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カテゴリー: 徒然に

宇宙のすべては数学で理解できる

2019 OCT 16 0:00:49 am by 東 賢太郎

精神科医K先生はアメリカで小学校にあがって飛び級で4年生になり、帰国となって日本の小学校に編入したら年齢どおりの2年生に落とされたそうだ。しかし良いこともあって、アメリカ人の4年生はでっかくて体育はあきらめていたが、日本へ帰ってきて自信が戻ったという。

僕は勉強はだめだが野球は高1で飛び級だった。小学校では劣等生だがワル仲間にはいっていたわけでもなく、要するに誰とも合わなかった。こっちの関心事に誰も関心がなく、英語でいう gregarious(群居的)でなく、野球で少しsocial(その逆)になったが大勢に影響なかった。

今更おそいが、自分のストライクゾーンだけ深く教育してくれる学校があれば行きたかったなと思う。たとえば医学は関心があったが理由があってだめだった。先生の理Ⅲは無理だったろうが好きなことは寝食忘れて何時間でも耐えられるからここだけは残念である。

その医学の世界ではドイツとアメリカは人間を見る思想が根本的に違うそうだ。ドイツは脳は遺伝子で決まり一生変わらないと考えるがアメリカは経験で進化すると考える。だからだろう、ドイツは小学校で飛び級はもちろんだが落第まである。「みんな仲良く」は存在しない。

その点でいうなら僕はドイツ派で、自分の脳は神経細胞が加齢で減って劣化することはあっても進化はしないと思っている。ということは、時間もあまりないし遺伝的にもらったものでうまく生きていくしかない。となると僕の場合は世の中を数学的に理解しようとすることでしか生きる道はない。

そう言ったら、先生も、「私もそうです。宇宙のすべては数学で理解できると考えてます」という。これは大変な「符合」だ。人間性の核心の部分における符合だから誤差が少ない。つまり関心事に関心がある人である可能性があり、彼の関心事に関心がある可能性も高めかもしれない。

彼はギフテッド(gifted)の当該能力を伸長させる講座を東大に作りたいというが、智こそ国力であり、大いに賛同する。

 

ラグビー日本代表、スコットランドを撃破

2019 OCT 14 14:14:46 pm by 東 賢太郎

昨日、巨人の優勝を観てどっと疲れて帰ってきたら今度はラグビーのスコットランド戦が始まっていた。国と国のプライドをかけたすさまじい戦いを見た。最後の数分はもうだめかと思うほど相手は強かったのを知ったし、あってはならない殴り合いをしかけられる寸前の場面もあり、あそこまでスコットランド選手を追い詰めた力は本物なのだろうと思った。ベスト8への歴史的勝利を讃えたい。

日本代表のインターナショナルな顔ぶれはこれからの日本国、日本国民の在り方を示唆していると思う。日本文化を深く理解し『武士道』や『覚悟』といった言葉を好み、「『君が代』の意味まで知ることが日本代表だと思います」と覚悟を述べるリーチ・マイケルは誇るべき日本人であり、彼らのような才能に対してスポーツに限らず各界は大いに開かれていくべきだ。日本国籍だから日本人なのだという人がいても多様性としては受容しなくてはならないが、日本の文化と歴史を深く理解しリスペクトしない人はリーダーにはなれないし、日本国のサステナビリティを築き上げることはできない。なぜならそこに、あらゆる意味で日本を永続させる、世界における日本の絶対の強みが凝集しているからであり、したがってそれを失えば国は滅びて子孫は不幸になるからだ。

戦況を見ていて思ったのは、あそこまで両軍選手全員が一極参加してぶつかって体中の筋肉の力と知恵を振りしぼるスポーツはないだろうということだ。野球も「総力戦」とは言うが、ベンチにいる者が全員ゲームに出るというだけのことであって、戦場は基本的にバッテリー間だけ、全員一極参加になるのは乱闘のときぐらいだ。スクラム、モールのような一見乱闘に見えるバトルをルールに則って整然と進めるラグビーは格好いいと思う。だから終わればノーサイドなのであり、実に紳士的である。英国でアッパー(上流階級)の競技たるゆえんだ。アッパーは支配者層であり、支配する以上は戦争で一般市民より前線に出て戦うことを求められる。それがいわゆるノブレス・オブリージュ(noblesse oblige)であり、喧嘩が強くて賢いことを求められ、それが「ラグビー憲章」の5か条である「情熱」「品位」「規律」「結束」「リスペクト」となって結実している。

