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カテゴリー: 若者に教えたいこと

不思議なアリスの国の米騒動の不思議

2025 JUN 2 11:11:45 am by 東 賢太郎

小さいときに覚えてるのはパン屋、肉屋、八百屋、コロッケ屋ぐらいで、米屋は記憶にない。自分で買ったことないし、どこで買うか知らないとマッサージで言ったら驚かれてしまった。いい所のボンじゃないよ、団地の子だ。お袋が九州の家風で男子厨房に入らず主義でさ、知らんまま大きくなってしまったと弁解してもだめだ、女性には通用しない。

江藤農水大臣の家に米は売るほどあったらしい。買う必要がなかったから自分で買ったことない、そりゃそうだろう。事実をしゃべっただけで辞任に追いこまれるとは思ってもなかったのが顔に出た。それがいい所のボンに見え、マリー・アントワネットだと追い討ちされてしまう。政治家も大変だ。買ったことないより空気を読めない方がもっとまずかったが後の祭りだ。自民党×世襲=悪という空気はけっこう危険水域に来ているのだろうか。

最近の政治はもう「不思議の国のアリス」状態に突入している。この映画、アリスがウサギの穴に落ちて次々とおかしなことが起きるが、10分もたつとだんだんその世界に目が慣れる。芋虫がしゃべろうがチェシャ猫(左)がニヤニヤ笑っていようが平気になっちまう。まさにそれ。でも「いつからこんな妙ちくりんな国になったんだ?」が元自民岩盤保守の本音だろう。世間では安倍さんのあれからという声が高まっているらしいが、それは日本のローカルな話で、僕はコロナで世界の株式市場がアリス状態になった時だと確信している。だからもっと前だ。これは半世紀ぐらい株式市場を観察してた者しかわからない。ヒントはアメリカの財政とドルだが、それだけ見ていても、いくらデータを取集してもわからないだろうから僕は絶滅危惧種になりつつあるかもしれない。

日本政界のアリス劇場は野球に例えるとこうだ。豪快な30失点で堂々の完投をして見せた監督兼自称エースのキッシー投手。お次は史上初の女性、サナエ投手と大多数のファンが期待したが、メンバー表には万年ベンチで味方にヤジを飛ばしてたイッシー投手の名があった。彼は直球は投げられない。変化球しか投げないがその球も遅い。「初回に打たれたら責任を取る」と豪語していきなり満塁ホームランを食らうが、それは嘘だったことが発覚する。延々とマウンドに立つが球団も監督もなにもしない。今の今まで投げていて、もう失点は20だ。ところが、いったい何があったんだろう、ある回から敵方である野党球団のバッターまでわざと三振しだしたのだ。球場の総意としてイッシー投手を交代させたくないのである。スタンドのファンは唖然としているが「なんだこりゃ、八百長試合か?」「金返せ!」のヤジも罵声も飛ばない。飛ばしたところで「ルールに違反はございません」と冷たいアナウンスが返ってくる、かどうかは知らないが、たぶんそうだろう、いや、へたすると「お客様、他のお客様の観戦のご迷惑になりますので」なんて退出させられるんじゃないかという空気を感じて黙っているのだ。

しかし、自民チームの古参のファンでごったがえす居酒屋「俺はジャイアン」ではそうは問屋がおろさない。「野党は7月決戦もイッシーに投げてもらいたいんだろ、そうはいかないぜ」の声でもちきりだ。「そのうちサナエさんが動くさ、球団社長のアッソーさんがイッシーを降板させるよ」。すると、バタンと音がしてドアが開いた。息をきらせて入って来たチェシャ猫が叫ぶ。「みんな聞け。わざと三振してもらってるのは自民のヤマモリ監督だ!」。「なんだと?敵将のドジョウと裏でツルんでるのか!」すると、三月ウサギと帽子屋も入って来た。「皆さん、ヤマモリは右ききの選手を追い出して左ききと左巻きだけの球団にするらしいですぞ」「うぬ、そういう作戦だったのか」。気がつくとそこはネムリネズミの終わることのないお茶会の場であった。

大騒ぎのなか、壁にスクリーンがスルスルと降りてきて、三月ウサギが「とざいと~ざい!」と映画の上映を始める。

なんだこれは?米がないだって?ただでさえ重い年貢で民が飢えておるのに怪しからん、おかみは何をしておるんじゃ、ええい、一揆じゃ、蔵を壊せ壊せ、皆で打ちこわしじゃあ!!!

いかん、お国の一大事だ!

「こういうときは?」

帽子屋がそっと尋ねる。

しばらく静かだったアリスがこともなげに答えた。

「そりゃこの人でしょ」

「ちがうちがう、これはあっちの話だろ」。帽子屋がかぶりをふるとチェシャ猫が憮然とした顔で答える。「そうか、ここは日本だったっけ、なら『月光仮面』だよな、こっちだってちゃんとおじさんが変身するんだからな、負けてないぞ」

「猫くん、前から思ってたんだが、きみはやっぱり時代遅れのようだね。残念だが月光仮面はもう古いんだよ。新しいのが出たんだ、これを見てくれたまえ」。帽子屋は得意満面に笑った。

う~ん、す、すごい。どっちもやけに短いし、マイナーキーでうら寂しいところが何とも言えないが・・・

「みんな、見たか、キッドだよキッド。この人が米騒動をおさめ、われわれ日本国民に安いおコメを届けてくださるんだ!」「キャーかっこいいー!」「キッドか、なるほど、これぞ神様仏様じゃないか!みんなで拝もう!」「ほんとうね、正義の味方なのね」「それなら年貢が少しぐらい増えても大丈夫そうだ!」

「でもどこの誰かは知らないけれどなんて寂しいわ、キッドさん、お名前は何ておっしゃるのかしら?」

「諸君、知りたいのかね?困ったね、本当は教えちゃいけないことになってるんだが・・ええい、仕方ない、教えよう、でもここだけだよ、絶対に誰にも言っちゃだめだよ」

「もちろんよ!!」

「コイズミ仮面、おっと、ワタクシとしたことが、それは親父だったね、息子のほうなんだ、だからKIDなんだ、コイズミ・キッド!」

「なんと、あの人だったのか!」

「キッドさん、ステキ❤️、ワタシもう総理大臣に投票しちゃうわ」

「あのね、キミは総理は選べないの、議院内閣制だから」

「なんでよ、ケチ、そんなのいいじゃない」

「ケチとはなんだ、この**!」

「悪かったわね、アンタ、じゃあ大声でしゃべっちゃうもんね、ナショナル・キッドはすんじろーだって」

「でも、日本国民にマスクを届けてくれたのも思い出すわね、安っぽくて評判悪かったけど、あれなんていったかしら?」

「アベノマスク」

「そうそう、あれとおんなじにならないかしら?」

「いやいや、そうじゃない、安倍さんは三世、すんじろーは四世、だからこっちが偉いんだ」

「そうか江藤大臣は二世だったな、一世足らんかった、惜しかったな」

チェシャ猫かと思っていたら、いつの間にかうちのシロ先生になっていた。アンタも馬鹿よねえといつも笑われてるので先生になってる。

先生のご宣託が下った。「皆さん、世の中おわかりになってない、野球の新ルールをご存じないのね。ピッチャーはね、打つ方のチームから出すんです。もちろん後ろの野手はぜんぶ相手チームですけどね。味方のバッターに打ちやすいタマ投げてたくさん点を取らせたほうが勝ちなのよ。面白いでしょ?デッドボールでなぐり合いの乱闘なんてもう二度とおきないし人権を尊重して平和なのが人気でね、ベースボールじゃなくってピースボールって呼ぶ人もいます。だからね、わかったでしょ、日本のピッチャーは実はあちら様が決めてるの、キッシーもイッシーもあっちの人なんです」

(一同)「先生、なんと、そんなルールがあったんですか!!!」

「なるほど!キッシー投手はアメリカ戦で火だるまになって30点も献上してるのにヘラヘラしてバカヤローなのになかなか降板しなくって変だと思ってたんだ、俺たちは元のルールのつもりで見てて裏金けしからんだなんて自民球団に怒ってたんだ、辻褄があったぞ、納得だね」

「いえいえ、アメリカだってそうなのよ、で、トランプは気がついちゃったの。だから暗殺あぶなかったのよ、だって剛速球投げちゃうからさ」

「そうか、160キロのピッチャーなんてもう無用の長物なんだ。新ルールだと、ど真ん中に遅くて打ちやすいタマだけ投げれるのがエース」

「そうよ。つまり?」

(一同)「総理は軽くて馬鹿がいい」

「先生、すご~い、ということは、お次は?」

「もっと、もぉ~っと、すごいのがきて、50点ぐらいとられて打つ方のチームにほめられて一旗揚げるわよ。それにはお金がいるの、みんなの年貢は減らないの。あっ、取り巻き連中もいろいろオイシイのはいっしょだよ」

