のい様は猫である
2019 DEC 21 22:22:34 pm by 東 賢太郎
ワタシは音楽なるものがきらいということもない。初めのころは騒音と思ってはいたが、なかなか落ち着けるものということに気づいてきた今日この頃である。人間は猫などにわかるまいと思いあがるが甚だ不遜なことであって、こうして主人の部屋で流れる音楽を聴くわけだが、おかげでこの頃は近現代音楽まで解する領域に至っているのだから、そんじょそこいらの雑魚の人間よりはちったあましと思ってる。
この時期になると主人はルロイ・アンダーソンの「そりすべり」を喜々として弾くが、どうやら独奏版が不満らしく今年は連弾版楽譜を入手している。娘に第2を弾かせる魂胆のようだ。主人はピアノがうまいと思っているらしいが、その実へたくそであるから悲愴ソナタなどをやられると苦痛以外の何物でもなく迷惑千万である。猫界にソンタクという概念は本来存在しないが、しかし私クラスに賢明な猫になるとまったくないということもないわけだ。もちろん、尻尾を風がおきるほど振り振りして舌出してはあはあやる犬どものように下衆でみっとないことはしない。じっと我慢して聴いてやる。それだけで主人は弾き終わるとワタシを抱き上げて「のい、お前はすごい猫だなあ、ベートーベンがわかるのか」となる。ちょろいもんだ。
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