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カテゴリー: 野球

侍Jが成し遂げた完全試合というものについて

2024 MAR 7 22:22:10 pm by 東 賢太郎

金丸(関大)、中村(愛知工大)は今年からプロでも10勝するかという快投。プロの4人も圧巻。日本人ピッチャーの質の高さを見た。井端の目は確かだ。

継投とはいえ完全試合ばかりは特別だ。侍Jのベンチも浮かれていなかった。された方の不名誉と屈辱を慮ってのことも大いにあろうが、僕は、仮に贔屓のチームが、いや自分がグラウンドでやられたとしてさえも、この聖なるものの前では頭を垂れるしかないかと思ってしまう。これは野球というスポーツだけが持つ侵し難い「聖域」だ。

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感激したSさんのメール

2023 DEC 7 8:08:42 am by 東 賢太郎

東さま

戻って参りました。ご報告ですが、父と先週会いまして、東さんのことを話したら、「あのピッチャーの東君?」と覚えていました。さすがですね。NYの日本人界隈で伝説になっていたようですね 笑。いなくなった瞬間にまた弱くなったと言っていました。

先日書いた「雑事、雑念を吹き飛ばしてくれた音楽談義」のSさんからのメールだ。ご尊父は野村証券の海外部門の重鎮でウォートンMBAの大先輩でもあり、留学するときお世話になった役員さんだ(当時ニューヨークの幹部)。27才の若僧のことを覚えていて下さって本当にありがとうございます。

肩壊して10年投げてなかったこの大会、アメリカ人も元プロも混じったNYであり、45チームのMVPは人生ほかの何をもしのぐ断トツ1位の事件だった。最後4-2で負けたが5試合でベストの悔いなしのストレートで被安打2、しかも球場は打撃王ルー・ゲーリックがやったベーカーフィールドで、しかもそれが人生最後のマウンドというもはや超常現象。慶応の野球部だった祖父のご褒美に違いない。

と、家族には語ってるが、あっそうで終わりだ。父親の権威のなさはいかんともし難い。ずっと先の子孫は覚えといてくれ。もちろん、野球やってくれたら天国から応援するよ。

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井端ジャパンに見た大器の顔の良さ

2023 NOV 18 17:17:31 pm by 東 賢太郎

まだ決勝がどうなるかわからないが、侍ジャパンが台湾に4-0、韓国に2-1、豪州に10-0で勝った。台湾の先発は打てなかったし韓国は守備がそこそこ締まって強かった。豪州戦は5回で5-0で早川が7奪三振のパーフェクトピッチで、相手は空気に飲まれて守備がぼろぼろ。この時点で我が家では「この試合は10-0以下だったら負けに等しい」という厳しい宣告が下されていた。8回1安打コールドで10-0だったからまあ合格だが、早川が完投すれば完全試合もあり得たと思う。この完成されたピッチャーが今季6勝7敗?楽天が弱いのかパリーグの相手が強いのか。明日の決勝は、2016年夏の甲子園準々決勝で木更津総合・早川に3-1で投げ勝った作新学院・今井達也だ。

初四球、初安打を与えてしまったが西武の佐藤は去年の開幕前に「ドラフト2位の佐藤隼輔(筑波大)はオープン戦を見る限り僕の予想をはるかに上回る好投手である。(1位隅田と)2人とも新人王候補で10+10=20勝しそう」と書いた。同年の公式戦の結果は想定外も度が過ぎた。昨日韓国戦で7回3安打の快投を見せた隅田がなんと1勝10敗、佐藤が3勝4敗。昨日今日でこれは球団が変だったことが証明されたろう。どっちもいい面構えになっていたから井端の下で開花を期待する。

藤原、早川のインタビュー。大器だ。ひとつことを迷いなく極めつつある男の顔が実にすがすがしい。自分も野球で育ったから分野を問わずそういう顔が好きだ。実力は一流なのに大舞台でダメな人がいる。可哀想だが器の大きさばかりはいくら鍛えてもだめである。ちなみに日本はいま政治にこそ大器が求められているが、国会中継で見る自民党の面々は総理大臣殿を筆頭に小手先でさばく要領だけのチャラい小物のオンパレだ。何が一流で政治家やってるのか皆目見当すらつかん、こんなのが日本の代表?わけわかんねえ、顔を見るのも不快である。課長代理みたいのを社長にしちゃいかんのだ。勝手を言って申しわけないが主観だからどうしようもない、人間の質というのはどうもならない、ダメな奴はダメだ。

