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カテゴリー: 若者に教えたいこと

野村證券元社長の酒巻さんとランチした件

2024 FEB 23 18:18:32 pm by 東 賢太郎

山本陽子さんが亡くなった。もと野村證券のOLだったことは社内では有名で、ずっと年上の方だが勝手に親近感は抱いており、「黒革の手帳」の悪女役でファンでもあった。つい先日に出演しておられた「徹子の部屋」がyoutubeで見られるが、お元気な姿からは想像もできない。ご冥福をお祈りしたい。

野村といえば、先週に酒巻英雄元社長とランチをした。もう書いてもいいだろう、酒巻さんは僕が入社してすぐ配属になった梅田支店の「S支店長」である。

どうして証券会社に入ったの?(その3)

どうして証券会社に入ったの?(その6)

店が騒然となった「T社のU社長事件」。買っていただいた公募株のことを話すと「トヨタの公募か、あったよなあ」と覚えておられる。「レコード事件」の顛末はご自身から語られ、「いよいよウチもこういう新人が入ってくる時代になった」と訓示されたそうだ。ご自身がN響会員だったのだから異例の存在の先駆けだったわけで、社長に就任されると社内誌にまずクラシックの趣味のことを書こうとなった。しかしその時間がなく、秘書室から僕にゴーストライターのご下命があり「あれが評判になっちゃってさ、日生の社長から飯を誘われたんだ」と後日談をうかがった。ゴーストといえば、元旦の日経新聞に掲載される毎年恒例の「経営者が選ぶ有望銘柄」で、U社長の欄も僕が書いていた。おおらかな時代だった。

田淵さん

おのずと昨年亡くなられた田淵義久さんの話になった。社長になって車の免許を取ったが日本では運転させてくれないからとドイツに来られた。もう顧問になられていたがそれが本音だったかどうかはわからない。三日三晩、郊外の温泉地やゴルフ場でいろんな話をされたからだ。翌年に再度来独され、スイスに転勤したらそっちにも来られた。いつも同行は秘書の寺田さん1人だけだ。一見すると豪放磊落だが物凄く頭が切れる。田淵さんと水入らずで10日も旅行し教えていただいたことは後進に残すべき財産としか言いようがない。野村を退社して何年目だったか、ある所でばったりお会いした。「お前なんで辞めたんだ」と怒られて背筋がぴんとした、それがお目にかかった最後だった。

酒巻さんが来られたのはもっと以前のロンドンだ。まだ役員でありこちらは平社員の下っ端だったが、週末に一泊で湖水地方まで僕の車でドライブした。「あれ楽しかったなあ、ありがとう」「とんでもないです、女房までご迷惑おかけしました」。連れて行ったのは結婚式の主賓をつとめていただいたからだ。そのロンドン時代。6年間駐在した最後の年に日経平均が史上最高値の3万8957円を記録した。万感の想いでそれを見とどけて僕は東京に異動した。そして今週、35年の日本株低迷期があったが、酒巻さんと再会してすぐに記録は更新された。

最高値更新瞬間の野村證券トレーディングルーム

ドイツ、スイスは酒巻さんは社長で余裕がなかったのだろう、のちに東京証券取引所社長、プロ野球コミッショナーを歴任される斉藤惇副社長が代理で来てくださった。債券畑だった斉藤さんの下で働いたことはないが今でも仲良くして相談にのっていただいている。そうこうしているうち事件がおきた。スイス在任中、97年初めのことだ。

お断りするが以下はすべて私見である。あれは株式時価総額で抜くという歴史的屈辱をもって米国の威信を揺るがせた勢いの根源、その本丸だった野村證券を潰し、日本の金融行政を大蔵省ごと屈服させて弱体化し、我が国の銀行・証券界にゴールドマン、モルスタ、メリルが侵略できる風穴を開けて1200兆円の個人金融資産に手を突っ込むべく米国のネオコンが仕組んだ事件だった(郵政民営化はその結末のひとつだ)。1996年11月、橋本総理より三塚大蔵大臣及び松浦法務大臣に対し、2001年までに我が国金融市場がニューヨーク、ロンドン並みの国際金融市場として復権することを目標として金融システム改革(いわゆる日本版ビッグバン)に取り組むよう指示が出た。これが宣戦布告の狼煙となって金融機関の統廃合、とりわけ大手銀行の合従連衡という大地殻変動が起きるのだが、ここだけは私見ではなく「大蔵省から引き継いだ情報」として金融庁のホームページに書いてある。

まず1997年の年初に東京地検特捜部によって総会屋事件が、翌年に大蔵省接待汚職事件(通称「ノーパンしゃぶしゃぶ事件」)が大々的に報道され、第一勧銀、証券大手4社に対する刑事事件へと展開し、大蔵大臣、日銀総裁が引責辞任し、財金分離と大蔵省解体の一要因となった。これが野村證券の内部告発で勃発したことで、同社だけに法人の処罰がなかったことは当時の僕は知らなかった。田淵さんがドイツ、スイスに来られたのは1994~96年だ。事件を予期させるような発言は何もなかったが大蔵省のユニバーサルバンキングへの転換画策についてだけは詳しく言及して危機感を述べられた。意見を求められたのでプロップ取引で自腹で儲けるゴールドマン型のインベストメントバンクはいわば銀証一体でグラス・スティーガル法は邪魔かもしれませんね、ドイツ銀もUBSもそれが競争力だし背後はハーバードで繋がる財務長官サマーズ、ルービンですね、でも日本は証取法の改正に手間取りますねという趣旨のことを述べたように記憶している。

ちなみに大蔵省接待汚職事件の一環として日本道路公団の外債発行幹事証券会社の選定に関わる野村の贈収賄が立件され、元副社長らの逮捕に至った。これが98年1月のことだ。大蔵OBの公団幹部は欧州にも来てチューリヒでのディナー主催の依頼が本社から舞い込んだが、それが前日に突然のことであった。僕は先約があり副社長が代行した。接待が賄賂に当たることの立件であるから社長の僕に東京地検への出頭要請が来たが、僕は20分間コーヒーを飲んだだけだったことを秘書と副社長が東京で供述してくれ、スイス拠点は債券引受業務はしないことから事なきを得たと聞いた。

酒巻さんのあと野村は東大法の鈴木さんを社長にしたが、たった48日で日テレ・氏家社長の従兄弟である氏家純一さんにかえた。読売に頼った。結果的に山一が犠牲になったが同社は社長が証券局長のクラスメートだから大丈夫と言っており、事はそんなレベルで片づく話でなかった。サマーズに円主導のアジア通貨バスケット構想を潰されたことはミスター円こと榊原英資大蔵省財務官(当時)から直接伺って、金融ビッグバンの美名のもとで法整備計略が着々と進行していることをうすうす知る立場にはあったがそれは香港にいた99年あたりのことだ。この大嵐の中で海外にいたことは運命だったとしかいいようがない。

氏家体制になり社内の空気が一変したのは当然だ。それが野村の生き残りの道だったからだ。「香港から日本に帰ってきたら僕の大好きだった野村じゃない感じがちょっとありました。本社で中途採用の面接官をしながら『いま学生だったら入社しないだろうな』という気がしたんです。もっというなら、受けても落ちるなと」。これは本音だ。そんな人間が新生野村で採用をするのはいかがなものか。笑って受けとめてくださった酒巻さんの懐の深さに救われた気分だが、日本にいてその「感じ」は日増しに強くなっており、結局僕は大蔵省のユニバーサルバンキングへの転換策にのって2004年にみずほ証券に移籍することになった。

