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科挙のカンニングは死刑

2022 JAN 29 14:14:21 pm by 東 賢太郎

科挙は隋の文帝が598年に創設し、清朝末の1904年まで続いた。中国の皇帝は地上世界を治めるべく天命を受けた者であるが、地上は広く一人では統治できない。そこで官僚が必要となるが、文帝までそのポストは貴族の子弟が世襲してあまりに馬鹿が多く、統治が不安なため作ったのが科挙である。

代々皇帝は変われど約1300年も科挙が維持されたのは民間から頭の強い人材を登用することが国を強くするからである。だから19世紀から欧米もこのシステムを取り入れた。そのためには「公平」で「ズルがない」ことを国が厳格に管理することが大前提で、裏口があればシステムの有効性は崩壊してしまうのである。

日本は平安時代に模倣したがすぐに貴族の世襲に戻ったところがとても日本らしい。辺境の島であり外敵から隔離されていたからそれで征服されなかった。黒船が来てその特殊環境は消えて現在に至る。一般環境において統治者が世襲などしていたら滅びるというのが西洋および中国の歴史が証明する一般原理である。

科挙に合格すると権力と富が得られたため熾烈な競争となった。そこであの手この手のカンニング術も進化した。

これだけの凄技があればずいぶん稼げそうだが、役人になった方がもっとおいしかったということを示している。

カンニングが見つかると家族まで死刑になった。

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Categories:______世相に思う

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