事業への戒めについて
2015 DEC 2 23:23:26 pm by 東 賢太郎
いま同時にやらなくてはいけない仕事を手帳に書き出したら7つもありました。ゼロから生む仕事は静止摩擦力があって動かすまで重たいのですが、いざ動き出してしまうと想定外のモーメントがあって逆に振り回されることがあります。いま、まさにそれで、一点集中型の僕としてはあまり得意でない状況です。
当社の日本株運用アドバイス実績は年初来+21.8%で、日経平均(+14.2%)を3年連続で大きく上回りそうです。プロには分かっていただけますが、これは簡単なことではありません。加えてファイナンスへのアドバイス業務などもあり業績はおかげさまで堅調です。これら本業が良ければ充分であり、力が分散してはまずいので、いくつかは剪定(せんてい)しないといけないという結論に達しました。
事業ですからもちろん利益はあげねばなりませんが今の僕には社の存続が先決です。儲ける道具としての会社ではなく社会的に存在意義のある存在にしなくては存続はできません。それには我々にしかできないことを徹底的に磨くしか道はありません。だから得意でないことに広がるのは自ら戒めないといけないのです。
せっかくのチャンスであり摘むのはもったいない芽もあるのですが、そしてそれを誰かにやってもらうという選択肢もあるのですが、結局取り仕切ることになれば力の分散は同じことです。自分の手で、ハンズオンで、腑に落ちるまで理解してやらないと事業というのは失敗する。直感的にそう信じるので、愚直にそれに従おう。そういうことです。
(追記、3月22日)
本稿を書いて3か月と20日、たくさんのことがあり、そこそこのチャンスが来て、そしてそれも含めて多くを捨てました。
過去と未来とは実は無いもので、我々には今しかありません。明日何がおきるか、生きているかさえ誰も知らないのに悩んだり考えたりするのは無駄です。まして過去はもう動かすことはできません。だから、実は捨ててもそんなに実害はなく、僕は生来、終わったことへの執着はきわめて希薄な部類の人間です。たとえばSMCに書いたブログはその過去の写しにすぎません。
ブログで今も大勢の方に読んでいただいているのは音楽の記事です。60年の人生の写しはほぼ終了ですが、音楽の写しをコンプリートさせる必要が仮にあるとするなら、まだ未達の部分があります。それは機械的に行うなら所有している1万枚のソフトにつき感想文を書けば自動的に100%終りますが、それは99%無理です。だから妥協が必要ですが、いつか方法を考えて、近づけてはみたいものです。
僕は自分が「プレーヤーとして何かを世に生むこと」をライフワークにすると決めています。成功するかどうかは不問として。他人の業績をなぞったり評価することは娯楽の類と思われ、それが不得手な僕がしても社会的に意義があると思いません。そして、僕がプレーヤーをできるのは今の仕事においてのみです。そして、61才にもなってそれができることを神に感謝するのみです。
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