井端監督もインタビューの顔つきがいい。このたび初めて指揮を観させてもらうが、選手の選抜も起用も知将の味がにじむし秘めた熱さも感じる。どこがどうのではない、こういうのはトータルに感じるものとしか言いようがない。ピッチャーだけは別人種だからいいコーチが大事だが、カープファンの僕として最も嫌だった稀代の好投手・吉見は最高の適材と思う。まだ名前も知らない選手も多いがこのチームはやってくれそうだ。

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ものすごく強かった阪神タイガース

2023 NOV 7 18:18:56 pm by 東 賢太郎

今年はディナー等であまり日本シリーズを見られず、見た日も疲れて半分居眠りであんまり記憶なし。仕事がいかに忙しかったか、きっと何年かしてそういう風に思い出すんだろうが、いい試合ばかりでもったいなかった。

どっちのファンでもないが、カープはこんな強い阪神とCSであそこまでよく競ったと思う。オリックスは個人的に世話になってるし中島監督のファンでもあるので勝って欲しかった。第6戦、これが見納めの山本由伸は目を皿にして見た。14奪三振。特にうるさい近本、中野、森下、大山の1~4番から7三振はモノが違うからきっとメジャーでも大成してくれるだろう。第7戦はもちろんしっかり見た。見るというのは僕は習性からピッチャー目線なんで配球とバッターの反応を無意識に見ているように思う。

宮城と青柳。まず青柳はサイドで球威満点だが荒れ球でパリーグにいない。最後にとっておいたことになるが目先を狂わせて3、4回ぐらいで伊藤将、これは素人でも分かった。岡田監督は青柳にこの球場でお前で今年が始まった、だから締めはお前だと伝えたらしいがうまいこと言う。そりゃやる気になる(第7戦はなかったかもしれないんだけどね、いい経営者だ)。で、彼が投げてるうちにノイジーの一発で3点入った。もうこれで安定した伊藤将で思うつぼ。オリックスは焦ったろう。宮城は次の回ゲッツーで終えたかと思ったがリクエストでセーフにひっくり返って森下。前打席で打たれており、一度ほっとしてるので危ないと見たか中島監督はそこで比嘉に替えた。これが森下、大山、ノイジーに打たれて珍しい作戦失敗で万事休す。結果は想定外のワンサイドで7-1だった。

阪神は強かった。去年岡田監督就任のニュースをきいたとき、オリ監督時代のイメージがあってなんとなく愚将っぽく、ああこりゃだめだまた昭和の野球に戻って阪神もアウトだなと舐めていた。

蓋を開けると彼はしたたかな知将だった。ああいうタイプの人は東京人にはそう見えないんだが、いやいやあれが大阪の怖さなんだ。

宮城は予想通り危なげなく立ち上がったが4回、打順二回り目にちょっとした場面があった。3番森下が宮城の絶対の決め球、右打者のインローのクロスファイヤを完璧なミートで三遊間突破。ヤマ張られた感があった。それでだろうか審判がやや広めだったせいか、4番大山は厳しめにいってぶつけてしまう。宮城にあるまじきミスで動揺を感じた。そこで5番ノイジ―。きのう山本の外角高め速球を流してホームラン。あそこは危ない。それを読んで決め球クロスファイヤに張ってるかもしれん。だからそこからスライダーを落とせばボテボテか三振と思った。森捕手がそう読んだかどうか、それが来た。失投でないとても低い球をノイジーはタイミングばっちりでレフトスタンドに。僕には「いらっしゃい」に見えた。事実上これで勝負あった。蟻の一穴は森下の痛烈な三遊間が宮城に与えたショックだったと僕は思う。第2戦でやられていたあの球を狙った阪神の勝ちだ。

