イチローの記録に学ぶこと
2016 JUN 19 19:19:56 pm by 東 賢太郎
イチローの安打記録について、ピート・ローズが「俺が2番かよ?高校野球の成績入れんなよ」といちゃもんをつけた。すると今度はそれについて「イチローがすぐメジャーに入ったらぬいていた」と外野席からいちゃもんがつくという構図になっている。
以下、私見である。
イチローがすぐメジャーに入ったらローズをぬいていただろう
これは仮定だ。そうかもしれないと思うが、証明できない以上は仮定は仮定だ。
仮定が事実を覆すことは全宇宙のどこにおいてもない
これは真理だ。これを否定したら科学はない。事実の前に「たら」も「れば」もない。つまり、この議論は一刀両断でおしまい。
ローズはぬかれていない
以外に答えはない。
ではイチローの「記録」はどうか。NPBはNPBで、MLBはMLBだ。リンゴとミカンを比べてもしかたない。「比べない」ことでローズの1位が守られるわけでもイチローの記録にケチがつくわけでもない。
4257安打の重みについて客観的評価ができる人は外野席にはいない
経験のない僕らが知る由もない。太陽の表面温度は6千度?遠くの地球でも熱いんだからきっと6千度はすごく熱いんだろう、ってなものだ。語っても意味がない。プロ野球経験者は外野席よりは近いが富士登山だけでエヴェレストを語れるわけではない。
報道を見る限りプロ野球選手はコメントが控えめであって「山の道」を知る者の節度と倫理を感じる。「仮定が事実を覆すことは全宇宙のどこにおいてもない」とは、非常に興味深いことに
学校の教室で習うことではない
のである。つまり少しでも「やった者」は畏れ多くて語れない。
全宇宙のどこにおいてもないものを「ある」と堂々といえるのは、実はそれをぜんぜん知らない者だけなのだ
ということがわかる。
僕は、
「勝負事」を人生で必須の経験として若い人に奨励したい
「なんちゃって」でなければスポーツでもゲームでも何でも構わない。のるかそるかの大勝負をして、しかもそれが
こてんぱんに負けた経験であればなお望ましい
ということを。人はそこで己を知る。それを知らないほど悲しい道化はない。誰しも己がかわいいので虚構の自信で生き、他人を否定し、それが嘘なのは自分が知っているから自分の尊厳を守る方法は自分に嘘をつくことになってしまう。
スポーツやゲームの負けに嘘はない。自分に言い訳もできないし他人のせいにもできない。そして「たら」「れば」は封印される。悔しければ努力をして勝って見せる以外に逃げ道はない。
イチローが、
子供のころ「あいつ、プロ野球選手になるのか」と笑われた悔しさが原点だ
と語っているのはその例だ。彼は笑われたから良かったわけだ。若い人はここに学ぶべきことがあるし、
それを教えてくれるのは親や教師でない
ということをまず知るべきだ。学びは自分でするものである。
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中島 龍之
6/20/2016 | 11:08 AM Permalink
イチローの記録については、ピート・ローズのコメントなど、聞かれる方もいやかもしれませんが、ちょっと賑やかでしたね。私としては、イチローの日本の安打数とアメリカでの安打数を足して、世界記録というのはどうかと思ってます。日本でも、張本が日本記録は私だと言っているし、アメリカでピート・ローズがアメリカ記録保持者と言ってもおかしくないでしょう。イチローは日本、アメリカ合わせて、ヒット本数が一番多い人でいいでしょう。日本、アメリカ以外の国のバッターが、自国で4000本ヒットを打ち、日本に来て、500本打って世界記録と言ったら、どうでしょうか。世界記録とは思わないでしょう。東さんのおっしゃるように、同じプロ選手の多くがコメントをしないのは、難しさがわかるからなのでしょう。人がどう呼ぼうと、実績は変わりませんからね。
東 賢太郎
6/20/2016 | 1:14 PM Permalink
ピート・ローズはフィラデルフィアで見ましたよ。フィリーズ時代だから40超えてましたが快足を飛ばした2塁打、すごいなあと思いました。中島さんも僕もはしくれながら野球やってたし、彼らの記録は実感はできなくても尊敬はできると思うのです。ローズもイチローも超人ですよね。どっちが上でもなく両方とも尊敬されるべきで、ローズはその後はいろいろ刑務所に入ったりあったわけですがそれと彼が生んだ記録は関係ないです。尊敬されてほしいです。
hkarasawa
8/1/2016 | 3:12 PM Permalink
東さん
ご無沙汰しております!ブログ久しぶりに拝見させていただきました。自分もイチローはずっと尊敬していていつもいろんなこと学ばせていただいてます。そのイチローに関する記事だったので思わずコメントさせていただきました!
