ゴッドファーザーの世界で輪を広げる方法
2025 OCT 31 1:01:47 am by 東 賢太郎
おとといのアポは30分待っても音沙汰ないので帰ろうと思った。ところが僕が時間を間違えていたらしく、寸前で事なきを得た。S氏は会計士で事業コンサル業を営んでおられる。初対面だが話は盛り上がり、新規事業を語りビデオを見せ、気がついたら2時間半たっていた。僕がどういう人間かぐらいは伝わったろう。
すると、今日早くもメールが来て某ホテルが関心あるのでサンプル品を三台貸せという。これは驚いた。きのうすぐに動いたのだ。でなければ相手が相手だ、こんなリアクションは考え難い。僕も即刻動き、メーカーからOKを取った。この即刻×即刻のテンポ感は全盛期のノムラに匹敵する。これで失敗した記憶はあまりない。S氏は脈がある。
今日は別な訪問者があった。これまた初対面だが非常にエキサイティングな経営者とお見受けした。紹介者である後輩をさして、僕はこいつともう長いんです息子みたいなもんです、かれこれ20年ぐらいですがね、続いてるのはスナイパーだからです。やってこいって言えば地球の裏側まで行ってでもやってきます。だから何があっても僕は守ります。彼の案件は信用します、と言った。
それが済んで席に戻ると米国からスマホにボイスメッセージが入っていた。10/2に6時間のディベートをした友人Hだ。10/8にディズニー関係のディールでLAとオンライン会議をしたのは奴の関連だ。これはこれで素晴らしいが、俺はキャッシュフロービジネスも欲しい、米国で何かないかと話していたのだ。米国の仲間に伝えたぜ。お前は大事な日本人だから入れようと口説いたぞという。奴のパートナーはみな大富豪。僕は例外第一号。大事なのは資産より信用だ。
米国は上記のふたりと関係ない。でも俺が認めてる子分だと言えばHは間違いなく信用する。ゴッドファーザーの世界で輪はこうやって広がる。僕はコッポラの、あの映画のファンだ。それで2018年にこれを書いた。
そういやあこの時、マリオ・ルチアーノ氏は、数日前に麻生太郎総理が来たと言ってた。黒塗りの車を横づけにして突然ね、びっくりしたよって。なんでも、本を読んで面白かったんで顔を見たかったらしく、お前が二人目だと言われた。
マフィアはファミリーであり、血縁に関わらずファミリーだ。中国もまったく同じと神山先生は言う。日本は任侠であり派閥だろう。僕はbossyな人間じゃない。その手の無能な輩は大いに馬鹿にしてる。そう見えるなら海外の社長を3つもやらされてそうなっちまった被害者だ。ただleaderならできる。向いてる。知略を尽くして勝てば全員がハッピーになる、そういう仕事だ。
こうやって毎週何人も未知の人が来る。何の先入観も無くお会いしているがそのこと自体がとても面白い。日々、楽しい。我こそはと思う方はどうぞニューオータニまでいらしてください。ご縁ができるかどうかは時の運だけど、何度も書いている通り人生は当たって砕けろ。思い立ったが吉日。チャレンジしなければチャンスというものはなかなかやって来ません。
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東さんはきっと宇宙人なんで大丈夫
2025 OCT 21 1:01:53 am by 東 賢太郎
これまで我が社の海外ビジネス実績は米国、英国、香港、韓国、ミクロネシア連邦であったが、新たにインド、中東、アフリカの可能性が出てきた。先週、あることで紹介されたインドの財閥R氏とバーで飲んで、たまたまアガスティアの葉っぱは俺もやったぞと大いに盛り上がり、スマホのビデオ通話でインドの友達まで仲良くなった。こんなんでつながりができる、何でもやってみるもんだ。アフリカは先日にセネガルのM氏が来た。日本語ぺらぺらで、なんでそんなにうまいのと聞くと30年いて奥さん日本人。TVにも出てる。ドクターXで、そういやアフリカのなんたら共和国の話があったっけ。楽しい奴だ。日本大好きというから、俺、行ったことないけどライオン好きなんだ、行きたいねと言った。
アガスティアはというと、それのトップが日本人のH氏である。南インドの寺院で多くの僧侶の頂点に就任予定の40才である。4年後に出家してインドに行き、一生を捧げる。離婚してというのは妻帯不可だから。彼とは少し前に銀座で食事してる。動機を尋ねると、葉っぱを開いたらそう書いてあったんで(笑)だった。当地は問答無用で異国人の彼を迎え入れ、来印するとSPが警護につき、モディ首相に祝福された場面がyoutubeに出てる。インドも行ったことがないからどういう原理で動いてる国かまったくもってわけがわからない。R氏がいう。東サン、すぐインド来てください、フライトだけ買って、あといらないです。う~ん、ありがたいけどおれ飛行機嫌いなんだよなあ・・・。
地球は我々の常識では動いてないようだ。セラピストのYさんに施術中にミトコンドリア・イヴの話をした。地球上の全女性の先祖が只一人のアフリカの女性なんだ。それが聖書のイヴ。女性しか辿れないミトコンドリアのDNAつながりで証明されてる。じゃあイヴのお母さんは誰?ってことになるよね、変でしょ?だって只一人だからね、ダーウィンの言うようにそこらじゅうで猿が進化したんじゃないってことだ。ということはね、地球外生命体、要は宇宙人がやってきて類人猿のメスに遺伝子操作したんです。そうしたらYさん驚いて、驚くべき話になった。私の女友達、宇宙人にさらわれてUFOに乗せられたんです、今日電話しときます・・・。
