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「エースで4番」とはなにか?

2018 APR 9 23:23:20 pm by 東 賢太郎

子供はみんなプロ野球選手をみて「速いたまを投げたい」、「遠くまでかっ飛ばしたい」と憧れて野球を始めると思う。でも高校あたりまでくるとどっちか得意な方に落ち着くことになるのがふつうだ。そこでまだ両方がんばれるスーパーマンの子だけが「エースで4番」になれる。

甲子園でエースで4番がいるのは3,4校ぐらいか。強豪校になるとスーパーマンはたくさんいるから分業したほうが有利である。さらに上の大学・ノンプロではスーパーマンがふつうであり、分業が常識でエースで4番はもはやゼロだ。さらに上の野球エリート集団であるプロ野球は超スーパーマンしかおらず、完全分業制でそういう人はいないことになっている。

高校までは投手は打者でもあるから打席に立ってガンガン打つこともある。しかし野手がマウンドに立って10個も三振を取ることはない。それができるなら彼は最初から投手登録されるからだ。だから「エースで4番」になるにはまず投手であるのが条件ということになるだろう。

プロ野球でそれがいないのは超ウルトラスーパーマンはそうはいないからだが、職業野球ならではの理由もあると思う。打撃の良い投手を打線に加えるということは打者の職場をひとつ奪うことだ。打撃にプライドと人生をかけている男たちが一人の野球少年のわがままにつきあってくれるほどプロは甘い世界ではないだろう。

日本ハムで大谷翔平がそれをやったのは本拠地お別れ試合だけだった。この試合のビデオを僕は特別な感慨を持って眺めた。4番中田翔は大阪桐蔭高校のエースで4番だ。自分よりうまい者がいるなど辞書になかったろう。彼は投手を捨てて打者にかけた。その中田が昨年、二刀流大谷の2016年よりも5割多い打数を重ねながら打率、打点、本塁打どれも上回れなかった。大谷はNPBでエースで4番定着もありだったと認めていいだろう。

メジャーで大旋風となっている彼の映像は別世界の出来事だ。何の世界であれ力でこれほどアメリカ人をねじ伏せた日本人がいただろうか。7回1死まで完全試合で12奪三振の男が3試合連続ホームランを打ったら野球の世界ではベーブルースを持ち出すまでもなく天変地異だ。相手は土下座させられて文句もいえぬ、二の句もつけぬ完敗だ。

それを「すごい!異星人だ!」と認めるアメリカのファンもさすがだ。初本塁打のボールを拾った子が「どうするの?」ときかれて「大谷にあげるよ」とこともなげに答える。道行くおばあちゃんが「12三振は凄いわね」と熱く答える。イチローもダルビッシュもきっとそうだったろうが、本当に野球を知っているファンに観てもらいたいというのはわかる気がする。

大谷は国宝だ。お願いがある。ひとつ、メジャーで「エースで4番」、ぜひやってほしい。ふたつ、怪我だけはしないでほしい。

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Categories:______プロ野球

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