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丸選手 緒方カープに引導渡す

2019 AUG 31 2:02:04 am by 東 賢太郎

広島・巨人3連戦。巨人についにマジックが点灯し、我がカープには最後の生き残りをかける天王山となった。この3試合は万難を排し、東京ドームにて観戦した。そして終戦を目撃することとなった。

今年初めの丸佳浩選手の巨人FA移籍発表はカープファンに衝撃だった。長野選手の人的補償によるリベンジ感でそれは少々緩和はされたが、長丁場の勝負の世界というのは確率が支配するのであって、このブログの予言が無念ながらほぼ現実になっている。

OPSで見る今年のセリーグ予想

3月27日にこれを書いた2日後、マツダスタジアムでの開幕戦は広島・大瀬良、巨人・菅野の両エースの激突、そして巨人のユニフォームを着た丸が「敵地」広島に乗り込んでの決戦という意味で全国の野球ファンの注目を浴びた。そして、結果は、

広島5-0巨人

開幕戦で力投する大瀬良

というカープの完勝で終わり、先発の大瀬良は8回を11奪三振で完封したのである。全国のカープファンが溜飲を下げたことは言うまでもないが、とりわけ、アンチ金満主義の他チームファンまでが感涙にむせんだのは、大瀬良が丸を4打席連続三振と完膚なきまでに封じ込んでくれたことである。「4打席連続三振」。我が世代は見てはいないが伝説として記憶している「金田正一、新人・長嶋茂雄にプロの洗礼」がそれだ。「3打席じゃダメなんですか?」「ダメだね、大違いだね」、大人にこう教わって僕は「三振」はただのワン・アウトではないと悟った。この日の大瀬良の雄姿は、わが世代には金田のみならず、きっとあの力道山にも重なったことだろう。

カープの4連覇を阻んだ主役はその丸選手であったが、この時点でそれはまだ誰も知らない。というより、世の中で一番見たくないのはそれだというものだった。カープ・オペラの勇壮な、まるでマイスタージンガーみたいな前奏曲は文字通りこの開幕戦の大瀬良による丸・4打席連続三振であった。そして、それからちょうど5か月がたった8月29日ちょうど、その大瀬良が先発した第3戦がまるでカルメンかボエームのように、一番見たくない悲しいエンディングになったのである。

第1戦(広2-0巨)

非常に見ごたえがあった。ジョンソン・石原が丸を4の0(2三振)で見事に抑えたからだ。第4打席の全球スライダー、全球空振りの三振は石原のプロの技だ。丸、打つな、カープ燃えるから、のサインでも出てるかと思うほど打てる気配がなかった。

メルセデスはドミニカンだが剛球で押すタイプではない。田口を速くしたような投手でコントロールが絶妙だ。ジョンソンが8四死球も与えながら7回を零封し逃げ切ったという試合だった。特にフランスアが陽を空振り三振に取った157キロには完全復活の光明を見て、大いに気分よく帰路についた。

この試合、もうひとつ記憶に残ったシーンがある。9回に出てきたマシソンに対し、サンタナに代えて野間が打席に立つ。そりゃないだろと思ったら快音が響きライトにライナー性のフライが飛んだ。捕られたが「おお、野間、どうしたんだ?」と叫んだいい当たりだった。

第2戦(広2ー6巨)

スコアボードの先発メンバーに「7番レフト野間」を発見したとき、あのライトフライがフラッシュバックした。この試合、相手は気迫充分の菅野である。4つ申告アウトだなと思ったが、まあ守備もあるしなまさか4つはないよなと受けとめた。案の定、バットを振りきれもせず当てるのがやっとの弱々しい内野ゴロ。しかも4つだ。しかも、ひょっとして松山なら捕ったかという守備の恥ずかしいミスまで出た。これで怒らないのはおかしい。