Yさん自身も、若いころ自分の部屋に宇宙人が来たことがあるという。夢でしょというと絶対違うという。音楽の仕事でひどく落ち込んでた夜、マンションの窓から強い風がビューっと吹き込んできて、私の存在を信じなさいと日本語が聞こえたんです。それが止むとベッドの下に横浜みなとみらいのインターコンチみたいな市松模様の図形が書いてあったという。もうひとつ、野外のコンサート会場で準備してると、空にたくさんのUFOが乱れ飛んで騒ぎになり、しばらくしてぱっと消えるとお客さんが拍手喝采したんです。だからそこにいた3,40人がみんな見た、間違いないんです。
なんと、そういうの読んだことあったけど本人に会うの初めてだよ。感動するね。そういやあ僕のお袋も霊感強くてね、たくさんお化け見てるんだ、でも僕はないよ何度か危険な目にあったけど不思議とセーフ、なんか守られてた感じはするけどね。サンフランシスコ郊外の野っぱらで夜ひとり、でっかい野犬の群れに囲まれ、こんなところで終わりかと観念したらサーっと犬どもが散っていったあれを思い出してた。いえ、東さんはきっと宇宙人なんで大丈夫ですよ(笑)。面白すぎる。帰宅して妻にそれを話すと、あっさりと私もそう思うわよだった。
小学校の時、突然地下に部屋を作りたくなって友達の家の庭を二人でスコップでせっせと堀った。何だったのアレ?不明だ。アガスティアに、大自然の中でユートピアを作って人に与えるとあった。アレはその準備だったのか?そういえばいま凝ってることがある。地球の7割は水、人間の7割も水だ。水こそ命の源だが沸点が異常に高く、個体になると質量が下がるのも異常。妙な物質で地球も人もできてる、これ偶然か?水分子を極小に分解すると活性水素が出る。活性酸素と反応すると水(H2O)になって人体の酸化を防ぐ。これができる装置のメーカーと販売会社と3社間合意書にサインしたばかりだ。ウエルネスのゲームチェンジャーになるかもしれない。これ、インドで売れないか?アガスティアの延長でその話が出てきたのだ。
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スマホ時代は石器時代と裏腹だった
2025 JUL 14 1:01:46 am by 東 賢太郎
先週のことだ。新規の会社にアポがあり、HPで場所をざっと見て地下鉄に飛び乗った。行先は東銀座だ。そろそろだな。スマホを取り出して地図を確認だ。
参った。電池が切れとる!
スマホは便利だ。ということはそれがないと逆に石器時代になる。社名しかわからん。今どき都心に赤電話なんかない。だから事態を誰にも伝えようがない。時間はあと15分だ。絶体絶命。どうする???
考えても答えがない。歌舞伎座の先を左に曲がって大体あのへんだ、ええい、一か八か体当たりで探そう。歩いた。猛烈に暑い。ない。こりゃだめだ。すると交差点に地図のたて看板があった。でもだめだよ住所覚えてないんだから・・・
天は見捨ててなかった。地図に「築地警察署」なるものが書いてあるではないか!走って行ってとびこむ。受付の女性がびっくり。無理もない。汗だくなうえに冷や汗だから。若いお巡りさんが同情して地図を書いてくれた。ありがとう!
ミーティングは何事もなかったように始まった。40代の幹部が5人。こちらが3人。古希の俺がまじってる風景シュールだなと可笑しかったが、この会社、AI時代の旗手だ。だんだんそんなことは忘れて盛り上がった。投資していいかな。
電池切れボケ来てない?みんなそう思ったろうがそれはない。だって “秘密兵器” で寝てるからコロッと寝落ちして高校生みたいにパキっと目覚めてる。「体が変わってますよ、運動ですか?」。セラピストさんが不思議がるが全然してない。
「これ、アタマにも効くよ」。誰も信じないが自信ある。回転速い。この好調でボケは絶対ないね。ちなみにウチの猫もど~ぞと “秘密兵器” に乗せた。最初は逃げたけど先週からシロが自分で乗るようになっちゃった。どうだ!
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世界のうまいもの(18)熱海編
2025 JUN 22 2:02:19 am by 東 賢太郎
先月、神保町の歩道で蹴っつまづいて派手にころび、とっさに地面についた右手親指の先が折れ曲がるケガをしてしまった。地下鉄の入り口に近いなんでもない平らな歩道で、不可思議ですらある。多摩川の土手から落っこちてスネとヒジをざっくりやったのは去年。あれに比べればたいしたことないと高をくくっていたが一月半たってもまだ痛み、以来、利き手で物が握れず、字が書けず、歯が磨けず、ボタンが閉められず、フタが開けられず、背中が掻けずという困った事態になっている。そんな中、だいじょうぶかなと思ったが熱海までテスラを運転して行った。従妹の旦那に事業参画してもらうことになりいろいろ詰める必要があったからだ。従妹の友人で投資もしてくれているYご夫妻もいっしょである。
集合は婦人方ごひいきの御殿場アウトレットだった。何度か引き連れられて来てるが興味ない。仕方なしにつき合うが、ドルガバに入ったとたん、入り口にあった黄金色に輝くSORRENTO ラインストーン スニーカーに目が吸いついた。梶井基次郎が「檸檬」を書いた光景はこれだったんじゃないかと思うほど僕はキラキラには弱い。周囲はびっくりし、皆さんもそうかもしれないが、従妹だけは平然としたもので、ケンちゃん、それはおばちゃんの遺伝なの、だって光り物に目がなかったんだからとなる。手に取ってひっくり返しているとすぐ若い女性の店員さんが寄ってきた。さすがにお似合いですよのひと言は出ようもないんだろう、驚くべき想定外の爺さんにどうプッシュしていいものか迷ってる風情が初々しい。君、この辺の人?どっから?ときくと秋田だ。そうかい、じゃあ秋田美人だね、秋田弁は青森でわかるのときくとう~んたぶん無理ですねでこれは意外だ。そうか、どっちも行ったことないんでね、東北は田沢湖ぐらいでさ、あの~田沢湖って秋田なんですけど・・。完璧なボケ老人である。これいくら?17万です、そうか、すると上司らしいお兄ちゃんがすっ飛んできて11万になりますときた。僕は会社のデスクに飾りたくなったの、飾りにゃあちょっと高いなあといったがそれっきりだった。いい感じのオレンジもあった。まじめにいいと思った。いくなら両方だな、今度ねでバイバイした。
