとり、あるいは数名の女子が目立っている写真はそれに該当しない。ところが探してもそれしか見当たらないのである。仕方なく下の写真が候補になったが、今度は男性が入ってしまっている。さてどっちがマシだろうという究極の消去法的判断に至り、熟慮の末これに落ち着いた。ご覧のように、市民球場で酔っ払って汚いヤジを飛ばしてたオジサンたちとはサマ変わりの様相で、「女子」と銘打つだけあって女性客の猛烈なエネルギーが先導するムーヴメントであった。昭和のオジサンは刺身のつまなのだ。

 

ちなみにグッズの売上の方も繁盛していたようだ(観客動員数の関数である)。女性ファンたちはそれを身にまとうことでカープ女子の一員となり、人数が増えるにつれて社会現象となり、グッズはその一員のトークンとなるのだ。選手と一体感を持てる、集団に属していると安心する、どこか誇らしい、誰かに見て欲しい、ああ、あの強いカープね、あんたも元気はつらつでいいね、なんて隣のおばちゃんに声かけて欲しい。これは10年後の今だったら「推し活」的な側面も指摘されていただろう。ねえねえユニフォーム着てタナキクマル、セーヤを推してるワタシって素敵じゃない?かように野球のことはなにも知らないがファッションやエンタメには興味ある女性たちを中心に、広島ローカルであった波がナショナルブランドにまでなった歴史的事件だったのだ。 64年前の東京で、クラスで仲間はずれにされながらすでにそれを誇らしいと思っていた僕は何という先見性のある子どもだったのだろう。しかしこのたびの波の中で僕はそれを声高に誇れなかったのだ。男だから。共産党さん、立憲民主党さん、それっておかしくないか、差別なんじゃないの?そうか、でも「LGBT理解増進法」ができたっけね、岸田さんと稲田朋美さんのご尽力で人格的尊厳が守られる。素晴らしいことだ。ヒゲオヤジが女風呂に入っていけると同様、僕もカープ女子をブログで堂々と名乗ればよかったのだ。

しかし実はそれを横目で見ながらロッテファンのほうがすごいぞと思っていた事実がある。こっちは女子などと料簡の狭いことは言わない。18連敗しても止むことがない野球が好きな人たちだ。カープは立ったり座ったりだがロッテはジャンプだ、必要とされるエネルギーは10倍もあろうか。スタンドを揺るがすオーケストラみたいにシンクロされたすさまじい迫力はマリンスタジアムに行かれてみれば度肝を抜かれると思う。

でも神宮球場の熱量だって半端じゃなかった。10点以上取って大勝した試合で、ホームランが出るたびにスーツ姿の僕も立ち上がって後ろのお姉さんに背中をバンバン叩かれるという熱狂の渦の中にあった。思えばカープ戦は楽勝で当日券が買えたものだ。仕事が早く終わるとぷらっと3塁側の33列目に座ったが、 2016年ぐらいから嵐のライブより入手困難となった。それはこんな具合だ。スタンドの強烈な圧で敵軍は畏縮し、カープのホームゲームでの勝率は圧倒的だった。

このスタンドが昔の川崎球場みたいにスカスカになったのだから選手はやりきれないだろう。それどころかオーナーの怒りの顔が浮かんできて、来年は俺もそろそろ戦力外かと、ただでさえ打てない選手がさらに萎縮してパコーンと力のない内野フライを打ち上げ、右打者は何回やっても懲りる事なく外角のスライダーを追っかけてくるくると空振り三振し、左打者は振り遅れることを前提にレフトに向けてチョコンと走り打ちで当て逃げする。そんな非力な男たちと同じユニフォームを身にまとって、女性たちが誇らしいと思うだろうか?

川崎球場

女性の大群は跡形もなく去っていった。残るのは寒々しく荒涼とした裸のスタンドである。敵軍は安心して元気になり、昔と比べてしまう選手はマツダのホームゲームなのに劣勢の空気をまとう。ああたぶん今日もうちの打線は打たないな、3点取られたら負けだな。始まる前から肩に力の入った先発投手は先取点を取られる。すると打線は打たねばと焦ってリキむ。そしてますます敵の投手の術中にはまって赤子の手をひねるようにタイミングを狂わされ力ない内野フライを打ち上げる。毎日これ。すべてが悪循環。当地のファンのみならず、そんなつまらない試合に誰が金を払うのか。年俸が高いから岡本、村上、佐藤輝、牧、清宮、浅村、柳田、山川みたいなガタイのいいのを採らない。だから4番がいない。元凶はここにある。坂倉はいい打者だが打球が上がらない。良いコーチがいればホームラン30本は軽いだろうが16本が最高だ。カープにいる4人の打撃コーチの生涯本塁打数は4人足してたったの82本だ。ここにいても坂倉の進化は無い。

