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誰でもできる自力でツキを呼び込む方法

2024 MAY 14 10:10:49 am by 東 賢太郎

僕は人を学歴、職歴だけでは見ない。その人が過去に何だったかという歴史は、その人がどういう類い(たぐい)の人であるかによるひとつの結末ではあるが、試験や競争によって本意でないものになることもある。いや、大谷翔平のような人は別格として、ほとんどが大なり小なりそういう人生を妥協して歩んでいるのが現実だろうし、かく言う僕などそれの積み重ねだった。妥協がうまくいけばいいが壁に当たってしまう方が多いし、そうなると「自分はツキがない」「どうせ自分はこんなもの」と思い込み、自信をなくしてしまうのだ。

妥協というのは愉快なものではない。そこで「フレキシブルに生きるのがベスト」などという人がいる。そう生きていれば気楽ではあるが、得てして自分のスタイルを忘れて根無し草になってしまうものだ。何事も自分のスタイルは大事だ。それがないと根無し草になり川に流されて陸地に漂着しない。すると養分が足りないから成長しない。流れると景色は変わるから何かしている気分になるが、実は何もしてないから何も起きない。同じ仕事、職場にいれば根を張っているわけではない。何十年、微動だにしなくとも、根無し草は根無し草なのだ。

僕が順風満帆な道を来なかったことを読者はご存じだが、壁に当たったり墓穴を掘ったりしてもめげないでいるとやがて追い風が吹いてきた。これを「ツキがあった」と考えていたが、実は、風向きはランダムに変わるのであって誰にも平等だ。辛抱していればそのうち追い風に変わる、それだけのことだったと思うようになってきた。つまり、うまくいったのは長いこと辛抱してめげずにやったからなのだ。この「長いこと」「辛抱」「めげずに」というところに神様がほほ笑んだ、それがツキの正体だと思えば、不運だと思ってる人でも自力でツキを呼び込むことができる。

小さいころ、風呂で父に「ゆっくり30数えなさい、そしたら出ていいよ」といわれた。子供にとって湯は熱い。なかなか30にいかない。息絶え絶えになってやっと湯舟から脱出する。体が火のようにほてるが、やがて芯まで爽快になる。これが「長いこと」であり「辛抱」なのだ。やがて父がいなくても、あの爽快感が恋しくなって自分ですすんで30数えるようになった。これが「めげずに」だ。我慢だけじゃだめなのだ、目標を見つけ、すねたり横を向いたりせず黙々とそこへ向けて進む。これにお駄賃が出る。

ツキがないと思ってる人は、多くの場合、辛抱ができてない。仮にできても長く続かない。やってみたがいいことなんか何もないじゃないか、と横を向いてめげてしまう。こんなところだ。だから簡単なことでいいのでお駄賃がもらえたと感じるまでやってみることだ。自分の経験ほど説得力のあるものはない。私事で恐縮だが、僕はそれで野球や勉強が上達した。結果を確認しながらうまくいくまでやる。やがてそれが自分のスタイルになる。教わってもいいが自分のものにしなければ意味がない。僕は「確認」「納得」にこだわるので自習が良かった。だからほとんどの物事は「独学」なのだ。

スタイルはスポーツならフォームという。一度できあがれば再現性があるし微調整で応用もきく。すると、もう一段上のレベルに登れる。上達はこれの繰り返しだ。だから野球はキャッチボールとトスバッティングをやる。それが下手で投球、打撃がうまい人はいない。勉強も同じだ。何がそれにあたるかを見つける。それを何度やっても失敗しないようになるまで延々と練習する。すると難しいことができるようになる。野球と勉強は同じだと気がつく。ならば仕事もだろう。そうやって僕はできるようになった。他人はあいつツキがあるという。そうではない、それがツキというものの正体なのだ。

以上、すべて風呂でわかったことだ。何があってもめげない。できるまでやる。なかなかできないから長い辛抱がいる。やがてできると、すべてが報われる。爽快感で一杯になり、またやろうと思うようになる。こればかりは独学でなく、父にやらされているうちに経験が快感になったものだ。だから「努力」はしない。しろと言われても何をしていいかわからない。「努力は才能だ」という人もいるが、さらにわけがわからない。そんなかっこいいものではない、ベルが鳴ると唾液が出る条件反射、パブロフの犬だ。学歴、職歴はその時点までの結果にすぎず、そこからどうなるかの方が大事だ。

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Categories:______気づき, 若者に教えたいこと

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