講談社のレポーターだった従妹のキャラで全員あっさりファーストネーム呼びとなり、男3人は同期という奇遇もおおいに手伝った。翌日の昼飯のことだ。並ぶ覚悟で予定していた評判上々である蕎麦あさ田が夜オンリーに変更になっておりがっかりだ。まあいいよ、行ってもたぶんカレー蕎麦だったしね俺は、もう時間も時間だからラーメン、餃子でいいよねと三々五々ブラっと歩くと
誰かが派手な門構えの中華を見つけた。おお、もう面倒だ、これにしようと扉を開けると「開店まで5分です」と中に入れてくれない。愛想のない店だ。ところが誰も外にいなかったのに席について10分もすると地元の常連さんと思しき客であっという間に満員となる。Y夫人がまず僕の糖尿スパイク予防ということで豆苗を注文してくれ、みなさん手当たり次第に餃子もワンタンメンも野菜そばも冷やし中華もチャーハンもたのむ。すると順番通りにほやほやの豆苗がやってきた。なんと、これが劇的に旨い。「香港の陸羽茶室以来のベストだ!」となり、店の内装まで香港に見えてくるではないか。すべて一級品だった。強くおすすめ。
次いで予定はバラ園のようだ。僕は花と木は5種類ぐらいしかいえない。階段がきつい。1時間1本だけど回覧バスがあるぞ、となって安心して喫茶室で待ち、5分前に停留所に戻るとバスは跡形もなく去っていた。なんだこれは?貼紙をみると、22人になると出発しますとあってあ~あだ。じゃあっちに行こうよとなって向かったのは思いもよらぬ熱海城なるものである。おい熱海なんかに殿様いたか?となるが、まあいいや。てっぺんまでエレベータで登ると港と初島を高所から一望できる。これがどういうことか実に心が洗われる。ここで飯食ったら圧巻だろうねなんていいながらワンフロアごとに展示物を見ていく流れのようだが、殿様のトの字も出てこないどころか頓智の絵文字やら春画やらばかりで、まったくもってしょうもない。1階に戻ると「建造昭和34年」とありなるほどだ。しかし、しょうもなければないほど非常に有難味を覚えた。バラ園のバスが来てたら登ることは一生な
かったことは100%確実であり、思い出ができた。夜はまたバラ園のところでイタメシらしい。新しいカジュアルなピッツェリアだがコースが質量とも気合が入ってる。熱海檸檬のパスタが絶品。さあいよいよ主菜だ、真鯛と富士山麓ポークか、けっこうあるなというところでY氏が突如としてピザが食べたいといいだし店員さんビックリ。こういうの、わがままジジイめと若いころは思ってたが、いざやってみるとこよなく楽しい。旅の醍醐味とさえいえる。どれどれとピザをひと切れ頂くと、これが生地まで絶妙に美味でふた切れ行ってしまうのである。結局、満腹のツケはポークにまわり、通常であればふた切れは残したものだが「豚に申しわけない」という気分がむくむくと巻き起こり完食した。血糖値もへったくれもない。シャンペン、そこそこのワインが入ってひとり1万は見まちがいかと思った。CODA ROSSA、味も雰囲気もいい店でおすすめだ。
宿泊はハーヴェスト。伊豆山の海辺でごちゃごちゃしておらず、落ち着ける。仕事のあれこれもできたし、終われば温泉でゆっくり和めたし文句なし。午前中は銀行振込でイライラしたが、午後にこういうところでひとりぼーっとできると生き返る。もうそろそろここに移住してビジネスやるかとまじめに思ったものだ。
帰りは老舗の釜鶴ひもの店であじ干物5枚セット、とびうお、真いわし、漁師飯、わさびのり、わさび漬け、くさやを土産に。これは昔から熱海観光の定番であろうが、海外に長くおって飢えていたもののひとつだから特別な感情がある。帰りは小田原で蕎麦の名店の予定だったが、従姉が車で爆睡して通り越してしまい、かわりにだるま料理店へ。明治からある料亭で結構だ。僕は地魚の鮨と鰺のたたきが食いたかったからだ。鰺は自分で船で出て釣ったもんだ。朝どれの真アジは東京のスーパーで売ってるのとは別な魚で、これを知ったらあんなのは臭くて食べられない。大満足だった。この素晴らしいメンバー全員の健康を祈る。
今回、予定通りいったのは見事なほどにほとんどなかったが、まさにビジネスもそういうものである。箱根でまったくの偶然から従妹夫に話し、彼はその役割に判で押したようにドンピシャなキャリアの人だったということが徐々に判明し、今回の熱海で話はほぼ固まった。きっと不測のことがいろいろ起きようが、今回の旅のことを思い出せばうまくいくだろう。
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箱根とバーデン=バーデンを結ぶ線
2025 MAY 20 0:00:46 am by 東 賢太郎
10年ぐらい前でしたか、最高顧問をさせていただいた上場企業の取締役会が箱根・宮ノ下温泉の吟遊で行われ、粋でいい会社だなと思ったものです。ところがいざ赴いてみると粋どころではなく、通常の本社会議室より自由な発想で大胆な意見が出た(言えた)せいか議論は白熱。革新派と保守派の対立は並々ならぬものがあったのですが、終わって部屋を出ればそこは温泉宿。会食の場はぎすぎすとならず役員に一体感すら出ていたのです。まあこんなことはオーナー企業しかできないでしょうが。
温泉地で重要会議というと、意外なものがありました。あんまり知られてないのですが、調べてみると面白い。それがなければ太平洋戦争はなかったかもしれない。そんな会議がドイツの温泉保養地バーデン=バーデンで行われていたのです。地図を見ていただくとわかりますが、フランクフルトとミュンヘンに近い。前者にはドイツ銀行が、後者にはシーメンスがあります。何やらきな臭い。