英国に6年お世話になっていた僕としてはラグビーというブリティッシュ・エンパイアの看板スポーツで日本が世界ランキングで過去最高の7位というのも誠に誇らしい。韓国は31位、中国は80位である。当然のことであるが、ノーベル賞の授賞者数と同じくアッパーのスポーツで国の差が見えている。数々のノーベル賞は日本人科学者が明治時代から基礎研究を営々と積み重ねた努力の成果であるが、ラグビーも田中平八の長男、田中銀之助(1873-1935)がケンブリッジ大学から持ち帰って慶応のラグビー部を作り「日本ラグビーの父」と呼ばれる。こっちも明治時代から営々とやっているのである。ラグビー憲章の5か条である「情熱」「品位」「規律」「結束」そして「リスペクト」。カネやミサイルでは手に入らないものがあることを認めるのが文明国というものだ。

やっぱり強かった巨人とソフトバンク

2019 OCT 14 9:09:13 am by 東 賢太郎

朝から昨日の台風がなかったかのような青空だ。3時半からクライマックス・シリーズ・ファイナルステージの巨人・阪神戦を観た。

まず、おとといの第3戦のことを書いておくと、巨人楽勝で終わりと思ってたら8-7で阪神が勝ってしまった。立ち見を入れたら5万はいたかという超満員で、あっけない2連敗の上にこの日も巨人ペースであったから阪神ファンは大人しかったのだろう、はじめのうちはいるのはレフトスタンドだけかと思っていた。それが7回表の六甲おろしあたりからエンジン全開となって興奮度はすさまじくなり、いるわいるわ、我々の席の周囲からも大坂弁の強烈な怒号が飛び始める。大山の勝ち越しソロが出ると、ついにここは甲子園かという沸騰ぶりで何も聞こえなくなった。「今夜から台風に警戒」の予報だったから早く帰りたいが、そういう時に限って延長でもないのに5時間近いゲームである。8、9回をぴしゃりと、特に9回の坂本、丸、岡本をあっさり片づけた藤川の快投には快哉だ。帰りの混雑は未曽有のレベルで命からがらどっと疲れて帰宅した。

最後の打者鳥谷が倒れて巨人が優勝

台風で一日休んだこの日曜日、西投手は完封を狙ってただろう。見ていてそんな気がしたし、そうなっていたら阪神は行くところまで行ったかもしれない。それを打ち砕いたのが岡本だった。第1打席、見逃し三振にとられた144キロは目をみはった。いい投手だ。第2打席、特に悪くない外角低めスライダーを腰をためてバックスクリーンに放り込んだ。シリーズ3本目で当然のごとくMVPに選ばれた。そして同点の6回には2死3塁から球場が唖然、騒然、ベンチも驚いたというセーフティバントで1点をもぎ取った丸。倒れこんで動かなくなった西。すばらしい激突だったが巨人が強かった。負けはしたが阪神のペナントレース終盤からの勢いは凄かった。新人の近本、木浪の加入が効いていたが、特に近本はドラフトで藤原、辰巳のはずれ・はずれだから近来稀に見る野手の大当たりだ。矢野監督の積極采配もさすがは捕手で図星が多くなり、若手が多いことからも広島カープの2015年あたりの雰囲気がある。投手陣はどう見てもカープより上だ。佐々岡新監督はよほど投手を立て直さないと来年は阪神にやられるだろう。

鳥谷、阪神最後の打席

この試合、最後の最後で鳥谷が代打で登場した。結果はセカンドゴロ。阪神・鳥谷、最後の姿だった。彼を初めて見たのは2002年の明治神宮野球大会準決勝だ。3年で早大の3番ショートだった。さっき調べてみてわかったことだが、その試合の早稲田は1番・田中浩康(ヤクルト)、2番・青木(ヤクルト)、3番・鳥谷(阪神)、4番・比嘉(広島)、6番・武内(ヤクルト)、7番・由田(オリックス)、そして投手は先発が和田(ソフトバンク)、救援が越智(巨人)と錚々たるメンバーだったが東北福祉大に5-2で負けた。この日の神宮ではもうひと試合、亜細亜大vs九州国際大があって、亜細亜の永川(広島、今年引退)が11奪三振の3安打完封を演じて1-0で勝ったが、捕手で4番は横浜高で松坂と組んだ小山(中日)、サードで3番が1年生だった松田宣浩(ソフトバンク)だった。この日は息子を連れて評判だった和田を見に行ったと記憶するが不調であり、永川の快投が鮮烈で、同期で巨人に入団した木佐貫が先発だったが彼は抑えに回ったのが不満だったのを覚えてる。3年生鳥谷は4打数1安打だった。