田淵さんと酒巻さん

その重大な決断の是非はまだ自分の中では判明していない。是でもあり非でもあった。97年に通常の6月でなく12月にスイスから香港へ想定外の異動をしたことも含めてだ。僕は野村證券の幹部であったことはなく会社の内情を知っているわけでもあれこれ言える立場でもなかった。ただこの異動は自分はともかく家族にとってはあまりに過酷なことであり、日本を知らない長女は10才にして3つ目の外国の小学校に入ることとなった。僕自身、ストレス耐性はある方だが限界だったのだろうか、ある晩に初めてパニック障害を発症して自分が驚いた。500人の部下がいる立場で精神科の医者に行くわけにもいかず、それがまたストレスになって一時は最悪の事態になった。

過ぎたことはもういいが、何の因果で証券界に身を投じたのかいまになって自問している。鎖国か共産化でもしない限り証券業は日本人の幸福にとって不可欠な仕事であり、それなりに有能な人材が入ってきてはいるが大国に対する競争上のアドバンテージにするには程遠い。このままでは米国はおろかそのうち中国やインドにも劣後するようになるだろう。それを僕が目にすることはないだろうが、それで良しとするかどうかということだ。

別れ際に酒巻さんが「5月ごろ今度は僕が一席もうけるよ」といってくださり写真を撮った。45年前の梅田支店でこんなことになるなど誰が想像したろう。

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「どんぐり遊び」の政治的効用について

2024 FEB 17 15:15:05 pm by 東 賢太郎

国民はその程度に応じた政府しかもちえない(松下幸之助)

日本の国会議員は国民から選ばれるが総理大臣はサイボーグから選ばれる。

猿の尻笑い(ことわざ)

猿が自分のお尻が赤いことに気づかずに他の尻を笑うこと。選んだ議員が全国的に笑われて初めて選挙区民が自分の尻が赤いことを知るような場合に使われる。

おまいう(「お前がいうか」の省略語)

「派閥を解散した俺はセーフ。してない奴はアウト。特に “あ” で始まる奴はゲッツー」、のような場合に使われる。

朝三暮四(中国古典「列士」)

王様が猿に「どんぐりを朝に三つ、暮れに四つあげよう」と言うと猿が怒った。そこで「朝に四つ、暮れに三つにしよう」と言うと猿は喜んだ。

数だけでなく、どんぐりの形まで変えれば、猿は完全に気がつかない。しめしめ

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日本列島を包む「操作で歪んだドーム空間」

2024 FEB 6 9:09:28 am by 東 賢太郎

今から3カ月前、去年の11月12日に、とても強いブログを書いた。今はそれがもっとリアルになっているのでお読みいただきたい。一部を引用しよう。

かたや老舗のルーズヴェルトホテルが移民収容のため閉鎖されているというのも驚く。トランプが作った壁を壊したのでメキシコから毎日2、3万人流入し、手に負えないテキサス知事はトラックで移送してしまう。地方は白人が多く拒否されるので大都市に10万人も来る。マンハッタンは人口170万だから世田谷区と練馬区に中南米人10万人ということ。想像を絶する。移民はすぐ選挙権を持つ。入国に感謝して民主党に投票する。要は大統領選の対策だ。

現在、その顛末でアメリカの都市部はさらに酷いことになっている。大量に流入した移民が食うためにやんちゃする。警官はBLM事件の余波で無茶できない。つかまえても刑務所が満員で無法地帯になる。そこでサンフランシスコ市が「950ドル以下の万引きはオッケー」(逮捕しても収監しない)にした。14万円の窃盗だから日本ならそれだけでテレビのニュースになる事件が大量に「おめこぼし」なのである。さらに凄いことに、イリノイ州では不法移民が警察官に採用されている。毒食らわば皿までだ。一般市民がそんなのに逮捕されかねず、正義など吹っ飛んでしまっており、都市によっては銃で武装した自警団(私的警察)を作っているというから西部劇さながらだ。極左のBLM運動で黒人も平等に医者にしないといけないから医学部の入試がなくなっているというのも仰天で、問題は治安だけではない。

かように、3年のバイデン民主党政権下でアメリカは戦争屋、薬屋、不動産屋、ウォール街は大儲けしたが肝心のブルーステートの白人生活圏まで滅茶苦茶になっており、だから民主党支持者の一部までが共和党支持に乗り換えている。極左政策を仕掛けてきた連中をDS(ディープ・ステート)と呼ぶと、その手下で番犬をしている日本人が「陰謀論だ」と騒いだものだが、今、この連中は親方があぶなくなって「もしトラ」(もしもトランプ大統領になったら)と騒いでいる。滑稽なことだ。

以上の程度の情報はネット民には常識になっているが、全部が番犬である日本の大手メディアは報道しない。だからテレビと新聞しか見ない人は「情報難民」と化している。喩えるなら、巨大なドーム球場の中にいると外が大雨になっていてもわからず、野球が終わって外に出てから傘がないとひと騒動になるようなものだ。さように、日本列島は「操作されて歪んだドーム空間」に包まれているのであって、ワクワクのように自分や家族の生命に関わる重大事を野球が終わってから気がついても遅い。もっというなら「なぜ報道しないんだろう?」という健全な疑問をいだくことだ。そういうニュースを書きだして一覧してみればいい。一本の糸でつながることはもう賢明な人々は見抜いている。

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「若者に教えたいこと」を設けた理由

2024 FEB 3 11:11:12 am by 東 賢太郎

この数か月、たくさんの方々がソナーに関係して下さり多忙だ。折々、ブログというメディアに政治、経済、国際情勢、経営に関するinsightを書き連ねてきたが、僕は評論家でなく自説に従って億単位の金を動かし、結果としての実績を問われるビジネスマンである。だからその能力を買って下さる企業が現れれば、これまでは自由にブログにしてきた自説の根拠等は書けなくなる。それについて少々述べておこう。

「若者に教えたいこと」というカテゴリーは特別なものだ。設けた理由は、僕が若い芽を見つけ、その成長過程を見届けるのが大好きな人間だからだ。野球も二軍の有望株を見つけるマニアだし、芸術家もしかり。猫が少し賢くなっただけでも心が踊る。株式市場でまさしく “有望株” を見つけて投資するのを職業とし、その自分の姿を探知機になぞらえて「ソナー」と命名したのが最大の証拠である。だから向学心のある子、不断の努力を厭わない子は無条件に応援してしまう。直接ふれ合うことはないが読者にそういう人がいればという思いがあった。

自省するに、生涯いちプレーヤーの気持ちで社会人を44年やってきたことは偽りない事実だ。現に今でもそうしており、東賢太郎というビジネスマンの “エッジ” は “現場” にあることは間違いない。ただ、名刺の肩書のヒストリーを眺めると44年という期間の約7割は「部長 / 役員」、約5割は「社長」という経営職だ。だから、業種を問わず、若い経営者にアドバイスすることはたくさんある。つまり、若者が経営している会社、すなわち「ベンチャー企業」を育てる仕事は天性のものではないかと考えている。かく言う自分もソナーというベンチャーを創って14期目になり資産も作った。口だけの先生や評論家ではない。

若者に来歴を語る機会があるが、当時、東大法学部卒の者は国内にいるのが有利で海外など出ない。44年の4割近くも異国にいたのも異例だが、帰国して一部上場企業2社の役員になり、3度も自分から辞めた者は東大史上ひとりもいないだろう。そう伝えてへーで終わる大半の人とおつき合いする時間は僕にはない。しかし、一部だが、「半沢直樹超えですね」などと感動してくれる人もいる。ほとんど若者だ。だから「若者に教えたいこと」というカテゴリーを設けたのである。僕のしたことというより僕の存在自体がinspireing(刺激的)であるタイプの人達こそ貴重な原石、未来の星であり、探し出してでもこちらからお会いしたいと思うのだ。