時は第一次世界大戦終結後の大正10年(1921)10月27日。陸軍士官学校16期の同期生で37、8才の親友同士である、歩兵第14連隊大隊長・岡村寧次、スイス公使館付武官・永田鉄山、ロシア大使館付武官・小畑敏四郎が陸軍を改造して長州閥を追い出し、総力戦を挑める体制を築くことを約したのです。これを「バーデン=バーデンの密約」といいます(翌日には1期下の東条英機も加わった)。日露戦争は薩摩である海軍の活躍で勝ち、長州の陸軍には危機感があったが藩閥という権力に甘える幹部は鈍い。この男たちは今流なら第一選抜で部長に昇進しようかというエリート中堅幹部です。藩閥支配をぶっ壊して人材登用し、自分ら薩長外の人間が動かそうと画策した。海軍長老の山本権兵衛内閣を総辞職に追い込んだシーメンス事件がちらつく。
ここからは空想です。バーデン=バーデンは海軍劣勢の好機に陸軍学閥エリートが軍内クーデターをおこし乗っ取る密約だったのではないか。東条総理を出すところまでうまくいった。巡洋戦艦「金剛」発注で英国から賄賂をもらっていたのがバレて叩かれた海軍は反攻の策を練った。そもそも陸軍が範としたドイツを裏切って日本国を第一次大戦で連合国側に着かせた実績もある(焦ったドイツのヴィルヘルム2世が海軍に賄賂を出したのがシーメンス事件だった)。英が米とつるんで劣勢の海軍をそそのかしたのが真珠湾だったのではないか。チャーチルとルーズベルト。手練れの両人なら考えて全然おかしくない(そもそも明治維新がそれだったのです)。戦さ慣れした薩長がやった日清・日露。学閥エリートが仕切った太平洋戦争。戦争屋にはちょろい相手だったと思うのは僕がビジネスマンだからでしょうか。
バーデン=バーデンというとクララ・シューマン、ブラームスが愛した街でフルトヴェングラー、ブーレーズ終焉の地でもありました。ドイツに赴任して、一にも二にも訪問してみたかったのがここで、当時、お気楽に生きていたのでそんなことがあった地とはつゆ知らず、劇場で魔笛を楽しんで、ブラームスハウスがこんな家に住みたいと目に焼きついて後にそういう家を建てました。帝国陸軍軍人にはどう見ても似合わない街だなあと、いまだって思うしかありません。しかし彼らはここに集結した。なぜここだったのだろう。その疑問も解ける気がするんですね。
彼らが投宿したのはホテル・ステファニーで、その密約から満州事変を引き起こした「一夕会」ができ、「国家総動員法」制定に至った。彼らが長州閥の代わりに陸軍幹部として擁立を謀ったのが真崎甚三郎・荒木貞夫・林銑十郎でした。やがて一夕会は対支戦争を唱える永田を中心とした統制派と、対ソ戦準備論を唱える小畑を中心とした皇道派に分裂し、永田は目の上のたんこぶとなった真崎を軍から追放しようと悪玉説を流布し、それを昭和天皇に上奏して教育総監から罷免することに成功した。これに激怒した皇道派の相沢三郎中佐が1935年8月12日白昼に永田鉄山を軍刀で殺害し、半年後の二・二六事件に至るのです。そして、その翌年の37年には日中戦争が勃発。さらに4年後に日米が開戦した。永田は際立って優秀な男で、もし生きていれば開戦を止められたかもしれないともいわれます。同感です。陸海の内輪もめにつけこむ英米の策謀、もしかして裏で買われていた国賊どもを冷静に見ぬけたのは彼しかいなかったかもしれないと思います。日本海軍はロンドンの銀行にイギリス人名義で秘密口座を持っていた。これは昔の話ではない。今だって十分にあり得るのです。
思えば僕も永田、東条らと同年代の37~42才にドイツ、スイスにおりました。ああ、あのころの俺か、そんな若僧が日本をぶっ壊す戦争を起しちまったのか。その密談が、帝国陸軍などとはまったく縁遠く美しいあのバーデン=バーデンのホテルで夜中1時まで続き、隣室の客からうるさいと言われて切り上げたのか。なんとも生々しいものです。彼らは翌日にフランクフルトに行き、僕が3年勤めたビルの向かいにあった高級ホテル、フランクフルター・ホフに宿泊しています。陸軍士官学校の秀才である彼等、税金留学のエリートであり、日清日露に勝利して舞い上がった山縣有朋を筆頭とする長州閥の爺さんたちが陸軍幹部では第一次世界大戦でバージョンアップした近代戦についていけず国難をまねくと語ったに違いない。それは正しかったけれど、内部闘争の挙句に皇道派の自爆で誤った方向に行き、根拠不明の海軍による日米開戦が勃発、不思議なことに東京裁判ではその海軍はほとんど処刑されず全部は東条と陸軍が悪かったことになった。海軍幹部とキーナン判事らが芸者をあげて飲んでいたという話もある。闇が深い。
我が赴任地だったフランクフルトおよびチューリヒの中途にバーデン=バーデンがあるのも奇縁です。何か霊感でも働いたのでしょうか、他ではそうした衝動はなかったのですがここでは何となくひらめいて油絵2点を買っています。どちらも思い入れがあります。これは皆さんにお見せするというより、子孫に絶対に売るんでねえぞという意味で載せてます。一回目がこれ。
これが二回目。
統制派が権力闘争に勝ったので陸軍は対支戦争、南進にのめりこみ、蔣介石の策謀で思いっきりアメリカを巻き込まれ抜き差しならなくなり、真珠湾、太平洋戦争、敗戦への道を進む。そして軍内政治に勝って総理大臣に登りつめた「バーデン=バーデンの密約」のひとり東条英機はA級戦犯として死刑。 負けて台湾軍司令官に左遷された陸軍大将・真崎もA級戦犯として新橋の第一ホテルで尋問の末に収監されましたが、権力の座になかったことが幸いしたのか真っ先に釈放されました。しかし二・二六事件が成功して総理大臣になっていたらそうはいかなかったろう。人間万事塞翁が馬です。