その坂倉がいよいよ危機の中心人物になる。今年中に床田、森下、島内、坂倉が国内FA権を取得するからだ。この4人が出て行ったら外人と菊池、小園、秋山を除けばつい最近まで二軍にいた人と新人ばかりになる。ということは、ソフトバンクの二軍と2試合やって2試合とも12対1で負けるレベルのチームに成り下がる可能性があるのだ。ツケが回ってきたのである。そもそも素人であるオーナーが口を出すなど論外だ。その証拠に、同じことをやってる楽天イーグルスもおかしくなって、12球団ドベで交流戦を終えている。逆に何年か前に交流戦を優勝で終えた今江監督をあっさり1年でクビにしている。訳がわからない現場は士気が下がるのである。それでも口は出したい。そこで楽天はヤクルトにいた石井をGMにしている。ジェネラル・マネージャーとは何やらもっともらしいが、要するにオーナーの言葉を選手言葉に翻訳する役目、いわば江戸幕府の「側用人」である。カープの場合、ここでも経費節減の思想は貫徹され側用人はベンチに置かれている。それが新井監督だ。GMか監督か、オーナーにとってそんなのはどっちでもいいのである。しかし石井と新井は決定的に違う。石井はダメなら監督の首をすげ替えればいい。新井は自分のを差し出すしかない。

オーナーにとって最も、というより唯一大事なのは客の入りだ。経営者だから当たり前だ。つまり新井がいくら負けようと客さえ入ればいいのである(中日ドラゴンズがそれ)。ということは、川崎球場化しつつある現状は死刑宣告が近づいているということになる。しかし、ここが非常に重要だが、12球団で唯一大企業の後ろ盾のない「ファミリー経営」であるカープのオーナーには固有の弱みがある。経営の切り札といえる「監督手形」の価値が低減することだ。将来の監督ポストという手形を切って有力な選手の年俸高騰を抑止し、FA流出を食い止めて球団に留め置くビジネスモデルの根幹だからである。去年新井をクビにすれば手形の値打ちが下がると踏んだのだろう、延命させた。首がつながった新井がシーズン終了のあいさつで、「来年以降もこの苦しみは続いていくと思います」と、ファンにとっては耳を疑うが、正直者の新井には赤裸々の事実である痛ましい言葉を吐いてしまい、球場内は騒然となって怒号が飛んだ。こんなことが阪神タイガースのシーズン終了挨拶で起きたらケガ人が出て警官隊が出動していたに違いない。そしていま、心優しい広島カープファンたちは「この苦しみ」が想像を上まわる根深いものであり、「続いていく」のは来年以降どころの騒ぎではないだろうと半ば絶望していると思われる。だからスタンドは坂倉が呼びかけてもガラガラなのだ。これを選手のせいにするのは酷だ。金をかけてチームをパワーアップさせるのは球団だ。コーチングして鍛え上げるのも球団だ。 新井がひとりで護摩行と家族野球で頑張っても仕方ない。力のない選手はそれでも残る。稼げる選手はそんなチームの監督手形などいらない。だから、予定調和的にカープは力のない選手ばかりの集団になっていく。ファンはそれを悟っていた。だからすでに数年前から「カープ女子」は絶滅種になっていたわけだが、これからの危惧は球団がそうならないかということだ。

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記憶に焼きついた西武対楽天の激闘

2026 JUN 22 23:23:31 pm by 東 賢太郎

これが交流戦のトップとビリの試合だろうか?

セリーグと18試合戦って14勝3敗の西武ライオンズと4勝14敗の楽天イーグルス。決定的な差でした。交流戦の西武はメジャーのチームと戦っても勝てるかなと思うぐらい圧倒的に強かった。かたや、同じくボロボロだった広島カープと最後まで最下位を争い、それを決する最後の3連戦でカープに屈辱の2連続完封負けでビリが決まった楽天が、こんな底力を見せて西武を劇的なサヨナラで倒すなんて誰が想像したでしょう。アマチュアならまずこういうことは起きません、プロだから起きるんです。実力にそう差があるわけではなく、何らかの理由でモチベーションが下がった方がボコボコにやられてしまう。どんな業界であれ、それで飯を食ってるプロってそういう残酷なものです。

東京ドームが超満員です。首都圏在住の東北の方が多いんでしょうか、吉井新監督を迎えてまだ勝てていない楽天球団の意気込みを感じますね。これがパリーグで、空席のほうが目立つマツダスタジアムがセリーグというと僕の世代には隔世の感がありますが、観客は面白い試合が見たいのです。地元だから巨人戦だからで客が入る時代ではなくなったのです。いみじくもその球団を持っているオールドメディアの売り上げ部数の大凋落と平仄が合っているのですね。