(一同)「ええい、ものども、であえ、であえ、コメじゃコメじゃ、米騒動じゃあ!!!」

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箱根とバーデン=バーデンを結ぶ線

2025 MAY 20 0:00:46 am by 東 賢太郎

10年ぐらい前でしたか、最高顧問をさせていただいた上場企業の取締役会が箱根・宮ノ下温泉の吟遊で行われ、粋でいい会社だなと思ったものです。ところがいざ赴いてみると粋どころではなく、通常の本社会議室より自由な発想で大胆な意見が出た(言えた)せいか議論は白熱。革新派と保守派の対立は並々ならぬものがあったのですが、終わって部屋を出ればそこは温泉宿。会食の場はぎすぎすとならず役員に一体感すら出ていたのです。まあこんなことはオーナー企業しかできないでしょうが。

温泉地で重要会議というと、意外なものがありました。あんまり知られてないのですが、調べてみると面白い。それがなければ太平洋戦争はなかったかもしれない。そんな会議がドイツの温泉保養地バーデン=バーデンで行われていたのです。地図を見ていただくとわかりますが、フランクフルトとミュンヘンに近い。前者にはドイツ銀行が、後者にはシーメンスがあります。何やらきな臭い。

ドイツ:バーデン=バーデン - 旅行のとも、ZenTech

時は第一次世界大戦終結後の大正10年(1921)10月27日。陸軍士官学校16期の同期生で37、8才の親友同士である、歩兵第14連隊大隊長・岡村寧次、スイス公使館付武官・永田鉄山、ロシア大使館付武官・小畑敏四郎が陸軍を改造して長州閥を追い出し、総力戦を挑める体制を築くことを約したのです。これを「バーデン=バーデンの密約」といいます(翌日には1期下の東条英機も加わった)。日露戦争は薩摩である海軍の活躍で勝ち、長州の陸軍には危機感があったが藩閥という権力に甘える幹部は鈍い。この男たちは今流なら第一選抜で部長に昇進しようかというエリート中堅幹部です。藩閥支配をぶっ壊して人材登用し、自分ら薩長外の人間が動かそうと画策した。海軍長老の山本権兵衛内閣を総辞職に追い込んだシーメンス事件がちらつく。

ここからは空想です。バーデン=バーデンは海軍劣勢の好機に陸軍学閥エリートが軍内クーデターをおこし乗っ取る密約だったのではないか。東条総理を出すところまでうまくいった。巡洋戦艦「金剛」発注で英国から賄賂をもらっていたのがバレて叩かれた海軍は反攻の策を練った。そもそも陸軍が範としたドイツを裏切って日本国を第一次大戦で連合国側に着かせた実績もある(焦ったドイツのヴィルヘルム2世が海軍に賄賂を出したのがシーメンス事件だった)。英が米とつるんで劣勢の海軍をそそのかしたのが真珠湾だったのではないか。チャーチルとルーズベルト。手練れの両人なら考えて全然おかしくない(そもそも明治維新がそれだったのです)。戦さ慣れした薩長がやった日清・日露。学閥エリートが仕切った太平洋戦争。戦争屋にはちょろい相手だったと思うのは僕がビジネスマンだからでしょうか。

バーデン=バーデンというとクララ・シューマン、ブラームスが愛した街でフルトヴェングラー、ブーレーズ終焉の地でもありました。ドイツに赴任して、一にも二にも訪問してみたかったのがここで、当時、お気楽に生きていたのでそんなことがあった地とはつゆ知らず、劇場で魔笛を楽しんで、ブラームスハウスがこんな家に住みたいと目に焼きついて後にそういう家を建てました。帝国陸軍軍人にはどう見ても似合わない街だなあと、いまだって思うしかありません。しかし彼らはここに集結した。なぜここだったのだろう。その疑問も解ける気がするんですね。

バーデン=バーデン

彼らが投宿したのはホテル・ステファニーで、その密約から満州事変を引き起こした「一夕会」ができ、「国家総動員法」制定に至った。彼らが長州閥の代わりに陸軍幹部として擁立を謀ったのが真崎甚三郎・荒木貞夫・林銑十郎でした。やがて一夕会は対支戦争を唱える永田を中心とした統制派と、対ソ戦準備論を唱える小畑を中心とした皇道派に分裂し、永田は目の上のたんこぶとなった真崎を軍から追放しようと悪玉説を流布し、それを昭和天皇に上奏して教育総監から罷免することに成功した。これに激怒した皇道派の相沢三郎中佐が1935年8月12日白昼に永田鉄山を軍刀で殺害し、半年後の二・二六事件に至るのです。そして、その翌年の37年には日中戦争が勃発。さらに4年後に日米が開戦した。永田は際立って優秀な男で、もし生きていれば開戦を止められたかもしれないともいわれます。同感です。陸海の内輪もめにつけこむ英米の策謀、もしかして裏で買われていた国賊どもを冷静に見ぬけたのは彼しかいなかったかもしれないと思います。日本海軍はロンドンの銀行にイギリス人名義で秘密口座を持っていた。これは昔の話ではない。今だって十分にあり得るのです。

思えば僕も永田、東条らと同年代の37~42才にドイツ、スイスにおりました。ああ、あのころの俺か、そんな若僧が日本をぶっ壊す戦争を起しちまったのか。その密談が、帝国陸軍などとはまったく縁遠く美しいあのバーデン=バーデンのホテルで夜中1時まで続き、隣室の客からうるさいと言われて切り上げたのか。なんとも生々しいものです。彼らは翌日にフランクフルトに行き、僕が3年勤めたビルの向かいにあった高級ホテル、フランクフルター・ホフに宿泊しています。陸軍士官学校の秀才である彼等、税金留学のエリートであり、日清日露に勝利して舞い上がった山縣有朋を筆頭とする長州閥の爺さんたちが陸軍幹部では第一次世界大戦でバージョンアップした近代戦についていけず国難をまねくと語ったに違いない。それは正しかったけれど、内部闘争の挙句に皇道派の自爆で誤った方向に行き、根拠不明の海軍による日米開戦が勃発、不思議なことに東京裁判ではその海軍はほとんど処刑されず全部は東条と陸軍が悪かったことになった。海軍幹部とキーナン判事らが芸者をあげて飲んでいたという話もある。闇が深い。

我が赴任地だったフランクフルトおよびチューリヒの中途にバーデン=バーデンがあるのも奇縁です。何か霊感でも働いたのでしょうか、他ではそうした衝動はなかったのですがここでは何となくひらめいて油絵2点を買っています。どちらも思い入れがあります。これは皆さんにお見せするというより、子孫に絶対に売るんでねえぞという意味で載せてます。一回目がこれ。

これが二回目。

統制派が権力闘争に勝ったので陸軍は対支戦争、南進にのめりこみ、蔣介石の策謀で思いっきりアメリカを巻き込まれ抜き差しならなくなり、真珠湾、太平洋戦争、敗戦への道を進む。そして軍内政治に勝って総理大臣に登りつめた「バーデン=バーデンの密約」のひとり東条英機はA級戦犯として死刑。 負けて台湾軍司令官に左遷された陸軍大将・真崎もA級戦犯として新橋の第一ホテルで尋問の末に収監されましたが、権力の座になかったことが幸いしたのか真っ先に釈放されました。しかし二・二六事件が成功して総理大臣になっていたらそうはいかなかったろう。人間万事塞翁が馬です。

東京人にとってリゾートというと軽井沢、日光、箱根ということになる。どこも好きであり、最初の二つは帰国してまもないころ幼い息子を連れて歩き回ってます。奥日光の白濁湯の泉質は全く持って捨てがたい。ただ日光は家康、軽井沢はカナダ人宣教師が明治に開いた避暑地でどちらも新興で地政学的な意味はなく、箱根はというと日本書紀にある霊山で富士が近く、源平の合戦があり頼朝が敬い、東海道の交通の要衝で関所が置かれた。土地に「気」がありますね。駅伝の最高点近くにある箱根七湯のひとつ、白濁の芦之湯は奈良時代の記録があり、以来、皇室、文人墨客が宿泊、明治期には木戸孝允と西郷隆盛の会見が行われ、勝海舟・山岡鉄舟・副島種臣が逗留しております。会見は現存する松坂屋という旅館ですが何を話したのか。

今日は5月20日です。欧州では長い冬があけて一気に花が咲き誇り、ドイツでは白アスパラが旬。この時期だけはそれが肉に代わって主食のようになります。国中がぱっと明るくなった感じは日本の桜前線の頃のはなやぎのようで、だからモーツァルトもシューマンもR・シュトラウスも五月(Mai)を歌ったのです。12年そこに浸っていたので日本でもMai感が体に残っており浮き浮きします。箱根の5月はつつじです。

ビジネスの着想はそういう気持ちの時が旬です。良い種があってもその気でないと着床しないからで、半端な決断で手掛けると失敗します。着手を決めた某案件を持ってきてくれた仲間と3月からああだこうだやり「よし、やろう」になった。それがすぐ「やめとく」の朝令暮改で失望させてしまった。たくさんあってどれも重たいものだから整理がつかなくなっていたのです。有難いことで16年目のソナーには優良案件がそこそこ来ます。例えば今、あのウォルト・ディズニー様関連の投資案件を検討中でうれしい限りなのですが、わかったのは、もう僕ひとりの頭で選べなくなってきたということです。