このシリーズの岡田采配は森下あってのものだ。この男と最終戦に抜擢した青柳をノセたのが、もし岡田マジックがあるとすればそれだ。彼は言葉を選んでる。凄く重いだろう。データを見ると、森下は公式戦はプロの壁にあたってOPS.691だがシリーズのイメージは0.9ぐらいの感じだった。これとシーズン.859の大山が並ぶ3,4番は、両方1.0代だった3連覇中のカープの丸・鈴木誠也ぐらいの圧が相手投手にかかるだろうと思う。ところが5番ノイジーは.623だからプレッシャーが切れちまう。.837のサトテル5番でいいようなものだしそうした試合もあるし、何より第2戦の宮城にはサトテル5番(1安打)、6番ノイジー(無安打)で正解だった。なんで第7戦はノイジーだったんだろう。何かあったんだろう。そいつが打っちまうんだから岡田マジックだ。

森下というとたしか2020年だったか、こいつ凄いかもと思う事件があった。練習試合で中央大学が巨人の二軍に20-7で爆勝ちして、たまにアマが勝つぐらいはあるがこの点差は目を疑った。打線が半端ないということだ。そのスタメンの4番がDeNAの牧、2番が日ハムの五十幡だったのだが、3番が森下だったのである。その時ボコボコにされた二軍監督は阿部で、彼も中大だ。去年のドラフトは森下とりたかったんじゃないか。

そう、その去年のドラフト。ご記憶にある方も多いと思うが、一番人気は高校生の浅野翔吾(高松商)だった。1位指名は巨人・阪神が激突して原と岡田が壇上にあがって全国的に盛り上がり、原が派手なガッツポーズで雄叫びをあげたのである。そこでやむなく阪神が外れ1位で取ったのが森下だ。その男が日本シリーズで打ちまくって新人最多打点記録でその原辰徳をぬくというおまけ付きだ。大阪の皆さん、災い転じて福となした1年がかりの大逆転劇は痛快だっただろう。世の中こんなもんであり、ちょっと勝ちゃあいいってもんじゃない。若い皆さん、最後に笑った者が勝ちだよ、人生1度や2度負けたり失敗したぐらいでがっくりしちゃあいけないよ。

あの近本だってそうなんだ。根尾、藤原、小園で甲子園が湧いたあの年のドラフト。阪神は1位指名で藤原、次いで辰巳をはずしてがっくり、破れかぶれ感満載ではずれはずれの近本(大阪ガス)を取ったように見えた。TVで見ていた僕もそんな優れた選手と思わなかったし、なにせ会場の球団幹部は明らかに熱量が落ちていて、それをよそに近本が地元で胴上げされてたのが気の毒に見えてしまった。辰巳は楽天に決まったが社高校の2年後輩だ。近本が燃えたことは想像に難くない。あっぱれだ。

まだある。大山もそうだ。2016年は好投手が目白押し。田中正義が1位で5球団、さらには佐々木千隼がはずれ1位の5球団競合と異例の事態になったが、ふたを開けてみるとその2人が同年ドラフトの2大期待ハズレであり、かたや、阪神が金本の英断で1位指名したのは大山(白鷗大)だった。ところが足りてなかったピッチャーを当然指名すると思いこんでいた会場の阪神ファンから失望の声が響き渡った。悔しかった大山は今年リーグ優勝で涙した。

阪神が強かったのは投手陣といわれるが、現役ドラフトで儲けものの大竹が12勝もしたなんてフロックもある。決定的な作戦成功は後ろを固める近本がセンターで、ショートだった中野をセカンドに回し、ショートに木浪を固定して当たったことだと僕は思っている。この鉄壁のセンターライン・トライアングルはカープ3連覇時代のタナキクマルに近づきつつある。ただ要になる捕手が弱い。カープはOPS.893で恐怖の8番打者曾澤がいた。阪神は1年秋から履正社の正捕手だった坂本誠志郎がまだOPS.543で二軍並だが、化けると連覇の可能性が出てくる。

誰も触れないが、讃えたいのは最終回、岡田監督が功労賞の花道を用意して2死から登場させたクローザーの岩崎、ではない。その初球ストレートを狙いすまして、僕が見た右打者のホームランとして最上位かもしれない凄まじい音とミサイルみたいな弾道の一発を左翼5階席に突き刺したオリックスの4番、頓宮選手である。素晴らしい。これぞ男だ。いいものを2023年プロ野球の最後の最後に見せてくれてありがとう!

