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カテゴリー: ______広島カープ

広島終戦(酷すぎる大瀬良と中崎の起用)

2022 SEP 23 23:23:17 pm by 東 賢太郎

首の皮一枚、絶体絶命の阪神戦。こいつらほんとにそう思ってたのかというばかりの酷い試合であった。

先発の大瀬良。

何だこのざまは。絶対に負けられない試合の初回に4点もとられるピッチャーをエースと呼ぶ国は世界のどこにもない。見るからに球が遅い。こんなの打たれるに決まってるだろ。でもエースと呼ばれてる?関係ねえそんなもの。全部ぶち壊した責任は重い。なんで遠藤で行かなかったの?わけわかんねえ。

6回の中崎。

佐藤テルに看板直撃の強烈なツーランを被弾。球場全員が唖然でアタマ真っ白。バッターは戦意喪失の衝撃。ただの2点じゃないよ。素人目にもそりゃそうだろの球威しかない。なんで2点差に追い上げてこの大事な所でこんなの出すの?引退試合だったのか?聞いてねえぞそんなの。なんで頭から松本いかないの?わけわかんねえ。

佐々岡。

外人なしの迫力ない戦力で同情もしとったけど、この起用はあまりに酷い。

「ザキが打たれると思って出してないので、期待してたので、それが結果的に打たれたのは出した僕が責任がある」

当たり前だろ、そんなもん。キミ正気か?打たれると思って出す監督がどこの国にいるんだ?いちいちどうでもいいこと言わなくっていいんだよ、結果だけが監督の責任なんだよ。キミに責任とってもらってもファンは浮かばれないんだよ。

 

阪神タイガース・糸井の引退試合に感動

2022 SEP 22 18:18:43 pm by 東 賢太郎

昨日の阪神・広島の最終戦は4-4の重苦しい同点で延長11回まで進んだ。双方が4位で並び、Aクラスに首の皮一枚。こういう追い込まれた事態で見る1点もやれないプレーは実に手に汗握る。

阪神の中継ぎ投手、ケラーと湯浅の速球。わかってても空振り。ああいうのはこういう場面でないと出ない。特に湯浅が坂倉をインローで見逃し三振にしたあれ。あのストレートをプロだ!と思わないなら金を払って見る価値はない。

その湯浅の低め速球をセンター前に快心のヒットを打った小園。第1打席のセンターへの本塁打よりこのヒットを評価する。8番だが一番打ちそうな雰囲気があったのは小園である。守備も含め、本当に素晴らしい選手を採ってくれた!

一打サヨナラの一死一二塁で佐藤、梅野をストレートで連続三振に取った松本の度胸!新人でこれは驚異。制球が乱れず145キロしか出ないのに高めで空振りが取れる!カープの中継ぎで最も成長したのは松本と矢崎である。

素人の試合で後半にこんな球の速いピッチャーが出てくることはない。ストライクゾーンで速くて打てないピッチャーは打ちようがない。シーズン中はこんな球はめったに見れないからもうけものだ。

ひとりだけ、あんまり制球が良くなかった岩貞。今年は彼も球速が増しているが、11回、小園のうまいバントで暴投、四球で満塁。打てる気配なかった上本に三遊間。するとつるべ打ちの3連打であっという間に6点。

嬉しいというより「野球は怖い」と鳥肌が立った。

カープは残り4試合全部勝って巨人が3つ負けてくれれば3位となった。

もうひとつある。

5回の先頭で代打で登場した糸井だ。これが引退試合。森下は3-2とし、外角高め速球は見逃せばボールだったが、これを見事とらえて三遊間を抜いた。変化球がありえたろうが、特に手を抜いた球とは見えなかった。

よく打った。これは絶頂期だったオリックス・平野が本気で投げた低めを右中間ツーベースにしたロッテ・サブローの引退打席に匹敵する。鍛えぬいたプロは凄い。こんな打者でも辞めなきゃならないプロも凄い。

糸井はピッチャーで近大から日ハムに入る。2年で打者転向といわれるが、引退スピーチから投手クビだったことがわかる。悔しくてバットを振りまくってここまで来たと。それでこのいい性格、素晴らしくスケールのデカい男だ。

糸井に驚いたのは打撃ではない。守備と肩だ。足も速いと思ったらなんと300盗塁もしているとは。野球選手はやっぱり攻走守だ。全部できてナンボ。大谷もそうだが日本で最高位は間違いなく糸井である。

宇宙人扱いされておりスピーチは心配したが、これがまた立派である。うまいというより地が出ていて心が見える。作り物でない。作り物のこれまたフェイクみたいな、巷に満ち溢れる政治家どものくそスピーチに汚染された耳が洗われた。

糸井選手、プレーヤーとしても男としても超一流だ。最高の野球をありがとう!