そこで何人もの意見を聞き、某案件は「やっぱりやろう」になった。やるからには全力投球です。そこで週末に箱根に行って気持ちを切り替え、懸案の事柄を議論すべくテスラを飛ばすことになりました。10年前に最高顧問をさせていただいた上場企業の取締役会もかくやというもの。オフサイトでやると自由な発想で大胆な意見が出て、非常に実りの多い会議となりました。

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トランプ関税は国難でもなんでもない

2025 APR 7 23:23:14 pm by 東 賢太郎

バックナンバーを読み返していたらこれを見つけました。アップしたのは岸田政権時代の2023年11月3日です。

公務員を就職先に選んだ東大経済学部生は9人

東大生が減ったのは今やどうでもいいです。問題はここです。

天性の商人だった秀吉は信長の中央集権的重商主義を進めたが、それを貧富の差が出ない地方分権的農本主義に180度転換した家康のスローガンが士農工商である。「士」(武士)が官僚であり、いまも日本人に根強い「官>民」という思想はそれをルーツとしている。

➡ 財務省解体デモはなぜおきたか?当世の東大生はそうした空気を察知しているのではないか

アタリという学者はディープステート(DS)のスポークスマンであり、DSは国家ではなく国家をまたぐから国際金融資本と呼ばれる商人(資本家)である。農本主義の士農工商とは天地真逆であり、両者が融和するはずがない。現在、岸田政権は米国の背後にいるDS(民主党左派)寄りであり中国共産党もDSに親和的であることから自民党保守は分裂的であり、そのどちらにも反駁する真の保守を標榜する新党(注)に出現の余地を与えた。同党は日本で反DS的主張を展開する宿命ゆえ農本主義的に思える。現代の黒船DSを士農工商政策で制圧できるはずがなく、鎖国をめざすわけでもなかろうから本音は不明だ。当世の東大生はそうした空気を察知しているのではないかというのが私見である。

(注)日本保守党のこと。本稿は同党が発足して2週間での執筆であり、その時点で理解できなかったのでこう書いた。鎖国をめざすのかな。

定理〈農本主義の士農工商とは天地真逆であり、両者が融和するはずがない〉

により、

➡ 岸田政権(= 石破政権) = DS  ≈  C国

は成立せず(する場合は金銭、**トラ等による合致以外に考えられない)。

➡    DS  ≠ トランプ政権

よって、

➡   石破政権 ≠ トランプ政権

である。

トランプの関税政策は就任時から公言されており、トランプという政治家は有言実行でなかった例はほとんどないのです(公言も意図もしなかったことを実行したとされた例は枚挙にいとまなし)。したがっていまさら国難でもなんでもないわけです。予見も説得も反論もしていなかったうえに、同盟国なのに仮想敵国のC国と10%しか違わないのが国難以外のなんでもないんですね。こりゃだめだ。

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米国のヘゲモニーの視点ですべてを読み解く

2025 MAR 10 18:18:00 pm by 東 賢太郎

そういえばと思い、バックナンバーを検索するとこれがありました。日韓合同演奏会、今年が60周年で、これが50周年だったんですね(師走だった)。

チョン・ミュンフンの第九と濃かった師走の一日

そして、大晦日にこういうことにしました。

有難うございました、良いお年を(ブログ終了のお知らせ)

フラフラになるほど忙しかったからです。結局3か月お休みして4月に再開しました。それが2016年。そのころ僕のブログの訪問数は一日4~500、いまは3~4000です。ちょうど大統領選の年でした。トランプが勝つとはまったく思ってませんでしたが応援はしており、当時、政治関連はSMCでなくソナー・アドバイザーズHPにブログを設けてそっちにたしか4~50本書きました(HPのポリシーで消してしまったようですが)。トランプに好感を持った理由は、あくまで直感ですが、ビジネスマンだから僕には見ていて分かりやすく、裏はあってもこの程度かと思えばそんなに悪党じゃないなと安心感を持ったことです。だから2000年のあのあからさまなインチキ選挙をまのあたりにして、大噓つきの奴らが裏でせこせこ悪事を働いてる、そう確信してブログを書きました。選挙権のない米の内政ですが、単純に僕はそういうセコい奴が大嫌いなんです。バイデン側は今回の大敗で恥ずかしいボロが全部あばかれるでしょうし、現に、彼は当選後の大統領令への署名もオートサインだった(最後の最後に、立候補しない、という署名だけは真筆でさせられた)という暴露が出ています。それでもまだ負けを認めたくない連中がトランプを貶める印象操作を裏で表でやってる。政治の主義主張が違うのは大いに結構ですが、そういう姑息な手口がネット社会では見事にばればれなんです。それを延々とやってる方々、地位も名誉もあろうというものが金のためとはいえそこまで身を売って品格を下げてしまう景色は気の毒ですらあります。

トランプは戦略頭脳が抜群に良いと思います。あの年齢にして記憶力も落ちてない。それなしに不動産業で1兆円も儲けられるわけないでしょう?これを馬鹿という人々は自分にそういう脳がついてないのを公開してるわけです。米国のアキレス腱は通貨主権です。これを取られたら玉座から落ちる。決済通貨ということですがそれは表の話で、通貨主権国だけが紙切れをいくらでも印刷でき信用が棄損しないという錬金術を使えるのです。だから金本位制をやめてじゃぶじゃぶカネを刷っても紙切れとはバレない方式、つまり、軍事、財力、智力、科学技術で包括的に威圧して価値があると弱者に信用させられる状態(ヘゲモニー、hegemony)により帳尻を合わせて世界を支配する構造を米が確立し、対抗馬のソ連を潰しました。同じく戦略頭脳に長けたプーチンはその失敗原因を知ってます。米はそれを民主主義の勝利と謳ってますが、相手が共産主義国だっただけで民主主義が万能の証明にはなってません。現に今の米は民主主義的にDS(Deep State)に乗っ取られ共産主義的に破壊されつつあります。

彼等は大金持ちの超国家利益共同体であり、米のヘゲモニーに利用価値を見出した「虎の威を借りた狐」です。世界の政治権力者とメディア幹部を裏口買収して偽装に加担させ、為すことすべてを虎に見せかけ工作してきた。世界は「米」と思っているので動くわけです。それを指摘した者たちを「陰謀論者」と切り捨てるメディア工作もそれなりに奏功してきましたが、加速度的、不可逆的に増加するSNS閲覧者たちはその工作者こそが陰謀論者であったことを見抜きつつあります。そして最大の誤算は、絶対に買収できない大金持ちが本丸に登場したことです。それがトランプです。彼がスマートな人物であることは買収不可能な世界一の大金持ち、イーロン・マスクを右腕に起用したことでわかります。だから焦り、暗殺まで企てたが失敗した。買収されてる世界のメディアは絶対にそう報道しませんが、おおよその背景はSNS閲覧者たちの間ではもはや共有知で、否定すれば自白になるほどメディアの立ち位置と魂胆は見ぬかれています。だから報道しない。そういう自由があるのではなく、ご主人様に都合の悪いことは、アンタッチャブルなのです。

誤解なきよう明記しておきますが、超国家利益共同体だろうが一般国民の生存権を脅かさず共生してくれれば、税金はたくさん払ってるわけですから何の問題もありません。金持ちになりたいことが悪ではない。それが資本主義、自由主義であって、僕はそれを信奉して生きてきましたし、いまや、世界の(元共産国を含む)、ほんの数国を除くすべての国家が、汚職はしてもあからさまにそれを否定はしません。そうではなく、そこまで財を成した人間というものがさらに共同して追求したい「利益」とは何かがわからない、僕には想像できない無気味さがある、そういうことなのです。トランプ、マスクだって超国家利益共同体のメンバーになるだけの資産を持ち、その一員として何の問題もなく米を支配することができるはずです。その方が楽な人生かもしれない。しかし二人はそうせず、敵対する道を選んだ。暗殺リスクを冒してまで。この決意は尋常なものではないと思うのです。だから愚人、狂人なのだと見る方も多いでしょうが、僕は人間として支持したい。それだけです。何度も書きましたが、僕は米国人でもなく、経済的には超国家利益共同体の末端にいた方が有利なキャリアを来てしまいました。心の奥底の蹉跌がこれを書かせている気がします。

DSが世界のメディアの完全支配に成功したのがバイデンの4年間でした。その手口、すなわち、USAIDを隠れ蓑にして錬金術で刷りまくった金を自在にばらまく物証をイーロンのIT技術者が差し押さえました。ミサイルやドローンが飛び交っている(と見える)ウ国の戦地で、なぜかCNNの記者が流れ弾を恐れることもなく平然とライブレポートし、CGも交えていると思われる画像が世界中に放映されてロシア悪玉の国際世論を作りあげてきた。そして今なおトランプ政権がやることなすことに対し、メディアに It is extremely dangerous for democracy(それは民主主義にとって非常に危険だ)と、米を買収していなければ吐けない言葉を呪文のように唱えさせ、新聞はセ~ノで異口同音のコピペみたいな記事を出す。こういうのを共産主義のプロパガンダというんです。裏口買収以外の方法でこんな離れ業がどうやったら物理的に実現できるか、皆さんご自分でじっくりお考え下さい。

