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カテゴリー: ______日々のこと

世俗世界の勝ち組が人生の勝ち組ではない

2025 DEC 2 21:21:37 pm by 東 賢太郎

僕は書いたものは基本的に読み返さない。過去と未来はなく世の中には現在しかないというアインシュタインの言葉を信じており、その刹那はいいと思って書いたからそれでいいが、その文章はもう過去であり、読み返して反省しても未来は変えられないから意味ないと考えているからだ。例えば映画を見ている時、脳が認識しているのは ”今” 見ている画像である。過去はx秒前、未来はy秒後とするとx+ y が今の長さだ。人によって x、yの値が異なるとするとAさんの今がBさんには過去となったりして ”今” の定義ができない。だからx+ y は誰にとっても無限に0に近い値、すなわち「瞬間」である。アニメの「紙パラ」(めくり絵)が無限大に近い速度で行われて完全に連続的な動画に見えるように我々は現実世界を認識して生きているということになる。今の瞬間に見えている1枚の絵だけが存在していて、1つ前と1つ後の絵は存在しない。だから過去と未来は変えることができない。何とかできるのは今だけだから、仮に人生訓的に解釈するならそのことに注力せよということだろう。今がすべてだ、今を精一杯生きろ、なんて言われればもっともらしい。

しかし考えてみればそれもおかしい。無限大に近い速度で過ぎ去る今の1枚をどうこうすることは不可能である。つまり物理学が正しいとすれば今も変えることができず「人生は自分ではどうにもならないので今を楽しんで生きなさい」と、生きる意味を否定するぐらい絶望的な結論になるのである。しかしもっとよく考えてみれば、人間以外の動物はまさにそうやって生きている(と思われる)。人間も動物だから本来はそうなはずだが、大脳皮質が発達して賢くなり、x+ y は無限に0に近くはない、つまり過去は変えられないがプラスに解釈したり、まだ起きていない未来は少しは変えられるんじゃないかという自分に都合の良い妄想の余地を見出してしまった。それは物理学的には賢くないかもしれないが、人間に夢という大事なものを与えた。夢は実現しないから夢と呼ぶように大きな富を手にするのはほんのひと握りの人かもしれないが、多くの人がよりよい未来の実現を信じて努力をする集合的な力の相乗効果で国も国民も豊かになる。それが資本主義というものである。夢は幻想だと否定し、相乗効果も否定し、人生は自分ではどうにもならないので選良が叡智によって計画し未来を保証する国家に任せなさいとするのが共産主義であると言っておおむね間違いではないだろう。任せて国民が幸せになった国家は歴史上今のところ現れていない。

アインシュタインが「今を楽しんで生きなさい、それしかできないから」と述べたかどうかは知らない。彼は共産主義者ではないが、資本主義の富の偏在を除去した社会主義を理想として主張したことは事実だ。既述の合理的な帰結と整合的で筋が通っている。従って、人間様が今を楽しんで生きるためには何をしたらいいんだろうと自問してみる価値はあるだろう。そこで「楽しむこと」の定義があいまいでは論考できないからそれを数値化してみよう。楽しむことイコール幸せとは限らないが、苦しみや痛みを幸せと感じる人は極めてマイノリティだとしてしまえばそれは正しい。人生とは数限りなくある今(瞬間)の集合体であるわけだから、つまり、幸せな人生を送るためにはどんな瞬間をも楽しく生きるようにすればいいわけである。その方法を定義することはできない。何が楽しいかは千差万別だからだ。では「人生の幸せ度合い」は計測できないのだろうか。楽しい時に脳内には快感物質エンドルフィンが分泌される。人生の単位で考えるなら、生まれてから死ぬまでに分泌されたエンドルフィンの総量を測り、それが最大の人が最も幸せだったということになろう。

もちろん実際に測る必要はない。それが必ずしも経歴や地位や財産で決まるものではないことを実感できればそれでいい。世俗世界の勝ち組になることが人生の唯一の目標ではないという哲学がおのずと導かれてくるからである。とすると、総量を最大値にするにはどうしたらいいかという話になる。簡単だ。好きなことをして長生きすればいいのである。経歴や地位や財産を得ることが好きな人はそれをすればいい。大自然に囲まれて自給自足の農業をやるのが好きな人はそれをすればいい。おそらくエンドルフィン分泌量に差はつかないだろう。したがって、両者の差がつくのは、どっちが長生きできるかということにかかるというあっけない結論が導かれる。日本のように国民皆保険で医療が地方まで行き届いた国では、ギズギスした都会で勝ち抜くゲームに明け暮れるよりも、大自然の中で悠々自適で気楽に生きた方が長生きできそうな気がする。というと、おまえは【小原庄助さん 何で身上潰した 朝寝朝酒朝湯が大好きで それで身上潰した ハァモットモダーモットモダ】という歌を知らんのか、怠け者を礼讃するのかという声が聞こえてきそうだ。

30年以上証券界で働き抜いてきた僕が怠け者を奨励するはずがない。都会派であれ大自然派であれ、朝寝朝酒朝湯が大好きはいけない。なぜか?日本人の道徳観ゆえではない。いけないのはそれに淫してしまい、同じことを毎日繰り返していると限界効用価値が減り、だんだんエンドルフィンが出なくなるという科学的理由からだ。 まして自然もない都会のジャングルでワーカホリックになってエンドルフィンを喪失するなど想像を絶する愚行であり、むしろ寿命を縮めるにちがいない。そう思ったから16年前に僕は東京の一番南の国分寺崖線に家を建てた。都心まで少々時間はかかるが半分は自然に浸っていたいからだ。大自然派の人ほど頭を使い知恵を絞り、創造的な仕事をしなくてはいけないが、そうすることでこれまでの日本人の労働観にはない新しい幸せな人生が開かれるであろう。つまり地方の子供が猫も杓子も東京や大阪の大学に行こう就職しようという風潮が本当に幸せに結びつくのかということだ。大自然派は経歴も地位も資産もそんなにはいらない。都会派がそれを得るのに必要な膨大な時間を自分への投資や余暇に使える。逆に田舎に出て幸福な人生を感じられる都会派は多くないのは競争上の大きなアドバンテージでもある。したがって大自然の中でエンドルフィンがたくさん出る脳を持ってる人は都会派ほど苦労せず幸せな人生を手に入れる確率が高いのである。