先発は西武が平良、楽天が早川でした。剛球の平良は次のメジャー候補ですね。早川はキレがいい、好きなタイプの左腕です。 1回表裏の「両投手とも3者連続三振」は見たことないですね、いや~気合入ってるぞ。

異変は7回から。西武の渡部聖弥が早川から2本目のホームランで4対1とします。するとその裏に楽天は佐藤がヒットで1点、4番マッカスカーのヒットなどで4対5と逆転します。

ところが8回、西武は長谷川の2ランホームランで6対5と逆転。そして、そのまま迎えた9回裏、予定通りに守護神の甲斐野がマウンドに立ったのです。球速157キロ、回転数2500はとても打てそうに見えません。

万事休すと思いました。ところが浅村の投ゴロをはじいて6対6の延長戦になだれこみます。

楽天は勢いに乗ってさらに10回裏に一死一三塁と、外野フライでもサヨナラの大チャンスを作ります。流れは完全に楽天で、これで終わったと思いました。ところが内野ゴロから本塁封殺で無得点。スタンドの楽天ファンはがっくりです。

そして続く11回表、ピンチの後にチャンスあり。流れは西武に行ってしまい、楽天は新人ながら好投手の藤原を当板させるもファースト黒田のエラーで7対6と逆転を許します。またまた楽天に王手がかかりました。

その裏、楽天ファン期待の辰巳が倒れてワンアウト。いやなムードが漂います。ここで打席は3番浅村。当たれば大きいけどいまひとつなんだよなあ。打った!センターバックスクリーンへ目の覚めるようなホームラン。7対7。凄い、ここで打つか・・球場はもはやエクスタシー、絶頂であります。

そしていよいよ泣いても笑っても最終回の12回、楽天は2年目の中込が西武を3者凡退に打ち取り最後の攻撃を迎えます。しかしあっさりツーアウト。打席はキャッチャーの石原です。

楽天の石原

ここで笑っちまった。ホークスに行った山川に体形が似てるではないか!!やばい、ホームランだとサヨナラだ。もしろん石原は狙ってる。ピッチャーもそう思ったのかストライクが入らずファーボール。そしてもちろん代走。あれれ、それがなんと小深田だ!なんと、まだこんな人が残ってたのか!

西武はプレッシャーになったのか、あっさり二盗を決められました。いよいよか?そしてバッターはさっきエラーしてる黒川。汚名挽回か恥の上塗りか。前進守備のレフトの頭を超えるヒットでサヨナラ!!

いやあものすごい試合でした。最後まで残っていた満員のお客さん、もう11時になるけどいやいやこのゲームで帰る人はいないですよ、全員が一生忘れないと思う。久々にプロとプロの真剣勝負の激突を見せていただきました。

吉井監督初勝利おめでとう。中込投手初勝利おめでとう。

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外野に2本しか飛ばない広島カープ

2026 JUN 12 3:03:23 am by 東 賢太郎

今年の交流戦も残りひとカードになった。 12球団中11位の広島カープがパリーグ首位の西武に勝とうはずもない。しかし、ここまでひどいと二の句が継げない。まるで1軍と2軍の試合だ。弱い。本当に弱い。


 

4対1だからそこそこ競ったゲームに見えるが、ご覧の通りカープは1安打である。平良の暴投で1点入ったので騒ぎにならなかったが4人の継投であわやノーノー。かたや4番のネビンを休ませ余裕のライオンズはあまりの楽勝にファンが湧くこともなく淡々と終了。ある意味、非常に不思議な試合であった。

投手はこうだった。

 

 

カープの一本は8番打者勝田(新人)の内野安打で外野に飛んでない。驚くなかれ、9イニングで外野に飛んだのは坂倉と石原のセンターフライ2本だけ。レフトとライトは無人でよかった。DH制で27アウトに投手はいない。ベンチの動きもなく、先発野手9人の交代は代走1、代打1のふたりだけ。ということはベストメンバーでのぞんでいたと解釈せざるを得ず、要するに、打つ手もないまま力でねじ伏せられたフォール負けである。

プロの試合でこんなの初めてだ。解説者も番組を盛り下げてはいけないと忖度したのかそれにふれない。カープはゾンビタバコ事件がどうのと言われてるが、自業自得の始末でこんな試合をやっていたならプロ野球の存亡に関わる。

明日から、いよいよ待ちに待った楽天イーグルス戦だ。12球団中11位と12位の不名誉をかけた激突! 雌雄を決する注目の大一番である。負けた方は最下位だからくふうハヤテ、オイシックスの勝者と入れ替えにしたらどうだろう。