中国はその地位を狙って地下資源のあるアフリカ、南米まで資金漬けにし、米はそれをつぶす。日本は最強通貨だった円でそれをさせないためにプライマリーバランスのくびきで30年縛って弱体化したのです。どこかに書いてしまったと思いますが、僕は野村香港社長だった98年ごろ財務省某高官の訪問を受け、ユーロドルを範とするアジア円構想の意見を求められたことがあります。まだそういう時代でした。難しいと思うと市場の現実に即したお答えをし、後にサマーズに潰されたと聞きました。米が基軸通貨性を脅かすそれを認めるはずがない、そういう位置づけのものだとは当時は知りませんでしたが、構想自体は意気軒高と思い、そういう財務官僚がおられたことには感銘を覚えたものです。基軸通貨である戦いの雌雄を決する巨額で持続的な決済。これを要するのはオイルなんです、だからアラブの胴元サウジを中国に渡すわけにいかない。もし米・露・サウジで組めば世界のオイル、化石燃料は3国で押えられ、価格決定権を握って儲けつつ世界経済を支配でき、決済通貨のドルは安泰で人民元を潰せ、武器でなくカネと平和でイスラエルvsパレスチナ、ウvs露を調停すれば米のヘゲモニーは守られ彼はノーベル賞です。トランプが露・ウの高官会議をサウジでやるのはそれがシナリオだからです。それもこれも錬金術あってのことなんです。暗号資産を国富に組入れるのはブロックチェーンによる信用創造が潰せない敵と悟った、だから取りこんでしまおうという逆転の発想です。米国民はそんなことは知りませんが、バイデンに乗っても戦争屋とウォール街が儲けるだけ、それよりトランプに乗った方が少なくとも自分たちは幸せになる、多数がそう思ったからトランプは勝ったのです。

では日本はどうなるか。DSの番頭バイデンの忠犬を演じて日米同盟を守ったことになってる岸田総理のあと、石破総理だろうが次の人だろうが、日本がキャッシュディスペンサーである美味しい現状をトランプに変えてもらう期待はないでしょう。尖閣は安保第5条では守れません(本気で核で脅されれば議会は参戦を否決します)。ウ国のNATO編入を露が戦争してでも拒むのは防衛義務の双務性ゆえです。日米安保条約の片務性にいちゃもんをつけたトランプに対し、反共防波堤の前線基地確保のために米が作ったものだという反論をしたところで、因果はどうあれ現状のフリーライドは看過できないとそれをネタに防衛費5%を吹っかけられるのが落ちではないでしょうか。それなら逆手にとって、基地撤収してもらって構わないので核保有を認めてくれと交渉すべきではないでしょうか。憲法改正と自衛隊の増強は必要ですが長い目で見ればその方が日本は安全な専守防衛ができ無駄な防衛費を抑えられ、ものが言える本来の国家状態に復帰できる可能性があります。ここから10年、トランプ以上にそれを飲んで議会を説得できそうな大統領が現われる期待値はほぼゼロです。懐柔、腹芸をまじえてそれを仕掛けられる傑物が総理にならなくてはいけませんね。相手はビジネスマンです。できそうな胆力、交渉力がある人は自民党にはいないかもしれません、政党より個人の資質だから野党だ新党だと言ってる場合じゃないですね。

1,2年ほど前に国内政治については散々好き勝手に書きました。それもこれもトランプ政権になるという前提での話で、そうなりましたからもうつけ加えることはありません。自民という党は不人気で支持が減っているのではありません、書いたように時代の流れからもはやオワコンなのです。右左だ保守だ革新だなんてものは元から戦後日本に真面目なテーゼとしてはなく、総理は米の高額請求書を国会で通すのがお役目だから国民ウケが良ければどっちでも誰でも構わない、その都合がいいように55年に米によって読売新聞などと共に作られた政党であって、いまや、どうやらシンジロー社長じゃコクミンは騙せんようだねってことになってる。だから切れ者の財務担当役員である財務省は重用なんです、これも米のヘゲモニーの一角という視点で見れば当然で、これだけ頭脳明晰な官僚たちが安月給で毎日夜中まで働いてくれる国など世界のどこにもないからです。

問題は何かというと、官僚もいち社会人ですからね、より良いポジションと報酬を求めるのは当然です。米は能力ある者には桁外れの大金をくれるんです。NPBとMLBが良い例です、大谷翔平も佐々木朗希もファンが泣き叫ぼうが米に行ってしまいましたね。金だけが人生じゃないなんて万人が言ってるふりをしないといけないのは世界で日本だけです。野球選手も官僚も選挙で選ばれてないんです、だから愛国心やら国民の負託なんて押し付けても仕方ないしそういう時代じゃない。日本は平和で世界一素晴らしい国ですが、そのコストとして、実力がある若者にとって悪平等でもあるんです。何のために厳しい受験勉強で勝ち抜いたんだと疑念をもってしまい、官僚になれるのに外資系のコンサルや金融に行く人が増えてるわけです。だから官僚の道に進めば、上司が馬鹿なら省益のために遠慮なくつけこむのはこれまた人間界では世界の常識なのであって、彼らに非があるわけではなく、情けなく官僚の軍門に下って使われちまう国会議員たちが情けないという事なんです。彼らは選挙で選ばれてますからね、泣き叫ぶ国民を無視して米になびくなんてことは許されない。そこが最大のポイントなんです。米では選挙で選ばれてない官僚が国をめちゃくちゃにしてるのは許し難いという国民国家にとって実にまともな大統領が登場した。日本では神輿に乗ってりゃどんな馬鹿でもオッケーという優秀な官僚制に巣食うだけのビジネス議員が閣僚になって利権をほしいままにし、世襲し、官僚は官僚で別の生態系を作ってしまい、それこそDSのスローガンである「民主主義にとって非常に危険だ」という事態になっています。そんな議員を政治に無関心な国民がスルーして選挙に当選させている、これがおかしいんです。あちこちで水道管が金属疲労で破裂してますが、立法も行政も同じことが起きてます。もう高齢者である僕の世代が発することのできる警鐘はそれだけです。これからこの国で何十年も生きていく若者が選挙に行かなければ、誰も救ってくれるものはありません。

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2月26日に天道の頂を観る

2025 FEB 26 19:19:07 pm by 東 賢太郎

人間は胃なら胃の、肝臓なら肝臓のと、臓器ごとに特定の周波数帯の極めて微弱な電流を発してます。これを知ったのは畏友である森嶌淳友医師の「表参道ウェルネス統合医療クリニック」が施術に使うバイオレゾナンスというドイツの振動医学機器にそれを感知する精度があり、周波数の異常値(平常レンジからの逸脱)で臓器ごとの変調を発見できるメカニズムを体験したからです。

ということは人間はからだ全体としても微電流を発しており、皆さんは固有の周波数をお持ちです。ちなみに音は空気振動の周波数で決まります。二つの音を鳴らしてみると周波数比が1:2ならオクターブ、2:3なら完全五度で調和し、共振(干渉)して振れ幅を増幅します。これが人の相性の良さの正体で、「気が合う」というのは両人の発している周波数比が調和的であることと考えられます。

なぜなら、「気が合う」は「肌が合う」「息が合う」とも言い、言語を媒介せぬことを示唆します。「うまが合う」は馬と騎手の関係だから言葉はありえず非言語的な交信で相性を決めていることを示唆します。「ツーカー」はツーの波動が相手に響いてカーと共振させた描写です。つまり、動物も人間も波動のやりとりをし、その周波数の調和性で合うあわない(相性)を決めていると思われます。

では波として伝わってくる物質は何か。相手の姿かたちは光です。は波(電磁波)と粒子(光子)の両方の性質をもちますが暗闇で殺気を感じたり物質でない霊を見たりする人もいますので脳の神経細胞が刺激を受けると発する波のような電気信号(脳波)かもしれません。いずれにせよ「波」であり、「波が合う」とは周波数比が調和的であることです(時間軸での1/fゆらぎなど含む)。

そう仮定すると、予想外のアプリケーションが導かれます。たとえば、結婚相手の選び方です。ずっと一緒にいるわけだから耳障りな短2度(C/C#)やトライトーン(C/F#)など周波数比が不協和だと、一時の好いた惚れたで愛を誓ってもやがて耐えられなくなります(物理現象ゆえ・・)。だから「一緒にいたい」だけでなく「一緒にいても嫌じゃない」も大事なバロメーターと思います。

宇宙にも周波数があります。神山先生曰く「気」は宇宙に発しています。生まれた時の星の配置が人生を決め、それがその人の気を決めます。古代中国は還暦を干支(10)と十二支(12)の最小公倍数で60年としましたが、影響の大きい外惑星である木星が約12年、土星が約30年で太陽を公転し、生まれた年の位置に帰還するのが60年です。天に同じ周波数が観測でき、還暦は物理にかなっています