そこで高市総理の「働いて働いて・・・」が流行語大賞になった事に付言したい。誠に結構なことだ。この人ほど身を粉にして働く政治家はいまだかつて見たことがない。そのうえに勉強家で頭脳明晰ときている。トップがこうであれば永田町の空気は一変し霞が関も働く。小原庄助さんを戒めてきた国民は本来が働き者だ。体を張って強い日本の再生を掲げるリーダーに喝采を送るのは日本人としてあまりに当たり前で、70%という空前の政権支持率の大きな要因となっていることは不思議でもなんでもない。 103万円を超えると税金が増えるから働きませんと苦渋の決断をさせるなど勤勉が美徳の日本国民に自傷行為の苦痛を強いるに等しい。精神の根本から腐った異常なことで、そんな状態を放置する政治家はいったいどこの何者だと疑念を抱かざるを得なかった事は国民にとって大変なストレスであった。 高市早苗、片山さつきの大英断である21兆円の総合経済対策効果がそれに加わりGDPは増大するだろう。税収が増えれば財政は悪化しないし国債のクレジットも下がらない、そんなことは世界の常識である。戦争に端を発した不可避的な輸入インフレを意図的にごっちゃに述べて国民を煙にまき、すでにインフレだから国債発行による経済対策は所得を増やすがインフレも増幅して危険だと水をさす学者や自称専門家が多数いる。その心配よりもデフレマインドを 根治する方が重要であるし、危険があるなら政策金利を上げて円安を止めれば物価は下がる。輸入インフレはデフレを治癒しない。救うのは総需要の増加をトリガーとする順回転の経済成長に着火するしかない。マインドに火がつかなければ日本経済のデフレによる衰退は永遠にこのままだ。経験もビジネスマインドも無い役所に実効性のある総需要対策計画はできない。だから官邸主導の21兆円の総合経済対策なのだ。大賛成である。少々の荒療治であろうがリーダーシップをとって国民を奮い立たせる度量、コミットメントには敬服しかない。そんなものはかけらもなかった前総理、前々総理には逆立ちしてもできなかったろう。たったひとこと。役者が違う。

最後のおまけで僕個人の投資スタンスを書くなら、とても平易で誰でもできる日本株と米ドルのロングである。だいぶ前に117円ぐらいで株以外のほぼ全財産をドルにしており、1ドルも売りもヘッジもしてないし当面のところする理由もない。こうした人生の一大事の判断をするときに日本のオールドメディアの情報は全く不要であり、むしろあまりにレベルが低い上に意味不明の偏向が入っているのでプロである僕にとって百害あって一利ない。 ネットで充分足りる。高市政権になって国民の政治リテラシーが急激に上がったのは自民党が3連続大敗を喫した選挙でネットの視聴率が大幅に上がったからだ。嘘ばかり垂れ流すオールドメディアは時間の無駄だと学習した視聴者が加速度的に増えたのに、何の学習もせず淡々と嘘ばかり垂れ流すのだから自ら墓穴を掘って衰退を加速しているだけであり、恐るべきことにそれにすら気づいていないという学習能力の無さはもはや手の施しようのない領域に踏み込みつつある。ちなみにこれは世界の法則だが、スポンサーに金をもらっている報道機関は信用できない。彼らを援護するなら、決して悪い人たちというわけではなく、それが資本主義であり経済原理に基づいたビジネスであるから止めようがないのだ。

成功する奴はやると決めたらすぐやる

2025 OCT 28 1:01:24 am by 東 賢太郎

久しぶりに後輩から会いたいと連絡があった。2時間くれというのでニューオータニのガーデンラウンジで話を聞いた。すると、ふたりの別々な知人に会ってくれというわけである。いいよとなって、こう言った。俺も話がある、他人の会社の株を買うんじゃなくて、俺がやる話だ。

時計を見ると2時間になっていた。なにやら話っぷりに迫力があったらしい。東さん、まえ会った時と全然違います、どうしてそんなに元気なんですか?おんなじことを米国のHにも言われた。元気なんかねーよもう70だからさ、でも、これってめちゃくちゃ面白いと思わないか?思います、詳しく聞きたいです。

詳しく話した。3時間になっていた。

いいだろ?これ金儲けじゃないんだ、地球を救い人類を救う。物理・化学だ、神様の作った原理だ、心が洗われないか?面白いものは魅力あるだろ?そういうものを見ると元気になるんだよ。

参画が決まった。僕は、こういう若者が無性に好きだ。お前は金儲けは上手いけどな、それだけじゃ人間は下賤になっちゃう。ちょっとは芸術を嗜め。はい、いまジャズきいてますがクラシック覚えたいです。本気か?本気です。わかった、じゃあ50曲ぐらい教えるからひたすらそれ聞いて全部覚えろ。クラシックは暗記科目だからな、基本英文700選みたいなもんよ。気がついたら一生の財産ができてる。そっから先は自分の趣味で勝手に増えるから心配ない。仕事なんかより大事になって退屈という言葉は辞書から消えちゃうよ。

彼はやると決めたらすぐやる。慎重に検討しますなんてうじうじ考えて結局やらない人間が満を持しても何もいいことはない。失敗してもいい、何も考えなくていいから思い立ったらすぐにやってしまいなさい、そっから意外な活路が開けたりするから。10代、20代、30代、40代、それぞれにその年代でなくてはできないことがあるんだよ、だから実はそれは人生の切実な問題なんだ。期を逃して次の代になっちまったらもう手遅れだからね。70代でなくてはできないこと?そんなもんあるわけねえだろ。

