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阪神タイガース・糸井の引退試合に感動

2022 SEP 22 18:18:43 pm by 東 賢太郎

昨日の阪神・広島の最終戦は4-4の重苦しい同点で延長11回まで進んだ。双方が4位で並び、Aクラスに首の皮一枚。こういう追い込まれた事態で見る1点もやれないプレーは実に手に汗握る。

阪神の中継ぎ投手、ケラーと湯浅の速球。わかってても空振り。ああいうのはこういう場面でないと出ない。特に湯浅が坂倉をインローで見逃し三振にしたあれ。あのストレートをプロだ!と思わないなら金を払って見る価値はない。

その湯浅の低め速球をセンター前に快心のヒットを打った小園。第1打席のセンターへの本塁打よりこのヒットを評価する。8番だが一番打ちそうな雰囲気があったのは小園である。守備も含め、本当に素晴らしい選手を採ってくれた!

一打サヨナラの一死一二塁で佐藤、梅野をストレートで連続三振に取った松本の度胸!新人でこれは驚異。制球が乱れず145キロしか出ないのに高めで空振りが取れる!カープの中継ぎで最も成長したのは松本と矢崎である。

素人の試合で後半にこんな球の速いピッチャーが出てくることはない。ストライクゾーンで速くて打てないピッチャーは打ちようがない。シーズン中はこんな球はめったに見れないからもうけものだ。

ひとりだけ、あんまり制球が良くなかった岩貞。今年は彼も球速が増しているが、11回、小園のうまいバントで暴投、四球で満塁。打てる気配なかった上本に三遊間。するとつるべ打ちの3連打であっという間に6点。

嬉しいというより「野球は怖い」と鳥肌が立った。

カープは残り4試合全部勝って巨人が3つ負けてくれれば3位となった。

もうひとつある。

5回の先頭で代打で登場した糸井だ。これが引退試合。森下は3-2とし、外角高め速球は見逃せばボールだったが、これを見事とらえて三遊間を抜いた。変化球がありえたろうが、特に手を抜いた球とは見えなかった。

よく打った。これは絶頂期だったオリックス・平野が本気で投げた低めを右中間ツーベースにしたロッテ・サブローの引退打席に匹敵する。鍛えぬいたプロは凄い。こんな打者でも辞めなきゃならないプロも凄い。

糸井はピッチャーで近大から日ハムに入る。2年で打者転向といわれるが、引退スピーチから投手クビだったことがわかる。悔しくてバットを振りまくってここまで来たと。それでこのいい性格、素晴らしくスケールのデカい男だ。

糸井に驚いたのは打撃ではない。守備と肩だ。足も速いと思ったらなんと300盗塁もしているとは。野球選手はやっぱり攻走守だ。全部できてナンボ。大谷もそうだが日本で最高位は間違いなく糸井である。

宇宙人扱いされておりスピーチは心配したが、これがまた立派である。うまいというより地が出ていて心が見える。作り物でない。作り物のこれまたフェイクみたいな、巷に満ち溢れる政治家どものくそスピーチに汚染された耳が洗われた。

糸井選手、プレーヤーとしても男としても超一流だ。最高の野球をありがとう!

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Categories:______プロ野球, ______広島カープ

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