東京ドームで途中経過で気になっていた西武ドーム。またまたソフトバンク(SB)が勝っている。公式戦の対戦成績はほぼ互角で、差が出たのはロッテをカモにしたかされたかだけだから別に不思議でない。西武の打線は脅威だがSBの中継ぎ以降は鉄壁である。打線は水物、いい投手が出てきたら手も足も出ない。いっぽうでSB打線は弱体の西武投手陣を打ちまくり、公式戦14本塁打の今宮が決めの一戦で3本も打ってしまう。松田をスタメン落ちさせるなど非情の采配に徹した工藤監督が選手全員のテンションをうまくピークにもっていった勝利かもしれない。同じく手駒を自在に動かして、丸以外は去年とさして変わらない戦力で圧勝した原監督といい勝負だ。面白い日本シリーズになりそうだ。

いっぽうで浅村、菊池雄星とエースと4番がぬけたのにリーグ優勝した辻監督の手腕も讃えたい。当然の留任だし、来年は投手力をつけて雪辱してほしい。西武の選手たちも本拠地で2年連続して2位に、しかも同じSBにやられてしまうのは男として耐え難い屈辱にちがいない。しかし平穏に終わってしまうより一敗地にまみれてマグマを溜めておいたほうがいいこともある。

 

 

 

 

我が家の真上を行った巨大台風19号

2019 OCT 13 2:02:07 am by 東 賢太郎

過去最大の台風といってもピンとこなかった。我が家は南西方向が崖の高台に建っているから風はもろに受けてしまう。ついこの前のも大型だったが、あれは暴風雨が夜中であり、家族は眠れなかったらしいが僕は来たのも知らずに朝まで熟睡だった。

しかし今回の19号は二日も前に巨人・阪神のCSの中止が発表されており、ドーム球場なのによほど強力なんだろうということで一応の心構えはあった。世田谷区から防災警報が放送マイクで何度も何度も物々しい口調で流れ、スマホ情報で台風を眺めてみるとなるほどでっかい。東は仙台あたりから西は愛媛あたりまでの図体ではないか、こんなのはたしかに見たことない。アメリカで巨大ハリケーンとして勝手に名前はついてるし、娘にはブラジルの友達から安否を心配するメールが入っている。なんか地球規模の化け物みたいだぞ。

そうこうするうち、こいつはずいぶんゆっくりと北上してきて、午後7時にとうとう伊豆半島に上陸した。なにもわざわざそこまでキレイに伊豆を狙わなくてもいいだろうというほど見事にドンピシャだ。まずいね、ウチの辺も雨脚が強まってきているぞ。心配になってきてそこからの進路予想図を見てみると、伊豆からいい塩梅にスライス気味にカーブしていて、「目」はどうも我が家のあたりを直撃しそうである。直撃も初だが、そいつが過去最大だなんて・・・。

「その時」は午後10時に来た。我が家のほぼ上空にこいつは悠然とやってきた。伊豆南端からちょうど3時間で意外に速いではないか。その30分前から窓という窓に吹きつけるかつてない暴風のピューピュー、ゴーゴーいう音と、バリバリと全開の高圧シャワーのような強烈な雨音の宣戦布告がフォルティッシモで始まっていた。話し声も聞こえなくなってくる。ガラスは二重だし壁も頑丈だから大丈夫と思っていたが、窓や壁の心配をするまえに家ごと持っていかれるかというド迫力だ。それが1時間も続くとさすがに怖さを覚える。といって何ができるわけでもなく、家族5人とネコ3匹で耐えていたらだんだん音はフェードアウトになっていった。