菅野には左が打率がいいというデータがあったらしい。そんな猿でもわかるのはデータといわんのだよキミ、トラックマンも入れない球団が言うなよ。

野間は今季2割5分、2本塁打。めったに打たない巨人・小林 誠司も2割6分、2本塁打だが打順は8番だ。しかも小林はバットを振りきれるぐらいのスイングはもっている。先発・野村が突如くずれて4失点した直後の5回表、二死一二塁。打順は7番野間である。スタンドが盛り上がったのは、まさか野間に4打席はさすがの緒方も考えてないだろう、ここは勝負どころなんで代打メヒアか長野だろうとみんな思ったからだ。ところがなんと野間がそのまま打席。そして外角シュートをわざわざ引っ張って、しかもちょこんと当てただけで、ごっつぁんの真正面のセカンドゴロだ。スタンドの盛り下がり感は半端でなく、怒りの声も轟いた。

広島の先発野村はよく投げたほうだと思う。今ひとつ球が来てないしフォークが引っかかって3度も1メートル手前でワンバウンドしてる菅野ともども序盤の最速は147、8キロだったが野村の方が球威はあった。あのスターティング・オーダーを見れば「今日は打てないな」と思うのは人間として自然だ。したがって、慎重なコーナーワークで球数と四球は多かったのも当然だ。4回までは零封したがすでに疲れてる5回に坂本に看板直撃の大ホームラン、岡本にもマン振りのバックスクリーンを献上してしまうが、丸の餌食にはならなかった(2四球、1三振でOPSには貢献したが)。第4打席も左腕・塹江(ほりえ)が見のがし三振にとっている。丸はまだ眠っていたのだ。

第3戦(広4ー12巨)

放送席の通路に人だかりしている。誰かと思ったら松井秀喜と高橋由伸だった。原監督も発奮したろうし、鞭が入った巨人打線の振りはひときわ鋭かった。長いこと野球を観ているが、1イニング10点というのも初めてだが、3回を終わって12-1のスコアというのも初めて目撃した。5回終了で12-2だったから高校野球の地方予選ならコールドゲームだった。こう完膚なきまでやられるとすがすがしささえ感じる。

大瀬良が先発である。この試合を落とせば「終戦」という瀬戸際。すべてはエースの右腕にかかっていた。初回。三番・丸を大瀬良が三振に仕留める。ここまではよかった。ところが2回、6番の阿部慎之介のデッドボールで雲行きが変わる。デッドボールで思い出すのは阪神・藤波がカープ黒田の顔面にあわやというのを投げて恫喝され、それからずっと、いまに至るまでおかしくなってしまった。その藤波がやはりカープの大瀬良に同じようなのを投げたが、倒れこんだ大瀬良は笑顔で藤波に気にすんなと励ました。

大瀬良、いい奴なんだ。

だからかどうかはわからないが、藤波のようなメンタルだったなら阿部慎之介、しかもホントに当てちゃって(藤波は当たってない)ドスンとスタンドまで音が聞こえたのは重たかったろう。そこまで何らおかしくなかったのに、歯車が狂ったように次のゲレーロにストライクが入らず四球、続く大城に快心のライト線二塁打で2点を失う。そして3回。亀井にストレートの四球、坂本に1・2塁間を抜かれ、ついに、眠っていた3番・丸にタイムリーを打たせてしまう。

すると、ここから堰を切ったようなつるべ打ちである。4番・岡本にスリーラン、続く阿部、ゲレーロ、大城に連続2塁打。緊張感の切れた外野手による早朝オジサン野球並みの落球、後逸も続出し、打者一巡でかつてのヒーロー大瀬良はKO。そして、総仕上げとして、救援の塹江が、ついに、丸にバックスクリーンへ屈辱の満塁ホームランを食らって丸ポーズされてしまうのである(写真)。

カープファンの皆さん。実に悔しいが、現実を直視しよう。丸の一発がカープの終戦を告げた。丸の巨人移籍は戦艦大和の沈没ではなく、大和が米軍第7艦隊に旗艦として加わったに等しかったのである。

どうして2位じゃダメなんですか?(レンホー)

という暖かいファンがマツダスタジアムのチケットを争って買っているうちはこの悲劇は永遠に続くだろう。ちなみに戦時中の国民は「戦艦大和」の名前はおろか、存在も知らなかったのである。

 

 

 

 

