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「ネット人格」性悪説は必ず増える

2014 MAY 28 0:00:32 am by 東 賢太郎

裁判中に迷彩メールを仕組んで勝てそうな裁判を棒にふった男がいました。だまされた弁護士さんが同情されるほどの真っ赤な嘘でありました。「嘘でした」と悪びれる様子もない被告に、なにか気味が悪い違和感を覚えるシニアの方は多かったのではないでしょうか。

SMCは記名式、顔写真つきのブログが大原則ですから匿名会員はお断りです。それでも僕自身、ブログを書いていると、ときどき「ここまで書いて大丈夫だろうか」と迷うことがあります。匿名ならもっと楽に書けるのにと思うこともあります。ですから、匿名で誰もが気軽に意見を発信できる世の中になったのは、それが苦手な日本人にとっては基本的に良いことであります。

ただSMCをそれをしません。それには理由があります。自分は安全な場所に身を置いて好きなことを言うのは、野球場の外野席でヤジを飛ばすのと同じです。ヤジに責任は問われない代わりに選手がまじめに聞くわけでもなく、それで試合がどうなるわけでもありません。ところが記名式ブログは、ささやかながらも自分の信用をかけています。ネットに的外れなことを書けばそれが世界中に中継されるのですから考えようによっては恐ろしいことで、社会に相手にされなくなるリスクもあります。

ところが、ここがブログを1年8か月書いてみて驚いたことなのですが、リスクを負って書いているということを評価して下さる方も世間にはたくさんおられると感じます。どうしてかというと、自分が明明白白に自らをさらけ出して、ご批判を受けるかもしれないほど旗幟鮮明に書いた投稿がいつもアクセス数が多い傾向があるからです。その評価にお応えするのは人としての礼儀ですから、野球でいえばヤジではなくグラウンドでサインを出しているぐらいの気持ちになってきます。この気持ちが自分を鼓舞してくれますし、書く内容もだんだん高めてくれる、つまり自分が常に勉強して進歩し続けることができるという気がいたします。

自分の顔を隠してものを言う人だったあの事件の被告は、たぶん初めて実名でメールが社会に公表された経験をしたのだと思います。しかし逮捕前のTVインタビューでもはっきりと実名で自分の意見を言っており、嘘がばれてからも取り乱した様子もなく、そんなに度胸があるのならなぜわざわざ匿名でそんなことをする必要があったのか?という点がわかりません。ここにネット社会が産んだ、単に愉快犯とだけ呼ぶことのできない特有の深い病巣があるかもしれません。ネットという道具が頻繁に人間と接触することによって、人間の方が何らかの影響から精神的に変質してしまうということです。

例えば「ネット人格」という言葉があります。リアル社会では正直者なのに、ネット上では平気で嘘をつけたりするような分裂人格のことです。顔を出して「明明白白の立ち位置」になればそれはできません。匿名がそれを産みます。米国ではこの匿名発言者による意見や宣伝は価値を失っているという指摘があるそうです。ネットを利用して世の中に思い通りの影響を与えようというネット人格の出現で、ネット人格そのものが「性悪説」で見られる傾向が出ているということです。匿名で人をほめたりけなしたり、何かをおとしめたり宣伝したりという行為はのっけから「眉唾もの」とレッテルを貼られて何の社会的影響も与えられなくなっていくということです。ある意味当然のことで、ネット社会が成熟期に向かえばますますその傾向が顕著になると思われます。

ということは、ネットという強力でグローバルな媒体は宣伝に使うのではなく、まず信用を築くことに使うべきだというのが僕の持論です。おかげさまでSMCは徐々にですがその方向に向かっていると思われますし、個人だけでなく企業のSNSというものも、自社製品宣伝の場であるよりは自社の社会的信用を作る場であっていいということです。短期的な利益を求める会社ではそのようなSNSは株主総会で真っ先にコストカットの血祭りにあがるでしょう。ですから、今やほとんどの日本企業がお手本とする米国型企業統治の会社ではなく、伝統的な日本型経営ができる土壌の会社には大きなチャンスが到来していると考えております。

 

(こちらへどうぞ)

 

ネット民をなめたエンブレム問題(全面改訂済み)

 

 

 

 

 

 

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