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狛江初のプロ野球選手・勝又くん頑張れ

2026 APR 22 12:12:36 pm by 東 賢太郎

阪神がこういうスコアで負けるとは思いもよらなかった。

DeNA  16–9  阪神

しかも先発はヤクルト戦で8回16奪三振とセリーグ記録に並んだ才木である。金田、江夏、外木場(完全試合)、伊藤、今中、山田、桑田、野口が樹立している大記録を藤川監督が気づいていない記録的大チョンボで、9回に交代させてしまった。行ってれば可能性高かった。しかしだ、猛暑でフラフラの甲子園決勝戦ならともかく、こんなピッチャーが1週間休養してボカスカ打たれるなんてことは高校野球では考えられない。

DeNAはものすごく元気であり、前のカードで広島が三タテを食らわされた。そこで印象に残った選手がレフトの勝又だ。好投していた床田から右中間にフェン直の二塁打を放った 8番打者に解説の山内が新人ですかねと聞くとアナウンサーが、いえ8年目の選手ですピッチャーから転向ですという。それは失礼しましたと山内は礼儀正しい。こちらも初耳の選手だった。

この試合カープは石田が打てず2-0で完封負けしたが、どの打者より打ちそうな雰囲気の床田が流し打ちした、完全に外野の頭を越した会心の打球をレフトが背走一番ギリギリ取った。 2塁走者がいたのにがっくりだ。スローモーションが出た。全力で真後ろに走りながら頭上の球を完全にむこう向きキャッチで、外野を守った者はわかるが目線を切ってるこれは大変に難しい。それがこれ。

DeNA・勝又温史、5試合連続H&好捕 野手転向のプロ8年目「今日、必死で頑張るしかない」(サンケイスポーツ) - Yahoo!ニュース

あちゃー誰だこいつ!それが勝又だった。並の運動神経じゃない、これは調べにゃいかんと即ググると、なんと狛江市初のプロ野球選手である。小中学校とも僕が育ったあたりだ。そうか、あそこらへんの泥にまみれて野球やってたんか、高校も日大鶴ヶ丘でおなじみの名前だ。ぐっと親近感が増した。「プロ野球選手になります」と宣言して野球部に入部したなんて昭和のニオイがプンプンする。いまどきこんな子がいたのか、いいじゃないか。

宣言通り高卒で2018年のDeNAドラ4指名を受けた。高校通算30本塁打であり日ハムの万波・水谷・田宮、阪神の湯浅、巨人の戸郷、オリックス・中川より先に呼ばれてる。大変な素質だが、まずは最速153kmのピッチャーとしての評価だったんだろう。 ニ刀流は高校生は当たり前である。不詳ワタクシも6番で1年目は打率4割近くでチームトップだった。しかし、大学、社会人、プロと上に行けば専門性が分化してそうは問屋が卸さなくなるようで、投手として入団して打者に転向して成功した人は雄平、石井琢朗、糸井ぐらいだ。

阪神にボロ勝ちして3安打4打点の彼がお立ち台に立った。 2021年に戦力外通告。育成に降格。落ち込んだろうなわかるわかる。そこで野手に転向。死に物狂いでどん底から這い上がったのだろうが趣味ウクレレがまたいいね。でも左打席で構えた時の眼光は鋭いな。芯で捕らえる能力、スイングのパワー。素晴らしい。あの守備も含め現役のピッチャーでこうなれそうな素材はカープ床田しかいない。桑原が西武に移籍したし大チャンスだぞ。でも散々ほめたから頼んだよ、カープ戦ではあんまり打たないでね。

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プロ野球順位予想 2026

2026 MAR 29 1:01:10 am by 東 賢太郎

セ・リーグ予想

  1.  阪神
  2.  中日
  3.  広島
  4.  巨人
  5.  DeNA
  6.  ヤクルト

 

パリーグ予想

  1.  ソフトバンク
  2.  日ハム
  3.  ロッテ
  4.  オリックス
  5.  楽天
  6.  西武

 

セ・リーグ

阪神は投打とも磐石です。今年は主力が結構抜けてるが阪神は石井だけ。去年の勢いで行くでしょう。中日、巨人、広島は新人と外人次第。広島はスタメンで野手に3人新人が入るスタートで楽しみですがそれだけ中堅がダメだということ。投手力は先発も中継ぎも不安です。佐々木泰、平川、勝田の新人に期待で上位にしましたが中日戦の相性が悪いので3位。

パ・リーグ

盟友サブロー監督のロッテに期待です。種市がちょっと心配ですが戻ってくるでしょう。打線はどこからでもヒットが出る往年のベイスターズのマシンガン打線みたいになるんじゃないか。僕は彼の理想の投打を知ってますが、まだ2、3年かかるかなということで3位。 1、2位はホークス、日ハムのどっちかですが、怪我人がなければやっぱり勝ち方知ってるホークスかなと思います。

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