東京人にとってリゾートというと軽井沢、日光、箱根ということになる。どこも好きであり、最初の二つは帰国してまもないころ幼い息子を連れて歩き回ってます。奥日光の白濁湯の泉質は全く持って捨てがたい。ただ日光は家康、軽井沢はカナダ人宣教師が明治に開いた避暑地でどちらも新興で地政学的な意味はなく、箱根はというと日本書紀にある霊山で富士が近く、源平の合戦があり頼朝が敬い、東海道の交通の要衝で関所が置かれた。土地に「気」がありますね。駅伝の最高点近くにある箱根七湯のひとつ、白濁の芦之湯は奈良時代の記録があり、以来、皇室、文人墨客が宿泊、明治期には木戸孝允と西郷隆盛の会見が行われ、勝海舟・山岡鉄舟・副島種臣が逗留しております。会見は現存する松坂屋という旅館ですが何を話したのか。
今日は5月20日です。欧州では長い冬があけて一気に花が咲き誇り、ドイツでは白アスパラが旬。この時期だけはそれが肉に代わって主食のようになります。国中がぱっと明るくなった感じは日本の桜前線の頃のはなやぎのようで、だからモーツァルトもシューマンもR・シュトラウスも五月(Mai)を歌ったのです。12年そこに浸っていたので日本でもMai感が体に残っており浮き浮きします。箱根の5月はつつじです。
ビジネスの着想はそういう気持ちの時が旬です。良い種があってもその気でないと着床しないからで、半端な決断で手掛けると失敗します。着手を決めた某案件を持ってきてくれた仲間と3月からああだこうだやり「よし、やろう」になった。それがすぐ「やめとく」の朝令暮改で失望させてしまった。たくさんあってどれも重たいものだから整理がつかなくなっていたのです。有難いことで16年目のソナーには優良案件がそこそこ来ます。例えば今、あのウォルト・ディズニー様関連の投資案件を検討中でうれしい限りなのですが、わかったのは、もう僕ひとりの頭で選べなくなってきたということです。
そこで何人もの意見を聞き、某案件は「やっぱりやろう」になった。やるからには全力投球です。そこで週末に箱根に行って気持ちを切り替え、懸案の事柄を議論すべくテスラを飛ばすことになりました。10年前に最高顧問をさせていただいた上場企業の取締役会もかくやというもの。オフサイトでやると自由な発想で大胆な意見が出て、非常に実りの多い会議となりました。
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お会いした3人の楽しみな人
2024 NOV 2 0:00:19 am by 東 賢太郎
仕事がたてこんでドジャースの優勝もDeNAの三連勝も見逃してしまった。野球が終わってしまうこの時期が一年で最も暗いが、ちょうどいいタイミングであたらしい人に次々会えるので心は華やいでいる。実にありがたい。
オーストラリア人の実業家A氏を紹介されて話しこんだ。現在はアメリカ在住の富豪でウエルネス(wellness)事業の専門家だ。ウエルネスとはヘルスケア産業の一部だが、ただ健康なだけでなく「輝くように生き生きとしている状態」をめざす生活態度のことで、米国で様々な分野に影響している。
彼によると世界中の権力者、富豪はみな抗老化物質(アンチエイジング薬)を使用してる。人間、持つ物を持ってしまうと最後は秦の始皇帝のように長寿にこだわる。ハーバード大学医学部のデビッド・シンクレア教授が見つけた抗老化物質NMNが人気でプーチンも習近平も打っており(クリスタルなる最上級品)、その効能はというと台湾の某著名企業オーナーが80才で40人目の子供ができたなんて話が飛び交った。
NMNは若返り薬のふれこみで日本でサプリまで出ている。「俺も3回注射打ったけどね」というと、「もっといいの打て、シンクレア紹介するから一緒にボストンいくか」となりちょっと心が動いたが「俺、閉所恐怖症なんだ。飛行機のりたくない」と断った。こいつは治らない。死ぬわけでもないし人にしゃべっちまうと楽という利点がある。ドジャースのオーナーも友達らしく、来年開幕戦の東京ドームのカブス戦に呼んでくれる。ありがと、飛行機乗らんでいいね。
次は中国系米国人のB氏だ。イリノイ大の電気工学/コンピューターサイエンス卒でハーバードMBA。英・中が母国語で理系・MBAという今どき世界最強の学歴である。事業実績あり。凄い人脈あり。性格良し。ビジネスセンス良し。43歳で体力・知力とも人生の絶頂。まったく文句なく僕がかつて会った中でも最上位の人物。初対面で5分で気に入り、おい一緒に事業やろうぜと持ちかけ瞬時にOKをもらった。切れかけだったバッテリーが強烈にチャージされた。
次は、サイバーセキュリティーのC氏。天才と聞いていたが天才だ。ソナーに来社してくれた人の中で最高の部類。ペンタゴンにハッキング?簡単です、最難関はオフラインの突破ですと何を質問しても異次元の話をわかりやすく語る。攻撃できるから防御ができる。なるほどだ。サイバー攻撃による世界の経済損失は2025年に10.5兆ドルになる。テスラ氏は自分しかわからずビジネスにならなかったが彼はできる。5分で投資を決めた。これがマイスタイルである。
こういうスタートアップ企業の株式はIPO(上場)してないからコネがないと買えない(シリコンバレーもそう)。僕のコネでなく、持ってきてくれたのは40代初めの有能な我が弟子たちで、僕は自分で探しに行ったことは一度もないが集まってくるエコシステムができている。日本のこの分野は実に未開拓だが、ではブルーオーシャンで宝の山かというとそうでもない。米国発の新技術を後進国の日本に持ち込めば誰でも少々は成功する。それをじっくり成長させてメガ企業にするのでなく早めにIPOしてちょこっと金儲けして満足という起業家の寂しい志の問題もある。だからユニコーン(10億ドル企業)が出ない。
