早野さん主演の「心中天網島」を観る
2015 NOV 1 12:12:28 pm by 東 賢太郎

SMCメンバーの早野ゆかりさん主演。大変に感動いたしました。
近松門左衛門といっても教科書で知っているだけで、お誘いいただかなければ一生接することはなかったでしょう。
劇場は「上野ストアハウス」で昼の部を見せていただきましたが、早野さんから丁寧な道順のご説明メールをいただき、先日の中島さんライブのように迷子になる失態はありませんでした。阿曾さん、西室と楽しみました。
薩摩琵琶、三味線、笛・太鼓が生で入り、語りと字幕でストーリーが展開するのですが、言葉は近松のオリジナルであり、役者さんたちのセリフも阿曾さんがコーチされた関西弁(大阪ことば)という凝りようでした。このこだわりの演出は物語のリアル感を高めており大成功だったと思います。近松門左衛門が名を残した理由がよくわかりました。
紙屋治兵衛と小春が自害してしまう救いようのない悲劇シーンで終わるのですが、インパクトを感じました。しばらく言葉も出ないほど。死に至らざるを得なくなる男女の心理描写、家族との葛藤、劇の間に間に動きを止めて背景に映し出される近松の原文のオーセンティックな格調が見事に緊迫感を高めた結果です。
内容については早野さんのこちらのブログを是非お読みください。『心中天網島』|早野ゆかりのブログ – アメーバブログ 早野さんの小春はお世辞ぬきに迫真の名演技でした。さすがですね。ほかの役者さんも熱演であり、なかなか接する機会のない日本の古典を楽しめ、素晴らしい満足感をいただけますよ。11月3日まで上演ですので、近郊の方はぜひ足を運ばれてはいかがでしょうか。
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早野 ゆかり
12/1/2015 | 2:52 PM Permalink
東さん、今更ながら失礼ながら、ご感想を有難うございました。
とても嬉しいです。
人の心を動かす仕事、やめられません(笑)
タイトルを背負ったお芝居でした。
自分では毎回毎回本気で心中していました。
そのラストシーンの心中は細かく稽古しなかったのですよ。稽古で段取りをするとどうしてもそれが見えてしまうと、演出家に言われまして。
ドキュメンタリーをやってください、ってことで、アドリブでした。
薩摩琵琶も三味線も含めて、即興。
自分自身が高揚しました。
忘れられない舞台経験になりました。
東 賢太郎
12/2/2015 | 8:06 PM Permalink
「毎回毎回本気で心中」ってすごいですね。そういう素敵な仕事をしておられるのがとてもうらやましいです。こっちは失敗がないかひやひやで心中しそうな毎日です。