ベンチャー界にはそうした若者が多くいると確信しており、業種を問わず何か教えてあげられる。講話、セミナーなんかのおざなりの場ではだめだ。がっぷり四つで向き合い、僕も相手にinspireされながらつき合う過程で学んでもらうしかない。ビジネスとは本来そういうものだ。

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「解散」というものの本質について

2024 JAN 25 18:18:12 pm by 東 賢太郎

【解散その1】キャンディーズ(1973~1978年)

ファンだったわけではないが、ランさんは自分と同期、ミキさん、スーさんは1つ下と親近感はあった。解散会見の「普通の女の子に戻りたい !!」は見事なキャッチコピーであり、いさぎよくてあっぱれだとおじさんまで感動させる国民的行事になった。日本人は何事も散り際が大切という教訓である。恋々と爺いが権力にしがみつく醜怪なシーンばかりの今日この頃、これは思い出しても一服の清涼剤である。昭和の「カイサン」といえばなんたってこれだろう。

 

【解散その2】ピンクレディー(1976~1981年)

キャンディーズの二番煎じと思ったが、「それではつまらない」とパンチの効いたペッパー警部で売り出して当たってああなったらしい。レコード会社がA面がいいと言った「乾杯お嬢さん」だったらどういう路線になったのだろうか。大学時代と重なって思い出深いが解散は就職後で記憶にない。意外に短命だったが、インパクトがあったゆえの賞味期限切れだったのだろう。

 

【解散その3】ザ・ガードマン(1965~1971年)

小学生のころ夢中だった。この正義の味方のおじさんたち、ついさっきまで刑事だと思っていたがwikipediaによるとセコムの人で会社公認というので驚いた。なるほど、それでガードマンで「ザ・」までついちゃったんだと納得だ。しかしどうして民間企業に銃撃戦ができたのかは永遠の謎である。まあ、とにかくカッコ良かったし、テーマ音楽もベンチャーズのシュッシュがちょっとダサ目に出たりして日本人のアメリカ崇拝の原点が感じられる。サラリーマンだから解散はしなかったのだろうが番組終了=解散なのだ。終わってしまったのはとても寂しかったが『キイハンター』や『プレイガール』などゾロ品がたくさん出た。

 

【解散その4】太陽にほえろ!(1972~1986年)

そのひとつがこれだ。ザ・ガードマン(TBS)が終わるとすぐ出てきた(日テレ)。こっちは刑事の設定でドンパチの疑問は解消されたがテーマ音楽はベンチャーズのシュッシュを真似。ただ日本人の勧善懲悪物好きはDNAであり、正義の味方はいつもカッコいいのだ。ジーパン刑事の殉職など国民的イベントとなり、あれで我々もジーパンをはくようになった。解散は86年らしいがもうイギリスにいて知らない。

 

【解散その5】ザ・ビートルズ(1970年)

そのイギリスだ。我が世代、「解散」といえばこれである。

バンドの解散ではなくジョンとポールのお別れだったが、どっちがぬけてもドラえもんはないという意味で藤子不二雄みたいなもんだったまたくっつけば確実に売れるのに二度となかった。だから彼らは永遠になった。

 

【解散その6】安倍派(2021~2022年)

前から森派だ町村派だとあった気はするが、まあどうでもいいというか、とにかく政治は浅学ゆえ細かいことは全然知らず、前任の細田氏については何者かも言えなかった。安倍氏が亡くなると、今度は分身の術のように5人衆になった。僕が持ったイメージはキメラとかキングギドラとか書いてきたが、全コマを記憶している伊賀の影丸ならこれである。まあいずれにせよ化け物だ。

安倍氏は目つきが只者でないのと、トランプ勝利の機先を制して本間の黄金ドライバーを携えトランプタワーに飛び込み外交した営業力を高く評価した。外交とはああいうもので、外務省がセットした飯食うだけのは外遊という。安倍派は5人に分身しても飛んでしまったのだから安倍氏は少なくとも小物議員の5倍以上の能力があったということだ。

 

【解散その7】岸田派(2012~2024年)

総理大臣つまり自民党総裁である岸田氏が岸田派領袖のままでもあったということで国民の注目を浴びた派閥である。会社なら社長兼○○部長である。その会社の××部で不祥事があった。そこで社長が裁いて××部長をクビにした。それはいい。ところが、まったく同じ不祥事が○○部でも起きていたことが検査部の調査によって発覚した。とすると、社長はその部長もクビにしないとつじつまが合わない。でもそれは社長自身なわけだ。「社長いないと会社はまずいよな、おい検査部長、キミだってサラリーマンだ、わかってるよな、だから○○部長のオレはセーフ!」。

「でも株主総会では追及されますよ」。「なるほど、秘書室長、じゃあどうすればいいんだ?」「いい案があります。思い切って○○部は解散宣言しちゃいましょう。キャンディーズ作戦です!株主はびっくりです。自ら身を切ったか、立派なもんだと総会は喝采の嵐です。そのうちみんな不祥事のことは忘れます」。「そうか、さすがは秘書室長だ。よしわかった、それはお手盛りじゃないって目くらましするために第三者機関が決めたことにするんだ。そうだな、名前は『刷新会議』がいいぞ。メンバーはキミも入れて不祥事やってバッテンついた面々にしてくれ、懐の深い社長という姿も見せりゃオレも一挙両得じゃないか。アメリカ本社も応援してるぞ。みんな刷新して『なかったことに』だ!」。

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投資で勝つために必須の考え方とは

2024 JAN 19 18:18:54 pm by 東 賢太郎

基本的に政治にベットすることはないが、米国だけは無視できない。そこで2020年に書いたとおりトランプ・ロング(彼の勝利にかける)のポジションを組んだ。政治としての是非ではなく、何をするか読めなかったバイデンにかけて万一負けた場合にストレス漬けになるリスクを避けた。ストレスは判断を狂わせる投資の敵であり、迷ったら忌避するのは鉄則だ。要は自分がわからないものには手を出さないことである。

そこでトランプが負けた。それでこの3年僕も負けたかというとそうでもない。NYダウは5割、日経平均は7割も上がった。岸田政権になってからでも2割上がっている。彼の政治は知性も行動力も日本史上最低レベルであまりに耐えがたく、思わぬストレスとなったため納税者として大いに文句はつけたが、それでも日本株への投資ビジネスをやめたわけではなく大成功だ。バイデン民主党にもああだこうだ苦情を述べた。そんな米国だが、それでも動かせる資産は100%米ドルにして3割上がり、今もそのままだ。といって全面的に米国派でもなく中国の友人たちとは仲良くやっているが、中国株は一切触らなかった。

「君子危うきに近寄らず」といえば聞こえはいいが僕は君子になりたいわけではない。ピッチングでいうなら、「歩かしてもいいや」とボールにした球を相手が三振してくれたみたいなものだ。今の関心事は僕が積極的に仕込んで3年我慢してきた “トランプ・ロングポジション” が今年11月にワークするかどうかだ。実に楽しみなことだ。自分が儲かることもあるが、僕を信じてついてきてくれた人たちにいい目を見せてあげられることが大きい。

投資というのは何が難しいかというと、人間は感情の動物である点だ。以上のように、僕は政治的主張と投資行動になんの関係もない。「坊主憎けりゃ袈裟まで」というが、憎い坊主の袈裟でも良い物なら買う。これは理屈でない。それでさくさん墓穴を掘った失敗体験のおかげだが、社会人のかけだしの時期、そういう考えの人が東京より格段に多い大阪という街で実務の洗礼を受けたことも大きい。簡単にできるわけではないからできなくてもあきらめる必要はない、感情をコントロールする訓練を積むことだ。