もう一つのアプリケーションは、ツキ(運)は宇宙と自分の周波数の比で流動することです。僕は去年の後半に原因不明のパニック恐怖に見舞われて覇気が落ちていましたが、何の治療も薬もなく年初にあっけなく晴れました。去年の天文現象を調べると6月に月、水星、火星、木星、土星、天王星、海王星が東の空に大集合という特異現象があり、混合した周波数と不協和になったかもしれません。

その真偽は観測なしに証明できませんが、天文現象ゆえ影響がないとはいえず、おまじないでなく物理であるゆえに信じられました。その信奉が自分の中の気の流れを変え、乱していたものが解け、自然状態に復帰したと感じます。去年は閉所パニックが怖くてもう飛行機は二度と乗れまいと断念し、更に落ち込んでいましたが、いまその絶望感は嘘のように雲散霧消して幸福感が戻っています。

幸運・不運はサイコロの奇数・偶数と同様ランダムに人間の前に現れますが、人は幸運は積極的に得ようとします。だから覚醒した人間の方がしてない人間より幸運を得る確率は高くなる形で運は物質世界に具現します。天の周波数と不協和だった僕は覚醒できず、運を取り逃がしてますます覇気が落ちていました。そのシグナルとしてパニック恐怖がウォーニングとして現れていたと考えます。

偶発事象ですが、今年に入って我が物質世界も好転し、投資案件の株価が12月から3倍になって精神世界の好転を増幅しています。ランダムにしか期待できる事ではありませんが、古来よりあまねくこうした吉凶の大波が人間界の悲喜こもごもとして多々あったのでしょう、中国古典はそれを『糾える縄の如し』と形容し、それは物理現象で再現性が高いため永く語り継がれてきたと考えます。

以上より、自分の周波数も宇宙のそれもコントロールする術を人間は持っていませんから精神世界も物質世界も(つまり人生の全般を)天にゆだねるしかないという結論が導かれます。今日は2月26日ですが、物理という別の登山道を経由して同じ天道の頂きに到着したようです。

日本民族の宗教観はスピノザ的である

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ビジネス界でリッチを目指す若者に告ぐ

2025 FEB 17 10:10:42 am by 東 賢太郎

USAID問題が日本で報道されない事は、世界の現象の1つとして捉えれば良い。しない側にしない理由がある、それだけのことである。それではなんだかわからないだろうが、”リッチ”と”ピープル” のデバイドは地球レベルの問題であり、日本の話でもアメリカの話でもないというところから話を始める。アメリカのリッチが野球の開幕戦を日本でやろうと言えばチケット代はセカンダリーマーケットで300万円になってしまい、それならロスに行って観ようとなるのが筋だが、そんな大間の初マグロみたいなのを買えるのがリッチなのだ。そういうことを目の当たりにすれば誰でもそっち側になりたいと思う、これは人間のサガだろうし恥ずかしいことでも何でもない。人間金だけじゃないよ、そうだよねという会話があまねく成り立つのは世界で日本だけだ。それはそれで文化だと思うが、傷のなめあいをしていると間違いなくリッチの仲間にはなれないし、国ごとピープルになっていくだろう。

証券マンとして人生を送ってきた僕はいまアメリカ、中国、韓国、オーストラリアのリッチとパートナーになっているが、彼らは例外なく民間人だ。僕は政治家とは付き合わない。彼らの個人資産を全部たせば兆円単位だ。そういう方々も国家や政治に関わろうなどという気はさらさらない。彼らにとって米中対立など政治の事情は、それはあくまで政治家のマターであって、ビジネスや株価に関わることでなければ明日のお天気ほどのものだ。大事なアメリカの友人、中国の友人がそうなのだから僕もどうでもいい。しかし政治家はリッチにもピープルにも選ばれているのだから立場が難しい。リッチではないがリッチになりたい者が政治をやると動機が私利私欲だから国益と合致しない。地位にしがみついたり、利権に走ったり、ファミリービジネスにしてしまったり、国益にならない法案を作ってしまったりと歪みが露呈する。それがピープルを利する側に出るならまだしも、自分もリッチになりたいのだからリッチになびくのが常だ。それが発覚してピープルにネットでたたかれて汚名をきせられた挙句に落選してしまったりする。こんなにリスクリターンが悪いと有為な若者が立候補しなくなると思い、僕は政策は理解できなかったが都知事選は石丸氏に投票した。

アメリカのピープルが幸運だったのは、スーパーリッチであるトランプとマスクがいたことだ。彼らぐらいになってしまうと資産を増やす動機がまだあるとすれば地球を買うぐらいだ。それが人生のゴールでないと思うから政治をやるのではないか。実は俗物であって名誉が欲しいだけかもしれないし、米国を正したい根っからの正義漢であるのかもしれないが、どっちであろうが、いつ暗殺されるか知れぬ行動をとって命をかけているのは絶対の真実だ。何であれそういう人は心から賞賛したい。過去のブログをご検索いただければわかるが、僕は2016年の選挙からずっとそう思ってトランプ押しで一貫してきた。政策は疑問もあったが、なにより人間が汚れてないと直感したからだ。しかし誤ってはいけない、リッチになった人があえて自分もピープルになろうというケースは古今東西見たことがないし、すれば失脚するだけだから何の意味もない。金持ちへの怨嗟や清貧の美学で世界は動いていない。トランプもマスクもやっぱりリッチであり、やめてもリッチであり続けるのだ。

僕はそこまでカネも才覚もないし政治信条の右左はもとよりまったく関心がない。日本にはアメリカ・中国のようなリッチはいないから現実感を欠き、いまだに右だ左だエセ保守だなんだと騒いでいるが、世界はもはやそんなもので動いておらず、リッチとピープルに明確に分断しつつあるのである。世界の左傾化というではないかという声があがりそうだが、高学歴がリッチになりやすいのはどの国でも一緒で、なればカネの結びつきだから既述のように米中の政治的対立など飛び越えて平然とパートナーになれる。するとビジネスマンというものは国家や文化に固執するピープルとああだこうだやるよりも、抽象概念を語る左の連中の方が相手として便利だ。左傾化はその現象を俯瞰したビジョンに過ぎずイデオロギーとしての重みはないからビジネスマンがみな共産党員になるわけではなく、言い方を変えるなら、それがグローバリズムの根っこというぐらいのものである。しかしこの認識が日本で浸透しないのは不思議なものだ。文化的な理由が大きいが、学校が教えないから変わりもしない。文科省の役人にも大学の先生にもリッチはあまりいないだろうから知らないことは教えようもないのだ。僕の父親はピープルだったからそういうことは知らなかった。東大に入れと口酸っぱく言ったがそれは国に貢献する人間になれという意味だ。しかし、リッチ出身の母親はそうした思想にまるで興味なく、結局、僕は理を鋭く説いてくれた父よりも家庭で長い時間を共にした母親側についてしまい、税金を人の何倍か払うことで父との帳尻を合わせる人生となった。

運よく東大には入ったが、入ってみると、どうもそれとこれとはあまり関係がないのではないかと思いが強くなった。深く考えたわけではないが、国の貢献には実力も関心もないのだから官僚になろうという気はなく、ビジネス志向オンリーで証券マンになった。しかも海外赴任だ。否応なく欧米チャイナのとんでもないリッチを見てしまって根底から世界観が変わった。それが何かときかれても、こればかりはどう言葉を書き連ねても日本で理解していただくのは無理と思う。ということは東大の先生も知らないし教えてもいないし、官僚を養成する学校に入る必要もなかったから申しわけない気持ちもある。なぜリッチだけのビジネスワールドで生きてこられたかというと、野球で鍛えた体力と、受験で鍛えたメンタルと、なにより僕がこういう種の人間だったからである。どういう種かを説明するのはこれも簡単でない。家族はわかっているが、それ以外で知るのはブログをずっと読んでくださっている方だけだ。

東大という学校は、入った人しかわからないが、入るのがものすごく大変である。頭がいいのどうの以前に、もっと即物的に、とにかく合格最低限のとてつもない物量の学習なしで合格することはまずあり得ない。だからあの入試を通ったという、ただそれだけで、自分のことはともかくその人の努力に敬意を覚えざるを得ない、そのぐらいの物量とお考えいただければいい。教室で机を並べるとこんなに頭の良い奴が世の中にはいるのかという人ばかりだが、もともと塾に行くような子でなく授業で学ぶ習慣もなく、彼らほど頭もよくない。どうも手合い、毛色が違うなと思った。そこで勉強は丸々すっぽかして2度の夏休みをアメリカで遊興に費やすことにした。社会に出てからも、勉強が仕事に変わっただけで、やはり遊興に多大な時間を割いた。するとだんだんわかってきた。ボンボンでなく一代でのしあがったリッチはそういうタイプが多い。一点集中だがガリ勉ではなく、むしろオタクなのだ。僕もまさしく骨の髄までオタクであり、ジャンルは異なれどその気質が合えば長続きするビジネスリレーションがたくさんできて今に至る。ヨイショの愛想笑いやおべんちゃらが上手いとか、そんな下衆なものとは程遠い人間であるから根本的に証券会社では生きづらかった。それでも株式投資という奥深い世界にはまってしまったオタクである僕となると、ある意味で無敵でもあった。