お会いした3人のような爆あがりしそうな株を探すのが僕の人生最大のホビーであり、ホビーは遊びだから飽きることがない。上場してないから日経平均が上がろうが下がろうが円ドルが上がろうが下がろうが、そんなものは誤差の範囲で全然どうでもいい。そういう企業の株をもってじっくりメガに育てるアドバイスをすればいいからで日々気楽なものである。いちおうすべての知識・経験を総動員してやっていることになっているが、大事なのはそういうものではなく直感だ。直感、第六感を鍛える方法はある。忘れたがどっかに書いた気がする。
そういえばC氏はビジネスをXYZのカテゴリーに分けてる。「エラリー・クイーンみたいだね」というと通じない。「それの後にドルリー・レーン最後の事件ってのがあってね、4部作なんだよ、藤子不二雄みたいな二人組で一人がワーグナーのファンでね、ニーベルングの指輪をまねたって言われてる。こいつはね、人生一回だけ楽しめる。俺は読んじゃったからダメなんだよ、寂しいね」「知らなかったです読んでみます」ちゃんとメモってる。「あのね、いいんだけど必ずその順番に読みなさいね、そうでないとだめだよ」。30代か、若いっていいなあ。
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よりによって2つの戦争中の国の案件が
2024 FEB 19 7:07:54 am by 東 賢太郎
後輩T君がクラシックを聴きだしたらしい。43才か。どうしたらいいかというので「有名な曲を全部覚えろ」といった。君は灘高代表の数学オリンピック選手だけどね、俺は凡人だから数学は解き方全部覚えたんだというと「自分もそうです」という。「ならそれと同じよ」で京都の和久傳で仕事の話に入った。
T君は工学部を出てゴールドマン、メリル・リンチと同じ道を来た。金融、証券分析みたいな理屈は全部覚えればおわりだから楽だよなこの仕事。俺はマネジメントに全然興味ないからあんまり出世しなかったけどな、そんなもんより音楽は時間食うんでね、第九だけだって70分もかかるんだよ、何回聴いてもね。
もうひとりのT君。灘のT君から紹介された政治家の縁で会った。日本、カリフォルニア、ニューヨーク、イスラエルの弁護士だ。38才。俺は駒場の法学概論でね、つまり一年の一学期にね、こりゃ失敗だ、全然興味ないと悟っちまってね、哲学の「パルメニデスの有」がまるで理解できなくて悔しかった方が残ってて、そっから漂流してショーペンハウエルに嵌った。インパクトあるぜ「意志と表象としての世界」読みなさい。食事はだいたいそんな話だ。
イスラエルに興味あって調べてる。いただいた著書によると大学が起業家教育を熱心にしている。軍事国家でdeep techに強いが75%米国に行く。日本は10%。ユダヤ人脈が薄く優良案件に入れない。でも戦争で風向きが変わってるからな、こういうときは日本にチャンスなんだよ。そう、何が好きって、そういうこと。だから探知機のSonarにした。法律は専門家にまかすよ。
そうしたら先週、歌舞伎町のdeepなコリアンの食事会で3人目のT君が現れた。ニューヨークにオフィスがあるエンタメ企業経営者だ。47才。旅行業H社の最年少役員から起業。成り行きからウクライナはキーウ在住のご友人とZOOMすることになった。オフィスは戦争の気配なしだ。警報ありますがまあそんなもんです。いや頼もしいね。2008年から?ごめん人も国もよく知らないんだ、スイスで凄い美人みたぐらいだな。東さん、それかなりレベル低いと思いますよ(笑)。
ウクライナはIT大国だ。米国の会社が300人雇ってる。それの日本進出、ご協力いただけませんか。へえ、そういやあ静岡のスタートアップ・コンテストでウクライナ企業が優勝してたよ。でも俺は経営なんかできないよ投資の相談ぐらいだよ。まあT君が社長やってくれりゃあ米国と株の交渉はできるかな。いいですね調べてみましょう。ビジネスってのは実にこんなもんだ。何の保証もないがこれでわくわくできるかどうかだ。後は嗅覚。
よりによって2つの戦争中の国の案件がやってくる。世の中ほんとうに面白い。
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「若者に教えたいこと」を設けた理由
2024 FEB 3 11:11:12 am by 東 賢太郎
この数か月、たくさんの方々がソナーに関係して下さり多忙だ。折々、ブログというメディアに政治、経済、国際情勢、経営に関するinsightを書き連ねてきたが、僕は評論家でなく自説に従って億単位の金を動かし、結果としての実績を問われるビジネスマンである。だからその能力を買って下さる企業が現れれば、これまでは自由にブログにしてきた自説の根拠等は書けなくなる。それについて少々述べておこう。
「若者に教えたいこと」というカテゴリーは特別なものだ。設けた理由は、僕が若い芽を見つけ、その成長過程を見届けるのが大好きな人間だからだ。野球も二軍の有望株を見つけるマニアだし、芸術家もしかり。猫が少し賢くなっただけでも心が踊る。株式市場でまさしく “有望株” を見つけて投資するのを職業とし、その自分の姿を探知機になぞらえて「ソナー」と命名したのが最大の証拠である。だから向学心のある子、不断の努力を厭わない子は無条件に応援してしまう。直接ふれ合うことはないが読者にそういう人がいればという思いがあった。
自省するに、生涯いちプレーヤーの気持ちで社会人を44年やってきたことは偽りない事実だ。現に今でもそうしており、東賢太郎というビジネスマンの “エッジ” は “現場” にあることは間違いない。ただ、名刺の肩書のヒストリーを眺めると44年という期間の約7割は「部長 / 役員」、約5割は「社長」という経営職だ。だから、業種を問わず、若い経営者にアドバイスすることはたくさんある。つまり、若者が経営している会社、すなわち「ベンチャー企業」を育てる仕事は天性のものではないかと考えている。かく言う自分もソナーというベンチャーを創って14期目になり資産も作った。口だけの先生や評論家ではない。