丸は昨日も阪神戦で決勝ホームランをバックスクリーンにたたきこんだ。練習のたまものだが、なんといってもこの「お尻」と「太もも」がすばらしい。

 

 

 

 

 

うちの愛猫シロのあだ名は「マル」である。球場で打席に丸が入ると思わず「シロだね」とつぶやくし、僕はやっぱり丸のファンなのだ。

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僕の五感強化法

2019 JUL 30 0:00:04 am by 東 賢太郎

雨あがりの朝に今年初めてのセミが鳴いた。先週の火曜日、7月23日のことだ。その瞬間、あっ梅雨が明けたぞと思った。気象庁は台風を気にしてか梅雨明け宣言しなかったようだが、セミはハズレて批判されるリスクは気にしない。

僕は永いことネコと暮らしてきたせいだろうか、人間のなまじっかの理性より動物の本能を信じるところがある。我々は嗅覚、聴覚、視覚も運動能力も圧倒的にネコに劣っている。理性だけは少しは上回っているようだが、だからネコより偉いと断定はできない。ヒト一人とネコ一匹が人里から完全隔離された原野に裸で放置されたら一週間後に生きてるのはネコの方だろう。

我々は理性の代償にだんだんと五感を失ってしまった。でもバランスの良い生活を送るには動物としての感覚はないがしろにはできないと考えているので、僕はいつも五感を自覚しようとしている。できればもっと鋭敏にしたいとも思っている。先の週末に海が見たくなった。こういう時は欲求にさからわない方がいいというのが生き方だ。どこか近場でということで、三浦半島は油壷にでかけてしばし海辺の岩場でぼーっとした。我々に残っている五感は儚い。ひらひら飛ぶ蝶々みたいなものだ。海を見ているとほっとするのは、太古の昔は魚だったからだろうという気がしてくる。そういうとりとめのない「気」というものは、どこからともなく泡のように心にぽっかりと浮かんでくる。それをしっかりつかまえてみる。それが僕の五感強化法だ。そうやっているうちに、日々積もりに積もった心の澱を足元のさざ波が洗い流してくれる。わが身は逆巻く水にのまれてくるくると水底をころがる子蟹みたいである。そう思うと、泳ぎたいなという「気」が降ってきた。

見たことのない木だ

僕にとってロンドンや香港は仕事をする場所であった。東京だけはそうじゃない、故郷だと思っていたが、どうも近頃はそっちになってきた。仕事も五感が大事だ。鈍ると判断を間違える。我々は言語というものを駆使できるし、それが理性を産んだ。しかし、便利ではあるが言語は時に自分をも縛って自らを欺いてくれたりもする。そこから不安やら疑いやら怒りやら、あんまり健康によろしくない感情というものが生じてもしまう。だから時には一切の言語と理性を絶って、自然の一部になったほうがいい。

横堀海岸にて

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新しいネコのおひろめ

2019 FEB 19 21:21:55 pm by 東 賢太郎

2か月のお試し期間が終了しました。「文句なく合格です」ということで、玉川田園調布NPO法人みなしご救援隊「犬猫譲渡センター」へ行ってもらいうけの書類に署名をし、寄付をさせていただきました。

あたらしく東姓を名乗ることになった、

クロ

そして、

シロ

そして、先輩の、

ノイ

クロ、シロは譲渡センターへぶらっと行って気に入りました。ノイは娘が拾ってきました。世のなか、すべてご縁でございます。幸せになってほしいです。

 

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家族が2人も増えました

2018 DEC 17 1:01:30 am by 東 賢太郎

今日は玉川田園調布の交差点に近い「NPO法人 みなしご救援隊 犬猫譲渡センター」へでかけました。家内と娘が「8才の姉妹がいるよ、いい子たちよ」というので行ってみました。いきなり頬ずりしてきて手をなめられてしまい、即決でした。ウチには大事なノイがいるので、「慣れるまではケージに入れて様子を見たほうがいいですよ」というセンター長の佐々木さんのアドバイスにしたがい、すぐにペットショップで3階建てのケージを買ってきました。

