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日ハム・金子の芸術的な快投

2019 MAR 19 20:20:06 pm by 東 賢太郎

アスレチックスの打撃練習風景

日曜日に東京ドームでアスレチックス対日本ハムのプレシーズンゲームを、試合開始2時間前に入場して打撃練習から見ました。メジャーがドームで打つとこうなるのかという凄いホームランの連発でしたが、2年前に神宮の七夕の奇跡で見たカープ・バティスタの左中間の弾丸ライナーの一発のほうが上だな、なんてことも思うのです。試合は5-1のスコアでメジャーの完勝、あんまり見るものがないゲームでしたが、唯一、金子の4イニング9奪三振は美しかった。

先発の有原は157キロでましたがカンカン打たれて4失点です。それより金子の140キロが速く見えた、これぞ野球の謎ですね。縦横に自在に曲がる変化球も速くて空振りがとれ、最後はコーナーぎりぎりのストレートに手がでず見逃しが何度かありました。メジャーを手玉にとったのは見事です。

金子はプロとしては体も細身でフォームに威圧感もなし。一見何でもないピッチャーで、腕の振りも速さを感じないのにキャッチャーミットの音が半端なく、たぶん打席ではすぐ球が手元に来てる感じでしょう。それでコントロールがいいのだから打てるイメージがないです。

選手百人いれば百種類の球があります。僕は常にそれを楽しみに野球場に行くのです。試合前のキャッチボールから真剣に見て、いいなと思った野手は背番号から名前を確認します(投手じゃない、野手です)。河原の草野球だって、中学ぐらいの投手が、遅いけど回転のいい球でミットがパーンと鳴ったりすると、ちょっと高めはいやだななんて思ったりして、バッターの反応が見たくて2イニング見物してしまったり。やってた人ならわかってくれると思うのですが。

バッターの反応。打席に立つのでなければ、それしか判断材料はございません。自分のだけは打席で見られないからマウンドからじっとそれを観察して、その日の調子を知りました。振り遅れてると「今日は行ってるな」と思う。行ってるは投手目線、来てるは打者目線の言葉です。だから反応(特に見逃し方)でいい打者かどうかもわかります。それがいいと、おぬしやるなとなって、胸元を攻めとくかなんて捕手と目くばせしてました。

金子の球は、打者がほとんど想定外という反応。芸術の域ですね、うまいなあとため息つくばかりです。打者は150キロに見えてるだろう。彼ぐらいになると前の球の反応でどこに投げるかが直観的にわかるのではないでしょうか。僕が当たった元プロの投手の、打席に立ってみた印象もそうでした。打てない所ばかりに来るのです。

ケガさえなければ金子は10勝はするでしょう。彼のピッチングはネット裏から初めてみましたが、それだけでも来た甲斐がありました。オリックスはどうしてだしちゃったのかな?もう一つ謎が残りました。

日ハム・金子の芸術的な快投

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