日本は①「なんにも考えてない人」+➁「考えてるが行動できない人」+③「行動するが好き嫌いで動く人」=95%ぐらいという国だ。投資は経済成長の範囲で有限な富の奪い合いだから、95%が儲かって5%が損するなんてことは物理的におこりようがないことはどなたも理屈で理解できるだろう。したがって、皆さんが①②③のどれかに属する人なら、投資をしてビギナーズラックで儲けることはあっても大きな成功は難しいだろうとしか言えない。

では5%はどういう人か。是々非々で、すぐ動き、最後までやる人だ。皆さんの会社や周囲を見渡してほしい。是々非々でない(是も非もなく長いものに巻かれる)、すぐ動かない(慎重に検討して百も理由を見つけてやらないか、やらない前提で長々と慎重に検討する)、最後までやらない(やってはみるがうまくいかないと他人のせいにしたりできない理由を迅速に探しだして言い訳する)が100人中95人と僕は言っている。いかがだろうか。個々人はただの「羊」だが95人もいるとなんとなく羊の群れになり、弱い羊はそれを「長いもの」と錯覚してついてくる。これが現代日本社会であり、話題の自民党の「派閥」もこれだ。

ナポレオンは「一頭の羊に率いられた百頭の狼の群は、一頭の狼に率いられた百頭の羊の群に敗れる」と名言を残したが「一頭の羊が率いる百頭の羊の群」は出てこない。そんなものは弱いに決まってるからだ。まして、「率いる羊は五頭です」なんてバージョンは世界で思いつくのは日本人ぐらいしかなく、「三頭の怪獣・キングギドラ」もびっくりだ。岸田総理、これを退治したのはいいが自分の群れにもブーメランで火事がせまり、これまた凄い面々がそろい踏みの「政治刷新本部」が立ち上がり、五頭どころかその会合に150人が出てきた。とうとう群れより率いる羊の方が多くなった歴史的瞬間だ。

5%の人はこういうドタバタには無縁だ。基本、やるべきことは自分ひとりでやる、というか、それはできない人にはできないし説明してもわからないから、だから5%しかいないという性質のものだからである。江戸時代までは藩校が武士階級のそうした男児をたくさん育て、彼らが明治になって近代日本の礎をつくったが、敗戦でその資質の者を筆頭に300万人近くを戦地で失ってしまった。ドイツ人にもそれを言う人がいたが、この人材損失は甚大だ。その断絶を経てまた増えた現日本人だが、率いるより率いられる方が楽でいいという人が増えてる気がする。そうでない遺伝子を国は大きく逸失し、そうである方が世代を経て拡散されたからだというのが私見だ。ダイハツの不祥事はいよいよ世界のトヨタが謝罪する事態になっているが、まじめが取り柄だった日本人がいよいよそこまで来たかという劣化の象徴でもある。

ここで一つの仮説が導かれる。日本においては率いる人はもはや資質がどうのなんて以前にレアなのだ。だから、群れの羊より率いる羊の方が多い自民党という組織はさらにレアであり、カネかけて落選リスク取って苦労して率いるより率いられる方が楽でいいという考えが蔓延しつつある日本人という母集団の中で維持が困難になってきている。だからどんなに馬鹿でもお手軽な人材供給源として政治家ファミリーが歓迎・優遇され、二世三世ばかりになる。とすると、ビジネスなのだからカネというインセンティブを与えなくてはとなるのは資本主義のセオリーだ。だから地位をカネで買うのに裏金が横行し、それを地元で支えてやる見返りに地方議員は国会議員にたかり、国会議員は税金キックバックを巨大にしようと五輪や万博などの国民的巨大案件が大好きになり、政治は金がかかるんですなんて国民を洗脳して太鼓持ちする「たかり屋」のメディアや評論家がそれをかつぐ。野党も万年野党稼業の方が楽だから共闘して政権奪取なんて兆しもない。岸田総理の「派閥がなくなればこの図式が変わる」という摩訶不思議な理屈はどうやって出てくるんだろう?そんなことはどうでもいい、政治資金規正法はわけわからん「規正」じゃなくて「規制」だろう。

たかが投資だが、これも財産をかけた闘いであるという意味で戦争だと僕は思っている。株が上がってもトリクルダウンはないだのなんなのディバイドを騒ぐ人がたくさんいるようだが群れの一員ならそれも仕方ないだろう。是々非々で、すぐ動き、最後までやる人になるのに財力は不要だ。

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2023年の総括(終わり良ければすべてよし)

2023 DEC 31 13:13:21 pm by 東 賢太郎

今年の当社のビジネスは前半に苦戦した。リアルで動けなかったツケで乗りかけの案件を2つ断念し、ひとつ8月に仕上げはしたが規模的には満足な展開ではなかった。8~9月に7年ぶりにゴルフをやったり関西、静岡に出張もして気分転換を図った。ところがコロナの霧が晴れたようになると9月から景色が変わりはじめ、10月から年末にかけては思いがけぬ好転という想定外の慌ただしい年末になった。この怒涛の上げ潮は息子に近い年ごろである東大工学部の後輩T君がもたらしてくれたもので商売のネタが3カ月で5つもでき感謝に堪えない。ゴールドマン・サックス、メリル・リンチにいた20代の彼をスナイパーと見こんでの20年に渡るつき合いだがここまで大物になってくれるとは!

昨日がその5つ目だ。ウォートンの後輩Sさんの紹介でT君と前防衛副大臣、外務副大臣のN氏に会ったわけだが、食事そっちのけでイスラエルにつき熱弁をふるってくれ、非常にエキサイティングな3時間となった。戦争と米国大統領選の帰趨にはよるが、N氏が関わるテルアビブ大学ベンチャー等の投資機会は面白い。イスラエルといえばディープ・テック(常識破壊の最先端技術)である。人口比でノーベル賞受賞率1位、ユニコーン起業家輩出率1位、科学者・エンジニア比率1位、VC投資金額1位。NASDAQ上場企業数は米中に次いで3位だが、イスラエルの人口は960万人と東京23区と同等であり、米国の30分の1、中国の140分の1なのだから如何に恐るべしかお分かりだろう。この企業化、上場というのが大事なのだ。知性の図抜けた人はアスリート界で図抜けた大谷翔平選手のように相応の資産を作れる、資本主義社会なのだから当たり前ではないか。そこが下手くそなのか、そもそもやったことがその程度なのか、閉鎖的なアカデミズムと叙勲の栄誉だけという日本の学界はさびしい。それでは世界の図抜けた知性は来ないし、頭脳は流出するに決まってるではないか。

ユダヤ系というとロンドン時代に物凄い頭脳を持つお客様たちと6年つきあい親近感がある。仕事もあるがクラシック音楽に馬鹿詳しい僕に興味をもってくれたのもある。メンデルスゾーン、オッフェンバック、マーラー、ガーシュイン、コープランド、バーンスタイン、シェーンベルク、ミヨー、ツェンムリンスキー、モントゥー、セル、ライナー、クレンペラー、オーマンディ、ショルティ、ワルター、ラインスドルフ、ゼルキン、シュナーベル、アシュケナージ、アルゲリッチ、バレンボイム、ワイセンベルク、ホロヴィッツ、ルービンシュタイン、ヨアヒム、シゲティ、オイストラフ、シェリング、コーガン、ハイフェッツ、ミルシテイン、メニューイン、スターン、ロストロポーヴィチ、シュタルケル・・・クラシック界におけるユダヤ系の比重はディープ・テック同様に絶大であり、数学と音楽が最も遺伝要因が強いという統計は合点がいく。他人の気がしないのが正直な所である。