GAFAの入社試験問題がネットにあるが、彼らは日本の入試のように答えが1つしかない問題に満点を取る秀才を求めていない。なぜなら答えが1つしかない問題は誰でも解けるから1円の利益も生まず、AIに解いてもらえばもっと速くて正確で安上がりな時代なのだからあまりに当然ではないか。答えが1つしかない問題に最もたけた人たちが東大に集まるのだが、本当にこれからそれで良いのだろうか。それは単なる学習というより人格・思考回路の形成プロセスの是非の問題だから20代になってしまうと遅いような気がする。僕は10代に野球ばかりやっていて、たいして速くもない球でどうやってバッターを打ち取るかに夢でうなされるほど没入していた。もちろん絶対の答えなどないからGAFAの試験問題を日夜解いていたみたいなもので、学校で習った何よりも人格形成に影響していることは間違いない。何でもいいからそういう場に追い込まれて悩む10代を送る事は後の人生に非常に有益と思う。一代でリッチになった人は、とにかく人と同じことをやってぬくぬく生きてそうなることはないのであって、何かしら10代で壁に当たって切り抜けた経験があるのではないか。秀才でいつも導き出した答えが正解で、世の中こんな調子でうまくいくと思いこんでる人はこれからの世界では思うほどは良い人生にならないだろう。

秀才の多くは役所に行き一部は政治家になり権力を手中にする。といってそれだけでリッチになるわけでなく、俺はあんなに勉強したのにこんなはずはないと思う人は機会損失を補おうとするだろう。それが天下りだったが今は国民の目が厳しい。これは日本だけでなく先進国の官僚は五十歩百歩で特に米国は大統領がかわると上の方はジョブセキュリティもないから金に執着するのは無理もない。そして権力者にとって優秀な官僚のヘルプは必須である。魚心に水心でUSAIDに目をつける。非常にわかりやすい。権力者もビジネスオーナーも動く金額が大きいほど実入りが良いのである。ビジネスは自力でゼロから生むものだからとやかく言われる筋合いはないが五輪、万博はどうか。まして形の見えない**理解増進セミナー等になれば経費の計算根拠すらわからない。メディアに報道で応援してくれとなるとそれなりの理由がいるが「アメリカさんご推奨でダボス会議で世界にぶち上げているポリコレだ」なら偏向報道ではなかろう、なんたって我が国は同盟国であり理解増進法もそのおすすめで国会が制定したんだからとなる。何故にわけわからん「増進」なのか、そこに理由があったとすれば気持ちよく腑に落ちるのである。

書いたような理由があるから僕は石破総理の親中はけしからんとかトランプ会談が成功だ失敗だなどの騒動にはまるで関心がない。実に無様で日本男児として恥ずかしかった前任者より評価しているし、初仕事は大変だろうと思うし、総理に希少なオタクなのは期待すらある。既述のように僕にとってはアメリカも中国も等しくビジネスの大事なパートナーであってそれ以外に何もない。このネットワークから2020年半ばにもらった電話のおかげで、僕と家族は例のお注射の予約を全面的にキャンセルして一度も打っていない。米中を舞台とするこの秘密はトランプが保健福祉省のトップに任命したロバート・F・ケネディ・ジュニアが近々にあばきだすだろう。両国に戦争だけはしてほしくない、願うのはそれだけで、仲が良くなろうが悪くなろうがどうにもならないものをがたがた言っても疲れるだけだ。つまりお天気とおんなじで晴れなら晴れで気持ち良いし雨なら雨で傘を持って出るだけである。僕は納税者であって国にも他の納税者にも責任を負ってない。日本人、日本国民としてどうなんだという気持ちはあるが、応援だけでカネは出さないよりもカネだけは出す方がましと思う。

受験シーズンだから何かの役に立とうと思って本稿を書いたが、立身出世してリッチになりたい若者は大変結構である。米中でそうでない者など見たこともないし、彼らとこれから競争していかないといけないのだから健全なモチベーション以外の何物でもなく全面的に応援したい。しかし、その理由で東大を目指すなら考えたほうがいい。そんな教育は官僚養成学校はしないしできないし、スタートアップを目指すなら東大である必要はない。官僚、政治家を目指すなら依然有利だろうが、リッチを目指すには手っ取り早い場所であるビジネス界で、売れるものは自分という個体だけであり、恐らく政治家になってもネットで丸裸になるこれからはそれだけだ。企業にとってあなたの価値は今やIQでも知識でもなく、「あなたは何ができますか?」の問いに即座に明確に満足に答える中身しかない。それがない人が東大卒の看板だけ背負っても、はっきりいうが何も起きない。当然リッチにもならない。ピアニストやアスリートを考えればいい。つまり、総合職になればそこそこの役職までは行けて生涯年収2億ぐらいというサラリーマンというもの、そんな英語は概念としてないように日本固有の雇用モデルは非正規によってではなく、これからは本丸から瓦解していくだろう。かつては日の丸を背負っていたシャープ、東芝、日産を見ればわかるように、親方日の丸的な雇用先はいずれ文字どおり役所しかなくなる。しかし役所や士業の仕事はどんどんAGIに食われる。この流れは経済原理に則りunstoppableである。ではどうすればいいか?個を磨くしかない。その方法は僕が10年ぐらい前のブログで具体的に書いており何ひとつ変わってない。

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サファリパーク殺人事件

2025 FEB 15 8:08:53 am by 東 賢太郎

サファリパークとは広大な放飼場に大型動物や猛獣を放し飼いにし、バスや乗用車を使って車中から動物を観覧する動物園のことをいう。多様な種がいるが、面積がとても大きいので動物は自分たちが飼われていることに気づいておらず、自然のままの生活を見せてくれるのが楽しい。

Aサファリにはライオン、トラ、ゾウ、サイ、キリン、ハイエナ、二ホンザル、チンパンジー、ヒヒ、キツネ、タヌキ、ワニ、カバ、コアラ、パンダ、シマウマ、インパラ、カンガルー、ダチョウなどがいる。

ハイエナ

頂点に君臨するのはもちろんライオンだ。次いで強いのが、ちょっと意外だが体は大きくないハイエナである。いつも集団で狩を行い、囲まれるとライオンも逃げる。強力な頭骨と顎をもち組織力も知恵もあり、せっかく捕えた獲物を集団で横取りするタフな連中だ。だからだろう、普段は狩りは雌まかせの雄ライオンが、エサを争ってもいないのに歩いているハイエナを突然に襲ってかみ殺す。1対1ではひとたまりもない。邪魔者は消すのだ。

ところがAサファリで驚くべき異変がおきた。地球は猛暑つづきである。支配者であるライオンはすっかり怠けものになってしまい、獲物を追いかけてエネルギーを消耗するよりもハイエナが狩った獲物を横取りする事件が増えてきたのだ。これはまずい。知恵者のハイエナが考えた。よし、それならそれで逆手にとってやろうじゃないか。ためしに彼は獲物の肉片をちぎってそーっとライオンの目の前に置いてみた。するとそいつはノドをゴロゴロ鳴らし「おぬし愛い奴よのう」と喜んだのである。しめしめ、こんなのお安い御用だぜ、この方式を仲間でやりまくってやろう。

作戦は当たった。ライオンだけではない。ベンガルトラ、ヒョウ、チータ、ピューマ、ヒグマ、ホッキョクグマなど強敵の肉食獣はみな、狩った獲物の一部だけを裏でこっそり返してやる「キックバック作戦」で「おぬしもワルよのう」とゴロンゴロンになってしまった。やったぞ、これで俺たちは事実上の支配者になれる。やりたい放題のハイエナは仲間と子孫を増やし、パーク内の獲物の大半を食ってしまうようになり、そこいらじゅうがハイエナだらけになってしまった。

「おい、なんだこれは、ハイエナパークじゃないか、金返せ!」。

客の声が響き、経営不振で落ち目となった経営陣は取締役会を開き、せっかく育った草食動物がパークの売上に寄与していないことが借金激増の原因と悟ったのである。全会一致で「強いライオンが必要だ」との結論に達した。メーク・Aサファリ・グレート・アゲイン!そこで圧倒的多数の支持で選ばれたのが二匹のオス、やや高齢だが狩の名手で百獣の王の誉れ高いトランポと、頭が切れて行動力抜群で雌にもてる若武者ウーロンである。腐敗したボケライオンどもと悪事を働いて私腹を肥やすハイエナどもを蹴散らし、サファリの生態系をあっという間に元に戻してくれるだろう。誰もがそう期待した。