 

野球に「流れ」はある(野球以外にもある)

2022 JUL 24 12:12:27 pm by 東 賢太郎

土曜日。久しぶりにノイを連れてピアノを弾いていて、しまった始まっちまったと急いでテレビをつけると3回だった。広島・ヤクルト(神宮)だ。スコアを見ると13対0だ。またか、やばい!と目を凝らすと、なんと勝っているのはカープで怒涛の攻撃中ではないか。

交流戦覇者ヤクルトに2勝しかできずやるたびボロ負け(10敗)。アマならわかる。地方予選1回戦組が大阪桐蔭と何百回やっても勝てない。戦力差が圧倒的だからだ。でもプロにそれはない。その広島がDeNAには3つしか負けておらず(12勝)そのDeNAはほぼ互角(8勝6敗)にヤクルトを食っているから明らかだ。グー、チョキ、パーの三すくみなのである。

広島は昨日もヤクルト小川に7回まで0封。「またか・・」。まいど顔なじみの負けの貧乏神が降臨しかかっていた。ところが8回にサードの村上クンが信じ難い素人ポロリをやってくれる。なんだそれは?キミ、どうしたんだ、脳震盪でもなったか?するとすかさず秋山が右翼席に同点2ランを放り込んだのである。投手はガックリでヒザをついてうずくまる。貧乏神が退散する。すると9回に、打った記憶のないクローザーのマクガフから何ということか小園がソロ、松山が2ランをぶちこんで勝ってしまった。うーんあり得ん。何が起きたんだろう??

そうしたら今日はいきなり先発の原にライオンの群れみたいに襲いかかって一死でマウンドから引きずり降ろし、2番手からも打つわ打つわで、あっという間の13-0だったようだ。もちろんこの時点でカープファンとして万歳三唱したわけだが、不思議なことに、なんとプロ野球でこんなことが起きるのかと背筋がぞぞぞっともしていた。こういうところ、何やら幼少時からのつきあいで野球のグレービーソースみたいなのが体にしみこんでる。「見ろ、野球って怖いだろ」。いちおう僕の影響で野球はそこそこ知ってる家族にそう言って回った。反応は猫と変わらなかったが。

『ライオン狩り』(ウジェーヌ・ドラクロワ、1854)

この日も秋山が1回に3ランを叩きこんだのだ。まさに「流れをもってきた」というやつだろう。「流れ」なるものは、そんな英語はないしアメリカでは言わないし賛否両論あるが、僕は経験から存在すると思う。ベンチで真横から相手投手のタマを見て、誰とも何も話さないがヤジを飛ばしながら「速いな」とか「大したことねーな」とか思ってる(高校はほぼ初見だ)。でも大事なのはこっちの3,4,5番が打つかどうかなのだ(僕は6番)。自分は自分の打撃の世界があるが、やっぱり彼らが第1打席であっさりひねられると打席で緊張する。打ってくれるとのびのびいける。そういうのはあった。

流れというのは良い方も悪い方も「ハートのシンクロ現象」がもたらす結果だと思われる。集団心理とざっくり言ってもいい。ピッチャーが頑張れば野手も燃えるし、野手が点を取ってくれると投げる方もよしやったろうとなる。ひとつの四球、ひとつのエラーぐらいで普通そこまではいかない。だから村上クンのポロリは普通じゃなかったのだ。そこにヤクルトアレルギーに汚染されてない秋山が一発ぶちこんだ。こうなると初めて、ひとつのエラーで流れが変わる。だからデータで証明しようとすると、単に四球、エラーでなく条件を付けなくてはならないだろう。でも「どうしたらみんなのハートがキュンとなってひとつになるか」という条件を一般化するのは容易でない。Mazda Zoom-Zoom スタジアム広島など真っ赤に染める3万人の観客まで「みんな」の一部になっちまうのだからほぼ無理筋だ。だから野球は面白いのだと僕は思う。

もとプロ野球のかたも東京六大学の4番のかたも甲子園ご出場のかたもおられたニューヨークの大会を思い出す。初戦の相手が優勝候補でこっちは初出場でみんなビビりまくってた。初回いきなりストライクが入らず四球と二塁打の5球であっさり1点取られた。みんなのビビりが2倍になったのがわかった。ヤバいと思ったので死に物狂いで4番を三振に取りにいった。要は味方の士気をあげるには大将の首狙いしかないと思った。高めの渾身のストレートで空振りで仕留めた。するとシーンとしていたスタンドでやおら大応援が盛り上がり、みんな「あれっ、意外にいけるんじゃねえか」と思ったろう。次の回にたまたま四球とエラーで逆転した。ベンチのアメリカ人たちが滅茶苦茶に盛り上がり、みんな気持ちがひとつになってお祭りみたいに打ちまくった。マウンドの僕はまったく打たれる気がしなくなって11対2の大番狂わせで勝って翌日の日本語新聞の一面トップになった。これは「流れ」の見本だろう。

あの時、それまで強烈に威勢良かった向こうのヤジが最終回は悲し気な「意地を見せようぜ」に転調し(マウンドはよく聞こえるのだ)、ゲームセット後もしばし茫然としていた相手ベンチはきっと「野球は怖い」と思っただろう。最後の方はとてもそういう風に感じていたので、きっとこの大会のため練習を積まれてきただろう素晴らしいチームだったし、なんとなくプレーヤーとしては他人事でなく、終わった後はみんなとはしゃぐ気になれず猫のように静かにしてた。翌週の2回戦も10対0の5回7奪三振のコールドで、しかもノーノーで当たり前のように勝った。半分アメリカ人のチームだったが彼らは僕のカーブは見たことなかったんだろう。もう強豪だ。明らかに相手がビビってた。それも、マイナスの「流れ」だ。二桁勝ちってこんなにいいものなんか。高校で味わえなかったライオンの気持ちがわかった。