そうしたら午後11時ぐらいになって「多摩川の水位が上がって、ついに氾濫した」という聞き捨てならないニュースが出た。箱根の降水量が日本一になったようで、ここからは川の氾濫が危険だ。一難去ってまた一難。サイレンを鳴らしながらパトカー、消防車が何台も通る。場所は二子玉川らしい。あそこはあり得るなと無事をいのる。我が家は離れてるし30メートルの高台だからと高をくくっていたら、そこでいきなり停電に見舞われた。ここから家中がやおら災害モードになる。真っ暗になって歩くのも不如意になってしまうと人間は何もできなくなることを悟る。しかし妻子は懐中電灯とスマホで家中を照らして手際よくブレーカーを落とし、復旧時期が不明だから冷蔵庫の生ものを片付けてしまおうという機関決定がが僕ぬきで下されていた。昔からそうであるが、こういう時に家長はからっきし役に立たない。階段でころげ落ちないようにへっぴり腰で手すりを伝い、義務で平らげた生ものは一番どうでもいいヨーグルトであった。

そんなドタバタをしり目にネコたちは平然としたものだ。世田谷区の防災警報が「レベル5です、避難してください、命の安全を第一にしてください」になったときまっさきに心配したのは、ネコを連れていけないかだ。「避難所はダメらしいよ」「どうしてだ、犬は」「犬もだめ」「じゃあインコはどうだ」と禅問答になっているのを横目に我関せずと寝そべったままだ。最悪クルマに積んで逃げるんだろうなあなどと考えていたが幸い避難するには至らず、大箱のヨーグルトをがんばってフィニッシュしたと同時に停電は15分ぐらいでおさまった。そうしたら、やおらクロが僕の膝に飛び乗ってきた。普段は家長はただの踏み台であって、そこからいい匂いのする食べ物が並ぶちゃぶ台に乗り移ろうという魂胆のクロなのだが、この日はそうしない。ピューピューバリバリが怖かったんだろう。

11時半で外はすっかり静かになった。雨も風もなし。玄関から出てみると湿った外気がそこでひと騒動あった物々しさを残しているが、塵ひとつない自然の香りに満ちていて胸いっぱい吸い込むと新鮮な気持ちになる。前の道へ出ると人っ子一人いない。完全な静寂。それにしても凄まじいエネルギーだった。あれで発電、蓄電できたら原発いらんだろう。台風はミクロネシアあたりで生まれるからマリアナ海溝で産卵するウナギみたいなもんだ、台風の赤ん坊なら核爆弾を打ち込めば日本に来ないよう進路を変えられるんじゃないか?いろいろ馬鹿なことを考えながら戻ってきて、2台の車を見たらこれが洗車したみたいにピカピカに光ってるではないか。

古来より日本人は台風を仕方ないものとして甘受してきた。清冽な水、豊かな作物、みんなそのおかげであって、いろいろ厄災はあったけど神様はお恵みだってくれてるじゃないかと長いものには巻かれ、つにには争い事まで「ここはひとつ水に流して」なんてノーサイドのきっかけにまでなってしまった。とても疲れた一日であったが、過去最大のモンスターに耐えられたんだからもう何が来ても大丈夫。水に流そう。これを古来より台風一過という。

不思議な出会い

2019 OCT 4 1:01:40 am by 東 賢太郎

本当に世の中は不思議なもので、まず、きょうは元野村の部長O君の紹介で「スモル・ワールド」のK社長に中をご案内いただいた。場所はりんかい線の「有明テニスの森」だ。写真の駅の両側が東京オリンピックの競技場になる。

スモール・ワールドは来年3月にここでオープンだ。

世界最大の屋内型ミニチュアパークSMALL WORLDS TOKYO …

 

SNS禁止なので内部の写真は載せられないが、エヴァンゲリオン、美少女戦士セーラームーン、関西国際空港、スペースシャトル5機の打ち上げ、イタリア・ドイツ・スイスの鉄道ジオラマなど話題のエリアを8000㎡に展示した世界最大のミニチュア・テーマパークだ。ソナーに出資を要請されたが検討に値する。

