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誰かに選んでもらいたい時代

2017 AUG 3 23:23:47 pm by 東 賢太郎

日経ビジネスに「消費多様化の終わり」という記事があって、まったくその通りと納得した。昭和の選択肢の少ない時代から、商品がどんどんユーザー寄りの目線になって、例えばユニクロで同じシャツがなん十種類もの色で選べる。それが「いいね」を獲得していたが、早くもその時代は終わろうとしているらしい。

僕は出されたものを着るだけだから余計なものに選択肢が増えると面倒くさい。社会全体ではそれが楽しいという人が多数派だったのがそうでもなくなってきたということで、「自由」というのはかえって迷うし疲れるものでもあるという意見が増えたそうだ。

逆に「自分を良く知ってる専門家におまかせしたい」が増えているらしい。衣類、食べ物、本などだ。確かに楽でいいが、僕の場合、あえて「自分を知らない人」にまかせたい気分だ。というのは、自分の好みを知ってると、誰が選ぼうが結局は似たものに偏ってしまうからだ。

例えば旅行だ。選んでるつもりが結局は文化、歴史、温泉、オーケストラ、ゴルフ、美食みたいな好みのキーワードのあるなしで決まっていて、行ってみてなんだまたかとなる。5月に行った愛媛の青島はネコがキーワードだったが、島の風情もネコなかりせば絶対行かないような場所であって良かった。

要はキーワードは無視したほうがいい、つまり、好みを知らない人に決めてもらった方がいいような気がするわけだ。仕事もそうで、最近は来たものを自然体でやる方がいいかもしれないと思っている。アドバイザーというのは医師や弁護士と似て、本来はこっちから営業するものではないからだ。

前回に独りがいいと書いたがそれはアドバイザーの特徴でもある。医師は医院が大きければ名医だということもない。質の高い案件を多くやれば、次も良いのに巡り合える確率が上がる。仕上げ方(執行方法)の質の高さが大事なのである。案件を奪いに行ったり選んだりはしないほうがいい。

結論として、僕は他人でなく、運命に決めてもらう。出会ったものは何かのご縁であり、来るもの拒まずで真摯に対応する。お気に召さず去られれば、無理に追わない。証券マン時代はあり得ないスタンスだが、そうやって信用をこつこつ積み上げれば「誰かに選んでもらいたい時代」、アドバイザーとしては選ばれるのではないかと感じている。

 

諸法無我

 

 

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