英語ディベート6時間の雑感

2025 OCT 2 8:08:03 am by 東 賢太郎

米国の友人Hが来た。4時から1時間の予定が議論が白熱し、ニューオータニkato’sで夕食になって気がついたら10時である。こうやっていつも閉店までなのを店も心得てくれてる。ウルトラ元気な男で鉄砲玉みたいな英語がとぎれることなしだ。話題はもちろんビジネスにつきる。

半年ぶりぐらいだが「顔が変わった。肌のツヤも全然違う」としげしげ小生を眺める。「スキンケア?そんなもん俺がするわけないだろ、体重も変わってないよ」「アンチエージングしたか」「ああNMN注射な。でもだいぶ前だ」「ステムセル(幹細胞)がいいよ。トランプもバイデンも打ってる。自分は55歳だがバイオ年齢は36歳だ」とスマホの血液データ分析を見せる。僕は確かに元気は元気だ。月2回お世話になっているセラピストのYさんも「筋肉が柔らかくなってます、プロとして断言できます」という。そういや先週も終了後に「ありがと、3イニングぐらい投げられそうな気がするね」と高校時代に戻ってたし。

というわけで誰も古希は信じない。自分も忘れてて時々書類の年齢欄に60歳と書きそうになる。仕事が立て込んで徹夜に近い日もあったがなんのことはない全然翌日もOK。大学時代、徹マンの翌日もこの程度の感じだった。親に感謝するしかないが、視力も裸眼で1.2あるし、何年か前のコロナ入院と、崖から落ちたのと、神保町で転んで右手の親指を怪我したの以外、体は何らの異変もない。これは20年間飲み続けている神山先生の漢方薬のおかげ以外に理由は考えつかない。

問題は頭だ。身の回りの物忘れや人の名前が出てこないみたいのはたくさんある。でも鉄砲玉の英語ディベートを6時間やっても回転は大丈夫だ、こいつはまぎれもないウォートン・スクールで2年鍛えてもらった成果だ。野球で毎日皇居一周してたので今でも難なく5キロぐらいは走れるが、それと同じで、アメリカMBA留学ってのはアスリートに近い頭の筋トレだったと思う。10代、20代の皆さんは頭も体も死ぬほど自分を追い込んで鍛えまくっておくことです。その年代しかできません。一生の財産になるし必ず仕事でも人生でもメンタルにもあなたを助けてくれる強みになると思いますよ。

Hはものすごいガッツの塊ですべてに前向きで頭も回る奴で、こっちもアドレナリンがどんどん出てくる。頑固だが知らないことを教えると謙虚に学ぶ、その姿勢がとてもいい。こっちもアメリカの最新事情は教わることばかりで、ディベートの中からビジネスチャンスがのぞいてくる。僕はこういう奴が好きだし奴もそうなんだろう、話が途切れることなくこのままだと10時間でも何時間でも行きそうだ。大学時代に気の合う連中と夜中まで、あるいは朝まで語り合ってたあれを思い出したりする。つくづく思うが、日本人にこういう奴はほとんどいない。少なくとも僕は知らない。そんなにたくさんは会ってないアメリカや中国にはゴロゴロいる。だから時価総額百兆円もの新興企業が出てくるんだ。

日本は財務省の緊縮財政で30年間を失ったとみんなが口を揃えて言うが、そればかりじゃないよ、やっぱりビジネスをゼロから起こしてでかくするという情熱とかアンビションとか、そういうのがさっぱりなくなっちゃってる気がする。だから、これから世界を変える生成AIの波に完全に乗り遅れちゃった、これは致命的だ。ロスジェネとか言って傷をなめあってる場合じゃない、雨はあなただけじゃなく全員に降るからチャンスはどんな世の中でも資本主義国なら常にある。そこで勝ち抜いても生成AIに職業を奪われるのが確実な未来だ。ほんとうに傷をなめあってる場合じゃない。政府が金をばら撒いたらGDPが増える、そんな紋切り型の経済学で経済成長なんか持続できるわけないでしょ、成長は資本の成長からくるんです、政治や行政なんか関係ありません、それができる人材こそが国を引っ張るエリートである。そういう人材が昭和はまだそこそこはいたから日本は経済大国になったんです。続々と出てこないとそれこそ日本はダメになるよ。

僕に年齢はない。たぶん体が朽ち果てるまで寝ても覚めてもそういうことばっかり考えてる。ワーカホリックと言う勿れ、モーツァルトだってベートーベンだって毎日音楽の事ばっかり考えていたでしょ。人に使われると労働者になっちゃう。それじゃ人生つまんない。自分で起業してビジネスを創造する、これはクリエイターの喜びである。MBAは何の専門家でもない。経済学も会計学も経営学も数学も統計学も法律も証券分析もマーケティングもプレゼンスキルも、ぜーんぶがビジネスの道具にすぎない。心理学、人類学、骨相学、量子力学なんてものもその一部になったりする。それらを駆使して戦った成果は数字、つまりお金というもので評価される。運てものもあるから勝ったり負けたりはするがわかりやすいでしょ。僕にとっては麻雀や野球をやってるのとあんまり変わらないが、遊びでないので負けるわけにはいかない。この緊張感、最高のアンチエージングだ。

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気ぜわしくない土曜日の昼下がり

2025 SEP 9 10:10:13 am by 東 賢太郎

写真家のS氏と久々に飯でも食うかとなり、代沢の「韓てら」に行った。赤坂で金曜日のディナーのはずだったが大雨だったので明日にしようとなった。これが良かった。気ぜわしくない土曜日の昼下がりだ。9年ほど住んだこのあたりはなつかしい。よく息子とキャッチボールをした北沢川緑道に沿って歩くとそこに着く。当時小学生だった子供たちが歩き回ってる気がするほどに店内はすべてがそのまんまだ。あのころ、ニューヨークから帰国した翌週に9-11がおきてぞっとしたっけ。まだサラリーマンで部下120人の人事評価を書かされ疲労困憊の日々だった。会社を移ったのがそのころで、移籍先はメガバンク系だしもうそれはないだろうと思ったらまた120人だった。