名前はクロとシロだった

とってもおとなしい上品な姉妹です。前の飼い主さんは三鷹のかたで、きっと大事にかわいがっておられたのでしょう。ご高齢で施設に入られることになり引き取り手をさがしていたそうです。別れるのはおつらかったでしょうが、ウチに来てもらえば安心です。

子猫がかわいいというかたが多いのです。8才のメスのペアというとなかなか見つからず、かわいそうに9月からずっとセンターのケージで暮らしていたのです。ところが僕はふつうの人と反対で子猫より大人の猫のほうが欲しいからちょうどいいお年頃で、この出会いはご縁だったにちがいなし。家族から最高のクリスマス・プレゼントをもらいました。

さてちょっと心配はノイです。びっくりして「シャー」をやってしまい、机の下にかくれてしまいました。

でも、年下ではあるけれど、我が家ではノイが先輩です。そこは譲れませんからノイのきもちを最大限に尊重です。はやくなじんでくれるといいな。

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「さん」づけで呼ばれるえらい人たち

2018 SEP 14 1:01:58 am by 東 賢太郎

 

夏の甲子園を制覇した大阪桐蔭高校の根尾くん。打ってよし守ってよし投げては150キロの超人アスリートながら成績はオール5でご両親とも医師だ。チームメートは恐れをなしてか、先輩までが

根尾さん

と呼んでいるそうな。

 

 

 

 

広島東洋カープの精神的支柱である新井貴浩選手。カープをここまで強くしてくれた41才を、僕は必ず敬意をこめて

新井さん

と呼ぶ。緒方監督もそうらしい。

 

 

 

 

我が家の精神的支柱である

のいさん

さんづけで呼ばれるお父さん、お母さんより序列はうえである。

 

 

 

 

 

 

 

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ライオンの気持ちになりなさい

2018 MAY 17 0:00:05 am by 東 賢太郎

ある占いによると我が星は「食神」であり、うまくいけば美食家と呼ばれるそうだが、結局のところ胃腸だけは強くて単に食い意地が張っているということになった。そのせいか世界中どこへ行っても屋台のローカルフードを食べてみたい情熱がある。それで病みつきになるようなことはないから好奇心だけなのだが、それはそれで意味がある。そうすることで土地の人の気持ちがわかるようになるという信仰心に近いものがあるからだ。

思いつきではない。信仰が芽生えたのは米国留学する前にコロラド大学で英語研修を受けた時のことだ。同室だったケニアの男と仲良くなってケンタッキー・フライドチキンを食べた。そこで衝撃を受けることになる。ニコニコしゃべりながら彼がバキバキボリボリとチキンを骨ごと噛み砕く音が響き、しゃぶり尽くして肉片のかけらも付着していない骨が皿に次々と並んだからだ。何より驚いたのは、その一連の動作が我々が団子かおでんを食うぐらい自然な感じであることだった。意気投合できた気でいたが、アフリカは遠い所でもあることを知った。

あれからだ、食文化に興味を持ったのは。特に発酵食品、臭いものには気をひかれた。スウェーデンの塩付けニシン(シュールストレミング)、韓国のエイ料理(ホンオフェ)、中国の臭豆腐、マレーシアのドリアンなど試したが結構強烈である。仮にいくら相手の言葉を覚えたってああいうものを好む人達と意気投合は難しい、それは同じアジア人でもケニア人でも変わらないのではないかと思うようになった。

先方にも言い分はあって、西洋人はくさや、鮒ずしはまずだめで人間の食い物じゃないみたいな顔をする。納豆も手ごわいらしく日本通のオーストラリア人に食べさせて降参宣言させたことがある(出張先でベジマイト攻撃の返り討ちにあったが)。外国のは全部だめでくさや、鮒ずし、納豆が初回から平気であったのだから偶然や慣れでは説明がつかない。それを好ましいとするDNAの人が多めに列島で生き延びてきて、自分もそのひとりだったということではないか。