「勝負事」を奨励する東さんの言葉重く受け止めています。自分も日々いろんなことに挑戦しているのでこてんぱんに負けた経験ばかりではあるのですが、それに安住していてはいけないと感じました。何度負けてももっともっと勝負する回数を増やしていくこと、その重要性を今痛感しています。
音楽はスポーツと違って白黒つけにくいので、つい言い訳してしまいそうになる部分も多々あります。ですが圧倒的な作品やパフォーマンス、アーティストの生き方に触れて完敗した時は負けをはっきり認めて、そこから自分にしかできないものは何なのかを徹底的に突き詰めていくよう自分を戒めていきたいと思いました。
最近少しずつですが自分を取り巻く環境がよい方向に変わってきています。ですがそれに安住することなくこれからももっともっと勝負し続けていきたいとこちらの記事拝見させていただきまして改めて感じました。非常に感謝してます。
東さんの若者に伝えたいことシリーズは重みがあって好きです。これからも学ばせていただきますので今後とも楽しみにしています!
唐澤
東 賢太郎
8/2/2016 | 1:08 AM Permalink
ひろきくん
元気そうだ、その調子だ。環境がよい方向に変わってきていますってチャンスじゃないか?チャンスは攻めろよ、思いっきり。まず、何をしたら負けたかよく考えて、次に、負けにくいやり方を考えて(これが最重要だ)、あとは迷わず全力で攻めるだけだよ。
このブログはね、言い訳するな、逃げるなと言ってます。「知らない者」のまんま外野席で年とるなよって。僕らバブル世代のオヤジとは時代が違う、それ言っちゃあ酷だという人もいる。でもね、どんな時代でも人生で勝つ奴と負ける奴は同じだけいるよ。デフレだから全員が負けなんてことはない。環境というのはお天気と同じだ、君に雨なら敵にも雨だ。
「自分にしかできないものは何なのかを徹底的に突き詰めていく」。素晴らしい、それに尽きる。戒めるのではなくね、ポジティブに「いいものには必ず値段がつく(ほしい人が現れる)」と信じたほうがいいよ。全部ポジティブに考えなさい。信じる者ほど強い者はないし怖い敵もない。だから「いいもの」「自分が惚れられるもの」を作ることだよ。徹底的にこだわりぬいてオタクにでも変人にでも何にでもなることだ。
他人が何を言おうがどう見られようが、世間体がどうあろうが、どうでもいいよ。そんなことより、君が目指す音楽の道で世界で一番手ごわい連中と勝負しなさい。そこで自分の力を知って磨きなさい。
Hiroki Karasawa
8/5/2016 | 8:42 PM Permalink
東さん
お返事ありがとうございます!
チャンスなので日々全力で攻めてます。負けにくいやり方でやりますね!
そうですね。どんな時代もやるやつはやる。それだけですよね。自分はやりますよ!
曲を作る際は常に自分が惚れられるもの作ることしか考えていません。
そして同様に常に自分が惚れられるような自分でいること。それしか考えていません。オレはアーティストですので。
世界で1番手強い連中を見て日々生きてます。
その結果もあってか東さんと1番始めに会って以降、TVCMを始め様々な大きなCMの音楽いくつも手がけてきました。
少しずつですが自分が信じて積み重ねてきたものが評価されてきているように感じています。自分は変わっていませんが社会が少しずつ変わってきているのだと感じています。
ただ自分は全く納得していません。自分の志しているところはもっともっと先にあるのでその1点目指してこれからも引き続き進んでいきます!
激励ありがとうございました!感動しました!これからも時々読み返します!
唐澤