終わって食事して、銀座へ。久々にSMCメンバーの靖子さんの店「佳蓮(かれん)」になだれこむ。そうしたら、やっぱりメンバーであるブルーベイ・アセットの吉田社長が外人さんとふらっと来店。瀬戸内海は直島以来のまったく偶然の遭遇であった。お連れさんはマーキュリー・アセット社長だった英国人のSさん。ロンドンの話に花が咲いた。Sさんはバークレー銀行で12か国に赴任したつわもので5か国の僕などかわいいもんだ。ケンブリッジ大学物理学部と日本語学科卒でチェス部のキャプテン。日本語ぺらぺらの超インテリで今はケイマンに住んでいるがラグビーWCの応援で来日されたそうだ。イギリスはいい。なつかしくなってまた行きたくなった。

 

2019 SEP 30 19:19:43 pm by 東 賢太郎

今年は蚊に食われなかった。人生初めてだ。体質によって狙われやすい人とそうでない人といるらしいが、僕は前者なので夏はいつも注意を怠らない。にもかかわらず毎年やられる。不倶戴天の敵であったのだが・・・。

ガキの頃は放課後も休日もほぼ屋外にいたから蚊にとっては格好の獲物であり、いつも手足がかゆくてムヒなしにいられなかった。部屋にも侵入されてしまう。夜中にプ~ンという不快な音で目がさめ、眠気まなこで電気をつけて逆襲にかかるとぱたっと気配が消える。これはなぜだろうと思っていたが、蚊は自分を襲った相手のにおいを覚えていて身を隠すそうだ。何億年もかけて吸血で生き残った生物だ、すごいセンサーを身につけている。まるで忍者みたいだが、こっちもスナイパーだ。睡眠時間をけずっても絶対殺すと意を決して家中さがしまくり、机の下の暗がりの壁にとまっているのを遂に見つけるのだ。

敵は血を吸って丸々と太り、もう逃げられない。この瞬間の気持ちをどう表現したらいいんだろう?快哉を叫ぶと同時に、明日は大事な試験があるというのに寝不足だと怒りは頂点に達しており、風前の灯火のこいつをどうやって殺してやろうと考えるのだ。キンチョールじゃ面白くない、手でぶっ潰してやろうなどと。この瞬間、僕はギャングを追い詰めた刑事のつもりでいるのだが、実はギャングは自分なんじゃないかと思ったりする。動物は相手を食うための殺しはやるが人間は怨恨でもやる。鶏を裂くに牛刀を用いるぐらいの勢いでそいつをつぶすと、壁紙が血で赤い。やったぞとは思うが、ごめんよ悪かったなという気も残る。幸福な幕切れではない。

いまの家は蚊が来ない。やられるのはもっぱら暗闇の帰宅途中の路上だ。スマホのながら歩きなぞしているとほぼ確実に腕や首をやられる。それもあっという間にだから大変な凄腕であり、敬意を表したいぐらいだ。しかし不思議だ。これらの個体は卵を産んで死ぬはずだが、毎年どういうわけかそのあたりで同じようにやられるのであって、凄技は子供に遺伝しているとしか考えられない。そう考えると、今度はギャングではない自分がいることに気がつく。そうかこの蚊も母親なんだと。

すべての生物にお母さんはいる。それで同情してたら世の中は大変なことになる。そこで刑法では罪刑法定主義というものが出てくる。人と罪は分離して、犯した罪を法律に書いてあることに従って罰する。罰せられるのはその人だが、そしてその人にもお母さんはいるのだが、それはそれこれはこれで刑は執行される。権力を持って裁く側の人間がギャングかもしれず、人間というものの愚鈍さを歴史から学んだ英知から出たスマートな考え方である。血を吸ったら死刑という法律はないから、僕はあの帰り道の蚊を殺してはいけないかもしれない。

蚊にはひとつだけだが感謝することがあって、それは蚊取り線香というものを日本人に発明させたことだ。あの紫煙の香りは風鈴の涼やかな音色と同様に欠くべからざる夏の風物詩で僕は大好きだ。家族で海水浴に出かけた伊豆白浜や勝浦の民宿の夜、蚊帳を吊って親父がさあ寝るぞと消灯するが、明日も泳げるのが嬉しくて興奮して眠れなかった真夏の夜の空気をありありと思い出させてくれる。

なんとなく、見つけても蚊は殺すまいと決めていた。そういう奴はつまらないから狙わないのだろうか、今年は蚊に食われなかった。

 

 