とすると同じことはシュールストレミングにもホンオフェにも言えるのだ。DNAの話になれば文化の相違では片づかない、なにか生物としての根源の領域に触れるものがあろう。ちなみにうちのノイはネコとして異例で、肉、魚は食べずトマト、スイカ、バナナを主食?とするからDNAは「外人」かもしれない。種として日本猫と交配は可能だろうが、そのことだけをもって仲良くなれるとは限らないように思う。

dislikes(嫌い)から入ったがその逆の likes(好き)もある。僕の例でいうと駄菓子屋のチョコレートがゴディバより好きである。スパゲティはカルボナーラやボッタルガよりナポリタンだ。飴は森永ミルクキャラメル、アイスは不二家の巨大なパフェで今もファミレスで注文する。一般におふくろの味というものはみなそうだが、DNAなのか後天的な慣れなのかはともかく60を超えても変わらないというのは好きになる要因を先天的に持っていたということだろう。

これをどう子供に伝えるか?僕はでっかいステーキや鳥のもも肉にかぶりつかせて「ライオンの気持ちになりなさい」と教えた。そんなことはライオンに聞いてみないとわからないが、べつになんでもいい。そのライオンがスウェーデン人や韓国人になればいいということをわからせたいわけだ。これが算数の「代入」とは誰でも知っているが、算数を何のために習うかというとこういう頭の使い方をするためだと思う。ライオンはスウェーデンにいないでしょなどと意味に引っ張られてしまう人は抽象的思考ができない。

人は経験しないことはわからないという僕の立場からすると、限られた人生の時間で経験の差はあまりつかない。つくのは無限に入れ替えが可能な「代入」を抵抗なくホイホイする力、つまり算数力によってなのだ。その前提として、これが大事だが、自分なりの「公式」をたてる。「ローカルフードで土地の人の気持ちがわかるようになる」というのがそれだ。ケニアの彼を見ていてそれを思いついたのだが、その真偽が問題なのではない。経験からしか出てこない自分なりの世界観を構築するということだからだ。

しかしどこの国でもきったない屋台で食べるものだからお客さんがびっくしりしてDo you like it? (おいしい?)とおそるおそる聞く。たいがい、よほどひどくなければ Yes, I do.(そうね)と答える、すると、たいがい、笑顔でGood! (よかった)となる。「こいつ、いいやっちゃな」となる感じはある。日本の縁日で外人がハッピなんか着てタコ焼きで「オイシイデス」(ピース)という、あれだ。僕は食べないし、それで日本人の気持ちになられても実は困るのだけれど、なぜか「いいやっちゃ」にはなる。そうか、それが土地の人の気持ちになれた証(あか)しか、などと納得する。そんなので証券会社の商売になったりするのだから「食神」はずいぶんご利益があった。

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のい隊長の事件簿

2017 SEP 6 19:19:50 pm by 東 賢太郎

僕は苦手が三つある。高所、閉所は書いたが、もう一つが蜘蛛(クモ)だ。いや、高所、閉所は気の持っていきようの訓練の甲斐あって多少はなんとかなる部分もあるが、クモはない。どうしようもない。大きさや形状や習性は関係ない、体長1ミリであろうが巣にいようが地上にいようが、断固としてだめである。

小学生のころ、テレビ番組で「素浪人・月影兵庫」という勧善懲悪もの時代劇があって、呑兵衛で正義の味方の剣豪・月影兵庫の相棒に焼津の半次というお調子者の旅烏がいた。この男が大のクモ嫌いの設定で、クモを見ると叫んで逃げる。みんな面白がってたが、僕は仲間がいたと安心したものだった。

食べ物で体が反応してしまうアレルギーと似て、クモを見ただけで思考停止となり、他のことは一切手につかなくなる。もちろん寝るなどあり得ないから寝室で運悪く発見してしまうと最悪は殺すしかなく、益虫だしそれは気の毒という理性はあるので捕獲して外へ逃がすという難しい作業になってしまう。

2メートル以内に寄るのも困難な僕にそれは無理で、家内か娘にお願いすることになる。まるで焼津の半次であるが恥ずかしいとか言ってる場合ではない、先日も我が家ではJアラート発動なみの事件となったのである。

 