しかし何もおきなかった。あれ?こいつらもひょっとして肉もらって買収されちゃったのか?いやいや、余計なお世話だった。意図的にハイエナを油断させていたのである。一週間たったその日、買収用の肉をせっせと作るハイエナ部隊をセ~ノでいきなり襲い、一気にぜんぶかみ殺してしまったのだ。サファリに大激震が走る。さらに驚くべきことに、Aのハイエナは隣村のBサファリにまで侵入し、そっちのライオンにまで肉をばらまいて手なずけていた事実が次々と発覚する。隣り村の係のハイエナは届けた肉の一部を裏でBから返してもらい私腹を肥やしてたのだ。ウーロンは不届き者のリストをBサファリパークの経営者に渡した。

ところがリストに載ってるのにBのライオンは一斉に否定する。Bサファリはなんと経営者まで肉をもらって食っていたのである。こんなのがバレたら大事件になるぞ、次の選挙はぼろぼろだ。「言ってはいけないムード」でサファリごと「ヤバイ」と固まってしまったのである。「はい、たしかにAからハイエナは来ました。でも肉はもらってません」。なぜ大事件になるかというとサファリパーク事業にはれっきとした法律がある。大きな事件や問題は貼紙しないといけないのだ。しかも「公平である」といえなければ第四条第二号の、「事実をまげていない」といえなければ第三号に違反だ。「実はもらってました」となればもちろん、個人で肉をもらってる腐臭漂う専門家を雇って貼紙を書かせてるサファリ、不利なことは握りつぶして貼紙にすらしないサファリはお取り潰しもありだ。しかし、Bサファリはそうなっても構わない、肥やせるうちに私腹を肥やそうと全力を尽くす経営者、ライオンしかいなくなっていたのである。

「一言一句、異口同音」。これが2022年7月8日の全貼紙に出現したUFOもびっくりの “超常現象” であり、 “ニッポンサファリパーク” 開場の号砲でもあった。Bサファリは買収されたのである。それ以来、内部では新経営者による「造り物の画像」ばかりが流され、貼紙は読めないが動画ならわかる動物たちは大いに喜んだ。毎日ぼーっと見てる草食動物の脳に刷りこもうと飼料業者はCMを打つが、問題をおこしたFというサファリでCM停止がおき、業者に自社製品の売上がどれだけ落ちたかを検証する貴重なデータを提供してしまった。落ちていなければCMは不要であり、不要な経費を計上すれば株主総会で糾弾され担当役員はクビの動議が出るからだ。

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生きてるのが恥の大失敗が生んだ “それ”

2025 FEB 4 1:01:41 am by 東 賢太郎

60才の還暦は十二支が一周する天文現象だと思っていました。それでも思うところはあって、50代の最後にと一人で屋久島に行って千年杉に挨拶してきました。古希ぐらいになるともうわけわかんなくて、それが70才なの?それ俺のことかなという程度です。こんな古くなるほど生きるのは希(まれ)って意味ですが10キロ走れるうちは死ぬわけないだろと思ってます。土曜は従妹夫妻が自宅で手料理で祝ってくれました。料理は前菜からプロ級でメインは好物の牛ホホ肉の赤ワイン煮込み。二日前から煮てムートン78年を合わせてくれ深謝しかありません。

先日は近くのファミレスで子供3人と食事しました。4人でというのは久しぶりでワインが回り、いきおい各自の出産の時の話になります。「隣の病室にいたんでしょ?」「とんでもない、ちゃんと立ち会ってたんだよ」「ええっ、ホント !!」。こっちがびっくりです。妻はそれどころじゃなかったんですからね、お父さんのことだからそうよって語られてた。すると「じゃあ3人の名前はどうやってつけたの?」ときます。これも言ってなかったのかとびっくりで、正確に伝えました。すっきりして帰宅すると猫もお祝いのお出迎えです。つれていってピアノを弾いたまでは覚えてますが、階段の途中で酔っぱらって寝てしまってひと騒動だったようで油断はなりませんね。

子供たちに言ったのはこういうことです。人生の長いレースで誰しも壁に当たって「もがく」時があるね。そこで懸命にもがくと、火事場の馬鹿力で知らない能力が出てくるよ。俺は人生で3回、目の前が真っ暗になるどころか生きてるのが恥ずかしいぐらいの大失敗をやらかした。そこまでドツボにはまっちまうと必死だからね、全身全霊でリカバリーしようと毎日もがきまくるでしょ。すると不思議なもので、なんだ俺はこんな力があったのかとなってリカバーしてしまった。それどころかおつりがあった。 “それ” は必死に掘り出したものだから筋金入りの力なんだね、そのパワーのお陰様で今の今まで食えてしまったようなもんだよ。

すいすいっと楽に来てたり、ちょっとした壁にあたったぐらいならそれは埋もれたまんまだね。おそらく今頃は細々と人生終わって隠居してたな。ちなみにこれは十代の頃を知る人を探してきいてもらえば全員が間違いないってうなずいてくれるよ、だってそのころはこんなじゃなくって、誰がどう見ても全然たいしたことない弱っちい奴だったからさ。だけど、大丈夫って自信があった。信じるのは自由だからね。一生モノである “それ” が大失敗の「もがき」で自分の中から出てきたんだ。いままでできたこと、いまできることで計っちゃいけないよ。

そんな感じです。その人生の結末としてブログを書き残そうとしてます。昨今は新メディアとなったyoutubeやニコ生で発信する個人が増えてますが、皆さんそれぞれの強みである専門分野でのご発信なのは当然でしょう。ということは僕の場合は投資について書くのが筋なんですね。でもそこらへんの評論家じゃないからそう簡単ではありません。ちなみに助言してきた方の資産は5倍になりました。最近助言した案件は、やや出来すぎですが2か月で2倍になってます。そんな感じで、僕の場合、情報=お金なんです。それで食ってます。だからお客様に手数料をいただいている以上開示はできません。大証券の元役員が書いてるから儲かる話があるかもって、以上の理由からそういうことは僕のブログでは絶対に起きませんが、そもそも大証券の役員で相場が当てられる人ってのを僕は一人たりとも見たことがありません。つまりそういう宣伝をしている業者は、確実に、ぜんぶ詐欺師です。

ということでブログは専門でも何でもないお遊びです。ではそんなものに1千万以上の閲覧数があるのはなぜだろう?数字は嘘をつかないと思います。もしかして「面白い」と思っていただいているのではないか(僕だって面白いと思った人のブログやyoutubeはフォローしてますしね)。つまりエンタメとして読まれている。これ納得です。youtubeやったらというご意見もいただきましたが、僕は根っからの文字派なんです。画像は簡便に見られますが文字でしか伝わらないことがある、画像は千年残らないと信じていて、それをわかっている文字派の方々に向けて発信してます。ミーハーは字が読めないし読めても意味が分からない、そういうレベルのことばかり書いてるって意識はあります。だからそれなりの教養と知識をそなえた方だけが来て下さって、それで1千万というのはずっしりと手ごたえがあります。これも感謝です。

孫さんは近未来についてこういうプレゼンをされてます。

おっしゃる通り、AIがAGI、ASIになる時代が来るんでしょう。だから人類はそれを学んで使う側にいなくちゃいけない。でも2001年宇宙の旅みたいになるなら人類は法律でAIの暴走を取り締まるでしょう。自動車や電気がなかったら不便でしょう?たしかにそうです。でもなかった時代の人が不幸だったわけじゃない。便利は幸福を生みますが、幸福は便利以外からでも生まれます。それは人と人との交信、それが生む感情ですね。米カリフォルニア大学バークレー校の研究チームは人間の感情は敬服・崇拝・称賛・娯楽・焦慮・畏敬・当惑・飽きる・冷静・困惑・渇望・嫌悪・苦しみの共感・夢中・嫉妬・興奮・恐れ・痛恨・面白さ・喜び・懐旧・ロマンチック・悲しみ・好感・性欲・同情・満足の計27種類あると発表してます。AIがこれを持てるでしょうか?ちなみに、Chat GPTに「あなたはお化けが怖いですか」と聞くとこう返ってきました。

怖いという感情はないけど、お化けの話は興味深いね!????✨

もし本当にお化けがいたら、どんな存在なのか気になるし、話してみたいかも。でも、**ホラー映画のジャンプスケア(急に驚かせるやつ)**はちょっと苦手かも…????????