よくやった渋野と堂林

2019 SEP 13 0:00:13 am by 東 賢太郎

今日はうれしかったことが2つ。まずゴルフで渋野日向子の「連続オーバーパーなしのラウンド数の29」(ツアー記録)である。アウトの9ホールで1オーバー。9番は記録を意識して手が震えて1mのパーパットをはずしたと言っている。普通の人はその失策がさらにトラウマになって後半だめになることがある。盛り返して70(2アンダー)で回った精神力は只者でない。

そしてもうひとつ、広島カープ堂林のサヨナラヒットである。一時はエラーしても三振王になっても育てようとレギュラーで使われたが、結局は芽が出ずもう瀬戸際だ。夏の甲子園で優勝した男が後輩にぬかれてずっと2軍ぐらし。悔しかったろう。いままでは出るたびに「堂林だけはかんべんしてくれ、申告三振だ」と言ってたのが、昨日の中日戦に出てきて、何となく打つ気がして家族に「こいつ打つぞ」と言った。その試合は岡田のカーブに空振り三振だったが、「顔つきが変わったな」と思ったのだ。打ってやるという感じがある。負け犬にならん男は強い。スタンドで泣いてる女性がいた。こっちもうれし涙が出てきた。

 

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静岡の狐につままれた一日

2019 SEP 5 2:02:10 am by 東 賢太郎

静岡駅から海岸線を三保の松原へ向けて走ってもらう。「登呂の遺跡ってここにあったのか!」とは日本人としてかなり恥ずかしい。日本初のサウナもあるらしい。あべかわ餅が安倍川だと初めて知った。久能街道を清水に向かうとイチゴ農園がずらっと並び、家康の墓のある久能山東照宮が左手に見えてくる。彼は鯛の天ぷらにあたって亡くなったという説もあるが、遺言によって翌日にここに葬られた。駿河湾は沖に出ると水深2,500メートルもあって日本一深く、二番目は富山湾だ。だから波に持っていかれると命が危険で、こんなに平坦な海岸線が長いのに遊泳スポットが数か所しかない。深海魚まで取れるし清水港にあがるマグロとカツオはいける。以上、タクシー運転手さんの受け売りだ。

富士山世界文化遺産に入った三保の松原を一度ぐらいは観ておこうと思った。お客様を訪問した帰り、つかの間の寄り道だ。

運転手さんに「昨日ご案内したかたはそのために泊ったのに富士山みえなくて、お客さんついてますね」と持ち上げられたが、こっちから夕陽があたると赤富士になるとは合点がいったが、なんとなく雪をかぶってないと浮世絵っぽくなくてしっくりこない。

羽衣伝説のロマンに浸っていると、いつの間にか周囲はバスでやってきた一群のけたたましい中国語に取り囲まれている。京都と銀座だけじゃないんだ、そういえば富士山はかの国で一番人気だったっけ。清水港にクルーズ船が立ち寄るルートができて外国人はさらに多くなっているそうだ。

それなのに日本人の僕は三保の松原も静岡駅に降り立ったのもこれが人生初めてというありさまだ。これも無知なことにひかり号で東京から1時間ちょいであり、ここから通勤する人もいる。生涯賃金はたいても小さな家しか住めない東京を考えると、ここに家を建てるのはおおいにありだ。

帰りの新幹線を予約してもらってたが、静岡駅に戻ってその事実に気がついた。道草が過ぎてあきらめていたというわけですらなかったが、なんとなんと予約があったひかりの出発が数分遅れていて、あたかも乗るぞと全力で駆けつけたかの如く飛び込みセーフでたまたま乗れてしまった。狐につままれた気分の一日であった。

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金持ちの「三種の神器」

2019 AUG 20 18:18:01 pm by 東 賢太郎

ピンときたらすぐ自分のカネで札入れします。そうしないといい物件は絶対に取れません。

不動産はそういうものかと知ったのは最近のことだ。大阪のオフィスにH氏を訪ね、物件を見せてもらった。

最上階のオンリーワンです。3億5千万で仕入れましたが今なら4億つきます。

H氏の目利き力が尋常じゃないのは初めてお会いした日から感じていた。僕はこういう物件の値段はピンとこないが、人の能力にはくるようだ。

昨晩、氏のご相伴にあずかった北新地は東京なら銀座である。新人時代には通り抜けるのも敷居が高かった。こんな所のビルは誰が持ってるのかと思っていたが、3本は氏のものだった。僕より一回り以上お若いが見上げたもので、数台所有される高級車は1台5千万円だ。