カープはやっぱり秋山が効いたんだろう。やっぱり2百本もヒットを打つ人は只者じゃない。しかもカープはフン詰まりみたいに出なかったホームランをあっさり打ってくれ、みんなも便秘がなおったみたいに出るようになるんだから「流れ」のおかげとしか考えようがない。同じ左の野間や小園の当たりの良さも半端じゃなくなった。ちょっとしたことで実力は均衡したプロ同士でやってるのに二桁勝ちってのは、気持ちがシンクロすると劇的効能があるという証拠だろう。でも相手にそれが起こると逆に二桁負けもあるということだからこのままカープが強いかどうかはまったくわからない。集団心理はちょっとしたことで女心より変わりやすいと思うからだ。監督さんたちがいくら頑張ってもどうもならん世界でこういうことが起きる。ほんとうに命を削る思いだろう。

ことは野球に限らない。どんな人間集団にもそれはある。オーケストラにもそういうものがある。みなの心がシンクロすると、聴衆の心に強く訴える感動的な演奏になったりする。何度かそういうのを聴いたが、原因が指揮者の棒かというとそれだけでもない。いまも昨日のように忘れないのがリッカルド・ムーティがフィラデルフィア管でやったチャイコフスキー4番だ。帰りにまだ足がガクガクしていたぐらい凄かった。あれで、いつもはフツーの馬なりの演奏だったんだなということがバレてしまった(それでも芸になるスーパーオケだ)。その日は朝起きると大雪だった。2mも積もって交通が麻痺し、昔のパリーグの川崎球場みたいに客がいなかったのだ(オケの人数のが多かった)。ムーティがスカスカの客席をふりかえって「今日は来てくれてありがとう」ですぐ始まった4番、オケのみなさんの「ありがとう」がいっぱい詰まって尋常でない白熱の演奏になってしまった。やってみないと分からない。人間はだから面白い。

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広島が3試合連続満塁弾で巨人をスイープ

2022 JUL 17 19:19:46 pm by 東 賢太郎

いやあ気持がいい。交流戦のうっぷんが吹っ飛んだ。ホームラン数がダントツ最下位のカープにとって満塁弾などというのはもとより縁がなかったはずだ。しかも打ったのがレギュラーでない磯村、長野、堂林というのだから競馬なら万馬券3連チャンで大儲けした感じである。磯村は今日も一発打った。素晴らしい集中力、こういうのは才能だ。勝負強いかどうかってのは要は集中力だ。中京大中京で夏の甲子園全国制覇した正捕手だからとんでもない場数踏んでるわけだ、性格が優しそうだがそれは勝負師としてあんまりいいことはないぜ。もっとライバルを踏み倒すぐらいアグレッシブにやって正捕手を獲ってくれ。

しかし今日の先発、野村祐輔クン。なんともタマ遅いなあ、そんなんでコントロール甘けりゃアマだって打たれるよ。ウォーカーと中田のでっかい一発、ありゃ「いらっしゃい、ごっつぁん」のホームランだぜ。どうしちゃったの? 野村は甲子園で破竹の勢いで決勝に進んでダークホースの佐賀北に逆転満塁ホームランで負けたんだったなあ。やっぱり性格がボンボンというか優しそうだ。メンタルは大きいぜ、ピッチャーなんだからもっと嫌な奴になれよって思うけど、難しいんだろうなあ今さら。CSのヤクザ映画は君におすすめだよ。

それで0-4になって力負けしそうな嫌なムードが漂ったが、秋山の二塁打から1点取って空気が変わって10-5で勝った。秋山はホームランバッターではないからプラス効果はどうかなと思っていたがずっといい。みんなが打ってくれればそれでいいわけだ。プロで200安打もするなど普通の人間でないしコミュ力も高そうだから指導力もありそうだ。グラウンドでマクブルームと英語で談笑してるし伊達に渡米してない。カープの監督・コーチの英語力は江戸時代レベルだろうから、2千本安打したらすぐヘッドコーチになってそのまま監督をお願いしたい。

ターリー投手。7回に出てきて丸を一ゴロ、岡本とポランコを三振。素晴らしい。球が速い。ピッチャーはそれが何よりよ。練習球見ただけで相手の空気が変わる。そうだったフランスアなきあと期待できる。トラックマンで155km出て一分間回転数2500ごえ。まだデータの意味をつかみきれてないが、この3連戦の投手を比べるにダントツに凄い数字だ。デビュー当初はコントロールがねと思ったが良くなってきた。まあ真ん中に投げてもそうは打たれないよ。後半戦の7回を頼んだぜ。

森下投手。第2戦、ご苦労さま。相変わらず糸を引くような美しいストレートだ。力感ないフォームで顔も動かず150kmはなかなかいない。それで差し込んでおいて変化球の精度も高いうえにカーブで奥行きを出せる。上質のピッチャーだな。ただしあの日の審判はカーブのゾーンがあいまい(というか、いい加減)だったね。君のは角度が大きいから迷うんだろうね。大城に低め、高め、内側と3球投げて全部見逃しで全部ボール。ありゃないよな、わけわからん。ただ、それでキレたのはいかん。気持ちわかるけどキレたら相手を利するだけ。メンタルだけ鍛えれば大投手の道だ。