岡田監督、お見事でございます。訥々とした優勝監督インタビュー、良かったね。感動しました。「いやオリックスは強かったですよ」、この言葉、僕には腹にずっしりと重たく響いた。そして思った。これを岸田総理が言ったらどうだろう? 0.1秒後には吹かなくても飛んで虚空に消えてただろう。

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プロ野球、人生の記憶に残る3試合

2023 OCT 17 13:13:33 pm by 東 賢太郎

僕が野球の記事を書いてるのはすぐ忘れるからだ。東京ドームに出かけてずいぶんたくさん観たが、何を覚えてるかというなら、周囲で一斉に勢いよくオレンジタオルを振り回されてホコリがかなわんなが一番、前の席の女の子がいつも宮国のユニホームで渋いなあというのが二番だ。録画しておいてもみたことがない。要は、終わった試合というのは基本的にどうでもいいのだ。

それでも、一生忘れないという試合が2つある。まず第一は神宮の一塁側で息子と目撃した「七夕の奇跡」。広島が9回に5点差をひっくり返したこれはもはや球界の伝説になっている。

代打新井。「そうか新井さんがいたか!」「なんか打ちそうだな」とつぶやいた記憶がある。打った、入った、茫然。天を揺るがす大歓声。ベンチに戻った新井がはしゃいでない。あの試合はそういうものではなくなっていた。帰り道、地下鉄の中の言葉は「野球は怖いな」だ。あれから6年。小川投手はエースで健在だ。ノーノ―もやった。体も心も強靭な、本当に素晴らしいピッチャーである。

第二に、中村兄と博多に行ったおりに中島兄が手配してくれたオリックス戦だ。9回に4点差をひっくり返した柳田のサヨナラホームラン。まさかまさかという空気だったがやっぱり出てしまった。茫然。ペイペイドームを揺るがす大歓声に花火。打たれたクローザーの佐藤を心配してしまった。彼もその後は難なく立ち直っていたからさすがだったが、オリックスファンの故中村に勝ちを見せてあげたかった。

奇跡の逆転サヨナラホームラン

そして、昨日のパリーグCSファーストステージ第3戦、これはテレビ観戦だが人生三番目に来るだろう。この試合でセカンドステージ進出が決まる。ロッテ小島、ソフトバンク和田と両先発が好投して9回まで0-0の息詰まる展開。しかし10回表にロッテ5番手の沢村が打たれて3失点と予想外のことがまず起きる。万事休す。誰もがそう思った。ところがその裏、代打・角中が10球粘ってヒット。荻野はボテボテの内野安打。まさかとは思ったが次は藤岡。「ホームランないんだよなあ」とつぶやいたら同点3ラン。さらに岡がヒットで打席に安田。ライトはフェンスまで後退。右中間に2ベース。まさかとは思ったが岡が凄い走塁でセーフ。サヨナラ。

中島兄はじめすべてのホークスファンには悪夢だったろうし、仕事疲れで半分居眠りだった僕は仰天し、すぐにオーナー(ほんもの)にショートメールしたら「もうダメだと思ってたよ」と即返事。そしてホークスはすぐに藤本監督の退任、小久保二軍監督が昇格のニュースが出た。そのぐらいのことだった。藤岡は公式戦でホームラン1だ。なんということだろう。どうしてもピッチャーが心配になってしまうが、打たれた津森はマウンドで泣いていた。打った方が見事だったんで仕方ない、野球はこういうことがある。それにしても9回にフライを追って頭を打った三森は大丈夫だろうか。

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新井カープ「孫氏の兵法」でCSファイナルへ

2023 OCT 15 18:18:01 pm by 東 賢太郎

今日もよく勝った。

外へ出ていて7回、2-0を確認していた。帰ってみたら2-2だった。そして8回、先頭の1番菊池がさすがのヒット。2番野間はバントのサインだったが2つ見逃してツーストライク。空気悪くなる(上茶谷投手の低めが伸びていた)。サインが打てにかわってショートにボテボテ。内野安打。3番西川。今永からホームラン打ってる。解説者ふたり(山本浩二、野村謙二郎)とも「打たせるでしょう」。そこでバント。満場がだまされてびっくり。上茶谷もあわててサード野選。無死満塁。本当に新井の采配は素晴らしい。これぞまさしく孫子の兵法「兵は詭道なり」である