若者に来歴を語る機会があるが、当時、東大法学部卒の者は国内にいるのが有利で海外など出ない。44年の4割近くも異国にいたのも異例だが、帰国して一部上場企業2社の役員になり、3度も自分から辞めた者は東大史上ひとりもいないだろう。そう伝えてへーで終わる大半の人とおつき合いする時間は僕にはない。しかし、一部だが、「半沢直樹超えですね」などと感動してくれる人もいる。ほとんど若者だ。だから「若者に教えたいこと」というカテゴリーを設けたのである。僕のしたことというより僕の存在自体がinspireing(刺激的)であるタイプの人達こそ貴重な原石、未来の星であり、探し出してでもこちらからお会いしたいと思うのだ。
ベンチャー界にはそうした若者が多くいると確信しており、業種を問わず何か教えてあげられる。講話、セミナーなんかのおざなりの場ではだめだ。がっぷり四つで向き合い、僕も相手にinspireされながらつき合う過程で学んでもらうしかない。ビジネスとは本来そういうものだ。
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アンビバレントである今年の抱負
2024 JAN 8 16:16:59 pm by 東 賢太郎
ソナー・アドバイザーズの第14回新年昼食会が5日に赤坂維新號であった。横尾会長を筆頭に、11人にご参集いただいたが社員だけでなく懇意の関係者まで広げたのは初めてだ。各位のご紹介スピーチをしながら気がついたが、大学教授は2人おられるのに本業だった証券マンは野村の後輩1人だけだ。これは意図したわけではないが、僕が企図しているのは昔の延長ではなくまったく別な事業だからだ。11人中6人が慶応というのも意図ではないが、過去やコネを捨てているのではなく、シンプルに僕がリアリストかつプラグマティストである結果だ。
強みは何だと問われれば海外経験しかない。それも英語力や知識で僕より上の方は無数におられる。だから一言加える。僕は普通の日本人ではない。外国に出なくても多分そうだったが、16年海外にいてそれを検証したという点で海外経験は強みになった。これはほとんどの人に理解されないから「コスモポリタン」と自称している。何かやらかした「自称会社員」みたいなものだが、日本も世界もどの民族も文化も等しく美点凝視したい人を定義する言葉はそれしか知らない。
コスモポリタンと反グローバリストは政治的には矛盾だ。せっかく野村證券がそのルートに乗せてくれたのだから普通は楽にグローバリストで生きるが、いま、頑としてそうしたくない内なる自分に向き合う羽目となっている。それが大きな流れの中で日本を食い物にすることになるからだ。口だけの似非保守も含めそう考えるのが普通でなくなってるのが現状であり、だから僕は普通の日本人ではないと宣言せざるを得なくなっており、「今だけ・カネだけ・自分だけ」で食い物にする連中が金も権力も握ってしまっている。僕は相手を少々知っている。このままだと少数派は淘汰されてしまうとアラームが耳元でがんがん鳴っている。
しかし、正直に書くが、今さら政治家になる気もないしブログも無意味と思うようになってきた。つまり僕は無力である。同時に、生きていくことに関しては怜悧なリアリストかつプラグマティストに生まれついており、守るべきは家族と仲間と猫だけであり、その為に自分は世に存在していると考えるようになっている。その点においてゴッドファーザーのヴィトー・コルレオーネと何ら変わらない。イタリア系極道アメリカ人として税金は払うが国は守らず家族と仲間を守る為に社会的に一定のポジションにいる必要があるリアリストかつプラグマティストの映画だ。現実にいくらもいるしその一点において僕も変わらないのである。
矛盾を血のせいにしてしまうのは安易かもしれないが、この不合理は他に納得のゆく説明がない。今の世相は二・二六事件前夜を想起させる。当時ならどうしたかの結論が祖母・真崎ミカを通じていま内側に押し寄せてきているなら抗っても仕方ない。前夜といえば、ちなみにいつだったか覚えてもいないがたしか岸田総理襲撃未遂事件なる興味深い物があった。大変失礼だが、リアリストかつプラグマティストの僕の眼力において彼はいかなる理由であれテロの対象になる性質の人ではない。従ってあれはやらせというのが必然的憶測的私見だ。ただ、類似事件の特異性を糊塗するには出現がなかなか時宜に適ってはいるのであり、ああいうもので多数の国民の心が動いてしまうという現実を見せられるならもう手も足も出ない。
つまりそれがウルトラ大衆デモクラシーの実態ならもう日本は見捨てるしかない。果たしてそうなんだろうか。2018年の西部邁氏の自裁死はあそこがジョギング場所だったこともあり大いにショックだったが、彼は好きな国(人種)を「まずイタリア、次にイギリスと言いたいが、やはり日本」とし、嫌いな国(人種)を「まずアメリカ、次に韓国と言いたいが、やはり日本」とした。日本を代表するインテレクチュアル(知識人)であった氏は現世利害的なインテリジェント(似非知識人、専門莫迦)が跋扈し席巻してゆく日本に対し絶望的にアンビバレント(好き・嫌いの両面感情的)になった皮肉がこれであろうし、その無力感(というか阿保らしさ)に苛まれたのかとも推量する。そうであるならとてもよくわかる。