これからの世は中途半端はだめ、とんがって出る釘にならないと栄達は難しい。政策でなく派閥で固まってパワーを行使する日本の政治は明らかに時代の潮流に逆行している。企業もでかいことはコストでもあり標的になるリスクでもある。とんがることに必須なのはdeep tech intelligenceだが日本企業のR&D比には悲観しかない。エッジのないデカい企業はどんな名門でも平気で潰れ、外資に食われる。食う側になるのが最善の経済安全保障なのだがそんな声はどこからも出ない。White Houseがしているようにネタニヤフ政権とイスラエルを分けて考え、後者のインテリジェンスを日本企業が工業化して輸出することで両者win-winにならないか(TSMCによる台湾の戦略)。N氏には大変に興味深い論考をご提示いただいた。正月にじっくり考えてみたい。

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パー券の買付はいたしません

2023 DEC 21 10:10:58 am by 東 賢太郎

起業したてのころ、国会議員のパー券を一度だけ買ったことがある。受付で現金2万円を支払うと大き目の印刷した領収書をくれる。いかにも「経費で落とせますよ」という風情だった。なるほどと合点したが確定申告で落とすのを忘れた。見たことも聞いたこともないその男を支援していた男に頼まれ、まあ覗いてみるかぐらいの好奇心だった。そいつのスピーチのあまりのくだらなさにあきれ、こういうものは金輪際近づかないと決めた。

ということで昨今も国会議員に紹介されて会うぐらいのことはあるが、初対面のあいさつで必ず「パー券の買付はいたしません」と告げる。僕のビジネスで政治力やロビーイングが効くことはない。それ狙いでへこへこ寄ってくるような奴等と一緒にされるのも不愉快であるし、逆に僕は「株は買いません」と言われたら二度と会わないからそう言い切ってしまった方がお互いわかりやすい。政治家のビジネス経験というと、だいたいがかけだしのサラリーマン程度である。だから僕の商売を説明してもほぼわからず、ほとんどがそれでおしまいだ。

それでも、見込みあるなと思う人は何人かお会いした。僕は人を管理するのもされるのも嫌いだから政治家になろうと思ったことはない。管理者がいないと社会はもたないから誰かにしてもらう必要はあるので有能な管理者を応援する気持ちはある。政治家とは何か。志がある人だ。志は何であってもいいが、それが国民の琴線にふれるなら票が集まり、現金をばらまかなくても当選するだろう。政治は就職でも金儲けでもなく志に奉仕できる資質の人、国民の願いをかなえるモチベーションのある人の天職なのだ。僕にはその資質がないからお願いするのであり、敬意も払うし、税金も払うのである。

しかるに、総理になってやりたいのは人事ですという人が、中学生に「なぜ総理大臣になりたかったのですか?」ときかれ「一番権限の大きい人だから」と答えるブレのなさは見事ではある。しかし「機長になったのは一番権限が大きいからです」というパイロットが操縦する飛行機に乗りたい人はあまりいないだろう。日本国は目下そういう状態だ。入社試験の志望動機に「社長になりたいから」と答えるような自爆もので、もし社長が言ったなら株価大暴落だ。現にそういう資質の人がホールディンカンパニー制導入で多くの大企業のトップに立ってしまい、世界で日本だけ株が下がり続ける「失われた30年」を演出したのである。

岸田政権は支持率0%になっても続くと以前の稿に書いた。理由も皆さんが書いちゃって大丈夫ですかと心配してくれたほどはっきりと書いた。そうなりつつあるのはそこに書いた理由が正しい証明だ。それでも続けられる岸田氏の鈍感力は畏敬に値し、かような打たれ強さは定常的パフォーマンスを求められる公務員の大事な資質だ。僕には無理。以前、ある立派なNPO法人のトップをどうかという身に余る光栄なお話を頂いたがその場で辞退させていただいた。「すみません、競争して儲ける仕事じゃないとモチベーションが出ないんです」と理由を正直にお伝えした。狩猟民族なんですねとご理解いただいたが、民族というより猫であり、モチベーションをコントロールする能力はゼロに近い。引き受けたら100%ご迷惑をかけることが見えているからである。

パー券を買ってからいろんなことがあった。

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次期総理大臣を物理学で推理する

2023 NOV 28 11:11:32 am by 東 賢太郎

我々の宇宙は「できすぎ君」である。素粒子(ヒッグズ)の構造をちょっと変えると、我々の宇宙で百何十種類もあって様々な元素を作っているすべての原子核が1種類になってしまう。だから生物はできない。

(このビデオの4分あたりからご覧ください)。

ということは、素粒子の構造を、

➀「特殊な値に設定した創造主が存在する」

または

➁「我々生物は特殊な値があるから存在しているのだから、すべての生物は観測したら必ず特殊な値を発見する」

のどちらかしかない。多くの物理学者は➀ではなく「宇宙は無数に存在するのだ」として➁を採る。しかし、科学として➀であることも可能である。ニック・ボストロム教授(オックスフォード)の「シミュレーション仮説」がそれで、イーロン・マスク氏はこの世界が仮想空間でない確率は数十億分の一と語り、ホーキング博士も同様の理論を展開している。

http://イーロン・マスク氏が「人類はコンピューター … – GIGAZINE

僕は創造主を認める➀派である。つまり、

宇宙は、何者かの意思によって、存在する

と考えている。「何者か」を「神」に置き換えれば一神教(ユダヤ教、キリスト教、イスラム教)と原理的に同じだが、僕は「何者か」は知的生命体だと確信しており、バッハの音楽を愛しながらも父祖の国の日本を身びいきする。

物理の話から書いたのは、「社会に出てサイン・コサイン見たことあるか?」なんて人が総理になる国だからだ。僕も社会で見たことはないが、数学は思考回路を掘るために学ぶ。運河といっしょで掘らないと絶対にできない。ない人は運河に水が流れないから話すと1分でわかる。思考に限界がある人に話しても意味ない物が何かがわかる。総理は社会に出る前からサイン・コサインをやってないからそういう言葉が出る。

では運河に水を流すと何かいいことあるのか?ある。

冒頭の野村教授の思考法(回路)に政治を代入する(水を流す)と、岸田政権のドタバタから次の総理は誰かまで推理できる。それが以下だ。

日本国の政治はどうしてこんなに米国隷従になってしまったんだろう?その理由は何だろう?

➀「岸田総理が弱い」

または

➁「隷従しないと総理になれないから総理は誰でも弱く見える」

のどちらかしかない。世論は①ということになっている(=岸田政権の支持率急落)がそうではない。➁が真相である。隷従は構造的であり誰が総理になってもポチになり、ならなければ切られると考えた方が説明力がある。簡単にいえば、日本の総理大臣はアメリカが決めているのである。

これで理由は分かった。ではその理由に添って次の総理になりそうな人は誰だろう?ここからは推理だ。

米国(バイデン政権)は岸田氏を脅して日本を支配する作戦だったが氏の能力の限界を知った。そこで全メディアを動員して上川陽子氏を推す。理由は二つある。第一にキリスト教徒でハーバードで民主党幹部とツーカーである(一人で済むから岸田+木原よりベター)、第二に「初の女性総理」のセールストークで国民の目くらましができるからである。自民党議員は自分の選挙のために是非もなくそれに乗る(LGBT強行採決とおんなじ)。上川氏になると岸田政権以上に隷従(43兆円の防衛増税、ウクライナ復興への数十兆円の支援金拠出)が強力に推進、可決され、財務省にも好都合であり、その巨大な戦果をバイデン陣営は来年11月の大統領選挙キャンペーンに使う。米国が信用してない野党は消費減税反対と米国に媚を売るしかなく、それでますます国民人気が落ちてますます米国の信用がなくなる。つまり詰んでいる。新党が候補者を多く立てて自民の牙城に革命的侵略でもしない限り、総選挙で選択肢のない日本国民も詰んでいる。米国はいい将棋を打っている。