そこで代打でライト前に快心の決勝打を放った田中浩輔!今年のカープの躍進は峠を越したと誰もが思っていたこの男の復活が底力になった。それは4月に書いたこの稿にある。

点と線(田中広輔と小園海斗の場合)

投手起用にもインテリジェンスがある。

この試合先発の森下は公式戦後半は立ち上がりが悪く、バンテリンドームで観た中日戦では先頭から5連続ヒットを打たれていた。普通の監督なら第2戦は安定した九里で行くが、森下に「第2戦は彼しかいないでしょ」と公言して九里はロングリリーフに使った。プライドの高い森下の力をうまく引き出し、昨日はその九里が2回投げて抑えた。

森下は無失点でしのいできたが、6回先頭の新人林にあわやホームランの2ベースを打たれ1死3塁となると大道にすっぱりかえる。この交代は森下は屈辱だろうがここまで零封だから成功だ。打者は大田、牧。大道はいま島内と双璧の球威がある。大田を二飛に打ち取りタッチアップは封じ牧は右飛で無失点。その裏、きのう東を打つと燃えていたが不発でスタメンを外された末包を代打に出してもう一人の難敵左腕、今永からいきなりホームラン。空気を俄然変えた。カープの監督でこんなに采配が的中するケースはあまり記憶がない。

昨日も今日も高校野球みたいな緊迫のナイスゲームだ。DeNAもしぶとく強かった。打線の迫力はカープより上であるし東、今永はリーグ最高峰の左腕だった。9回先頭で代打に起用された41才の藤田。最後の打席になった。栗林のフォークを見事にすくって芯に当てた右飛。やられた、やばいと思った。さすがだ。

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よく勝った!カープCS第1戦サヨナラ

2023 OCT 14 18:18:59 pm by 東 賢太郎

DeNA東は直球は147kmぐらいだが質が高い。高めで空振りが取れてる。そのうえに制球も半端ない。スライダーは大きくて鋭く右の堂林、末包、デビッドソンは内側をえぐられて当てるのが精いっぱい。そこで緩急つけて外に来るチェンジアップだかツーシームだかが手元で落ちてる感じだ。捕手の山本がいやらしい。東を引っぱってる。このいやらしいという感じは言葉にし難いがリードにインテリジェンスがある。いいキャッチャーだ、巨人戦で戸郷からホームラン打ったがこんなのがよくドラ9でとれたもんだ。このコンビで最多勝は納得した。

6回まで0-0。対して打たれながらも持ちこたえてきた床田がついに宮崎に2ランを浴び、ダメかなと思った、そのぐらい東が良かった。そこで出た三盗にスクイズ!これはびっくりした。羽月と菊池。これで空気が少し変わった。次いで西川の犠飛で同点にして延長11回に秋山のサヨナラ打で勝ち。センターの蛯名君、そんなに前にいなくてもよかったんじゃないかね。まあ劣勢をひっくり返してよく勝った。

大道、矢崎、島内、栗林、九里、ターリー、よく抑えた。僕が今年最下位予想していたのは7-9回の投手陣だ。それがここまでやった。だからの2位だと思う。菊地原コーチの功績もあるかと思うが、やっぱり新井だ。短期決戦で采配をフレキシブルに変えてる。すばらしい経営力。見習いたい。

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セリーグの順位が決まる

2023 OCT 4 22:22:59 pm by 東 賢太郎

今日の最終戦でDeNAが巨人に勝てば2位が確定、広島は3位に落ちてCSは横浜開催になる瀬戸際だった。巨人の山崎投手が9回まで準完全試合の快投を見せて1-0で完封。最多勝の東投手に投げ勝ってくれて助かった。この試合、原監督の最終戦でもあった。2018年から東京ドーム年間席を持っていたので彼の最後の3年を観た。ひとつの時代が終わったのかな。

左が我が予想、右が結果。

1・ ヤクルト       阪神

2・ 阪神         広島

3・ 横浜DeNA       横浜DeNA

4・ 巨人         巨人

5・ 中日         ヤクルト

6・ 広島         中日

なんと我が広島と昨年の覇者ヤクルトが逆であった。新井監督ごめん!

