N響B定期・ノセダのラフマニノフが最高
2018 NOV 15 1:01:26 am by 東 賢太郎
指揮:ジャナンドレア・ノセダ
チェロ:ナレク・アフナジャリャン
【曲目】 レスピーギ/リュートのための古風な舞曲とアリア 第1組曲
ハイドン/チェロ協奏曲 第1番 ハ長調 Hob.VIIb/1
ラフマニノフ/交響的舞曲 作品45
レスピーギは軽めのアプローチで弦がきれいだ。ハイドンを弾いたアルメニア生まれのアフナジャリャンは楽しめた。聴きながらハイドンの1番をロンドンでロストロポーヴィチで聴いたのを思い出した(あまりに軽々と巧みすぎてヴァイオリンのように聞こえた)が、バイオを見るとロストロの弟子だった。アンコールは奏者の声(歌)と交差する曲で面白かった。
前半も良かったが休憩後のラフマニノフが圧巻だった。この曲はオーマンディ/フィラデルフィア管に献呈され初演しており、僕は83年に当地(アカデミー・オブ・ミュージック)でアシュケナージの指揮で聴いた。もともと2台のピアノ用に書かれ作曲者とホロヴィッツで試演しており、そのバージョンもアルゲリッチとラビノヴィッチで聴いた。しかしノセダとN響はそのどれより良かった。
これだけN響から厚みあるリッチでフルボディの音を聞いたことがなく、ラフマニノフのオーケストレーションが格段に優れているとも思えず、どういうマジックだったのか、ソリッドに鳴る各パートの艶もカラーも見事だった。これはワールドクラスの演奏だと特筆大書したい。同曲はあまり関心をそそることもなく、はっきりいうと駄作の判を押してきたが、魅力の一端を初めて知った。イタリア人のノセダは初めて聴いたが、この演奏は大変にmemorableである。
ソナー・メンバーズ・クラブのHPは http://sonarmc.com/wordpress/ をクリックして下さい。
Categories:______演奏会の感想
野村和寿
11/16/2018 | 5:11 PM Permalink
東君 野村です。ぼくも14日にノセダのN響B定期を聴いて参りました。ノセダは10年ほど前に、イタリア人なのに、ゲルギエフの副指揮者をやっていて、マリインスキー劇場とともに来日してヴェルディの「運命の力」を上演したりしていました。またかみさんの当時属していた、東京交響楽団に、当時、パーヴォヤルヴィ、アラン・ギルバートとともに、定期的に客演していました。10年経ったら大物になるということがいわれた3人でしたが、確かに3人とも大物になりました。ノセダは当時はマーラーの千人を東京交響楽団で、振って好評でした。また、最近ではMETなどにも客演しています。またトリノの歌劇場の監督として、来日もしていました。ぼくもラフマニノフはたぶん聴くのは初めてだったのですが、金管も木管も弦も綺麗にならしていました。10年前も基本的には同じで、ノセダはずいぶんとオケを鳴らすのが上手な指揮者だなあと思っていました。どこか師匠ゲルギエフに通じるところもあります。
東 賢太郎
11/16/2018 | 5:36 PM Permalink
野村君、そうだったんだ、ホールで会えたらよかったのにね。この日プログラムを会場で見てぜんぜん興味も期待もわかなくて、ところが終わったらすごく感動してたからきっと指揮が良かったんだろうね。Bは会員ですか、そうなら次回はサントリーホールで。
野村 和寿
11/18/2018 | 9:37 AM Permalink
同じコンサートにいき、同じラフマニノフの交響的変奏を聴き、しかも同じ感想をもつというのは、とても嬉しい体験でした。ぼくは、残念ながら、招待券をいただいて行ったのです。N響B定期の定期会員というわけではなく、ときどき招待券を譲っていただいていくことがあります。来月はたぶん行くことが出来ないと思います。またN響B定期に行く機会ができ、ご一緒できることができるといいですね。
東 賢太郎
11/21/2018 | 10:26 PM Permalink
野村君、読響定期でもいいです。行かれるときは連絡ください、久々にご一緒しましょう。