僕も精神は知識人のつもりだが、ビジネスにおいては現世利害まみれの専門莫迦に徹しなくてはならない。僕らにできるのは大手金融機関の店頭にない良質の運用案件を顧客の探知機としてみつけてさしあげることだ。ただどんな投資もリスクは不可避だ(全勝はあり得ない)から勝率を上げる確率のゲームなのであり、少々の失敗は気にしないお金持ちか、確率とはなにかをわきまえる人にしか商売としてのアドバイスはできない。そう思わないのは詐欺師だけであって、理解の浅い人に投資を勧めるのはこちらの行政リスクになるから危なくてできない。確率は高校へ行けば誰もが習うが、学校は「これを学べば資産形成に役立つ」なんてことは教えないので、インテレクチュアルの人種を除く日本人のほとんどが投資に対して合理的な判断ができず、さらにはそのアドバイスすら受けられず、あまり割のいいとは思えない万人向け既成商品を買って大手金融機関の収益に貢献するしか株高の恩恵を受けられない。NISAという節税スキームは誠に結構だが利益が出なければ意味がない。このことに僕らは手も足も出ない。
したがって僕はリアリストかつプラグマティストに徹し、おつき合いできる大切な仲間としてのお客様にその方の取れるリスクの範囲内でベストのアドバイスをすることをビジネスとするしかない。どなたでも儲かりまっせなんていう証券ビジネスとは程遠い。いま内外の不動産や戦争中のイスラエルのベンチャー企業まで視野に入れて研究中だが、べつに海外経験が強みだからではない。勝てる(投資リターンが得られる)なら日本だろうが地球の裏側の国だろうが火星だろうが関係ないからだ。しかし日本人を助けたいができない。確率ゲームを長期に勝ってきている図抜けた才能と20年に渡るデータベースが社内にあるのに使うのは外国人で、日本社会に役立てられない。なんてアンビバレントなことだろう。
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2023年の総括(終わり良ければすべてよし)
2023 DEC 31 13:13:21 pm by 東 賢太郎
今年の当社のビジネスは前半に苦戦した。リアルで動けなかったツケで乗りかけの案件を2つ断念し、ひとつ8月に仕上げはしたが規模的には満足な展開ではなかった。8~9月に7年ぶりにゴルフをやったり関西、静岡に出張もして気分転換を図った。ところがコロナの霧が晴れたようになると9月から景色が変わりはじめ、10月から年末にかけては思いがけぬ好転という想定外の慌ただしい年末になった。この怒涛の上げ潮は息子に近い年ごろである東大工学部の後輩T君がもたらしてくれたもので商売のネタが3カ月で5つもでき感謝に堪えない。ゴールドマン・サックス、メリル・リンチにいた20代の彼をスナイパーと見こんでの20年に渡るつき合いだがここまで大物になってくれるとは!
昨日がその5つ目だ。ウォートンの後輩Sさんの紹介でT君と前防衛副大臣、外務副大臣のN氏に会ったわけだが、食事そっちのけでイスラエルにつき熱弁をふるってくれ、非常にエキサイティングな3時間となった。戦争と米国大統領選の帰趨にはよるが、N氏が関わるテルアビブ大学ベンチャー等の投資機会は面白い。イスラエルといえばディープ・テック(常識破壊の最先端技術)である。人口比でノーベル賞受賞率1位、ユニコーン起業家輩出率1位、科学者・エンジニア比率1位、VC投資金額1位。NASDAQ上場企業数は米中に次いで3位だが、イスラエルの人口は960万人と東京23区と同等であり、米国の30分の1、中国の140分の1なのだから如何に恐るべしかお分かりだろう。この企業化、上場というのが大事なのだ。知性の図抜けた人はアスリート界で図抜けた大谷翔平選手のように相応の資産を作れる、資本主義社会なのだから当たり前ではないか。そこが下手くそなのか、そもそもやったことがその程度なのか、閉鎖的なアカデミズムと叙勲の栄誉だけという日本の学界はさびしい。それでは世界の図抜けた知性は来ないし、頭脳は流出するに決まってるではないか。
ユダヤ系というとロンドン時代に物凄い頭脳を持つお客様たちと6年つきあい親近感がある。仕事もあるがクラシック音楽に馬鹿詳しい僕に興味をもってくれたのもある。メンデルスゾーン、オッフェンバック、マーラー、ガーシュイン、コープランド、バーンスタイン、シェーンベルク、ミヨー、ツェンムリンスキー、モントゥー、セル、ライナー、クレンペラー、オーマンディ、ショルティ、ワルター、ラインスドルフ、ゼルキン、シュナーベル、アシュケナージ、アルゲリッチ、バレンボイム、ワイセンベルク、ホロヴィッツ、ルービンシュタイン、ヨアヒム、シゲティ、オイストラフ、シェリング、コーガン、ハイフェッツ、ミルシテイン、メニューイン、スターン、ロストロポーヴィチ、シュタルケル・・・クラシック界におけるユダヤ系の比重はディープ・テック同様に絶大であり、数学と音楽が最も遺伝要因が強いという統計は合点がいく。他人の気がしないのが正直な所である。
これからの世は中途半端はだめ、とんがって出る釘にならないと栄達は難しい。政策でなく派閥で固まってパワーを行使する日本の政治は明らかに時代の潮流に逆行している。企業もでかいことはコストでもあり標的になるリスクでもある。とんがることに必須なのはdeep tech intelligenceだが日本企業のR&D比には悲観しかない。エッジのないデカい企業はどんな名門でも平気で潰れ、外資に食われる。食う側になるのが最善の経済安全保障なのだがそんな声はどこからも出ない。White Houseがしているようにネタニヤフ政権とイスラエルを分けて考え、後者のインテリジェンスを日本企業が工業化して輸出することで両者win-winにならないか(TSMCによる台湾の戦略)。N氏には大変に興味深い論考をご提示いただいた。正月にじっくり考えてみたい。
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