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石丸新党の都議選に思った重大なこと

2025 JUN 25 16:16:41 pm by 東 賢太郎

このところ多忙であり、我が家のあたりは選挙カーも来ないのか気づいてないだけなのか、東京都議会議員選挙日であることを午後に知った。すぐに投票所にでかけ、いままで投票するなど夢にも考えたことのない政党の候補者名を、字をまちがえないように慎重に書き込んだ。そして、ついでに成城石井で7千円ぐらい買い物し、そうか、いま俺は消費税700円も払ったのか、こりゃ高いなと感じながら帰宅中ずっと「すでにそういう時代なのかなあ」と反芻していた。投票しておいてそれはないが、夜に、その人が当選したのを知って大いにびっくりした。

過去の権威も既成概念もヒエラルキーもしがらみも、日本では音をたてて崩壊しつつある。月曜に選挙結果の全体を見ると、注目していた石丸氏の新党は42人を立てて当選ゼロだった。偶然と説明するには確率が低すぎる。都知事選で彼は台風の目であり僕も氏に票を入れたが、それは他候補のあまりのひどさに怒りを感じたことが大きかった。氏はスペックも地方分散の政策も良かったと思うが、少なくとも僕においては「バカヤロー」が大きかったわけだ。

ところが、今回はそうではない。「このままでは日本がヤバイ」が大きい。だから石丸新党を横目に見ながらも、積極的にそう発信する別の党に入れざるを得なかった。僕の政治信条はさんざん書いたのでご興味あれば検索いただきたい。共感して下さる方の多くは僕のように選択肢の狭さに追い詰められた「無気味な閉塞感」を懐いているのではないか。

党はちがっても候補者全員がファシストだったら、その国は選挙をしようがしまいが、民主国家を名のろうが名のるまいが、確実にファシズム国家になる。この3年ほどで、もの凄い勢いで左傾化する自民党を嫌って野党に投票したら、選挙後にあっさり看板がすげかわって、「これからは『共に自民党』と呼んでください!」なんて党首ふたりが抱き合ってキスする。そんな国家による詐欺みたいな悪夢があっておかしくない現実を多くの方が怖れていると拝察する。いい日本語がある。おぞましい。

打ち壊されたベルリンの壁

石丸氏の42人のスペックは比較的高く、よくそろえたと思う。しかし「本人は出馬せず党の政策はなしで各人が決める」では何の迫力もない。都知事選の彼は高学歴で海外経験のある普通の銀行員のストレートな物言いが新鮮で、それがうまくネットで拡散されて評価された部分もあろう。しかしそれだけではなかった。僕がそうだったように「行き場のないバカヤロー票」も盛大に乗っかっての2位だったのだ。多くの東京都民はスペックなんかで仕事ができるわけでないことをよくご存じであり、何でもかんでもネットで拡散すれば売れるなんてこともない。「ヤバイ」票は実行力を求めている。どぶ板を踏んででも**をやり遂げますという強力なコミットメントが必要だ。

7月の参議院選挙は大事だ。そこから3年は国政選挙がなく、我々は2028年までその結果に縛られてしまうからである。3連休の真ん中が投票日ってところに、政権が投票率を低めたい魂胆が透けて見える。いい日本語がある。あさましい。

Categories:政治に思うこと, 若者に教えたいこと

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