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2勝4敗で終わった平成の人生双六

2019 APR 30 22:22:36 pm by 東 賢太郎

平成が終わります。ちょうどソナーのHPを刷新するのでそちらに書いたブログを読み返していると、こんなのがありました。一昨年の3月のものです。

 

2017.3.28.
人生、5年区切りの勝ち、負けは?』 

オリンピック、高校野球、WBC、そして大相撲優勝決定戦、ゴルフのプレーオフ、どれも面白い。なぜだろう?

それはサドンデス(負けたら終わり)の切羽詰まった戦いだからでしょう。我々の人生でそういう場面はそうあるわけではありません。入試、入社面接、プレゼンなど無いわけではないですが、トップアスリートの頂点をかけた戦いに比べれば負けたっていくらも救いはありますね。

僕は勉強も運動もエリートだったことはなく、負けた記憶のほうがずっと多いしそれをよく覚えてもいます。人生を生れてから5年区切りで勝ち、負けをつけてくると何勝何敗かという話があって、60才だと12回の勝負があるわけですが、勝ったと思うのは16-20才、36-40才、51-55才だけです。3勝9敗の人生です。

3回の勝ちは大学入試、出世、転職というサドンデスがあって偶然うまくいった。それが自信になって厳しい業界を生きてこられました。しかし、いま振り返りますと、うまくいったのは多分に運だったと思うのです。努力はしましたが、実力以上の結果が出るツキがあったことは間違いありません。

その3回とも、すぐ前の11-15、31-35、46-50才が負け期間です、何をやってもだめな雌伏の時期があって、そこで耐え苦しんで何らかの「貯金」ができていたように思うのです。これは後講釈ですし、その時は必死にもがいていただけで貯金しようなどと思う余裕すらありませんでしたが。

プロ野球の名選手、名監督の野村克也さんが「負けに不思議の負けなし」と言われるのが今になってわかった気がします。雌伏の時期に連戦連敗して悔しく、ちくしょうと思って勝ち方を研究した。その負のエネルギーが正に転じたら勝ったのです。連勝だったら僕は何も学ばず還暦になっていたと思います。

甲子園を見ていて、あの延長15回引き分けを2試合ですね、そこでハタと気がついたのです。「負けなきゃ勝ちだ」ということを。自分は三振を取ってねじふせるのがいい投手と思ってましたが、自軍が取った点数以上を与えなければいいやという投球をしていたらもっと結果はよかったかなと62才になって気づいたのです。

人生もおんなじで、毎日サドンデスなどできないし必要もない。一度も勝たなくたって我慢して諦めずに「そこ」に残っていれば、ツキのほうが寄ってくる。思えば、僕の3回の勝ちはまさにそれだったのです。

それには一つだけ条件が合って、「試合」はしていることなんですね。とにかく戦って、負けても仕方ないが、ちくしょうとは思って、負けない努力だけは毎日コツコツとすること。試合から逃げると人間もうだめです。なぜなら「五感」が働かなくなる。どんなに優秀でも頭脳明晰でもそうなると五感を磨いた人には負けます。それは不思議の負けでない、当然の負けなのです。

そうやっていると次の5年でツキが来て、それは神様平等で誰にも来るものは来ます、そこで五感が働いてそれをつかもうと自然に体が動くのです。五感が鈍った人は気がつかずに見逃がします。つかんだ人はそこで勝ちの5年になって、自分がステップアップする。次元が変わる、この感じは僕の同世代で自分もあるぞと体験された方も多いのではないでしょうか。

56-60才の5年は明らかに負けの時期、雌伏期でした。さてそれがここで吉と出るのか、もう5年だめなのか?さっぱりわかりませんが、ちくしょうと思って諦めない、その気力だけはまだ残っている気がいたします。5年生きてればですが・・。

 

そうですね、今もそう思っています。僕の人生双六(すごろく)、このブログを書いた時点で3勝9敗でした。60-64才も勝ったとはとうてい言えないので今で3勝10敗です。昭和が1勝6敗、平成が2勝4敗。昭和時代、つまり34才まではほとんどいいことはなく、平成は多少良くなりましたが、でもそこだけ見るとやっぱり2つ負け越しで終わりました。謙遜でもなんでもなく、その5年5年をクールに評価するとそうなのです。負けというのは、積極的な大失敗もあったし、消極的にチャンスを見逃してしまったのもあります。

ところが、書きました通り3回だけ大きなツキが来て、ヨシッと思ってもがいてみたらラッキーな展開になり、なんとなく結果オーライになりました。失敗から学ぼうと悔しまぎれの努力は確かにしたのですが、思えばそれがあって次にうまくいったという格好いいものではなく、むしろ単純に、その刹那の運がよかったと思います。しつこくあきらめなかった、それだけです。

令和という3つ目の時代がどうなるのかわかる由もありませんが、ツキが来るのか来ないのか、来ればまたもがけばいいし、来なければ今度はもうそろそろあきらめるしかないでしょう。そう思いましたので今日、岩佐君に来てもらって僕がやりたいことを5時間かけてじっくり議論し、お伝えしました。いい時代になるかどうか、社員の皆さんに託しますし、あとの運は天に任せます。

 

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Categories:______日々のこと

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