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どうして証券会社に入ったの?(その1)

2014 NOV 20 0:00:05 am by 東 賢太郎

<入社のいきさつの巻>

 

それは的を得た質問です。どうして証券会社に入ったか?娘に聞かれてこまりました。実のところ別にどうしてというほどのものはなかったのです。勤め人になるのがいやだったし、役所や銀行は向いてないし、できれば好き勝手出来る自営業がいいなというぐらいで何の切迫感もない学生でした。最後の夏休みはアメリカで1か月遊び回っていて業界や企業の研究やら情報収集など皆無。いきあたりばったりでご縁があれば程度の感覚でした。

でも親父も勤め人だし、資産もないし2年も遊んでるし仕方ないな。そういうことで10月からいくつか会社を回って、なんとなく波長が合うと思ったのが船会社と証券会社の2つでした。そうして、誰に習ったわけでもないのに株に興味があった僕はその証券会社で話を聞いているうちにむくむくとこれだ!と思ったのです。それがなければ真摯にお誘い下さったもう一つの名門会社のほうに入っていたでしょう。しかし、僕はその時、こう固く決意したのです。

 

証券会社に入社すれば世界の最先端情報があるらしい。よし、株を買うぞ!

 

それは雨の日でした。「東くん、証券マンは株は買えませんよ」。人事部の課長さんがあっさり言ったのは入社を決めたあとでした。買えないどころか、「それが商品ですから情報管理は厳しいですよ。家族にもしゃべれません」。ええっ、そうだったんですか?・・・これぞあとの祭りでございました。何の事前勉強もしてなかったですからね、入った理由?役員面接でしゃべった志望動機は何だったか忘れました。

ほかの学生さんはどうかな。耳学問のすごい人がたくさんいました。でも経験はないわけだから上っ面のセールストークだろと思ってきいてました。実は貴社の受付の子があまりに好みのタイプなんでとはいえないしですしね。ただ、僕はほんとうに株が買えると思いこんでましたから、周りの学生よりは目が輝いていたんです、たぶん。ここにまた男の子のカン違いの効用が出るんです。内定はすぐいただきました。

しかしそこからが大変でした。いかん、単位が危ない。26の専門科目をパスする必要があります。設問はすべて司法試験レベルの論述。付け焼き刃でどうこうなるものではありません。夏まで遊んだツケ(夏も遊びましたが)は覚悟していましたが、期末の過密な試験日程を見た瞬間に血の気が引きました。これじゃあ一夜漬けができないじゃないか!一夜漬けは自称名人級でありノートを貸してくれたやつより点が良かったりするので、まあなんとかなるさと悠然と構えていたのですがこれは想定外でした。

「二日連続徹夜」という人体の限界への挑戦をしたのは後にも先にもこのときだけです。非常に現実的に、死にそうでした。朝は目覚ましが止まるまで鳴っても気づかず友達が起こしてくれて九死に一生という日もあり、買ってあったスビャトスラフ・リヒテルのリサイタルは這うようにして行くには行ったのですが始めから終わりまで爆睡で記憶なし。後ろの人のブラボーで目が覚めて拍手だけして帰ってきました。

この試験のことは今でも夢に見ます。ストーリーは変わっていてもっと悲惨で、落第して退学処分になってもういちど入試を受けなおすのですが、それがまた落ちるんです。日本史なんてもう忘れちゃったよまいったな、世の中にはもう5年ぐらい遅れてるし俺ってなにやってんだっけ?で目が覚めます。ああ夢でよかった、ほんとにそうなって不思議でなかったと冷や汗がでます。

ついに首の皮一枚で単位はなんとかなりました。中身はすぐ忘れましたがここで磨きぬいた一夜漬けの技は後に米国留学で活きました。毎日500ページもペーパーを読まされると全員が常に一夜漬け状態ですからね、こっちは強いのです。ともあれこのときは嬉しくて、八方尾根にスキーに行って飛ばしすぎ、転んでろっ骨を折りました。会社に言ったらまずいだろうと黙っていたら、タイトルは何でしたかNHKのTV番組に「新人クン」として出されました。アナウンサーに質問されても胸が痛く、やっとこさ小声が出ましたが幸い骨折はバレませんでした。

こうして4月、いよいよ大阪の地で証券マン生活に突入となったのです。

 

どうして証券会社に入ったの?(その2)

 

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