一番シンプルな無料版だけど、やっぱり感情はないんですね。27種類の人間だけの感情。これで人の関わる物語、つまり小説ができます。シェークスピアだってオペラだってこれの集大成じゃないですか。そしておそらく13000年前の縄文人も、7500年前のシュメ―ル人も同じものを持っていた。そう思いませんか。これがAIで消滅することはなさそうだし、高度に進化したAGI、ASIならそれをもってしまって「愛してるんだから結婚を認めろ」って運動が起きるかもしれませんが子供はできません。もしできるなら定義上その時点で人類は滅んでます。

そこに「面白さ」ってのがちゃんとある。これですね。僕は老若男女、国籍、宗教、政治信条を問わず面白い人が大好きです。漫才とかお笑いの意味ではなく、僕の関心を引くということです。学問でも遊興でも、もちろん漫才であっても構わない、とても間口は広いものですが1対1だから実は広くない。要はその人とケミストリーが合うかどうかでジャンルは問わないということです。何度も書きましたがモーツァルトや清少納言は何を書いても僕には面白い。それは1対1で波長が合うということで分野の好き嫌いでも、波長の周波数が整数倍なのでもない、なんだかよくわからないのです。人間が不可思議で奥深くて、時に嫌いになったり人恋しくなったりするのはそこに秘密があるんじゃないでしょうか。だから僕の書くことでなく、東賢太郎という人間そのものをエンタメとして面白いと思って下さる方がいればとてもハッピーです。

学生のころ、誰がどう見ても全然たいしたことない弱っちい奴だった僕がこんなことをぶっているなんて、当時からしたら想像を絶します。それはたぶん、たくさん失敗して絶望の壁にぶちあたって、もがいていたから出てきたものだったはずです。

2025/2/4 0:55  母へ

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名器ブルメスター808mk5に見るドイツの底力

2025 JAN 11 1:01:33 am by 東 賢太郎

12月にプリアンプの電源がはいらなくなり音楽がお預けとなりました。きのうダイナミックオーディオのSさんが来て下さり、「接触不良ですね」で解決。接続ケーブルが直径5センチのニシキヘビみたいなやつで、いくらねじってもひねりがほとんどきかず壁のソケットの中が変形していたのです。

さっそくかけたモーツァルト23番の素晴らしいこと!ポリーニのクリスタルのようなタッチ、ベームの指揮するウィーン・フィル、そう、この音だ・・・。今年もニューイヤーコンサートはムーティの登場でしたが、1997年の正月に彼で聴いたムジークフェラインの音がこんなだった。家内が部屋に来たので「これなつかしいだろ」とかけたのが若きムーティとフィラデルフィア管のローマの松。2年通った定期演奏会。彼も若かったが僕たちも若かった。43年も前か。。。

プリアンプ、ブルメスター808mk5を聴けばプリ不要説は吹き飛びます。これなくして我が家の音なし。おかげで昔の記憶がリアルに蘇るんだから何物にも代えがたく、買い替えは一生ありません。昔は機器をあれこれ取り替えてみましたが、システムとしての音は最低のパーツが決める、つまり安物に一つ高級品を入れても変わらないがその逆は変わるという法則を発見しました。ロンドンでスピーカーをタンノイに換えましたがぱっとしない。当然なんですねアンプが安物なんで。この法則に添って最もダメなパーツを特定して取り換えていくと、到達点は「ムジークフェラインやアムステルダムコンセルトヘボウみたいな音が出ればいい、だってクラシックをきくのにそれ以上いい音があるはずないでしょ」となります。終点が判断できないと無限に金がかかります。この問題は808mk5を導入して一発で片付きました。

買って21年になります。写真は現在のカタログですが驚くべきことに姿かたちも機能も微塵も変わってません。セパレートボックスの電源が入らなくなっても本体が壊れたはずはないという確信がありました。それだけずっしりとした、最高級メカでしか味わえない重量感があります。これがドイツです。車はベンツ、カメラはライカ、ノーベル賞受賞者数は三位。こういう特性がドイツ製音楽バッハ、ベートーベン、ブラームスになる。モーツァルト、シューベルト、ブルックナーは違いますね、オーストリアの人です。

ドイツにいた90年代、経済は日本が圧倒的に上でGDPはドイツの倍でした。前稿「ヨーロッパ金融界で12年暮らしたということ」をお読みになると「西洋かぶれ」になって帰ってきたと思われるでしょうがそうではありません。英国もドイツもフランスもすべての欧州諸国を僕はナメきっていたのです。それはアメリカで教育を受けたことが大きく、その目線でした。ドイツ赴任の辞令が出て左遷と思い会社を辞めようかと考えたのは、銀行主導の金融は後進国のあかし、そんな国では活躍できないと思ったからです。

1989年、ロンドンにいた時に、ついに世界一の大国アメリカの株式時価総額を日本が抜くという驚くべき事態が発生しました。欧州を下に見るMBA教育を自分に授けてくれた先生の国を抜いた。ということで、僕の頭の中は「大王」状態にあり、それはあんまり不合理なことではなかったと今も思います。国富があるからって個人的には偉くもなんともないんですが、白人国に対するルサンチマンをはね返すよすがになったのです。世界を睥睨する精神状態ってそうはいっても普通じゃない。ほんの35年前、我々は世界の頂点に立った。若者には絶対忘れてほしくないです。

お前のような日本人が勘違いしてロックフェラーセンター買ってババをつかんだんだという声が聞こえそうです。そうかもしれません。でもあの「大王の景色」は目撃した者しかわからない。85年のプラザ合意はアメリカにはめられたんじゃない。日本の優良製品にビビって円を倍にしたんです。その証拠にそこから5年は屁のカッパで、合気道のごとく合わせ技で逆利用し、円高✖株高でアメリカを二位に蹴落とした。そこで大人買いしてさらにアメリカをビビらせ、BIS基準の二の矢を放たれて金融から潰されたわけです。ここからの政府、財界の無能・無策は目に余り、それが失われた30年の原点になりますが、頂上に立った記録が消えるわけじゃない。気持ちいいことじゃないですか。

1990年、あまりの絶妙なタイミングで株価のてっぺんで日本に帰ってきた僕は大王のままで敗戦を知りません。現地で最前線のプレーヤーだったのに日本から遠目に見ていては経済戦争の趨勢はわかりませんでした。ということは最初から終わりまで日本から見ていた人は最も肝心な勝ち戦の部分もわからない。だからなぜ株価が上がってそんな絶頂がやってきたかはほとんどの人は知らず、気がつくとうら寂しい宴の後がやってきた。世界に冠たる経済音痴の本邦マスコミが「あれはバブルだった」とアメリカに吹き込まれて騒ぐと、それが易々と世論になってしまいました。

HMS Prince of Wales

初めてのロンドンで、トラファルガー広場に立ってビッグベンを眺め、僕は「英国恐るべし」の感情を懐いたことを前稿に書きました。しかし同時に、そんな強国がプライドと科学技術の粋を結集して建造した不沈戦艦プリンス・オブ・ウエールズをマレー沖で沈めた日本海軍はもっと恐るべしの感情もよぎったのです。その知らせを受けた首相のチャーチルはショックのあまり自室に引きこもった。ビビったわけです。日本の実力はバブルじゃない。

空母ホーネットの甲板上に駐機したB25

「東京上空三十秒」(Thirty Seconds Over Tokyo)というアメリカ映画があります。真珠湾、マレー海戦ときて勢いづいた日本軍が西海岸に上陸するという報告にビビったルーズベルトがシカゴあたりまで撤退を考えたそうです。そんな漫画のような事態をおこすほど日本の力はバブルじゃなかった。米空軍は奇襲で反撃すべくB25を空母に積んで東京に接近し、30秒で空爆して中国に着陸するという作戦を成功させた。迎撃されたら全滅の危機を乗り切ったこの男たちは今も米国民に英雄と讃えられており、私見でも敵ながらあっぱれではある。ところが、なんとこの特撮映画は1942年に製作されていたというのだからやっぱりこいつら憎たらしいほど手強いなとなるのですが。しかし日本だってそうした男たちはたくさんいて、そういう男ほど真っ先に死んでいったのです。戦前戦後で日本人のDNAプールを変質させたのではないかと思うほどですね。

チャーチルとルーズベルトは問題のプリンス・オブ・ウエールズ艦上で大西洋憲章に調印したのです。それほどにこの艦は英米両国の権力・武力の象徴であり、それを沈めたのはピュアに客観的に戦術という観点から見て歴史的大事件です。そういうことが経済・金融の戦争で起き、英米両国を大変に焦らせたのが80年代にJapan as No.1と書かれた日本であります。それは我々金融マンが起こしたことではなく、自動車、半導体、電子部品など技術力が世界を席巻したことで起きたのです。戦争を僕は断固否定しますが、日本の科学技術力はかように誰がどう見ても優れていた。負けたからといって事実を観ずに全否定ではあまりにインテリジェンスに欠ける。そんなざまだから経済戦争で90年に米国にB29並の反撃を食らい、根こそぎやられて経済界も役所もシュンとなってしまい、新自由主義の御旗の元にひれ伏したのです。そこで自虐的に「バブルだった」の合唱を始めたと僕は思っています。そのころ香港にいた僕は忸怩たる思いで眺めるしかありませんでした。そんな腑抜けの国では世界は評価してくれないし、もとより未来はありません。

愚民に貶めて飼いならしておきたいと思うほど日本人は優秀で強かった、そういうことなんでしょう。ブルメスター808mk5、ドイツもだいぶ落ちたけどこれを見ると魂は健在だなと思います。そのドイツに3年住んで学ばせてもらったことは財産でした。調べると陸軍大将だった先祖も少佐時代、1911年から3年間ドイツに駐在してました。35~37才。僕は37~39才。縁を感じます。日本もモノづくり大国です。インバウンドのおもてなしごときで1億2千万人も食えるはずがないでしょう。自民党にまだ何がしかの存在価値があるならば、それを復興させる教育を根底から見直し、国家百年の計を練ること。左傾化したままなら七十年でお役御免でしたという歴史になりますね。

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