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僕の広島カープ愛は海より深い

2022 APR 24 20:20:03 pm by 東 賢太郎

今日はやられたと思った。カープ打線はこのところ開幕当初の起爆力、得点力が見られず、その結果4連敗してしまっていた。DeNAとの当カードは何とか2つ勝っているが、3試合目も取ってはずみをつけたいところだ。

ところが3-3で迎えた延長10回、DeNA牧にホームランが出て4-3とされてしまう。やっぱりだめか。

その裏、ストッパーの三島がマウンドに上がるがコントロールが・・・。よし、いけるぞ。西川、マクブルームが四球で無死1,2塁だ。一番期待できる坂倉だ。外角高め、ボール気味の速球をセンター左に強烈に弾き返して同点!曾澤は敬遠気味の四球で1死満塁だ。

ここで打順は8番ショート小園。このところ、てんで当たってない。疲れてるのか自信が失せたのかどこか痛いのか?あれほど思い切りよく振りぬいてミートしていた速球に差し込まれてる。どうせだめだろう、たのむからゲッツーだけはやめてくれ。

初球。速球を振りぬく。当たった。いい当たりだ。センターフライ。太田が懸命に背走する。あきらめる。サヨナラだ!!

いや、これは嬉しかった。ベイスターズには6連勝だ。

2022/04/24

この試合、本来の殊勲は坂倉だ。延長戦で1点負けの無死1,2塁は緊張する。ゲッツーなら一気にチャンスはしぼむ。今のカープのムードだと負けだろう。ここで打ってくれと全カープファンがはらはらして祈り、打ったら大統領という場面で強烈なヒットをかまし、一打でプレッシャーを打ち砕いたのだから。

勝利に沸くベンチで坂倉がコーチに何か話しかけられ、軽くうなずく場面が画面に映った。「小園で行くぞ」じゃないかなと見ていた。ヒーローインタビューのことだ。小園はお立ち台に一人上がって喜びを爆発させた。ファンとしてたまらないシーンだ。

坂倉 将吾

坂倉だって、去年のセリーグ打率2位とはいえ弱冠23歳の若者である。なのにお兄ちゃん扱いで21才の弟分に花を持たせる。実に素晴らしい。捕手とサードの掛け持ちなど想像もできない難事だが、それを難なくこなしているだけでも凄い。しかも5番を打って、4番が霞むほどの強烈な打球を放っているのである。

これを見て僕は江戸時代の「藩校」を思い出した。たとえば薩摩藩の郷中教育は6歳から23歳までの青少年団で年長者が年少者に学問、徳育、武芸を教える。専門の大人の教師ではなく、自身ばりばりのプレーヤーであるお兄ちゃんが弟を鍛える実践的な教育だ。

絵空事の教育論ではない。なぜなら鹿児島市の街のほんの数ブロックのエリアの子供たちが郷中教育によって育ち、後の西郷隆盛、大久保利通、森有礼、大山巌、東郷平八郎、山本権兵衛になったのだから。

堂林 翔太

カープは伝統的に若手が育つが、そういうことだったのかもしれないと想像するのも楽しい。大枚で釣って他チームの4番打者を獲ってきて使い捨てるどこかのチームがいくら勝ってみせても良き青少年教育にも紳士の鏡にもならないだろう。

そういえば昨日の1番に抜擢された堂林のバックスクリーンへのホームランも最高だ。あれだけ自然体で振ってあそこまで飛ばす才能は半端でない。練習してもできない。インタビューの物言いもいいね、「2年ぶりのお立ち台ですが」といわれてぐっと溜めたところなど、男としてよくわかる。常に気にしている好男子だ。忘れないでくれ、おととしの前半の打撃をやれば世の中に怖いものはないぞ。

上本 崇司

上本は今年の開幕スタートダッシュの文句なしのMVPだ。170センチの体で広陵高で1年からレギュラーで甲子園3回出場。あの厳しい明大でも1年からレギュラーでフル出場。完璧なる野球エリート。さすがである。東大なんか3千人も入るんだ、君のほうがずっとエリートだ。プロではいぶし銀といわれるが、すべての野球の基礎ができてるということ。その自信のほどが打席の表情でわかる。男として本当に格好いい。活躍が最高に嬉しい。

小園 海斗

最後に小園だ。同期である大阪桐蔭の根尾、藤原がいまいちのところ、あたま2つは抜けている。気持ちいいだろう。性格がアグレッシブで、一球必殺の思い切った振りで仕留める、あれは根尾、藤原ですらできないのだから才能としか考えられない。開幕ダッシュのもう一人の立役者だ。それでも打てなくなる。小園が悪くなったとは思わない、ああプロって凄いんだなあと思うだけだ。3番が8番に降格になったが、まあそんなもんなんとも思ってないだろう。我々ファンもなんとも思ってない。21の若者がグラウンドで暴れまくる。それだけで楽しくて仕方ない。エラーしても三振しても、ああこれで小園はひとつ賢くなってくれたな、そう思って見てる。でも今日で乗り越えるんじゃないか、思いっきり自己肯定的に行って2倍にも3倍にも成長してくれ。