ところが、我が家には有能な味方がいる。「のい」である。防犯カメラ、警備会社の鉄壁のアラームセンサー網には一定の信頼を置きつつも、のいの見廻りパトロール(右)は平素より我が家の専守防衛に関して不可欠の役割を果たしてくれており、職務中は「隊長」と役職名で呼ばれるほどの高い評価がある。それは接近する外敵の看視に限らず、内部に侵入した敵の発見と排除にまで及んでいるのである。

外敵探知の対象はこんなごちゃごちゃに放置されたCDの隙間にまでおよんでいる(左)。この場所の探索を依頼したわけではないが、クモはこういう場所に潜んでいることがあり、飛び出してきたら速攻で捕えてくれるから心強い。

 

 

しかし、ときにクモの逃げ足が速く家具の下に逃げ込まれてしまうこともある。

このような事態になるとこちらは隊長を応援するしかない。食べるわけではないので、クモが弱ったところをティッシュで拾いあげて外に逃がしてあげることができる。

職務を終えたのい隊長。平和主義者のいい顔にもどる。

思えば僕とクモの関係も因果なものだ。べつに噛まれたわけでもないし何の恨みもないのに「生まれつき嫌いなんだ、おれの視界から消えろ」というのは理不尽な話である。そんなことしている自分が嫌になる。

そして、その真逆が猫なのだ。「生まれつき好きだからいつもそばにいてほしい」ということであって、これも猫にすれば迷惑なものなんだろう、のい隊長は僕とは必ず一定の距離を置いている。こっちの愛情は関係ない。悲しいものだが、そこが猫なのだろう。そういえば素浪人・月影兵庫の苦手こそ、猫であった。

 

ねこ、名前は「のい」

ネコ三昧のいちにち(愛媛県・青島探訪記)

 

ねこの領分

勝手流ウィーン・フィル考(3)

 

 

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ネコ三昧のいちにち(愛媛県・青島探訪記)

2017 MAY 12 19:19:24 pm by 東 賢太郎

GWの5月4~6日に愛媛県は松山へ行ってきました。


松山といってもそこは足場で、目的は「猫の島」である青島(地図のマークの位置)に渡航して、僕のオンラインTV会社「ネクサス」のための動画撮影です。機材はゴープロを持ち込みました。舟の出るあたりに宿がないのでやむなく松山泊となったのです。

 

 

青島は島民16人にネコ100匹という猫好きの聖地であり、世界のマニア垂涎の島なのであります。ところが大問題があって、名が轟いているわりに宿泊施設がなく日帰りしなくてはならない。便は一日2往復の34人乗り定期船しかなく、もともと島民の日々の足としての船だから帰りの便の空席数しか乗せてくれません。それが何人かというのは、出港する伊予長浜の船着き場にその朝に行ってみないとまったくわからないのです。出港は朝8時です。苦労して早朝から並んでもごめんなさいというのがあり、かなり勇気と情熱がないといけません。


到着日は松山城天守閣に登り、夕食後に道後温泉本館へ。僕は坊ちゃんが好きでここは一度来ていますが、GWとあって入場は延々長蛇の列で風呂は芋を洗うが如し。とても湯船で落ち着けたもんじゃないが、やっぱりこの風情(右)は捨てがたいものがありますね。

道後プリンスホテルはサービスも風呂も良かった。ただ「明朝に青島へ行きたいが」と尋ねると想定外の客であったのかフロントが絶句し、そこの人は誰も行ったこともなく、しばしお待ちをとさんざん事情を調べてくれてタクシーを5時に呼んでもらうことにあいなったのです。朝8時のに乗れないとアウトですが、6時に着けば大丈夫だろうという読みでそうなったのでした。

朝焼けの港に浮かぶ定期船

午前4時に起床。ホテルが気を利かして用意してくれた兵糧(おにぎり、水、菓子)を積み込んで出発。船着き場に予定通り5:55に着いたのです。ところが楽勝と思ったらとんでもない。もう15,6人が並んでいるではないか。先頭の人は4時ごろ来たらしい。これは参った。結局我々のあとに2,30人が並び、我々の後ろ6人目で非情のカットとなりました。

 