以上は東京裁判の失態(外務省)、サンフランシスコ条約の失態(吉田茂)、日航123便墜落(泥をかぶってもらう)に起因したと思われる岩盤に近い構造的原因から発した因果である。したがって、国内政局のすべったころんだなど何の関係もないが、政治家、メディアはそれで飯を食ってるのでうわべだけのあれこれの騒動が来年の予算成立まである。トランプさんに期待するしかないというのも別の意味で隷従。困ったもんだ。

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日本人に砒素のように効くLGBT法

2023 NOV 24 2:02:08 am by 東 賢太郎

(1)日本人が知らない日本の素晴らしさ

日本っていいな。23年前に帰国して、いの一番にそう思った。懐かしいとか日本語が通じるというようなことではない。16年も外国で暮らし40数カ国も行ったりすると、いわば “日本なし” で生きるプロフェッショナルになっている。そしてその感覚のまんま帰国する。するとまるでおとぎの国だ。楽で安全で清潔で、人は親切で優しいし、日本人が日本人のために日本人らしく生活できるように万事が緻密に設計され、施工され、心がゆき届いているのである。そんなことはない、日本はせちがらくてチマチマして住みにくい等の声もあろうが、そう思う方は欧米に1年でいいから住まれてたみたらいい。旅行や出張に何十回行こうとわからないことだと思う。

そう感じたのは帰国してすぐの、ほんの1,2か月のことで、やがて徐々に従来の感覚に戻った。すると、逆に何を驚いていたんだろうというこれまた経験のない感じがやって来た。当たり前だった大事なものがあることを失ってみて気づき、帰国してますますありがたみを悟ったのだが、こういうルートをたどってみるとそのありがたみは半端ではなかった。そんな国の国民でいられることは奇跡のように幸せだとさえ思っている自分がいて、そういう発言をするたびに「おまえ、前より右寄りになったな、珍しい奴だ」と周囲に言われた。米国の野球が大好きで、欧州のクラシックも好きだ、バリバリにガイジンになって帰って来ると思われていた。まあ仕方ないが僕にはそういうものより父祖の地の方が大事、そういう人間に生まれているようだ。

(2)赤信号みんなで渡れば怖くない

異様に感じた例の代表がこれだ。渋谷スクランブルの北隣りのT字路でのこと、欧米だとあの程度の道は自己責任でどんどん渡る。ところが明らかにクルマが来ないのに、歩道からあふれかえるほど堰き止められた両サイドの大群衆が誰一人身動きもせず1分も青信号を待つ。ルールを守らなそうな風体のお兄ちゃんも渡らない。凄い!これは道交法違反がどうのではない、日本は良くも悪くもそういう文化なのであって、交通安全には良いことだけど、悪い方をいうなら付和雷同、同調圧力、サービス残業、いじめ、根回しなどのルーツがみんなそこにあるんだなと思った。「赤信号みんなで渡れば怖くない」は、いみじくも、ビートたけしが鋭いセンスで日本文化の深層をえぐりだしたギャグだった。

(3)法律は文化の産物である

そうした経験をたくさん味わって、日本文化のどういう所が欧米人に異質なのかということを学んだ。それを皆さんにどう説明するかだが、英米法は「違法でなければやっていいが原則」ということをご理解いただくのが速いだろう。例えば、いま話題のトランプ元大統領だ。彼は数々の罪状で起訴されていて、すべてに有罪判決が出ると最大で懲役700年ごえになる。ところが、それでも来年の大統領選に立候補でき、当選すれば獄中から執務できる。我々の感覚ではそんな馬鹿なだが、禁じる法律がないからできる。これが英米法。日本には公職選挙法の公民権停止規定があるから立候補もできない。しかし、ここが大事だが、その法律があるからできないのではない。国民的に「そりゃないよね」と考える文化が法律になっている。それが先にあり、だからできないのだ。

つまり日本には「法律万能ではない」「違法でなければいいわけではない」という強固な文化がある。例えば違法薬物の成分を変えれば合法になるが、それでも悪い奴らだとなるのが日本文化だ。「不敬罪」は敗戦後になくなったが、だから皇室を侮辱してよいとはならないのは皇室をありがたいと思うのが文化だからだ。それは島国の地の利で2千年かけて純粋培養され、日本を日本たらしめてきた世界に誇る立派なもので、それこそが僕が「こんな国の国民でいられることは奇跡のように幸せだ」と感じたすべての物事を産んだ母胎である。こういうものは、堂々と主張しさえすれば、好き好きなど関係なく問答無用でユニバーサルに評価される。逆にそうしなければ、容易に外国に蹂躙され、消される。日本人が文化を忘れ、あるいは堂々と主張せず、英米法基準のアタマになって憲法を改正すれば天皇制だってなくしてしまうことができる。日本をステルス的に植民地にしたい外国はそれを狙うのである。

法律は大多数の日本国民にとってはおかみから降ってくる江戸時代のお触書のようなものかもしれない。しかし、おかみにそうした横暴を許さぬ仕組みこそが民主主義国家であり、だから法律はおかみではなく国民が送りこんだ代表が国会で作る。文化を形成するのはおかみではなく国民だ、よって、法律は文化の産物なのである。ということは、日本古来からの文化が否定されて廃れてしまえば、僕が「こんな国の国民でいられることは奇跡のように幸せだ」と感じたすべての物事は法律によって次々と消されていくだろう。消えるのではない、”何者か” によって消されるのだ。文化の否定は国の否定であり、したがって、それに組するような者を国会に送りこむなど言語道断である。不吉な予感だが、そうならないことを心から願って本稿を書いている。

(4)宗教はすべての対立の源

なぜ消されるのか? 世界覇権を握る米国、欧州を支配しているのが一神教徒だからだ。旧約聖書を源とするユダヤ教、キリスト教、イスラム教の3つがそれで、世界人口80億人のうち約52億人がその信者だ。一神=オンリーワンゆえ、数学と同様に答えは一つで他のすべては確定的に不正解だ。疑問、妥協の入る余地は皆無である。多神教は一神教の存在を認めるが、その逆はない。欧米列強の植民地支配、インカ帝国・米豪先住民の抹殺、未遂に終わったアヘン戦争、黒船襲来、ぜんぶその結末だ。

神の唯一性をめぐってさらにその3つが互いに争った。世界史とは西洋人が書いたその領地の分捕りあいと殺し合いの地球史のことであり、パレスチナ問題は言うに及ばず、十字軍も、ナチスの大量虐殺も、スターリンのそれも、米ソ冷戦もそれだ。もしウクライナやイスラエルで核戦争がおき、第3次世界大戦となって人類が滅亡したならばどうなるか。火星には太古に栄えた文明があったが核戦争で滅びたとする学説があるが、地球も結局はそれに学ばず同じ運命を辿ったんだねと別な惑星の住人が何万年後かに遺跡を発見するだろう。

皆さん黒船来襲を習った時、開国を迫る米国に余計なお世話だと感じなかったろうか。なぜなんだ、身勝手じゃないかという声に、しかし答えはない。一神教徒はそういうものだからだ。理由が水の補給とか鯨油めあてとか習った記憶があるが、そんな甘ちょろい性善説なわけねえだろ馬鹿じゃねえのという、そんなことを学校は教えてたのだ。日本の絵本では熊さんは優しく笑っていてパンダさんの親戚でもある。熊が人を殺して食っても、撃ち殺したら可哀想だとなる。当時アジアに来た外国船はみな飢えた熊みたいなものだ。英国にアヘン戦争を仕掛けられて莫大な賠償金を取られ香港を割譲させられた清国。スペイン、アメリカに蹂躙、虐殺の末に征服されたフィリピン。日本人がそうした運命にならなかったのは武士が強くて賢く、それがペリーへの抑止力になったからだ。260年の鎖国で異国との戦争経験がなかったにもかかわらず、申しわけないが、我が国の武士は近隣の如何なる国の軍隊より強くインテリジェンスがあった証明だ。