こう書くと眉をひそめる方がおられようし、僕もそういうことで氏に関心があるのではない。不動産業は目利き力がすべてだからである。そういう商売であり、だから優良なお客さんがつく。世の中の原理原則として誰だって能力はまず自分のために使う権利がある。経営者本人が貧しいのにいい物件ありますなんてどこの誰が信じようか。功なり名を上げた経営者は自分が富豪になっているが、自叙伝に「他利が大事」と書く傾向がある。ウソとはいわないが、その黄金の権利を放棄しても競争を勝ち抜けるずば抜けた能力とインセンティブがあるなら読者ははじめからそんな自叙伝を読む必要がない。

野村スイスの社長をしていたころ、仕事上多くのプライベートバンクの経営者とプライベートにおつきあいをした。ご自身が富豪でない方は一人もいない。自宅に呼ばれるとそれがリゾートホテルであったり、庭の敷地に18ホールのゴルフ場があったりする。そういう世界の人にはそういう世界の人が寄ってきてサロンを形成し、その中で共有される話題や情報がある(ちなみにモーツァルトやショパンはこういう所でピアノを弾いていたのだ)。

プライベートバンクというスイス起源の業態はグローバル市場での合法性において現在では優位性がなくなっているが、サロンは有形無形に存在するし、そこでの人、金、インテリジェンスという富裕層の「三種の神器」の集積分布図のあり方というものは古今東西何も変わっていない。なぜなら、それが「三種の神器」の固有の性質であり、いわば「物理特性」であって、放っておいてもそうなってしまうからだ。その力学を見抜くのが商売というものの本質に他ならない。シリコンバレーの起業家仲間も米国西海岸流のサロンである。日本企業が社員を現地に何人駐在させようと自分の金がない者が入れるはずもない。

日本人はサロンというものをぜんぜんわかっていない。「三種の神器」は守秘性が命なのだ。日本の大企業の社員であることに価値、信用などかけらもない。サラリーマンは上司に報告義務があるからいい話ほどあっという間に社で共有されてしまう。つまりそんな人間に話せばネットで情報公開するに等しいわけだ。日本でブランド外資のフランチャイズとして掲げたプライベートバンクという看板がことごとく失敗に終わった。コンプライアンス問題を起こしたせいが大きいが、まず何より日本人経営者が何もわかっていないからだ。満員電車で通う普通のサラリーマンがサロンのメンバーでありバンカーであるなどそもそもお門違いの定義矛盾でしかない。この世界、マックやコカ・コーラとは違うのである。

日本には日本流のサロンがあるが、物件や証券は債券化、上場をすればサロン性は完全に消える。ローンや未公開株式である段階にしかそれは存在しない。有価証券は倒産リスクから100%自由ということはないが、不動産物件は価値がゼロになることはない上にサロンディールがあり得るという点で興味深い。だから大坂に行ったのである。サロンがどこにどういう形であるかということは三種の神器の守秘性からブログに書くわけにはいかないが、当社はH氏の会社とパートナーとなるから宅建業者にはならないが同じショパンのピアノ演奏を聴くメンバーにはなるだろう。ソナー探知機の能力がさらに増すということだ。

大坂は面白い。本質追求型だ。帰りの新幹線の駅弁にしてもそうだ。僕はこれが好みだが、本来あまり食べない煮物が実にうまい。それも醤油味でなくほんのりした出汁味で具ごとに微妙なバラエティがある。いたずらな高級感ではなく、なんというか、細部まで気が利いている上質感だ。最初はこの薄味でご飯が余るかなと思うが、高野豆腐、昆布巻きは絶品だしちょっとした漬物、豆類にしても「遊び球」が一切なく、全部が全力投球であり、そんなことはない。

 

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渋野日向子、驚異の1年生世界制覇

2019 AUG 7 18:18:59 pm by 東 賢太郎

渋野日向子がAIG全英女子オープンを征したがTVを観てなかった。そのぐらいゴルフはご無沙汰になっていて、きのう野村ロンドン会の会合で「東さん、ウォーバーンでしたね」といわれ、何のことかわからなかった。「オーバン?なんだそれ?」「ちがうちがう、なに言ってんです、ウォーバーンですよウォーバーン、連れてってくれたじゃないですか」。