やれやれだ。30分ぐらいで青島に。TVで見た猫の大群のお出迎えはなし。最初にいたのはこんなやつ。ぞろぞろ上陸する客人を見渡すとカップルやカメラ片手の若者ばかり、僕はぶっちぎりの最年長である。なんやけったいなおっちゃんおるなという目線であったが、みんな猫好き。性格もネコであり干渉はしない。自分の世界に入ります。

 

ここから始まった8時間のネコ三昧はまさに至福の時でありました。

 


 

どんどん寄ってくる。まずは客も猫も「エサやり場」に集合するのです。そこはこういうことになる。TVでおなじみの光景だ。人間のエサはない。宿屋、食堂、コンビニ、自販機、いっさいなし。こっちも腹がへった。

 

 

 


 

おう、おっちゃん、おっちゃん、ここはヒト禁止やで、それ早いとこワシによこさんかい。

 

 

 

 

 

生活にまるで家具みたいにネコがとけこむ。一匹一匹の表情もいいが、それがまた猫好きにはたまらない魅力であります。

 

 

 

 

 

 

 

村を探検して回り、ひと遊びすると、ほどなく日が高くなる。ちょっと暑い。ネコも暑い。

 

 

 

さすがに早起きがこたえ、奥の民家が喫茶室になっていたので畳にごろりと寝かせてもらう。あっという間に寝入ってしまい、気がついたら2時間いびきをかいて熟睡していたようだ。いい時間が流れてる。


 

ネコがいなくたって美しい島であります。


 

 

 

 

午後の部。猫を従えてふたたび出陣する。

 

 

 

 


武器はこれ、トンボである。これ1本あればすべてのネコを自在に操ることができる。これの弱点は、へましてつかまると食いちぎられてオシャカになること。だからサドンデスの緊迫した戦いとなるのがいいのである。ちなみに階段を下りてついてくるのはドキンちゃんとみんなが呼んでいた島の人気者だ。もちろんトンボを狙っている。

 

 

ドキンちゃん

 

 

若いから敏捷なうえ好奇心に富み、丘のてっぺんまで一匹だけついてきた。あっぱれだ。

 

 

 


 

 

ふりかえればこうなっている。ネコはエサをくれる人と遊んでくれる人を見ぬくのである。

 

 

 

 


草むらで5匹を相手に戦う。一瞬のすきも許されない、すごい、獲物を襲撃するメスライオンの群れだ。ぎりぎりまでじらして飛びつかせるがつかまらない。ネコはそれがたまらない。こっちもたまらない。

 

猫おじさんの技に驚いたカップルが・・すごいですね・・・うん、まあベテランだからね・・・それでぞろぞろついてくるんですね、いいなあ・・・そう、エサがおわっちまえばね、あとは遊ぶ人の独り占めになるんだよ。

トンボ1本あげてもよかったが、持ってきたのは3本でこれが最後だごめんね。さっきも、ちょっとぽっちゃりの白猫が鈴つけててさ、飼い猫だってなめてたら電光石火のパンチでばしっといかれちまったの。ここの猫は速い、油断ならないね。

 

 

 

運動神経と好奇心においてドキンちゃんと双璧をなす俊英がこれ。名前は知らない。

 

 

 

 


 

ほのぼのして好きなのはこれだ。

 

 

 

 

 

 

 

どこへ行っても、ネコには大人気になってしまう。テレパシーで通じてるとしか思えない。

 

 

 

 

 

お別れに撮った一枚。ありがとう、すばらしい一日でした。

 

 

 

さてどんな作品に仕上がるか。この日は電車で松山に午後7時ごろ着いて、6日は道後公園湯築城跡などを取材して夕方の便で東京に帰りました。コンサートの前日でしたが猫たちのおかげで存分に英気が養えました。

 

 

西表島(いりおもてじま)紀行

屋久島探訪記(序)

どうして猫が好きなの?