僕はローマとシチリアとチュニスの地に立ってみて、いつもポエニ戦争のことを想った。2千年ちょっと前、地中海に栄えたカルタゴは軍事、経済で強国だったが、ローマとの2度の戦争に敗れて劣勢になり、自衛戦争しかできない条約を強制される。やがて攻めてきた隣国に自衛として応戦すると、条約違反だと言い掛かりをつけたローマに滅ぼされ、国民は全員が殺されるか奴隷にされた。いまの日本vs米国の立ち位置はカルタゴvsローマとそっくりだ。まして日本は多神教国だ。一神教国とどう対峙し共存できるのか、同じ問題を共有する中国とどう向き合ったらよいのか。歴史観も国家観も知性もない人間をのんびりと総理大臣に据えていると、2千年後の教科書に日本が記載されているかどうかも危ないという喫緊の事態に我々は直面している。

(5)香港のゴルフ場で目撃した驚くべきもの

チュニスで感じた以上の危機感を生々しくしく懐いたのは、香港のゴルフ場で “あるもの” を目にした時だ。着任してすぐ、1889年開業とアジア最古の名門ゴルフクラブであるファンリン(香港高爾夫球会)の会員になって初めてプレーした。前半の谷越えのロングホールである。高台のティーグラウンド脇に養鶏小屋があり、鳥インフルが流行っていたので気になってそっちを見た。すると、自分が立っている高台のふもとの土くれから横倒しになった石板がのぞいている。墓石だった。アヘン戦争の末に英国人が中国人の墓地を潰して遊技場にしていたのである。

当時、英国の手先だったのがもと東インド会社であるジャーディン・マセソン商会だ。その長崎支店長がグラバー邸のトーマス・グラバーであり横浜支店長だったウィリアム・ケズィックは調べると1834年生まれである。我が先祖の田中平八はタメ年齢のこの男と生糸貿易をしたに相違ない。そしてこの男が「長州ファイブ」と呼ばれる伊藤博文、井上馨ら長州藩の若者5人をロンドンに派遣し、1866年に薩摩と同盟を結ぶとグラバーから買った新兵器で倒幕に成功する。

長州ファイブは渡欧途中にアヘン戦争でぼろぼろにされた清国の惨状を目の当たりにしている。何を見たかは知らないが、僕がゴルフ場の墓石を目撃したようなノックアウト級の衝撃を食らったことは想像に難くない。幸いなのは彼らは武士として筋金入りの教育を受けていたことだ。英国に取り入って幕府にテロを仕掛けながら植民地化を絶対許さない鉄の意志で諸外国をうまくあしらい、迅速に国体を造り上げるべく手を打った。みな30才そこそこの若者だ。米国のポチになるどころか、いいトシこいてポチのポストを争って日本を売り飛ばす当代の政治家どもは国の汚辱にしか見えない。

伊藤が新政府の初代首相、井上が外務大臣となったのは周知のことだが明治の元勲はほとんどがその後に命を落としている。国を守る政治家とはそういうもので組閣ごっこをするメンタルの者は論外以前に国害でしかない。墨田区の木母寺には伊藤が平八の追悼に建ててくれた「天下之糸平」の巨大な石碑がある。感謝している。それとはまったく関係ないが祖父はジャーディンの本拠があった上海の三井物産支店長であり、その妻となった旧姓真崎の祖母はグラバー邸隣りの旅館の娘だ。そして孫は野村香港の社長になった。偶然かもしれないが、人生を自分で決めているのではないと信じるようになったのはこの頃からだ。

(6)日本人であることの条件

僕がキリスト教ぎらいではないのは長年ブログにおつき合い下さっている方々はご存じだ。英国のヨーク大聖堂の巨大な空間の中を息子と歩いていて、ふと、改宗してここに一生いてもいいなあと思いもよらぬ気持に襲われたほどだ。それでいながら、信仰心とは無縁のところで僕は根っからの日本人である。何ゆえか?仏教でも神道でも如何なる宗教による信心でもなく、日本という2千年の時が紡いできた類まれな国柄、文化、習俗の肌触りが抜き差しがたく自己に同化していてその存在に感謝するという性質のものだからだ。

それは愛国心ともちがう。日本がどういう国かは一概に表現できず、愛するのは自分が知っているほんのいちパートに過ぎない。だから愛しているのは国というより父祖がいた土地なのかもしれない。その土地が日本と呼ばれているからの愛国心だ。だから日本人であるか否かはパスポートによって決まるのではなく、日本人である個々人がどう切り取っても一様に共有するであろう国柄、文化、習俗というものが分厚く織りなす生地のようなもの、日本的ではない物事やふるまいに接すると「そりゃないよね~」と思う気持、それを普段着として身に纏っているかどうかということのみが証明するものである。

(7)韓国人の30倍も支配されにくい日本人

ドイツ人はキリスト教徒である。ナチは人類史に稀なる狂気ではあったが、道がどこでどう曲がったかは米国人はわかったはずだ。だが根底から異質な日本人の行動はわからなかった。その結末が核使用による民間人の大虐殺である。それも人類史に稀なる狂気であることを世界に向けて僕らは発信し続ける必要があるが、宗教の違いは憎悪に火がつくと大爆発する危険物であることも強く認識を心掛けるべきだ。ガザ地区で今起きているのもそれである。キリスト教徒はそれを熟知しており、戦後、米国は韓国人を共産主義への防波堤とするため人口の30%をキリスト教化することに成功した。しかし日本人は未だにたったの1%だ。同じ顔に見えるが韓国人の30倍も支配しにくいと思っているだろう。**教会はその一助として韓国から布教すべくCIAが作ったと理解している。

バイデンは「日本国憲法は日本に核を持たせないために作ったんだ、それも知らんのか」とトランプを笑った。そうして日本を「中露北に対抗する武装は永遠に米国まかせ」の身分に置けば核で復讐される脅威は消え、FMS協定で中ヌキまでできる。バイデンを操るネオコン(またはDS、軍産複合体)が太った豚を手放すはずがなく、強調したいからくりかえすが、これはローマがカルタゴを食った手とまったく同じだ。円滑な支配のためには頭にキリスト教徒を置きたいが皇室は難関だった。しかし総理大臣は吉田茂、片山哲、鳩山一郎、大平正芳、細川護熙、麻生太郎、鳩山由紀夫と13%もキリスト教徒にできた。国民(1%)の13倍とは驚くべき高率で、これが偶然とは誰も言えまい。民主党びいきの上川陽子の名前がCIA新聞の読売から唐突に出てきたのはとてもわかりやすい。すでにボロボロの岸田政権を見限った。しかし上川になれば米国隷従の悪夢に拍車がかかるだけだ。

(8)同性愛は文化の一部になる

ネオコンがキリスト教化を進めにくい国を統治するには法律による支配が近道だ。ダイバーシティ(多様化)を押しつけて社会をずたずたに分断すれば日本文化の統一性、均質性は崩壊して米国社会のようになり、英米法的な法律をどんどん作るしか統治のしようがなくなる。それにより思想、思考回路も英米的にすることはキリスト教化と同等の効果が得られるだろう。「神は人間を創造された際,結婚した男女だけが性関係を持つように取り決めた」(創世記 1:27,28。レビ記 18:22。箴言 5:18,19)と聖書にあることから同性愛はユダヤ教でもキリスト教でもイスラム教でも禁止であり、それと人権との関係はそれらを信仰する国においては歴史的社会問題であり続けてきた。一方でL(レズ)、G(ゲイ)、B(バイ)の人々は日本においても昔から存在しており、国民の99%が聖書を信仰しない我々は我々なりの文化と常識をもって対応し、共存してきた。ここに宗教に起因するズレがある。これを埋める強姦に等しい強行策こそLGBT理解推進法の制定であった。