こうして書いていて思う。僕の広島カープ愛は海より深い。

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広島カープ、敵地で開幕カード三連勝

2022 MAR 28 13:13:30 pm by 東 賢太郎

中日ドラゴンズの立浪監督が「野球はケンカ」と言ったらしいが、その通りと思う。きのう巨人を最終回の2点で逆転した初勝利はその気迫だったのだろうが実は見ていない。広島・DeNAの終盤が凄いことになっていて目が離せなくなっていたからだ。大興奮の決着をむかえたら「はやくはやく、焼肉行くよ」ってことになっていて、おかげで前日に壮絶な相撲で高安を破った若隆景の優勝決定戦を忘れてしまった。昼間は甲子園があるし忙しいったらない。

14日目の若隆景は平幕優勝のかかる高安の強烈な突き押しに一気に土俵際に追い込まれたが、怒涛の逆襲で寄り切りで勝利した。やばい相撲だった。NPBの方もこの開幕3連戦は、7点差をひっくり返して阪神に勝ったヤクルト、6点差を逆転してオリックスを倒した西武と、同じようなことが起きた。男というのは動物界を見てもケンカに勝たないと子孫は残せない。暴力はいかんと言っても仕方ない、本能なんだから。さすがにヒトがそれじゃあまずいので、その代わりにスポーツがあるというのが僕の基本観だが、各地で壮絶なケンカが行われた。

大興奮と書いた広島・DeNAの第3戦。横浜スタジアムは改修して3万人の観衆で湧いている(この球場はこれで満員。そういえば焼肉屋もびっくりの大盛況で2年ぶりの満員だったが)。2連敗して今日こそはというDeNAファンの熱気のなか、4-4で迎えた8回裏、再起をかけた中崎が登板したのだが、先頭の牧に初球をあっさりホームランされてしまう。カープファンはこの球場の終盤に良い思い出がないし、もうだめか、中崎もツキがないなと思った人が多いだろう。

ところがそうでなかった。9回表、DeNAも再起をかけるストッパー山崎が出てきて、その初球。坂倉がひっぱたいた真正面のショートゴロを捕った大和がなんと足がもつれて尻もち。草野球のおじさんじゃあるまいし、あんなのは見たことない(ちなみに大和の守備は本来はうまい、打球が強かったんだろう)。ラッキー!そこで登場した代打・堂林。おい、何でドーちゃんなの?そうかバントか、でもそんなにうまくないだろ?そこで、明らかにサインの出てるバントを2球も空振りするのである。ツーシームとはいえ。坂倉の気迫が燃やしたせっかくの火が消えかける。なんだお前は、もう帰れ!追い込まれて苦しまぎれのバスターから何でもないショートゴロ。ああゲッツーだ、終わりだ。と思ったが、何が起きたのか、今度は二塁の牧の送球が遅れて1塁セーフである。

次の末包には代打・曾澤を送る。ツーシームは初見じゃ打てないからこれは順当。山崎のストレートは150キロ出てたし悪くない。押し込んでる。しかしツーシームは曲がりが早いのか見切られていて、当たり損ねのサードゴロだったが二死二塁となる。再度、ゲッツーじゃなくて良かった。ここで8番上本だ。当たってる。というよりオーラ、殺気がある。いま、いちばん何かやってくれそうな男だ。ちゃんととらえてセカンド牧の右に強めのゴロ。菊池なら難なくアウトだが、そうはいかず内野安打。これもラッキーだ。そこで迎える9番・長野。ストレートは全部ファウルし、ツーシームは見切って振らない。さすがの「圧」で四球をもぎとった、これがデカかった。二死満塁。嫌なものを感じたのだろう、三浦監督自らマウンドへ向かう。1番・西川。外野は1点もやらない前進守備。

習性でバッターの顔つきを見る。上本、長野、西川。緊張のサドンデスの局面だが、何かやったるぜという感じだ。打者は10回打って7回は失敗するんだが、逆に思えてくる。西川もストレートは遅れてた。だから捨ててたらしい。捕手(戸柱)は直球で押せばいいのに1-1から狙ってたツーシーム。落ちきらないのを拾われて前進のセンターを超える三塁打。この3点で勝負あり。マウンドに殺気が残ってたのか、7-5の2点差なのにクローザー栗林もちょっとおかしい。四球ふたつで一死一二塁としてしまい、佐野、牧、宮崎のクリーンアップを迎え、一発出ると逆転サヨナラという最悪事態となる。昔の悪夢がよぎる。結局、牧にタイムリーが出て1点差とされるが佐野、宮崎は内野フライで試合終了。手強かった。守備の差で勝って、勝ち星は心配した中崎についた。

たかがひと試合でこんなに人間ドラマがあるのだから野球は面白い。牧は守備がこれからだが打撃は本当にいい。去年、栗林がいたんで新人王をとれなかったが、そうでなければ満票で当確だったのが気の毒でならない。DeNAのクリーンアップ(佐野、牧、宮崎)の圧は巨人、ヤクルトなみだと思った。そこに外人ふたりが復帰して二番、六番に座ったら12球団最強である。しかしケガが多いのと、残念ながらピッチャーがいない。でも昨日の先発・坂本は初めて見たが良かったし、最下位予想してしまったが怖い存在である。