評価書ってのはその人の給料、賞与はもちろん人事部のファイルにコメントが残って、人生まで左右するかもしれない。そんな文書を作るのは責任が重い。しかしそれをどうにでも書けるというのは権力を持った証でもある。うれしい人も多いだろうが僕は性に合わなかった。公平を期すため金融屋として優秀かどうかだけと割り切る。生い立ち、学歴、性格、性別、雄弁、酒豪、英語、達筆、美声、おべっか・・顔を思い浮かべればいろいろある。それを割り切って無視しないと私情が入ってしまう。38才からそんなことをしている俺は自己評価だってそうしないと人生まちがうと思ってここまで生きてきたが、そっちが正しかったかどうかは甚だあやしい。

女性の部下はあんまりいなかったから困った記憶はない。僕はフェミニストではないが実務家として女性総理、女性指揮者の賛成派だ。女性ファーストは度が過ぎると元禄のお犬様になってかえって良くない。そんなことせんでも女性は立派に経営をできる。男はそこそこの学歴で身なりが良くて弁舌さわやかであればあっさり丸をつけちまう。感性で判断する女性はそれがなく、往々にしてそれが正しい。「彼はだめね」「ちょっとあぶないわよ」。男にない嗅覚でばっさりいく。良い例が自民党両院議員総会を仕切り、実質的に首相を退陣に追い込んだ最大の功労者、有村治子だろう。立派なもんだ。東郷平八郎海軍大将、井伊大老の首級を挙げた有村次左衛門を先祖に持つだけある。腹の座り方が半端じゃない。頭脳も明晰だ。言葉がいちいち心に刺さるのには感服で将来の首相候補まちがいなしだ。なに言ってるかわけわかんねえポンコツ役者が総理?ジョークやめてけれ。反対に嗅覚も腹も頭もない可哀想な女もいる。恩人の安倍を裏切ってLGBT推進した、前にもボロカスに書いたあれだ。「それは本当の保守じゃないと思います」なんてな、おめえの保守なんてどーでもいいんだよ日本人は。弁護士かなんか知らんが真正の馬鹿だ。

ちなみに馬鹿を馬鹿というのはお耳障りが悪かろうが、文化部系の人には下品でも体育会でそんなのはなんでもない。過ちを正してくれて有難い場合すらある。基本がガリ勉の高学歴社会である金融に体育会は少なく、そんな罵声を浴びせる文化はないが、僕は体育会的社風の最右翼だった野村証券においてさえ最右翼であり、銀行系の役員になっても机ぶっ叩いて怒鳴りまくった。Sには何度も説明してるがそう見えないのか東大出の思いこみが抜けないのか、「このまえ赤門に撮影いきました」とくる。そもそも論に発展し「なっ、俺、あの門はぜんぜん愛着ねえんだ、くぐったの何回かな程度なの、法学部だから」なんて言っちまう。

ちなみに自民党税調の宮澤洋一氏が上品にだが同じ趣旨を公言し評判悪い。しかし法学部卒はほとんどがそう思ってる。というのは、明治時代から学校自体が暗にそう教育し刷り込んでる。あのキツい法学部の勉強を我慢してやって優を並べた奴が権力持つのは認めよう、俺は遊んじゃったしねで学部内はフェアなのである。それがない他学部はまったく眼中にない。ホリエモンが東大がどうとかいっても文Ⅲの話だろで俺達には関係ない。そういう所なのだ。財務省解体デモになるのは、要は、役人になめられて使われちまう政治家が馬鹿だということに尽きる。そりゃ偏差値35の大臣の話なんか俺たちが真面目に聞くわけねえだろ。

最近の政治家は小物というか、侍がいなくなって役人の劣化版みたいなのばかりだ。慶応OBの話によると石破前総理は高校のゴルフ部員だったが、スコアをごまかしたのがバレて除名になったらしい。たかがゴルフと思う方は体育会を知らない。スコアを改竄する奴ってのは人間としてクズ中のクズで、これは私見じゃない。プロは大会失格。英国の名門クラブは除名。これが世界の常識である。英国で逆切れした会員が訴訟したケースもあるほど「名誉」に関わる。「たかがゴルフ」で体育会に入ったなら元から世の中なめてるアホだったということで、つまり、学歴詐称のおばさんとおんなじ種族ということであって、誰だよこんなの総理にしたのって責任論になるレベルだ。人間の性癖ってのは治らない。放っておくとまたやる。要は、子供の遊びであろうと、前科者はまともなポストにつけちゃいけないという日本人の良識が彼のお陰で確立されるだろう。

さて、Sはというと、写真の被写体は女性が9割ぐらいだ。つまり女性の美というものを追求するうらやましい仕事である。よく知らないが広末涼子とかきっと有名なんだろうと思われる人の写真集など多々あり、間違いなくわがままであろうそういう方々やバックにいる有象無象の業界の面々と40年も仕事してきた人間観は独自の深みあるものだ。こっちも有象無象、多国籍の人々と銭金のつきあいをしてきた。だからとんでもない人間模様を見てきた共通点があって、飲むと楽しいのだ。あの女優に会いたいとか僕はそんな趣味はまるでない。波長が合う人と飲む、何より貴重な時間だ。