聖書の3つの宗教は近年になって同性愛を認める方向に融和してきたように見えるが、古くは弾圧し、罪人として処刑もしてきた(http://ソドムとゴモラ – Wikipedia)。戒律が禁止するからで、そんなものは存在しない日本と決定的に土台が異なるのである。だから、欧米は市民革命後の人権擁護という思想を戒律の上位に来させるには新たな法律で上書きする必要があった。それがLGBである。仏教では同性愛への言及はなく、日本は古来よりLGBには比較的おおらかな国柄であり、新法で保護する必要があるほど弾圧された歴史も文化もない。

(9)なぜ女湯に「 T 」を禁じる法律がないか

ちなみに我が曽祖父は能登から上京した風呂屋である。神田猿楽町に日本で初めて富士山の絵を描いた銭湯「キカイ湯」を創業し、それが全国に広まったようだ(http://こちら神保町「銭湯特集・その2 キカイ湯 第2回」)。父・東由之助の名は曽祖父・東由松から来ているが、半農半漁の田舎である能登から東京ど真ん中に出てくる冒険精神と楽天性を僕は曽祖父から継いでいる気がする。

そうした脈絡から昨今のLGBTの女風呂問題にはどうしても関心が行ってしまう。江戸時代の銭湯は混浴が当たり前だった。幕府がしばしば風紀が乱れるという理由で禁止令を出したが女性から反対が出たほど日本の性文化はおおらかなものだったようだ。たしかに、この絵の中の男女がLGBTのどれであろうといったい何の問題があろう。

大事な論点だが、混浴文化においてはLGBT理解増進法に問題はなかったろう。ところが明治の初期に西洋文化が移入されて男風呂、女風呂に分かれる。それでもLGBの人は外見の性別どおりに入浴するから問題ない。問題は T (トランスジェンダー)がくっついたことだ。日本文化では外見が男であるT の女性が女湯に入るなどということは想定しておらず、したがってそれを禁じる法律はない。あるのは外見の性別によって事業者や施設の管理権者が入場を断ることはできるという厚労省の衛生等管理要領だけだ。これは通達で法律ではないから違反者を逮捕はできない。

そこで先日の長島温泉の事件では、管理者の通報を受けた警察は「建造物侵入罪」(刑法第130条)という法律で逮捕に踏み切った。しかし、この罪は「不法侵入」が成立の必要条件であるから、侵入が痴漢や盗撮等の「不法な目的」によらない場合は罪に問えない可能性がある。現に侵入者は「心は女性なのに理解できない」と言った。「これを理解増進しろ」という法律は通達より強い。しかも「女が女に痴漢しますか?盗撮しますか?」「LGBT法が成立したので合法と思ったのだから不法でない」と抗弁された場合、「ならば手術して体を女にしてこい」とは言えなくなってしまったのが10月25日の最高裁判決なのだ。これで検察が起訴できるのか?見ものだが、素人なのでコメントは差し控える。

(10)LGBT理解増進法の真の目的

建造物侵入では不起訴になってしまい、「外形が男なら女湯に入れない」という新法が制定されたとしよう。女風呂の安全はそれで守られ、いかにも一件落着に見える。しかし、LGBT法を制定させた者たちにとってそんなことは痛くもかゆくもないのである。変質者を女風呂に入れてあげるのが目的ではないからだ。目的は「違法でなければ何やってもいいってもんじゃない」という、いわば法の上位概念である「日本の常識」の破壊である。連中はそれを「理解増進」(=洗脳)と正直に白状している。つまり、

LGBT理解増進法は、古来より日本文化にある「そりゃないよね~」を欧米流の「違法でないならOK」にじんわりと転換させるための法律である。

だから同法を制定させた責任者である福井県選出の稲田朋美議員は長島温泉の件について「LGBT法とは関係ないようだ」としている。この発言は「他人事のようだ」と批判されているがそうではなく弁護士なりの用意周到なコメントである。直接の関係はない(侵入を助長する意図はない)から嘘ではない。しかし、かような事件が多発することによって「理解増進」(=洗脳)が進行することを「関係ない」と言って放置する “未必の故意” はある。それを指摘された場合の逃げのために「ようだ」を加えていると思われる。

LGBT法の真の目的は、マイノリティの権利を拡張させ、一丸になると強い日本社会を分断によって弱めることだ。要するに、以心伝心で通じ合う日本人に異分子をぶちこんで世の中を面倒くさくし、古来よりの日本文化を壊し、米国に追従し、ひれ伏すようにしたいのである。GHQが終戦後に給食を米からパンにかえて小麦文化を移植し、戦争への贖罪意識を植え付ける教育をしたのもそれ。移民をどんどん入れろという政策もそれだ。さらにLを投入して「言ったもん勝ち」という面倒くさい社会にすれば、それを取り締まるには新しい法律が必要というイタチごっこ状態になる。よって国会議員と弁護士が統治者となり稲田議員は一挙両得であり、ネオコンはそれを工作員に使うのが楽だから彼女は総理の道が開けるのである。

(11)共産主義者の典型的な手法

「英米法的な国」に日本人の思考回路を変えることは一気にはできない。だから徐々に人を殺す砒素のようにじんわりと変える。英米法では認容できてしまうこと、例えば、総理が刑務所から執務することなど想像だにできない日本人の脳に「日本の常識」と「英米の常識」の間の立法精神の断層を作りつけ、それを都合良く使い分けて国会で次のLGBT法のような妙ちくりんな法律を易々と制定させる。国民は気がつかないうちに「合法的」に支配されるステルス兵器だ。これは共産主義者の典型的な手法で、性善説の日本国民が気づくことは難しい。

自民党の数名しか反対しなかったLGBT法の国会決議。皆さんあれを見てどう思われただろう?草案段階で反対の議員は多くいたと、自分は反対もせずしゃあしゃあと弁解する議員がいた。それなら赤信号をみんなで渡ればいいじゃないか。それができないほどだったのだから、何か物凄く怖いものがあったに違いない。それは何だろう?極めて不気味としか書きようもない。ここまで米国民主党に好き放題やられているのだから、そういう日本文化破壊派の総理大臣など言うに及ばず、議員もしくは政党ごと早めに駆逐しないと本当に危険だ。ちなみに稲田議員は「私こそ保守だ」と主張することで、LGBTの “T” の運用例までご親切に示してくれている。即ち、どんなアホが奇天烈なことを言おうが「言ったもん勝ち」ということだ。同法は使い方によってはかように一時のお笑いで世の中を明るくもできるが、廃止するに越したことはない。

しかし我々日本人は世界に稀なる優秀な民族である。精神の侵略に対抗する方法はある。それは実に簡単だ、冒頭に書いたように「日本っていいな」と感じること、それが何でも構わない、「日本に生まれて良かったなあ」と思うものを心から大切にすることだ。同時に、それを大切にして下さる外国人ならば受け入れる寛容な気持ちを持ち、和の心には妙だ、おかしい、嫌だ、不快だと感じるもの、肌合いからして受け入れられないものは決然とNO!とすることだ。千年も前からそれをやってる我が国に高々250年の国が自国の勝手ルールを押しつけるなど無礼千万である。それがダイバーシティ(多様化)の時代に逆行するとされるなら言わば言えだ。逆に問うてあげよう。世界のマイノリティーである日本を認めないのがどうしてダイバーシティなのかねと。

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