この3連戦、カープ打線は何やら気迫が違う。かつて見ないほど振りが鋭い。オープン戦でそう感じたのは小園と上本だけだったが、いまは全員だ。やっぱり「鈴木セイヤが抜けてだめだろう」と解説者が軒並み最下位予想して、この野郎と思ったのがあるんじゃないか。セイヤは数字はメジャー用にちゃんと帳尻合わせたけど、べつにいい所で打ってなかったからね、いなくても大丈夫。かえって全員が奮起してケンカが強くなってよかった。ホームランはあんまり出ないけどね、今年はピッチャーはそこそこ行けるんで、坂倉みたいに内野が尻もちつくぐらい強い打球を打ってれば何かが起きる。

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10連敗の巨人に広島が肉薄

2021 OCT 18 15:15:59 pm by 東 賢太郎

チームスポーツには闘将が必要だ。みんなで仲良く民主的になんてのはないのである。その男の覇気と活躍でチームに勇気がみなぎって勝ってしまう、たとえば、V9の巨人には長嶋茂雄、黄金時代の西武には秋山幸二がいたし、カープ黄金時代は山本浩二がそれだった。単なる4番やエースとはちょっとちがう。王、江川、イチロー、松井、松坂、マエケンはそれではない。大谷翔平もそうかどうかチームが弱くてわからない。喧嘩が強い清原や近鉄のデービスも違う。甲子園制覇した時の斎藤佑樹、楽天で全勝した年の田中将大、昨年までのホークス柳田はそれだ。

いまヤクルトの闘将は、終身名誉キャプテンの青木でも、キャプテンの山田でも、選手会長の中村でもない。21才の村上だ。そう思ったのは、例の近本のサイン盗み疑惑で両チームに一触即発の緊張が走った阪神戦である。動作でコースを教えてると文句をつけた村上に矢野監督が「やっとるわけないやろ、このボケがぁ」とえげつない口調で罵声を浴びせると、村上は何だこの野郎とばかりに三塁から阪神ベンチに向かってつかつかと歩いていった。大人しいヤクルトにああいう選手はいない。

阪神にもいない。でもチームは元気がいいのは、あそこで強烈な大阪弁をかます矢野監督こそが闘将だからである。中日は森監督は怖かったが、今はいないから投手はいいのに打線が弱い。DeNAはラミレス闘将だったが英語だから通じず、三浦番長はリーゼントに闘魂は感じるもののまだ未知数である。巨人はどうか。阿部、坂本、菅野、岡本、丸。ぜんぜん無理である。原監督が闘将なのだ。罵声は不要だ。読売が全権委任する隠然たる球界政治力・人事力は絶大で、日ハムで出場停止処分になった中田翔が移籍するや試合に出てしまう。公文書改竄だろうが公職選挙法違反だろうがものともせず無視できる安倍元首相並みの絶対君主であり、怖くて誰も逆らえないのである。

では我が広島カープはどうか。いたのだ。黒田である。ビーンボールで藤浪を恫喝したらイップスになってしまった。同じのを投げられて転倒した大瀬良は笑顔で気にするなだ、なんていい奴だろう。黒田がパワハラなのではない、闘将とはそういうものであり、野球は格闘技なのだ。カープの3連覇は闘将・黒田、副将・新井、戦闘員タナキクマルがいたからできた。去年今年の負けは佐々岡監督の力量のせいではない。彼は優しいし、闘将がいなくなったから自動的に弱くなったのである。

いまカープが登り調子である。鈴木誠也という新たな闘将が現れたからだ。彼は元からいたが、若手の躍動がそうさせたと思う。小園の怖いものなしの不敵な面構え、初球からガンガンいく強靭なバットスイング、身体能力を尽くした遊撃守備は相手が嫌がるレベルにある。ツボに来たらスタンドだねという不気味な雰囲気が濃厚に漂う林も嫌だろう。2人とも高卒3年目の21才だが、かようなことに年齢など関係ない。23才の坂倉はその刺激か打率3割を打って首位打者争いに加わっている。副将が菊池と西川で若頭が坂倉、戦闘員の先鋒が小園・林といい形にはまってきた。投手も高卒2年目でハタチの玉村がローテに入った。ベテランも守備では上本が外野で凄い球際処理を見せてくれ感動ものだ。いずれも、監督やコーチの説教で出るものではない、闘将の覇気と活躍のなせる業だ。

それはケガの功名であった。昨年からのカープ低迷の原因はフロントの外人獲得戦略の失敗にある。去年のスコットはジョンソンの代わりだろうがストライクも入らない欠陥品だ。今年のクロンはエルドレッドの推薦で彼同様に市民には愛されそうだが彼以上に変化球は打てそうもない。メヒアは万年2軍の帝王だ。だから序盤から弱かったわけだが、ということは投打とも和製になるから若手にチャンスがあった。さらにそこを交流戦前のコロナ感染が襲った。西武戦が延期になるほど一軍がスカスカになり、小園、林、羽月、大森、宇草、玉村、高橋らが穴埋めに昇格して出番が与えられたのだった。五輪ブレークで主力5人が抜けたのも彼らには良かった。練習試合で坂倉、小園、林はクリーンアップを打って躍動し、いつの間にかレギュラーに収まり、松山、田中、安部、堂林、長野は完全に控えに追いやられていた。