韓てらは東京の焼肉No1だ。たらふく食ってどっかでコーヒー飲むかとなり、Sが某喫茶店を検索し、下北沢に向かって行ってタクシーを降りるとあたりの風景に何となく勘が働いた。まてよ、ひょっとして・・・道の反対の暗い路地に入った。あった。当時に住んでた2軒目の家だった。最初のは狭かったがこれはでっかく、車庫にジャガーをとめていた。引き寄せの法則ってあるなと笑いながらよく通った寿司屋を見つけ、ここの小肌は東京No1だと教えて通りに戻ると喫茶がみつからない。しょうがない、あれ良さそうなんで行きましょうというが早いか反対側の小さい洒落た店にSが入っていった。おばさんがひとりでひっそりやってるカフェ。気に入った。「ここいいね、でも俺、ひとりで入れないんだよな」「どうしてですか」Sが怪訝な顔をする。「なんかガラでないんでね」。寂しい話だ。スタンドに女性がひとり静かにコーヒーで読書してる。ああ、いいなあ。こういうのがサラッとできる。Sはかっこいいなあと、いつもうらやましい。

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楽しかった久しぶりの東大クラス会

2025 JUL 19 7:07:13 am by 東 賢太郎

今年のクラス会、九段高校の方は日にちが合わず失礼してしまったが、我が硬式野球部は東東京大会で大健闘しており、ノーシードから勝ち上がって4回戦進出(ベスト16)だ。僕が入部した年が東西分離前でベスト32(第6シード校)だったから並んだ。準々決勝なら過去最高じゃないか、ここまで来れば甲子園行ってくれ。二松学舎、修徳、関東一、日大一、岩倉、堀越、日体荏原という我が世代の強豪校もノーシードであり、成立学園、日大一、日体荏原、明大中野、東京実、共栄学園、小山台は3回戦までに敗退した。九段より日大一高が先に負けるなど想像もできないが、いかに後輩たちが素晴らしいゲームをしているか!

先日あった東大のS50年LⅠⅡ9Bクラス会は出席できた。といってもぎりぎり直前に「出ます」と通知し、ちょっと遅れて会場である半蔵門のイタメシ屋に着いた。「久しぶり、10年以上来てないよなあ」と挨拶したら皆がそんなことないぞという。なにせみんなほぼ古希だ、どっちが正しいかわからん。「そうか?うーん、ごめん、覚えてない」で済んじまう。「あれからもう50年だぞ」「おお、そうか」と計算もできてない。

LⅠⅡってのは文Ⅰ、文Ⅱがいっしょ、9Bは第二外国語がドイツ語ってことだ。50名ぐらいで女子はゼロだからまるで男子校だ。50年まえ、駒場の教室のオリエンテーリングで初めて会ったあの日の面々。「ワクワクしたな、楽しかったな、いろいろあったな」で一気に盛り上がる。スピーチはひとり3分厳守と幹事から告知が為されたがものともせず倍ぐらいになった。「みんな、株持ってるか?持ってる人は手を挙げて」というと5,6人だ。「あのね、それじゃだめだよ、エヌビディア知ってるだろ、時価総額いくら?4兆ドル、600兆円だぜ、一企業で日本国のGDPとおんなじだよ、そういうのに乗っかってないと時代についてけないよ、ボケるよ!」。

まあ皆さん僕以外は日本国を代表するエリートである。総務省事務次官、石破内閣官房副長官兼内閣人事局長兼内閣感染症危機管理監の佐藤文俊くんをはじめ官界、法曹界・実業界のお歴々だ。でもみんな人間だから酔っぱらう。「8組は女子いたのにずるいよなあ」「ドイツ語わかんねえし」「俺、D、Dで危なかったよ」「そう、Mの授業つまんなかったよなあ」「Tの法学概論もな、起きてるのやっとでさ」「Oの英語のシェークスピアぐらいか、おもしろかったの」、まああとはあそこが悪いここが痛い、何の病気で手術しただの家族がどうしただの、この辺までは話題もそれなりである。

だんだん酔いが回る。「赤門前のパブリカンってスナック覚えてるか」「あったあった、俺、初カラオケだ」「そうだよ、東、お前そこで初めて歌った曲、覚えてるか?」「”柳が瀬ブルース” だろ」「違うよそれはあいつだ、お前は加山雄三の “君といつまでも” 」「凄いな、そんなの覚えてんのか」「ああ、新潟のスキーはどうだ。嫌な思い出だからお前たぶん忘れてるな」「新潟?」「そう、お前2日目にビビッて滑れなくなって大ショックでさ」「忘れてる、だって俺うまいと思ってるもん」「そうじゃないの、そういう時あったの」「そういやあ麻雀貢いだよな」「でもお前が勝つオカルト麻雀のあいつだけは俺の天敵なんだ」(爆笑)「雀荘は葵だが下宿でもやったな」「俺の下宿のトイレの洗面台でさ、『東さん、あの頭洗ってるかたどなたですか?』って大家に怒られるわけよ」「すまんすまん風呂入ってなくってさ」(爆笑)「そういやあ同人誌作ろうって女子誘ったよな」「うん1年の時ガリ版でね」「東、お前のペンネームは柚木健だ」「なんと!思い出した、その通りだ!」「お前と稲毛(高岡高校エース、188センチ)のキャッチボール凄かった、軽く投げてるお前のが速かった」「自分のタマは自分で見れん」「初ゴルフの大磯ロングビーチは?」「覚えてる。楽勝と思ったら一発もまっすぐ行かなかった」「お前がみずほの時も御殿場で回ったな」「そうだね、あれはみんなに悪かった。日曜日のラウンド中に出社命令が来て途中で帰るってなって」「あれがリーマンショックだったのか」。こういう記憶力の人たちと麻雀することはおすすめしない。

二次会はニューオータニ。11時半まで話は尽きず、めちゃくちゃ楽しかった。クラス会は半世紀前の自分の姿を映す鏡だ。幹事の佐藤くん、福岡くん、お疲れ様です、ありがとうございます。

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スマホ時代は石器時代と裏腹だった

2025 JUL 14 1:01:46 am by 東 賢太郎

先週のことだ。新規の会社にアポがあり、HPで場所をざっと見て地下鉄に飛び乗った。行先は東銀座だ。そろそろだな。スマホを取り出して地図を確認だ。

参った。電池が切れとる!