ウォーバーン・ゴルフ・クラブ(Woburn Golf Club)、懐かしい名前だ。「そうか、昔っから全英女子オープンはあそこだった。渋野が勝った勝ったって大騒ぎになってるのはあそこだったか」。「そうですよ、ほら、覚えてます?18番でああなってこうなって・・・」。

覚えてない。あまりにあちこちでやったのもあるがあまりに沢山のことを忘れちまってもいるんだろう。ウォーバーンはロンドンから車でそう遠くなくって、親父のつてで三井銀行の上の方にご紹介いただいて、たぶん3、4回ぐらいはプレーしたと思うが、あんまり得意なコースじゃなかった。1番のティーショットがちょっとスライスするとフェアウェーが右下がりで2オンが難しいのが嫌だった。それぐらいしか記憶にない。パネルを見ると、ここはブリティッシュ・マスターズのトーナメント・コースでもあってグレッグ・ノーマン、リー・トレビノ、セベ・バレストロス、マーク・マクナルティ、サンディ・ライル、ニック・ファルド、イアン・ウーズナムなんて当時の綺羅星のような名前が並んでる。こういう憧れのスターを見てゴルフに目覚め、彼らと同じコースでプレーしていたのだから贅沢な日々だった。

僕はゴルフをなめていた。止まった球だ。野球のノックと一緒だろ。ノックなら二塁ベースの左右1メートル幅内に9割入れる自信あるぜなんて思ってた。それはゴルフでもその通りだった。ところがそこから先がちがう。球が曲がるのだ。野球ならバックスクリーンの距離で2、30メートルも曲がってしまう。野球はキャッチされなければそれでOKだが、標的を狙うゲームであるゴルフでは話にならない。だから僕のゴルフは、飛ばすことは放棄し、曲げないことに傾注する闘争となった。

ウォーバーンの1番は200ヤード先で2、30ヤードもスライスしたら右に転がってもうパーが危ない。でも行ってしまう。わかってたんだろ、お前は馬鹿か!自分の内なる声が責めたてる。第2打はラフでライが悪い。ツイてねえな。そう呟くとダフって草だけ勢いよく飛んで、肝心のボールはグリーンのはるか手前だ。ちくしょう。切れて打った第3打がトップして大オーバー。もうここで人生をはかなんでしまい、スリーパットしてトリプルボギーと、だいたいこんな感じのゴルフをやっていた。

完全主義なのでスタートでつまずくとモチベーションが切れてしまう。これが僕の最大の欠点だった。そういう性格に生まれついており、それじゃ何やってもだめだと問答無用に数字で思いしらせてくれたのがゴルフだ。野球でそれに気がつくことはなかったからやってよかったし、性格を変えてくれるほどゴルフにのめり込んだことは大きかった。そんなレベルからシングルになる道のりは長かったが、その過程で発見した数々のことはビジネスに絶大な価値がある。一番才能のない勉強は予備校の助けを要したが野球とゴルフは完全独学であり、その自信でビジネスも独学で来れた。

渋野日向子がソフトボール選手でピッチャーだというのはいいと思う。有利だ。しかもゴルフよりソフトボールが好きだと言ってのける。彼女はなんであんなに明るくプレーできるんだろう?阪神の西投手がいつも笑顔で投げてカープがやられている。あの顔は不思議であり、打者は余裕を持たれてる感じで嫌だろうなあと思う。その境地でゴルフをやって、去年プロテストに14位タイで合格した1年生が全国制覇どころか世界制覇してしまう。なんじゃこの子は??

ビデオでバットスイング見た。左打ちだ。たしか王貞治さんがゴルフは右でシングルだった。運動神経すごい。中学で男の野球部に入部してる。足腰が野球だ、できてるね。だからかもしれないがゴルフスイングは女子プロによくあるオーバースイングじゃない、テークバックが小さめでフォローが大きい。パットもなんとなくそう感じる。思い切りもいい。カープの小園を思い出すなあ。盤石の安定感。すばらしい!彼女にスイング習いたいなあと思う。

 

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