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ビートたけしのレジオン・ドヌール勲章

2016 OCT 28 0:00:41 am by 東 賢太郎

ボブ・ディランのノーベル文学賞といっても、西室の解説を読んだってボブ・ディランを知らないのだからどうしようもない。そうしたらこんどは北野武氏のレジオン・ドヌール勲章受賞というのが目に入った。ビートたけしとしてなら多少は知ってるし、彼の乾いたユーモア感覚は好いてもいる。

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レジオン・ドヌール勲章というと、ある名士の方がもらって銀座のクラブで見せてもらったので少しは知ってる。ナポレオン1世が創設したものでこういう絵がある。胸にかけているのがそれだ。

 

 

 

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こんなものだ。手に持ったらずっしりと重たかった。

 

 

 

 

すると、これがテーブルで順番に回ってきて、手にした隣の女の子がこうのたまわった。「あれっ、なんかこれ、サリーちゃんみたいですね」

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なるほど、これのことだったんだ。北野武氏ならネタにできるな。

 

 

 

 

話は変わるが、畏友中村も僕も各々の会社で「海外派」だった。彼はそれを「海軍」と称しており、「こっちの方が賢いしスマートなんだけど、陸軍の方が強いんだよなあ」と嘆いていた。陸軍とは、国内派のことだ。

しかし我々が入社したころ日本企業の合言葉は「これからはグローバルの時代だ!」だったし、「入社したらインターナショナル・フィナンシャーだ」なんていわれた。それが何かは知らなかったが、カッコ良さげではあった。だから海外派になってこれからは俺たちの時代だなんて甘いことを思っていたものだ。

ほんとうにそうだったんだろうか?結論としての僕の思いは、「グローバルの時代」は確かに来たが、それはインターナショナル・フィナンシャーや「海軍」が牽引しようがしまいが、黒船の来襲みたいに日本企業を否応なく飲みこむ形でやって来た。

自分の実力不足を棚に上げてはいけないが、そこでグローバリズムの波に乗って海外進出して現地でガバナンスを取って成功した日本企業なんていくつあるだろう、あったとしても海外派がトップで引っ張ったのはいくつあるだろうと思う。

時代は動いている。人工知能の格段の進化によってあと何年かでスマホは主要言語を実用的なレベルで訳せる自動翻訳機能付のSiriを搭載するだろう。10年か20年で、もう学校で英語の勉強はいらないよという時代が来るかもしれない。時代はそっちへ流れている気がする。そうなると英語力と外国経験が売り物の海外派はレゾン・デトルがなくなるだろう。

なぜなら米国のビジネスは翻訳機を与えて米国人にやってもらえばいい。生半可に英語ができますという日本人はいらなくなるのだ。日本人の方が忠誠心が高いと一概にいえない時代になりつつもあって、忠誠だけは血判状をもって誓うが英語はできない一群の「陸軍」と優秀な外国人とSiriでグローバルビジネスはできてしまうのではないか。

要するに、「外国を知ってます」はもう無価値になりつつあるのだ。庶民が憧れの外国をのぞき見る「窓」だったデパート業界の凋落がそれを象徴している。外国でMBAなどの学位を取ったといって、そのことだけでハクがつくこともない。英語の価値が剥げ落ちると、「それって日本で日本語で勉強できますよ」でおしまいだろう。

だから僕はビートたけしのレジオン・ドヌール勲章受賞は、これこそ今流の本当のグローバル進出だと思う。彼はMBAを取ったわけでもなければペラペラ英語をしゃべるわけでもないだろうし、そうやって西洋に同化して誉められたわけでもない。日本人として我が道を行って叙勲したわけで、才能のなせる業であることは疑いもないがやはり時代がそっちへ流れているのだと感じる。我々は日本人らしい強さを磨いて世界に打って出ればいいのだ。

内向きの時代が良い悪いではない。今やグローバリズムの総本山であった米国すらそうなりつつあるのだから、内向きこそグローバル現象だという皮肉な世の中である。日本人は日本人らしく立派な人になるよう子供を教育していけばいいということで、小学生から英語を習わせて歌はカッコよく歌えるようになりました、日本語は満足に書けませんが、なんて子が増えて虻蜂取らずになるのは最もよろしくない。

最後に、ノーベル賞だが、日本人がサイエンス分野で取り続けているのは実に頼もしい。これぞ国力、国益の源泉であり、当面は歯が立っていない中国・韓国との差は歴然である。数学オリンピックでそこまでの差はない中韓に対してどんな優位性があるのか文系の僕は知らないが、科学の分野で選考の恣意性は限られようし、そこには日本人の本源的な優位性の根っこがあるはずだ。

我々はそれをお持ちであり体現されている研究者たちをリオ五輪の体操や水泳の金メダリストをたたえるぐらいの情熱をもって応援すべきなのだ。それを2位でいいでしょと軽く言えてしまう人の精神、心理の奥底には、日本人の本源的な優位性を賛美はしない、いわば別品種の根っこがのぞいている。その根っこからは、どんなに時間をかけて好ましい肥料をやろうとも、別種の植物しか生えてこないだろう。

サイエンス以外の分野については、ノーベル財団さんの私財なのだから何に差し上げようと勝手だ。僕ならノーベル美猫賞(癒しパワーで世界をほのぼのさせたネコに与える)、ノーベル男気賞(ミスコンに対抗するものだがイケメンではなく、男の中の男と世界が認める立派なオトコに与える)を創設したい。初代男気賞はいうまでもなく日本国は広島カープ球団の黒田氏だが辞退されそうだ。

 
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