その若手の急激な台頭で五輪まで眠っていた獅子が目覚めた。おとといの東京ドームでの巨人戦、試合前の「君が代」でふがいなかった五輪の記憶のスイッチでも入ったんだろうか、目を閉じた鈴木誠也の鬼気迫る集中ぶりは画面で見ていて半端でなかった。これは打つなと思っていたら戸根の簡単でない内角をノーステップで軽く振ってライナーで左翼上段に叩き込んだ。強烈なスイングスピードは巨人ベンチの度肝を抜いたろう。あれだ。あれこそが、正調の闘将の姿である。不安は8回の投手だけだ。島内は四球を出して失点が続いたがきのうは良かった。球は速い。コントロールと気の持ちようだけだ。これは佐々岡がやらなくては誰もできない。締めれば誠也はもっと打つだろう。

9連敗の巨人は変だった。試合前、ベンチが映った。右端に原と阿部。3メートルぐらい無人で、左の方にぎっしりと三密状態の選手たち。コーチの姿はひとりもない。原続投の報道にファンがブーイングらしいが、読売の野球本部長なのだからクビはないだろう。だからコーチは「やばい、俺が切られるか」と逃げるのだ。そしてそのカープ戦、追い上げはしたが8-7で負けて10連敗。あれだけ盛大に他球団の4番とエースを札束で獲りまくったのに全員ドボンしてそれだ。9月以降は8勝24敗7分の大失速だったが、トドメは10月14日の阪神戦で髙橋遥人、岩崎、スアレスに食らった血も凍る1安打完封14奪三振だろう。坂本、丸、岡本で7三振。この3人が闘将もへったくれもないのである。

きのう4位のカープは阪神にも4-2で勝って3位巨人と2.5ゲーム差になった。ヤクルト・阪神はCS確定だ。弱い巨人に3位になって欲しいからカープ戦は死力を尽くして潰しにくるだろう。今年は最後の最後に面白いことになった。受けて立って欲しい。残り7試合を全部勝てばCSだって制するかもしれない。

 

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強い者は生き残れない(広島カープの法則)

2021 JUL 4 12:12:50 pm by 東 賢太郎

広島カープの応援というのは気力と忍耐力がいる。好きになったのが小学校2年で、そこから初優勝するまでの13年間は忍従の日々だった。元はといえば早実の王貞治と日大一の大羽進という両左腕の対決が夏の甲子園大会の東京予選であって、大羽は決勝で1-0で王に惜敗した。その因縁が両者のプロ入り後にも持ち越されて、判官贔屓なので大羽のカープを応援していた。はっきり覚えてるのはそれだけだ。

高校に入って初めての夏の甲子園大会東京予選、その日大一と当たって何という偶然かと身震いしたが、エース保坂も大羽と同じ小柄な左腕であった。僕は1年生で補欠だったが、神宮第2球場の1塁側ベンチから眺めた彼の球は忘れもしない。自分の野球メモリーで巨大な位置を占めるこの試合がカープ好きの原点とコラボするのは不思議なものだ。カープファンを離れられない縁がこの時からあったのだろうと思う。

1975年に初優勝してからカープは何度か優勝するそこそこのチームになった。強いのだから判官贔屓という磁力は消えかけたが、1992年から25年間優勝なしの氷河期がまたやってくる。長いトンネルだった。特に1998年から2012年まで万年Bクラスで14年中11回は5位という初優勝前より長くて絶望的な暗黒期に突入していた。そうして迎えたのが、あの輝かしい2015年だったのだ。黒田帰国!マエケン・黒田とメジャー級の先発2人がそろった。日本中のカープファンが待ちに待った “優勝できるぞ” という年は、緒方監督の就任1年目でもあった。

その期待はあっけなく裏切られ、予想だにしない4位に終わった屈辱は筆舌に尽くし難い。拙攻拙守、素人でもわかる采配ミスのオンパレード。夏まで我慢に我慢を重ねたが、緒方に対する怒りは積もるばかりで、ついに1安打完封負けでCS出場すら逃した10月7日、ブログでカープファン終了宣言を発出するに至ったのである(カープファンはやめようと思う)。53年も愛したカープとの離縁は自分史上の重大事件で、同年のブログは緒方や選手への “罵詈雑言の嵐” である。愛憎は裏腹というが本当だ。選手時代の緒方は特に贔屓で、最初は愛の鞭の気持ちも半分あったものだが、秋になってそれがとうとう憎さに変わってしまった。

その緒方カープが翌年に優勝し、3連覇までしてしまうのだから穴があったら入りたいとはこのことだ。どうやって宣言を撤回したのかは書いてない。采配が格段に向上したわけではないが選手が育った。前任の野村謙二郎監督が手塩にかけた選手たちだから彼との共同作業ではあったが、勝手にそうなったのではないと感じ入ったのは優勝を逃した5年目にこれがあったからだ(緒方監督が野間を殴った気持ち)。緒方は選手一同に本件の謝罪をしているが今どきの世に衝撃だった。これが宣言の完全撤回になった。古いと言われようが体育会といわれようが、そういう風土で育った僕の歴史を変えることは誰もできない。監督を辞めてネット番組で熱く語る彼の素顔は、現役時代に神宮で先頭打者初球ホームランを何本も打って留飲を下げてくれたあの緒方だった。1年目は監督業「仮免」だったのだと思い直すしかない。

