Sonar Members Club No.1

since September 2012

横浜富貴楼 お倉

2018 SEP 2 0:00:08 am by 東 賢太郎

子供の頃から分解癖があるのは何度か書きました。今だって理解できないマジカルなものがあると仕組みが知りたくて眠れなくなります。絶対普遍の関心は宇宙にあって、それを調べれば調べるほど、今度はどうして僕はここにいるんだろうというマジカルな事実に直面して一時は哲学書を読みふけりました。宇宙は数学で読み解くしかないそうですが、では宇宙が137億光年先までなぜ数学に従って動くのかという理由はわかっていません(参照・「数学的な宇宙」マックス・テグマーク著)。哲学は数式で書かれませんが、実存という自分がここにいるという真理が数学的でないならそれは宇宙の一部ではないか、数学に例外があるという、それはそれで大問題になってしまいます。

哲学書を読んで理解したことは、僕には理解できないということでした(笑)。結論としてそこまで突き詰めて思考した人のインテリジェンスは物理ならアインシュタイン級だろうぐらいは思うのですが、ではアインシュタインがどれほど知能が高いかということも数学ができない僕には実感がないわけで、リンゴとミカンを並べて両方とも普通よりでっかいですねと言ってる、その究極の馬鹿ぶりには耐えがたく何か別なレファレンスを求めたくなるのです。それがモーツァルトだったというのが話のオチで、カントやアインシュタインの言語は理解できませんがモーツァルトのはわかる。それも頭でお勉強してなんとなくではなく、おなかでガッツリと。人類史上最高峰というものがどんな景色かを僕は彼をモノサシにして計っているのです。

モーツァルトはワンダーランドである。そう思ったのは駒場から本郷に移って法律の勉強に辟易しはじめた頃です。ワンダー(wonder)とは不思議であり、つまり充分にマジカルです。モーツァルトは僕にとって宇宙と同じ存在に見えてきて、むくむくと生来の分解癖が頭をもたげました。哲学書を読み解いた10倍もの、法律書の100倍もの関心と労力をもって彼の楽譜を(それもマジカルに聞こえる特別の部分を)片っ端から調べその道具としてピアノを触りはじめました。社会に出てからもそうでしたが、自分はネコと同じほど本能主導で環境や周囲が左右できない人間と思います。

モーツァルト、アインシュタインにはなれっこない。ではオレが何かといえば、カッコつけていえば金融の専門家なんてものであって、こういう職業は誰でも頑張ればなれるものであるのは自分が一番知ってしまっているわけで、何の誇りも持てないけれどその割には収入は悪くなくておすすめですよぐらいのくだらない結論しか出てこない、まったく馬鹿馬鹿しい人生であったということになるのです。その成仏感のなさからこういうブログを書いてるのだから寂しいことです。

財産は本能の命じるままに使ってしまおうと思うのです。とすると自分の本能はどういう出自のものか、投資する前に調査するのは習性ですからいったん理性で紐解く必要があって、両親とその両親できればもっと先を、つまりそこからしか本能は来ようがないのだから調べる事がまず大事です。その結果、オレというものは当然ながら先祖が複合してできていることに気づきますが、やっぱりこれかなというのはあります。

明治時代に岩崎弥太郎、伊藤博文、大久保利通、大隈重信、陸奥宗光、井上馨、山形有朋などが常客だった横浜・尾上町の富貴楼という待合(置屋兼お茶屋)があって、お倉

https://ja.wikipedia.org/wiki/富貴楼お倉

という芸者あがりの女将がいました。やり手で「坂本龍馬のような女」と呼ばれ、本が出ていて富貴楼を建ててやったのが先祖だったと書いてあります。元勲たちと親交を結んで政治情報を聞き出すためですが実行部隊はお倉でした。彼は実業家ですが株式市場がまだない時代に情報というインテリジェンスの重要性を最初に理解した日本人で、ワーテルローの戦いで戦況をつかみ英国債を売って市場を動揺させて一気に買いに回って帝国を築いたネイサン・ロスチャイルドと似たことを実際にして大成功しています。お倉はその重要な戦略パートナーだったと思われ、最期は横浜で看取られたほど頼っていた様子がうかがえます。

伊藤博文は碑文を書いてくれたし大久保利通はニューオータニの前で暗殺されましたがいま僕はいまそこに会社を構えて机の後ろの窓から毎日その場所(清水谷公園)を見おろしている。いろいろ感じるものがあります。もともとどうして紀尾井町に会社を置いたかというと高台が無性に好きだからで別に何の意味もなし。証券会社への就職を選んだのも因縁でしたが、彼の存在は就職するまでまったく知らなかったので偶然です。

自分の本能と運命がそういうものならば、それに逆らわずにその方向で信頼できる戦略パートナーを世界各所に探して、現実の投資は僕が判断してする。虎の背に乗って走ると降りたら虎に食われる。「騎虎之勢」(隋書、独弧皇后伝 )。彼は相場をそう例えて娘の名前もトラでした。投資というのは命懸けのもの、そのパートナーに男も女も血縁もへったくれもありません。裏切らない、スナイパー。これだけが僕が求めるキーワードなのです。それを実行するに、人類史上最高峰のモーツァルトのクオリティの目線を忘れない。以上に尽きると覚悟を決めました。

 

あいつはどうだ?と聞ける人

 

ソナー・メンバーズ・クラブのHPは http://sonarmc.com/wordpress/ をクリックして下さい。

 

Categories:ソナーの仕事について, 自分について

▲TOPへ戻る

厳選動画のご紹介

SMCはこれからの人達を応援します。
様々な才能を動画にアップするNEXTYLEと提携して紹介しています。

三遊亭歌太郎
小林未郁
島口哲朗