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インフルエンザの教訓

2019 FEB 23 16:16:46 pm by 東 賢太郎

1月から関係各所への訪問、アポをひかえさせていただいており多大なご迷惑をおかけしております。というのは人生初めてインフルエンザにかかったからです。この10年ほど、神山先生の薬のおかげでほとんど風邪もひかずにきましたが、たまたま1か月薬を休んだら間隙を突かれたかやられてしまいました。39度の熱は参りましたが、いっぽうで面白い経験もしました。

もらったのは日本ですがあいにく熱はプレゼンでソウルへ行った矢先に出ました。非常に困ったわけですが、韓国の医師に初めてかかるスリルはありました。クリニックでさあ何が始まるかと思っていると、出てきたのは30代のさわやかな好青年C先生でした。最初の質問は「お仕事ですか?」。そこからあらぬ方向に話がはずんでまず仲良くなってしまったのです。

投資会社経営だといったのですが、すると彼は「私も会社を経営してます。あれをごらんください」と壁のツーショット写真を誇らしげに指さします。「ジム・ロジャースに会ったの?すごいね」、米国人ジム・ロジャースはジョージ・ソロスとクォンタム・ファンドを創立したヘッジファンドの草分け的存在です。「ええ、このクリニックのほかに健康器具の会社を起業しています」。まあ日本ではまずない展開でした。

じゃあ診ましょうかとC先生は一通りの診察をして処方箋をくれ「この薬を飲めば治ります。ただ熱がお辛いでしょうから点滴を打ってあげます、代金は結構です」。仲良くなると韓国はこうなりますね、だいたい。これも日本ではまずない。お言葉に甘え、2時間ベッドでうとうとしたらすっかり良くなってしまった。付き添ってくれたホテルの女性、看護師さん、薬剤師さんもみなやさしく、深謝して帰ってきました。韓国というのは、日韓関係は危険水域に入っていることは間違いないのですが、個人的には何十回も行って嫌な思いをしたことはないミステリアスな国なのです。

ジム・ロジャースは僕が野村で2000年あたりに「中国株を買え!」と強烈に言い始めたころに同じことを言っており、以来面白い男だと思ってました。そうしたら「1807年にロンドンに移住するのはすばらしいことだった。1907年にニューヨークに移住するのはすばらしいことだった。2007年にはアジアに移住するのが次のすばらしい戦略だ」と言って家族でシンガポールに移住してしまった。なかなかだと思ったですね。

今回、インフルでへたって熱でうなされて体が鉛のように重く、そこまで生命力が落ちると諸欲も好奇心も皆無になるという発見をしました。なにせ息ができてるだけで満足でしたから。ということは、元気でないと人生つまらないだろう、シンガポールに移住しようなんてエネルギーは絶対に出ないなと思い至ったのです。現にジム・ロジャースは元気でオートバイで世界6大陸を走破、ベンツで116か国、24万キロを走破して2度ギネスブックにのっている。

彼はそうして世界中を旅して肌で人々の変化を感じ取ることを投資の原点としている、これも我が流派に合致です。僕は香港に住んで中国にどっぷりと漬かったから中国ビッグバン仮説を思いついた。あの時はサラリーマンだったから個人的にはなにもできなかったが、世が世なら何百億円か手にできたかもしれない。構いません、またやればいいのだから。そのためには僕は絶対に健康でいなくてはいけないと思いました。

ちなみにジム・ロジャースはエール大学卒、オックスフォード大学修士でコロンビア大学ビジネススクール客員教授の超インテリです。しかし彼の業績にそれはあんまり関係ないかもしれないということを最後に書いておきたい。いくら米国でも学校教育で投資がうまくなることは期待できないです。彼の諸欲と好奇心と健康のたまものでしょうね。学歴で飯が食える時代ではありません。これから世界はもっとそうなります。

シリコンバレー、たしかに世界の頭脳の集積基地です。能力に人種、国籍なしでもっと原石のイスラエルやインド、そしてそのアプリケーションとしての中国、ASEAN、アフリカに興味がありますが投資となると米国法が比較的に安心だからシリコンバレーになる。10倍になる株を探すことに残りの人生をかけたいですね、そのソナー探知機でいたい思いがますます強くなっています。それにはまず健康、次に諸欲と好奇心。インフルエンザの教訓です。

 

中国ビッグバン仮説 (追記あり)

 

 

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Categories:______日々のこと, 若者に教えたいこと

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