スマホは便利だ。ということはそれがないと逆に石器時代になる。社名しかわからん。今どき都心に赤電話なんかない。だから事態を誰にも伝えようがない。時間はあと15分だ。絶体絶命。どうする???

考えても答えがない。歌舞伎座の先を左に曲がって大体あのへんだ、ええい、一か八か体当たりで探そう。歩いた。猛烈に暑い。ない。こりゃだめだ。すると交差点に地図のたて看板があった。でもだめだよ住所覚えてないんだから・・・

天は見捨ててなかった。地図に「築地警察署」なるものが書いてあるではないか!走って行ってとびこむ。受付の女性がびっくり。無理もない。汗だくなうえに冷や汗だから。若いお巡りさんが同情して地図を書いてくれた。ありがとう!

ミーティングは何事もなかったように始まった。40代の幹部が5人。こちらが3人。古希の俺がまじってる風景シュールだなと可笑しかったが、この会社、AI時代の旗手だ。だんだんそんなことは忘れて盛り上がった。投資していいかな。

電池切れボケ来てない?みんなそう思ったろうがそれはない。だって “秘密兵器” で寝てるからコロッと寝落ちして高校生みたいにパキっと目覚めてる。「体が変わってますよ、運動ですか?」。セラピストさんが不思議がるが全然してない。

「これ、アタマにも効くよ」。誰も信じないが自信ある。回転速い。この好調でボケは絶対ないね。ちなみにウチの猫もど~ぞと “秘密兵器” に乗せた。最初は逃げたけど先週からシロが自分で乗るようになっちゃった。どうだ!

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新婦の父になった日

2025 MAY 13 8:08:46 am by 東 賢太郎

日曜日に長女を送り出しました。近年は結婚式の場もガーデンやビーチなど多様化し、親しい人たちと心地よい時間を共有する傾向にあるようですが、娘たちは私共の世代と変わらぬクラシックな場を尊重しました。帝国ホテルにしたのは理由があったようで、人気の5~6月は意中の部屋の空きがなく1年ほど待つことになりました。その甲斐は大いにあって、新婦の父として忘れえない思い出をつくっていただきました。スピーチを頂戴した主賓、ならびにご列席いただいた神山先生ご夫妻、ご親族、ご友人、ご同僚の皆様、ソナー関係者の皆様、当家の親族、ご協力いただいたホテル担当者の方々に厚く御礼を申し上げます。

新婦の父役は簡単ではありませんでした。「お父さん、いい?バージンロードを一緒に歩くのよ、ドレス踏まないようにね。でもスピーチはしなくて大丈夫だからね」。それが何かも知らず娘の指示で一応の安心はして当日にのぞんだのです。歩くのは花嫁の後ろからと思っていたので踏むわけないだろと余裕でした。モーニングに着替えてホテルの教会の待合室にはいると神父さんと介添え人の女性がおられ、手袋おもちですね、こう指をそろえて左手で、持ち方はこうです、右手はこう曲げて手の甲が上で力は抜いて、はい、そんな感じで動かさず、などと矢継ぎ早に教わります。歩き方ですが、右足からです。花嫁と歩調を合わせて、とにかくゆっくり、靴の幅ずつ進む感じでいいですよ、気をつけていただきたいのはスカートが横に広がってるので踏んじゃう方がおられるんです、そうならないように右ひざはやや内側に回して入れる感じで・・・

ウェディングドレスを試着した写真は見ていましたが、現れた新婦姿の娘には息をのむばかり。圧倒されてしまい、想定外だった腕組みをされると、なるほど横幅がすごい。気が動転したまま廊下をしずしずとバージンロードの扉の前まで進みました。この数メートルで難しいと直感しましたが時すでに遅し。「それではご入場です!」と声がかかり、ぱっと扉が開くとサーチライトか眩しくてなにも見えません。オルガンが轟々と鳴り響いて「はい右足からどうぞ!」。覚えてるのはそこまでで、人がたくさんいるな、立ち上がってばしゃばしゃ写真を撮られてるなと感じて固まりつつ道がまっすぐかどうかもよく見えません。とにかくスカートを踏まないことだ!それに専心すると歩調も何もあったもんじゃなく、人生でこんなにゆっくり歩いたことはないゆっくりさで片足に乗る時間が想定をこえて長く、2度左にこけそうになりました。やっと終点が見えてやれやれ。そんなことはどこ吹く風と泰然自若で歩を進めるヨーロッパ育ちの娘をこんなに頼りに思ったことはありません。

そこで待ち構えていて、よろしくお願しますと礼を交わして娘をお渡しした新郎。彼もまた18才で志してロケット工学を学びに単身渡米した海外派です。結婚の誓いも堂々とした声で頼もしいもので、心の底から安心しました。彼を育て、若い志を後押しされたご両親も立派としか申し上げようがございません。名門テキサス大学アーリントン校(UTA)卒で、英語で理系という大変さは私の想像を超えますが、ラグビーで鍛えガリ勉でもアメリカかぶれでもない、こんな若者が日本にいたのかという驚きと共にこの人を見つけてきた娘も思いっきりほめてあげたい。UTAのスポーツチームの名称はテキサスの誇りマーベリックス(異端児)だそうで、映画トップガンのトム・クルーズのように “カッコいい型破り” の意味です。何があっても臆することなくふたりでその道を突き進んでいってください。

披露宴は主賓のお言葉を頂戴し、少々リラックスもさせてもらいました。ちなみに、流す音楽はホテルおまかせでなくすべてふたりでプロデュースしたいとリクエストがあったので、結婚式に向いているかどうかよりも娘の思い出がある30曲を選んで送りました。ドイツにいたころ、ピアノでドラえもんのテーマ曲などを弾いてあげるとキャッキャ喜んでいた頃から覚えていた曲ばかりです。結果として私のCDルームから持ち出していったのはヘンデル、モーツァルト、シューマン、ブラームス、チャイコフスキー、ラフマニノフ、L・アンダーソン、R・ロジャースでした。ひそかに楽しみにしていましたが、なるほどそこに使ったか、いいセンスだねというものばかりでいうことなし。満点。Climb Every Mountainは画像とあいまって最高だったし、我々には別格であるラインの第5楽章、あれを流した人はまず他にいないでしょう。オンリーワンの宴になりました。

