Penny Lane
2012 OCT 17 0:00:02 am by 東 賢太郎

中島さんへのコメントでカーペンターズを思い出して、これまた聴くことに。YouTubeを見るとカレンがドラムをたたいてClose to youなんかを歌っており、彼女のとてつもない才能にくぎ付けになってしまいました。彼らのハーモニーは純正調でビートルズに匹敵する気持ちよさです。カレンは僕が最も敬愛する女性pop歌手です。
Close to youはバート・バカラックが作った曲で、彼はなんとフランス6人組のひとりダリウス・ミヨーに作曲を習ったバリバリのクラシック本格派です。リチャード・カーペンターもそうで、絶対音感がありピアノはうまい。彼のアレンジにはクラシックのベースから来る音感、和声感を感じます。
不思議なのは、そういう教育をうけず、たぶん楽譜もあまり読めなかったジョンやポールのケースです。例えばペニー・レインはB(ロ長調)で(the pleasure to knowの部分でknowがふっとBm7になるのがいいのですが) この調はギターでは弾きにくいです。
特にall the people that come and go・・・・のバックでバスがg # → g → f # と下がっていくコードはギターよりピアノ的発想に見えます(これはポールの曲ですが、録音ではポールがベース、ジョンがピアノを弾いているようです)。ピアノだと自然に弾けるので、ピアノで作曲したのではないかと思います。
この曲、トランペットが入ってきますが、ポールがニュー・フィルハーモニア管弦楽団の奏者を呼んできたそうです。このオケ、当時はあのオットー・クレンペラーが君臨していた絶頂期です。彼を呼ぼうと思った時点で、ポールはクラシックの作曲家です。サビがA(イ長調)というのも意外感に満ちていて、それを F# を経て B に割と強引に戻しているのに、なぜか唐突感がありません。ビートルズの和声は実に不思議です。
ペニー・レインは詩も好きで、僕が2歳から中学まで過ごした和泉多摩川の超ローカルな商店街をいつも思い出します。床屋さんもあったし、僕の親父は銀行家でした。
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Categories:______ビートルズ, クラシック音楽

中島 龍之
10/17/2012 | 11:35 AM Permalink
いつも東さんのコメントは勉強になります。今もギター片手にコードをチェックしてます。BからBm7のところは、なるほどそういう流れかと思わせます。G#→G→F#はギター的には、フレットをひとつずつ下げるだけなので次にうつりやすい進行です。サビのAからF#を経てBに戻すところ、何の不自然さも感じていませんでしたが、和声で自然に感じさせていたのですね。ビートルズを深く知るとさらに面白くなりそうです。