 

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ノイの大戦果

2017 JAN 11 2:02:00 am by 東 賢太郎

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「ねこじゃらし」という植物は本名をエノコログサというが、猫をじゃらすことにおいて抜群の効能をもつ。猫に遊んでもらって種子を拡散しようという進化をしたかというと、地面に生えているままでは猫はこないのだからそうではないだろう。人間が摘み取って猫の面前にちらつかせての効能だが、そこまで見越しての進化だとすると大変な戦略家ということになる。

 

 

およそ動物というのは食えないものを追って無駄に疲れたりはしないものだが、猫ばかりはちがう。食えないもので大いに遊んでくれるし、犬のようにそれでご主人様とコミュニケーションをとったり気に入られたりという打算はない。ひたすら我が事として、自分の喜びとして全身全霊をかけて遊ぶのだ。

だから、それに対峙する人間の側も遊び半分ではいけない。そこには猫との間の一定のエチケットというものが存在する。あらゆる猫玩具のうちでも「ねこじゃらし」は最もクラシックであり、そうなったのも猫が喜ぶことにかけては最右翼だからなのだが、この遊びをとり行うに当たっては大事なポイントがある。

それは、猫につかまえられないことなのである。

噛みつけば食えないことがわかってしまう。あたかも生き物らしく動かしておいて、ひょっとしてという期待を裏切らなければ気迫が鈍ることはない。この点うちの家族はまだ素人であって、すぐ捕えられ、はたまた遊び終わって床に放っておいたりするものだから正体がばれてしまう。これでは猫はつまらない。一抹の神秘感を残してやることこそエチケットの要諦なのである。

僕は長年それを鍛えたプロであり、まず捕まるなどということはない。だから、いざねこじゃらしを始めると、猫が疲れるか僕が疲れるかの決死の大一番となるのである。

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我が家のノイにおいて、先日入手した超大型ねこじゃらしをうわまわるものは当面考え難いだろう。先端に本物の鳥の羽を装備したハイエンド・モデルである。バネによる高度な機動性能と風を切るサウンドのリアルな質感に加え、羽のかもしだす「食えるかも感」は極上と思われる名品だ。

 

 

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超高速で行われる戦闘をスマホで追うとピントが合わなかったりする。捕まりそうで捕まらない。上下左右にぶんぶんと逃げ隠れする羽を両手で何度も空振りする。やっとキャッチしかかって身を挺して噛みつこうとするとスルリと逃げる。この日はそれが30分をこえる激闘におよぶこととなったものである。

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しかし、ノイは若い。なめてはいけなかった。先に疲れたのはこっちだった。仕方なく左手に持ち替えたところ、虚を突かれ、ついに捕獲されてしまった瞬間である。

 

 

 

 

「老人と海」をもほうふつとさせる感動の大戦果を得たノイ。隕石が落ちてきてもワタシ放しません!という決然とした表情。なんと、この仁王立ちの姿勢で目が飛んだまんま、銅像みたいにかたまって動かなくなってしまったのだ。疲れがにじむが、踏ん張った足がどこか誇らしげでもある。

 

 

 

のい隊長の事件簿

ネコ三昧のいちにち(愛媛県・青島探訪記)

 

 

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ラフマ(Lafuma)の無段階リクライニングチェア

2017 JAN 1 22:22:23 pm by 東 賢太郎

明けましておめでとうございます。東京は快晴となり富士山が綺麗にのぞめましたね。92才になる父が我が家に来てくれて、それも途中までひとりで電車で来るほど元気で、それで家族もにぎやかで、なんとも有難いなという元旦でした。

去年の反省として読書量が減ったことがあります。視力が落ちたのと姿勢を保つのがつらくなったことが理由です。そう思っていたところ、西表島のホテルのプールサイドにあったチェアが気に入り、これなら楽に本が読めそうだとさっそく買いました。

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ラフマ(Lafuma)社の無段階リクライニングチェアです。最大傾斜にすると飛行機のフルフラットほど倒れますが、水平ではなく足が高くなる構造で背中と腰の負担がなく、つい居眠りしてしまうほど楽です。両足の血が還流する感じでgood、これはフランスの名器ですね。

 

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大みそかに届きましたが、しばし目を離すとさっそくこうなりました。

 

 

 

 

 

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やがてこうなられて、もう手が出せず。ネコも眠くなるとは参りました。

 

 

 

 

今年も健康に留意しながらやってまいるつもりです。よろしくお願いします。

 
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