甲子園名勝負と武士道
2014 AUG 13 22:22:21 pm by 東 賢太郎
夏の甲子園で何が面白いかというと様々でしょう。超高校級の選手を見るのもいいですが、やはり若さと若さのぶつかり合いの中で生まれてくる勝敗のドラマは他には代えがたい楽しみのように思います。
昨日の第4試合、岐阜の大垣日大と茨城の藤代の対戦は面白かった。藤代が1回表にいきなりホームランなどで8点を先取しました。いったい何点取るのかなという感じでしたが、結局、大垣日大がこれをひっくり返して12-10で勝ちました。
今日の第4試合、三重と広陵は好カード、好ゲームでした。やや広陵が押し気味で迎えた9回、ツーアウトから三重が2点取って同点に追いつき、延長戦に。双方ピンチをしのぎつつ11回までいって、その裏に満塁から押し出しで三重が5-4でサヨナラ勝ちしました。
両ゲームとも、見ている方も感動しましたが、終了後のインタビューで両監督が涙を浮かべて選手をたたえていたのがとても良いシーンでした。特にプロが注目するような選手はいなさそうな2試合でしたが、熱いドラマがありました。
プロはお金の世界ですから技術は素晴らしいが無理はしません。先日の阪神・ヤクルトで大敗ムードのヤクルトが投手に代打も出さずにバントさせるなど、高校野球とは似て非なる精神のスポーツといわざるを得ません。
高校生はお金のためでなく名誉をかけて戦っています。それだけであれほど真剣になるという経験は、彼らはひょっとしてこれを最後にもう人生で味わえないかもしれません。だから勝ち負けにこだわりつつも、負けてもすがすがしいものを漂わせています。
日本人はこれが好きなんじゃないでしょうか。この大会が広島・長崎の6日、9日、そして終戦の日の15日という時期にサイレンを鳴らして行われるというのは色々と考えさせられます。
僕は鹿児島へ行ったおりに特攻隊の知覧へ行きました。数千の若者の写真、手紙に圧倒され、最後の出撃が終戦のすぐ前だった等の悲劇を知るにつけ、彼らの一部が今なら元気に野球をやっている年代の子たちだったという事実に思い当たるのです。
我々はこういうメモリーを大事にしなくてはいけませんし、アメリカが都合のいいように作り変えた戦後日本の功利主義ではなく、日本人が本来持っている価値観を大切にすべきと思います。
それがどういうものかは色々な側面がありますが、僕は武士道という一言でそのほとんどが含有されるのではないかと思っています。甲子園の高校生たちのすがすがしさは、消えかけている武士道の名残理を感じることからくるのではないかと思いました。
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