 

ちなみにパリーグは左の予想に対し10月4日現在が右。

1・ ソフトバンク     オリックス

2・ オリックス      ソフトバンク

3・ 楽天         ロッテ

4・ ロッテ        楽天

5・ 西武         西武

6・ 日ハム        日ハム

まだ数試合あるがさてどうなるか。

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今年最後の野球観戦(やっぱりプロは凄い)

2023 SEP 15 9:09:24 am by 東 賢太郎

神宮球場の一塁側スタンドにいた。カープがヤクルトに先に負けると、甲子園の巨人・阪神の結果を待たずしてマジック1である阪神の優勝が決まる。そろそろかなと思っていたら「甲子園終わったね」と後ろの席で女性の声が聞こえた。こっちはまだ7回ぐらいだった。

神宮は久しぶりだ。表参道駅に球場用のエスカレーターができており、いつも寄っていた立ち食い蕎麦屋が消えていた。東京が再開発だらけなのか、こっちがコロナで出なかったせいなのか、日本橋、渋谷、自由が丘で昔なじみの光景が気がついたら消えており、上海料理屋では池袋西口もそうなると聞いた。神宮球場もあの五輪で危なかったがどうなるんだろう。ここはスタンドの蕎麦ひとつだって思い出が詰まっている。東京の歴史も野球もわかってない田舎政治家の一声で消えるなんてことは勘弁してほしい。

このカード、第1戦も来たが2-1で負け。第2戦は静岡に出張だったが、第3戦はカープの神宮最終戦なのでまた来たのが昨日だ。とにかく今期の阪神は強かった。先日、甲子園の直接対決をスィープされて優勝の望みは絶たれたから勝敗はもういい。仕事が一段落したし、最後の意地を見ようというところだった。

広島は第2戦も完敗して大失速の連敗中、しかもぜんぶ1得点以下という情けない記録が更新中でもあった。この日も先発・高橋奎二を打ちあぐみ7回まで5-2と敗色濃厚、僕も完全にあきらめていた。それをひっくり返したのが8回。小園(本当にこの選手はモノが違う、カープの宝)そして堂林がお膳立てした満塁に代打・磯村のセンター前で勝ち越した。左腕高橋に対して右打者を先発で使い果たし、相手は救援の左腕・山本。彼しかいなかった。第3の捕手であまり出番がないがここ一番で打てる勝負強さは折り紙つきだ。彼は2010年春の甲子園で優勝した中京大中京の正捕手で5番打者。準々決勝、準決勝の土壇場でホームランを打っており、先発投手で4番が堂林だった。第3戦はこの2人の打棒で逆転勝ちしたと言っていい。しかしそんな人が第3の捕手ってのもねえ、プロのレベルは僕らごときには想像もつかない。

やっぱり球場はいい。画面ではわからない。第1戦は三塁側ベンチ上第16列で、打者目線で観られたのがとても大きい。サイスニードはテレビ画面では大したことないと思っていたが、150km台の速球が石みたいに重い。中村のミットの音が凄まじい。外野フライがやっと。あれをベンチから見ていたら怖気づくだろうなというパワフルな球で好調だと打てる人間は日本ではなかなかいないだろう。坂倉が本塁打を打ったが家でTVを観たらスライダーだ。カープは完全に力で封じられた。ヒューストン・アストロズが出したのはきっとコントロールだろう。カープ新人益田の150km台も惚れた。いいの採ったねえ、これはエース候補だ。大道は更に一段と速くて凄みがある。高め、あれは前に飛ばないな。カープ田村がプロ入り初安打。いいものを見た。センターから山田に返球、山田はちょっと考えカープベンチにふんわり投げる。わかってるんだ、業界人としての思いやり。

プロのピッチャーの速球を久々に見て感動した。みんな速いけどサイスニード、益田、大道は図抜けて球威があり、目と耳に焼き付いた。ホンモノ。これだ。俺もプロとしてこういう仕事をしなくっちゃ。身が引き締まった。