いろんな思いがめぐり食事もそこそこに感無量で式を眺めていましたが、いよいよ「それでは最後にご両親への花束贈呈です」とアナウンスがあり、いかん、そういうのがあったっけと金屏風の前に立ちました。花嫁の万感のこもったスピーチにまず家内が泣きだしてしまい、私は唇をかんでこらえましたがハグされたらもうだめでした。そのシーンを激写していたのがソナーの慶応グループで、閉会後に見ろこれが証拠写真だと盛り上がりました。私が涙を耐えられるかどうかで賭けが進行していたのです。

43年前、私と家内はこの桜の間のひな壇に座っておりました。留学でアメリカに発つ前の弱冠27才と24才で、借りてきた猫のように固まっており、皆様から前途洋々のお言葉をいただたのがうれしかった遠い昔の思い出です。まさかそこでこの日を迎えようとは想像だにしていませんでしたが、これは娘たちのプレゼントでもあったのでしょう、そういえばこうだったと記憶の片隅に埋もれていた父のモーニング姿と母のおめでとうという声をはっきりと思い出しています。私は大学2年のとき全くの偶然から広島のユースホステルで家内に出会い、思えばこの会場から我が家が始まったのです。その日の新郎新婦の両親は家内の母ひとりになってしまいましたが、93才と思えぬお元気な姿で神戸からかけつけてくれました。おりしもこの日は母の日であり、天国の我が母が喜び、義父も我が父もそろって祝福してくれたのでしょう、曇天で小雨模様の日々だったにもかかわらず、披露宴の窓からは燦燦と陽光がさしこんでおりました。

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新しい人と出会うのは楽しい

2025 MAR 29 16:16:44 pm by 東 賢太郎

昨日は某社のオーナーを紹介された。こうやってもう何百人か何千人か知らないが、会った。ディール以前にそれが商売みたいなもの。そういえば金曜は赤坂の料亭で別の経営者とやっていたら、たまたまひとりぶらっとカウンターについた自民党の大物先生が気づいて挨拶に来た。ため口きいてるこいつ誰だと思ったろう。大臣だろうが何だろうが選挙があるのは大変だ。

最近はオモチャにピクリともしなくなった老猫みたいなもんで、少々のではすぐ退屈しちまう。オーナーのプレゼンは理科の実験みたいで面白かったし、ポテンシャルが大と観た。「上場とかM&Aがどうとか、そんなのは些末な話なんです。もっとでかくしましょう。でかくなれば世間は勝手に来ます」ってことでお引き受けすることにしたが、きくと同期でありウマが合ったってのもあった。仲介者は「どっちも難しい人なんでダメもとのつもりでした」というが、こういうのがご縁ってもんだ。やんないとわかんないよ何事も。

「メジャーはあんまり興味ないんです、だってね、オータニもローキも身長2メートルもあるピッチャーが足開いたらググっと2メートルも前に来ちゃう。18メートルじゃなくて16メートルから投げるんですよ、そんなでっかい奴が。打てるわけないでしょそんなの。だから俺は現実味がなくってね、ニッポンの野球のがいいですね」なんてことまで話したかどうかは忘れたが、仲介者センセイが、「オーナー、東さんはカープファンなんです」と言ったのは確かだ。「そうなんですか、じゃこれ」と棚から出てきたのが写真だ。「18番?誰でしたっけ」「マエケン。ボク野球興味ないんであげます」。家宝が増えた。ご縁ってもんだ、こういうのも。

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古希のイベントで予見した未来

2025 FEB 10 7:07:55 am by 東 賢太郎

従妹の心のこもった手料理で先週に始まった古希のイベントは、土曜日に家族で祝ってくれた夕食会で盛大に終わりました。還暦の時はまだまだと思ってしなかったんですが今回は陣羽織に頭巾をかぶらされ、写真を見るとまるで水戸黄門。これが笑えるほどよく似合ってるんですね。涙もろくなっているらしくプレゼントをいっぱいいただいて困ってしまいました。

息子がひとりふえて5人、こうしてあらためて一同に会するとみな立派な大人です。米国でロケット工学を専攻した彼に「行けたら火星に行きたい?」と聞くとはいという返事。その心意気いいですね。片道4年もかかるの?僕は閉所だめなんで無理だなあ、「どこでもドア」があれば行きたいけど値段高いだろうなあ、きっと1000億円出す人いるだろうなあなんて話に。家内からは「私学に進んでたらどんな人生になってたかしらね」ときかれ、あまりにいい質問でちょっとむずかしい。とりあえず確実なのは「みなさんここに誰もいなかったね」(笑)でした。すべては家内と広島のユースホステルで出会ったことから始まった物語ですからね、浪人を決断したのは僕の意思ですが、その先に計画したってあり得ないようなことがおきて今があって、この今に僕は100%満足です。ということは「違う決断しなくて正解だった」、これが答えなんでしょうね。

前稿に書いたように、僕は絶望的な失敗に3度遭遇してます。せっかく入れてくれた私学に素直に進んでればそのひとつはなかったのですが、遭遇してしまったおかげで今日の物語があるのだからまさしく「塞翁が馬」であったのです。どんな大失敗でもそこから物語の輪が360度広がっていきます。そこに出た芽が大輪の花に育つことがあります。失敗を恐れる人生を送れば輪はできず、安心安全ではありましょうがチャンスの面積が狭い人生になります。米国や中国と比べますと日本にはせっかく優秀なのに後者である人が圧倒的に多いのが残念です。子供達には恐れることなく立ち向かって大輪の花を得てほしいし、もし誰かが壁にぶつかっても助け合っていって欲しいと思います。

