ピーター・タスカ氏の投資セミナー
2015 MAR 18 19:19:59 pm by 東 賢太郎

某運用会社のセミナーに出席してきました。スピーカーはTVでおなじみのストラテジスト、ピーター・タスカ氏です。赤坂サカスの会場は満員で、同社のファンドの投資家さんの熱気であふれていました。
タスカ氏はオックスフォード大学卒業後、1980年代に英系の運用会社の東京駐在として日本株のリサーチをされ、逆に僕は同じ時期にロンドン駐在で日本株の営業をしてました。場所は違えど同じ穴のムジナであって、同じ1955年生まれということもあり講演後の夕食ですっかりうちとけました。
彼の持論は、インフレの時代は世界的に終わっており長いデフレとの闘いになる。格差が広がりそれは政治家には死活問題になるため低金利は長期化せざるを得ません。原油安で物価は上がりませんから2%のインフレターゲットまで黒田総裁はQEをやり続けることになります。
すでに円安の効果というのは大きく、例えば英国の地方都市のホテル代が円建てだと東京のオークラの2倍だそうで、逆に日本へ来るとものすごく安く感じる。だから中国人が殺到して大量に物を買って帰る。つまりその分日本企業の利益も大幅に増えているそうです。これは国内ではなかなか実感しにくいことです。
ただ世界の株式は米株がちょっと高いのを除くとどこも安いということはないようです。今後の利益成長率が株価上昇をドライブするということです。
日本企業の問題点は資本を持ちすぎてROEが上がりにくくなっていること。だから自社株買いを発表すると株価はすぐ反応します。これをもっとやるべきだという主張でした。
概ね僕も同じ意見であります。終わってから、中国のインフラ投資基金にイギリスだけ参加したけどまずいんじゃないですか?と聞いたら「イギリスは二股が得意なんです、でもアメリカに怒られちゃいましてね」と笑ってました。ロシアについては僕と全く同じ見方で感心しました。
夕食は元駐ベトナム全権大使閣下の服部様もおられ、アジア情勢につき非常に興味深いお話を賜わることもできました。
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