無人島の1枚?ピアノをください
2016 AUG 16 2:02:19 am by 東 賢太郎
ピアノっていいなあ・・・いい音楽をいただくといつもそう思う。いろんな楽器の進化の中で行きついた極致だ。あんまりに自己完結してるもんだから、完成度が高いもんだから、オーケストラに入れてもらえなかったんだろうなあ・・・。
自分でやるのに弾くという言葉はおこがましい。フンイキだけだ。それでも、ピアノのすぐれものぶりは大したもので、ラヴェルのダフニスの「夜明け」、あれを弱音ペダルでタラララとひっそりやると充分に恍惚となることができる。すさまじくセクシーな音だ。
昨日はドビッシーの「海」、最後の最後3ページぐらいを和音だけひろってやる。それでも感じは出るじゃないか。ああこれは第1楽章のエンディングだぞ、う~ん最高だ、トランペット入って、G7! 、加速して、行けっ!!ドン!!
このドンは、レ♭のキーをぶっこわれるぐらい思いっきりたたく。
いわれなくても思いっきりになっちまう。凄いなあ、この快感。楽譜には fff があるが、そんなのいらない。そうじゃなきゃいけない、そりゃ曲の成り行きだからわ~っと盛り上がって生理現象でそうなっちまう。
でも、作曲家はティンパニの一発にした。なんて奴だ!
R・コルサコフ交響組曲「シェラザード」の第1楽章。これは全曲いく。何も考えない、あ~いい和音だいい曲だ。アンセルメをイメージして。うまくできたもんで、ff で完全にトランス状態で時にエクスタシー?にいたることができる。
ドヴォルザーク8番、第4楽章。途中まで。弦が第1主題を出して変奏していくあそこ、まさにこれこれ、う~ん、めちゃくちゃいい音書いてあるぜ!
ベートーベン悲愴、第2楽章。祈りの気持ちで弾く。何を祈るのか?知らない。ふだんは何も祈らないからたまにはいいだろう。むしろ精神安定剤かな。
ラヴェル、クープランの墓「プレリュード」。難しい。限界を超えるパッセージが3カ所。そこは完全主義のカンバンはおろすいい加減さが命だ。
同、ピアノ協奏曲ト長調、第2楽章。これまた恍惚ものだ。オケが入ってからしばらくは和音だけの手抜きでごまかす。コーダ。グランドキャニオンの夕焼けだ。荘厳さに絶句・・・。
くやしいがへただ
自分の耳が許容できない
弾かないと忘れてしまう
ということで、どうしてもプロフェッショナルのお世話になるしかない。
しかし無人島にひとりでもピアノ1台あれば1週間はもつ。楽譜がないと何もできないが、シューベルトのD.894でもあればいいチャンスだ、練習しちまおう。救援SOS出すの忘れて餓死、あるかもしれないが・・・。
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Categories:______音楽と自分
Tom Ichihara
8/16/2016 | 6:47 PM Permalink
東様、この事をご存じですか?
無人島にピアノ1台、、、
毎度過去の話ばかりで申し訳ないけど、、、どうしても年寄りは過去しかないもので。
子供の頃、モノクロのニュース映画でしたが、南太平洋の小さな島に外国から帰ってきた女性が一人、 フレヤーのスカートをなびかせ、縄ばしごを伝って艀に乗り込む、
クレーンでグランドピアノを降ろし、島へ向かう、彼女はその島から幼い頃にアメリカへ渡った、どういう経緯でいったのかは判らない。
やがて藁葺きの村の広場でピアノを演奏した。
シチエーションもすばらしく、残念なことに何を演奏したか覚えて居ません。
何が彼女を其処までさせたか、多分、海外でピアノを覚え、島の人に聞かせたかったのでしょうね。
東様の博学で調べて下さい。
東 賢太郎
8/17/2016 | 12:37 AM Permalink
市原さん、それっていい話ですね。白いピアノが似合いそうです。でもできれば藁葺き屋根じゃなくって青空の下で弾きたいもんです。
9月はお待ちしてます、なにか美味しいもの食べましょう。