第3戦は4番に座った堂林の第1打席のホームラン。左翼中段にやや低めの弾道、物凄い当たりであれは高校野球ではあり得ないプロのあかし。あとでTVで確認したが速球だ、素晴らしい。堂林はホームランバッターになっている。山田のホームランも焼き付いた。体の回転で引っぱった技ありの一発。そして村上が2者連続で右翼にライナーで突き刺す。後ろの席の女性たちのキャー(歓喜の叫び)で耳がつんざかれ、傘の上げ下げの大嵐に襲われる(ここはヤクルト側)。第1戦も流してレフトに入れたがこれは高い弾道。今年はWBCでおかしくなったが、やっぱり只者じゃないね。この回はヤクルト圧勝の形勢であり周囲は絶叫の嵐。傘を振ってないのは僕だけであり居づらかったがヤクルトファンは東京の人だ、寛容なものである。新人の河野が5回を2三振で抑えた。彼も150km出て村上から三振を取った、楽しみである。田村もセンターにあわやホームランの2ベースを放った。 愛工大名電高、いいのが出てきたぞ、将来クリーンナップは間違いない。逆転した8,9回は島内、栗林が3人づつで締めた。どっちも生で見たのは初めて。島内の速球はぜんぶ150km越えである。この日の席は29列目で比べられないが第1戦の3人並の剛球またはそれ以上の物凄いストレートと思われる。疲れた頃は打たれたがこの日の調子なら真ん中でも打たれないよ。栗林は手の円弧が大きいオーバースローと見えた。150越の剛球に140台、130台の変化球(なんだかは横からはわからない)とたまに120台(これはカーブ)。速いし緩急もありで打てるわけないレベル。これもテレビじゃわからない。青木、塩見、オスナをあっさり抑えて試合終了。感動あるのみ。ヤクルトが9回に投げさせた坂口も154km、いい速球で2三振。ナイスピッチ。

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慶応高校の甲子園優勝おめでとう

2023 AUG 24 0:00:23 am by 東 賢太郎

驚いた。試合終了後、興奮冷めやらぬ中のインタビューで主将から「この優勝で高校野球の楽しさを広く知ってもらえたら嬉しいです」という言葉が出てくる。大舞台のキメの一言だ、高校生がこれって大変なことじゃないか。日本中がエンジョイ・ベースボールは口先だけでないことを知って、野球に限らず新しいスピリットが世の中を変えていくんじゃないか。古き良きものは守っても、古いだけにしがみつくものは淘汰されていくんじゃないか、そんな気がしてならない。提唱した監督も立派だし、それを甲子園で身をもって行い、結果を出した選手たち、ほんとうにカッコいい。

仙台育英は強かった。今日先発の10番の彼、好投手だ、準決勝を見ていてこりゃ打てないなと思った。打線の圧も群を抜いていた。慶応は先制したが3回あたりから押されてる感じがあった。ヒットで出た走者を走らせて刺されたあたりでちょっと焦りがあるかなと見た。ひとつ歯車が狂えば逆の展開もあったが、そこで圧に負けなかった慶応は胆力が鍛えられていた。エンジョイ・ベースボールで猛練習の成果が自然に出せたのかどうか、グラウンドで歯を見せるなと言われて育った世代には屈託ない笑顔がまぶしかった。

エンジョイ(楽しめ)というのは命令されてできるものではない。できる状態になって初めてできる。その状態をどう作るか。それは心の持ちようだから練習しながら自分で考えろということではないか。孔子様も説く。何人もこれを楽しむ者に如かず。だからそうなれば最強なのだが、楽しんでますと独りよがりで思うだけなら誰でもできるから、その上に「有言実行」がなくては意味ないだろう。これは僕のスナイパー主義と通じるものがある。この大会、なにくれとなく慶応を応援してきたのはそういう気もしていたからだ。

有言実行。これは人の道だ。動物は話さないからそれはない。人は話すからある。だからそれは両者を仕分けするシンボルである。昨今の政治を見よ、有言不実行、無言実行、無言不実行の嵐である。嘘八百、強行採決、都合悪いと報道せず。みなさん、この連中はどっちに仕分けすべきなんだろうか?大変申しわけないが、連中はガチでスポーツやったことがあるんだろうか?疑わしいように思えてならない。

慶応高校のみなさん、清々しいものを見せていただきました。人にしかできないスポーツという素晴らしい文化を通じて、日本国が末永く人の道を堂々と歩んでいけることを願ってやみません。

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