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クラシック徒然草-僕のオーディオ実験ノート-

2015 MAR 10 22:22:04 pm by 東 賢太郎

プーランクのピアノ曲や室内楽を棚からあれこれ取り出して聴いていて、ピアノの音はCDというメディアの方がずっと良いと思っていたのがLPも悪くないと思い始めました。

オーディオはCD路線に切り替えてしまい、LPのほうはだいぶ古いテクニクスのプレーヤーにデンマークのオルトフォンのカートリッジというべつにどうということのない装置なのですが、ジャック・フェブリエのピアノのタッチの綾ときらめきが本当に見事です。

プーランク自身のピアノ録音を聴くと、ドイツやロシアとは少し違った音の弾き分けで、様々なニュアンスのタッチが重層的に組み合わさって見通しが良く「音が立っている」のです。それは彼の音楽の性質そのものでもある。

ぐしゃっと色が混ざり合った油絵のような和音ではなく、水彩画で立体感と陰影のある構図の絵のようです。それを自然に表現できている人というとこのフェブリエと、唯一の弟子ガブリエル・タッキーノ、もうひとりあげればパスカル・ロジェでしょう。

今の装置、B&W(英)、ブルメスター(独)、ホヴランド(米)、リンデマン(独)、ステューダー(スイス)に行きつくまでタンノイ(英)マーク・レヴィンソン(米)等の遍歴をさんざん重ねましたが、試聴機を入れるとたくさんのブランドを聴きました。

オーディオは僕にとっては方便であって目的はあくまで音楽にあります。されどお値段は半端でない、我が家においては車より高いのだからそうそう衝動買いというわけにもいかない。そこで数十枚あるレファレンス・ディスクを徹底的に比較試聴となります。

note2聞いた印象はとても細部までは記憶できませんからこうやってノートにひとつひとつ書き置くのです。スピーカー、パワーアンプ、プリアンプ、CDトランスポートに接続ケーブル(3か所)の7要素のベストの組み合わせを試聴をくり返して発見せよという問題を解くわけです。科学の実験みたいなもんで、この「実験ノート」が数十頁あります。

ベストというのは人それぞれですが、僕の場合は「コンセルトヘボウでウィーンフィルを聴いたような」というものです。大事なのはその言葉を何度も頭に浮かべながら、実際にそれを聴いたことはないのですが、そのイメージに近いかどうかを反芻しながらYes、Noを判定することです。部屋のアコースティックをあわせてですね。そうやって聴かないと、結局どれもいいねになっちゃう。全部いいものを聴いてるわけですから。

note1
手順として、まず7要素のどれかを固定する必要があります。今回はブルメスターのPAがそれで、そこにB&W800Dを加えるという部分をfixすることからスタートしました。これは10年前のノートですが、一行づつ別の音源をチェックしています。今でもこのページあたりはいちいち覚えてますからそのぐらいのこだわりでした。

オーディオマニアではない僕がいうのはおこがましいのですが、しかしこのプロセスは楽しいですよ。機器によって音は明らかに変わるし、ものすごく高い機械がいいかというとそうでもないのです。ワインに似てますでしょうか。10年この組み合わせできましたが、やっぱりここまで選んだ甲斐あってまだ飽きは来ません。ただ、LPがあまりに良かったものでちょっと心に迷いが出ています。ほんの微妙なものですが、ちょっと気になると尾を引く、これはそういう世界です。

 

LPレコード回帰宣言(その1)-光と音-

 

 

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