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屋久島探訪記(了)

2014 DEC 10 17:17:27 pm by 東 賢太郎

屋久島は人ものんびりしていてとてもいいもんです。たった5日でしたが、最後の日は尾之間温泉の熱めの湯につかり地元のおじいちゃんとしばし話をしました。自然のおおらかさと人々の柔らかさ、とても魅力でした。

屋久杉も温泉も野菜も魚もそうですが、この島にたちこめている太古の昔からの大地の気、生命力のようなものがあるように思います。食事の時に「いただきます」というのは食べるものの命をいただくという意味だそうですが、今回ここへ行って食事をいただいて、初めてそれを実感しました。

yakuひとことでいえば我々も大地とつながっているということです。杉は山と、温泉は海とつながっている。食材もみな海や土の香りがする。当たり前にきこえるかもしれませんが東京にいれば人はコンクリートやアスファルトで大地と遮断されています。そのことをいっさい不思議にも思わず、人間が作った人工のジャングルを森だと「錯覚」して生活しています。

それは動物たちが野生でいるか動物園にいるかほど違うものだと思います。動物園で生まれた子猿はおそらく森というものを一生想像もしないでしょう。それと似た存在かもしれない僕たちが人口の森の生活で価値があると思い込んでいるものは、実は自然の森では誰もいらないものかもしれない。僕たちは無用の競争をするように価値観を刷り込まれて生きているのかもしれないということです。

山の奥のにはいると、杉の大木に江戸時代の職人が打ち込んで抜けなくなり放置された斧が今も残っているそうです。数百年前の時代とそういう日常の肌感覚での交信ができてしまう近さ、同時性というのはコンクリートのジャングルでは想像もできません。その職人たちが見ていた森の光景も、吸っていた空気も今と変わらなかったのでしょう。縄文時代から手つかずという巨魁な時間の塊に触れたような気がします。

今回、思えばお話しした人はほぼ全員が移住者でしたね。聞いたお話を忘れないうちに書いておきましょう。こんな感じです。

 

「何より物欲が消えました。ここにいると必要なものだけで満足になってくるんです。不思議ですよ。ブランド品を買いまくっていた私って何だったんだろうって・・・」

「都会にいるとね、あくせく働かないと生きていけないし、でもだいたいが働いてお金ためて使わずに死んじゃうでしょ。あれ、なんか変ですよね」。

「自給自足の人、いっぱいいますよ。畑やって魚釣って。いるぶんだけ働いて、あとは毎日を楽しむ。だからお年寄りが元気なんです、ここ。」

「わしゃ富山です。60で会社首んなってここに旅行来てね、すぐ住みついたですよ。あんまりいいんで。それからもう25年農家をしてね、毎朝この温泉に入ってます」。

「総選挙ですか?あんまり興味ないですね。選挙カーもいないし。ここ、独立国みたいなもんだから」。

「銀行は鹿児島銀行でメガはないです。1万3千人ですから。私、ATMは郵便局使ってますが一度機械がこわれました。すぐ直りますと言われて、直ったのは翌日でした。でも誰も文句いわないんですよ、ほんとゆっくりペースなんです」。

「レンタカーのドアキーがロックできない?いまレストランの前で?そうですか。そちらまで行くにはややお時間がかかるので、では、そうですね、お食事の際はドアだけ締めてください。あっ、貴重品はお持ちくださいね」。

「屋久島は花崗岩ですから杉には厳しい環境だったんです。だから倹約して生きて年輪の幅が狭いです。すると脂がたまって腐らず虫がつきにくく、千年も生きられます。杉も人も粗食なほうが長生きするんでしょうかね」。

「杉の生命力は強いですよ。大木が倒れるとその上にまたがってはえます。それが江戸時代に伐採されて切り株となって、そこから3代目がまたはえてます。一代目からだともう何千年か見当もつきません」。

「還暦、そうですか。そこで千年杉のパワーをいただくっていいですね。縄文杉は年齢が2千年~7千年といわれます。幅が大きいのがどうしてって?誰もわからないんです。いちばん長生きの生き物ですよ、がんばって会ってきてくださいね」。

「縄文杉まで行ければ普通の山は大丈夫。富士山も登れます。」

「ハマる人は多いです。某居酒屋チェーンの社長は毎月来られて毎回1930mの宮之浦岳を登られてます。もう60-70回かな。歩くの速いですよ、普通の人の半分ぐらいの時間で降りてきますから。70歳までに100回はやるそうです」。

「屋久って名前のセンスがいまいちなんです。屋久杉ランドなんてサイテーですよね。はじめテーマパークかと思いました。でも本格的な杉が見れますよ」。

「大王杉って立派ですよね。これ見たらもういいよってぐらい。でももう30分苦労して登って縄文杉見ちゃうと、やっぱり上があるって思うんです。ところが、その縄文杉よりもっとすごいのが5本ぐらいあるそうです。奥の方に。誰も見たことないんですが」。

「人間と家畜以外の動物は6種類しかいません。多いのが鹿とサルです。おたがい襲わないので共存共栄です。動物もおだやかですね」。

「千年たたんと屋久杉とは呼ばんで小杉といいます。だから九百歳だってまだ子供なんですよ」。

 

今回、一週間休もうと思い立ったのは還暦もあるのですが耳鳴りもありました。医者曰く「原因はいまだわからない」が「ストレスでなる可能性はある」。要は休めということです。直感でまずいなと思い、そうしました。それが不思議なことに今のところ耳鳴りはほとんど消えています。原因もわからないものを直す原因がなんだったのか、とくに心当たりはありません。未知の屋久パワーです。

 

帰りの鹿児島空港で羽田行の便を40分ほど待っていたら、なんだか急に周囲がざわざわしはじめました。窓を見るとこういうことになっていました。さっきまで何もなかったのに。

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ずいぶんでっかい虹です。空港の人に「よくあるんですか?」と尋ねると、「私は初めてですね」。この不思議な旅の終わりを象徴するようでした。

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がんばらない生き方

 

 

 

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Categories:______屋久島, 健康, 旅行

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