僕個人のことを言えば、運のある人生でした。というか8割はそれだけのイメージで、実力に比べると明らかにもらい過ぎ。その差が運であって、だから運というのは信じるに足るものであって、しかも、信じると増えていくものだという驚くべき実感を味わった者です。おとぎ話に聞こえるでしょうがこれにはメカニズムがあって、増えるのは実は運でなく「余裕」なんです。余裕ある人は実力が同じでも余裕ない人に勝つ確率は必然的に高い、ここだけは統計を取ればファクトという裏付けがありましょう。だから高勝率を得てますます自分は運があると信じるようになり、「運も実力のうち」という諺ができるのです。余裕は脆弱なんです。当日に試合相手の顔を見てビビったり周囲の受験生が賢そうに見えたりすれば雲散霧消なんてことが自分でもありました。しかしおまじないに近い運やツキはそんなものに左右されません。だから信じやすい。大事なのは、それがホラであっても嘘であっても縁起かつぎでもぜんぜん構わないということ。とにかく心から自分を信じ切った者の方が強いです。

努力しなければもちろん負けます。すると運がないと思いこむ逆スパイラルに陥ります。だから自分が強運だという信念を裏切らないぐらいの結果は最低は出し続け、人為的であってもいいから信念を育てることです。いわば自分を騙す。これが大事です。僕は性格が楽天的だから騙しやすくて有利でした。アスリートは誰しもぎりぎりまで努力してますから、人事を尽くした後の「天命」の部分で「ゲン担ぎ」をよくするとききます。世界のホームラン王、王貞治さんもしていたそうですし受験生の合格祈願もそうですね。僕はある種の球は打たれないと自分を騙すことに成功してたので余裕があったんでしょう、10年ブランクがあって5試合投げたニューヨークの大会でMVPに選ばれました。だから本当です、信じる者は救われます。

ホラや噓や人為的でない部分。ここはガチンコの実力であって余裕はそれを何倍にも増幅する、いわばROEとPERの関係です。ROEの絶対値が大きいに越したことはありませんし、ないものを増幅しても意味ないですから地道に勉強し現場の多様な経験を積んで貪欲に「知見」を得ることですね。地道ほど大事なものはありません、なぜなら人がついてくるのはそうした地に足の着いた経験であって理論や学歴ではないからです。経営者は監督として能力ある人を使えばいいのですが、知見がない人に優れた人は集まらないのです。また、いざという時に嫌なこと、いわゆる「果断な決定」を迫られることもあります。この教科書はありません。胆力しかない。場数を踏むことですね。

そして最も大事なのが経営のかじ取りです。海図を引いて船を進める。これも教科書はなく、株のことは株式市場に聞くしかありません。いまわれわれのビジョンは好調で、ある銘柄に早めに大き目の投資をした決断が大正解で非常に楽しみなのですが、あらゆる業種、業態の経営と同じくこうすれば絶対という道があるわけではありません。そしてもう一つ指摘しなくてはならない経営の要諦があります。会社が利益を出すには世の中に需要があることが大前提です。それが本当にあるのか。そしてそれに応える方法が自分に本当にあるのか、常にそれを自問することですが、問題は需要や方法が時と共に変遷する点です。

例えばテレビ業界です。僕は見ないのでフジテレビばかりか全局なくなってまったく困りません。聞くところによるとそういう若者が増えてるそうです。彼らが「いらない」と判断するなら需要がなくなるのですから問答無用で消滅し、テレビはSNSとChatGPTとオンディマンド配信の受像機の呼称として残るでしょう。AGIは大半の役所の仕事と士業を低料金で代替し国家の歳出を大幅に逓減します。人の近距離移動と物流は完全に無人車とドローンになり長距離移動は無駄か贅沢の代名詞になります。国家財政は徐々にインフレ、金利のない暗号資産建てになり納税も可能となり、市中銀行の外国為替業務と決済・送金業務は不要になります。かようにして、いま職業、会社、業界と呼ばれるものは根底からガラポンになりますが核融合発電がエネルギーコストをほぼゼロにしますから人類活動全部がエネルギーを基軸とした違う形の均衡点に収束します。この地殻変動は先見性ある企業家にとって大チャンスであると同時に、受け身の経営者は倒産するか、需要を保持できずM&Aをするかされるか、または自ら全株式を売却して資産運用をして生き延びる判断を迫られるでしょう。

夕食会の写真集をもらい、

何十年かしてこれを見てこんなことあったねって日が来るよ。全員が思いっきり楽しい人生を歩んでください。

とメールしました。

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2025年の年頭所感

2025 JAN 3 23:23:10 pm by 東 賢太郎

新年あけましておめでとうございます。

我が家は鮨屋を7人予約しておいて3人インフルでダウン。戸をガラっと開けて悪いなあと謝まろうと思ったら大将もダウン。流行ってますね。ここの鮨は旨いぞと教えると従妹夫婦が食べたいというので合流。昼間っから散々飲み、酔い覚ましは自由が丘のカフェ・アンセーニュ・ダングル。箱根はよくいっしょに行ってるけど爺さんゆかりの横浜、長崎も行くかとなってお開き。いい正月でした。

従妹は母の姉の娘で、幼時は両家をしょっちゅう行き来して僕のだらしないところをぜんぶお見通し。今もそのまんまなんでわかってる人は気楽。いつ来てもいいよってことになってます。元慶応ボーイの夫君は同期であり偶然に共通の知人もあって話がはずみます。医者家系で住む世界が違うのでロンドンやニューヨークできいたロスチャイルドの話みたいなのは中々ぶっ飛んだものらしく、でも世の中本当にそうなってるのよってことで時間があっという間でした。

今年はトランプ時代の幕開けで何が起こるか誰もわかりません。AI、サイバーセキュリティ、ヘルスケアは良いですね、2020年から暗い世の中だったので人の心を明るくするものにも注目です。

本年も皆様のご多幸をお祈り申し上げます。

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