殴られた野間はそれからぱっとしなかった。佐々岡時代の1年目になると冷遇され、尻を向けたみっともない見逃し三振に僕は「こいつは二度と出すな!」と大声で怒鳴ってTVを消したぐらいだからそれも当然と思う。ところがその野間が今年、グリップをひと握りあけて開眼したように見える。いやいや、去年そう思った堂林が今年は「行って来い」になってるんだから即断はできないが、先日、メジャー帰りの巨人・山口に8回までノーヒットの試合、2年ぶりのホームランで1-0で勝ったのは讃えたい。たかが1勝だし翌日はまた負けたが、僕は野球に限らず物事をストーリーで見ているので、これは我が事のように嬉しい。

佐々岡の采配は2年目になっても相変わらずでおよそ原や矢野の域になく、楽天戦ではやはり双葉マークの石井監督になめられ、意表を突いた2連続スクイズで内野が草野球みたいにぼろぼろになった。悲しかった。あれは本来カープがするべき野球である。走塁も極めてまずい。2桁安打なのに1,2点しか入らない。盗塁は少ないし技術的にまずいのもカープと思えない。そして佐々岡のお家芸のはずである投手陣はというと、アホみたいな腑抜けの変化球が高めに行って全球団にまんべんなく長打を浴びている。なぜ叱り飛ばさないか不思議で仕方ないが、それが彼の流儀なのだろう。

このままだと最下位も十分にあり得る。ネットは緒方の時のように佐々岡やめろの大合唱だ。仮免だからという容赦などなく、鈴木誠也はスタンドから野次でなく声援が聞こえて嬉しいと勝利インタビューで苦笑した。鈴木君、そうじゃない、野次ってくれるだけ有難いだろ、本気で怒れば球場に来ないしテレビも観なくなる。カープファンの熱い愛情を感じないのか?4番の君がチャンスで打つしかないんだ。打たないなら君もいつの間にかひっそりと野次られなくなり、不要になるだけだ。

僕は主力がコロナ離脱のすきに小園、林、宇草、玉村が出てきたのを評価する。監督のためではない、若手は貪欲なのだ。何がいいって、面構えだ。相手をぜんぜん怖がってない。ビビりがないからボール球の見逃し方がいい。こういうのは技術じゃない。誰とは言わないが怖がらずに高めに投げて何度も同じ失敗をする馬鹿でもない。そういうのを一口にセンスと言ってしまえばそれまでだが、高校野球であれほどセンス抜群だった根尾や藤原が苦労しているのだからプロのレベルでそれをやるのは大変な俊英たちなのだ。それを引き出したのは監督だろう。黒田、新井がいてタナキクマルが旬でエルドレッド、ジョンソンがいた緒方2年目とはちがう。緒方から引き継いだのは黒田、新井、丸が抜け、3連覇で疲弊した投手陣だったのだ。それは緒方のせいでもない。

今年は最下位でもいいので見守ってあげるしかない。これは筆のすさびでなく本当にそう思っている。そしてそう書きながらずいぶん優しくなったものだと自分で思ってもいる。カープと付きあって59年、ずっと怒れるファンだったが、まあいいやと認めてしまった方が自分の心の安寧を保てることに気がついてきた。これを身をもって学べたのはカープファンの特権だったとすら考えている。弱いのが平常。それを恒常にする心のホメオスタシスを自然とするマインドセットを具備すると、常勝巨人の1勝よりたまに勝つカープの喜びのほうが大きい。限界効用価値逓減の法則が正しくワークする。しかるに人生の喜びの総和が増えて、長丁場ではカープファンの方が得なのである。

このことは「強い者は生き残れない(環境から考える新しい進化論)」(吉村仁著、新潮選書)に書いてある。何事もそこそこがいい。3連覇は心地よかったが、1/6× 1/6× 1/6の確率という際どいことが既に起きているのであり、そう続くはずがないことは計算しなくてもわかる。つまりカープが勝ち続ければ続けるほど環境が変わったら脆い喜びという性質が増すのであり、いつかは消える不安というマイナスの方が大きくなってきてQOLが下がる。企業経営や家族や友人関係の安定だって同じことだろう。勝ち過ぎは良くないし、良い事づくめはかえって良くないのである。

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広島カープ、恥辱の17三振を喫す

2021 JUN 12 1:01:05 am by 東 賢太郎

オリックス山本がいくら好投手だからってこれはひどい。同じプロとしてみっともないと思わんのか。17三振なんてのは高校野球の地区予選でもそうはないし、やられたことも見たこともない。

「3回で完全試合を意識しました」となめきられ、7回までそのとおりになった。生き物のように落ちるフォークとカーブに手も足も出ておらず、やばい、確実にやられるなと思った。

スコアは0-0だったので引き分ければ参考記録で汚名は逃れられる。とにかく相手打線をゼロに抑えろよと念じたが7回に森浦、中田が失点した。ええい、こうなれば何点取られても関係ない、延々と10個ぐらい連続四球でも出して時間かけて、山本の肩を冷やしてやれと念じた。

そうしたら3人目の高橋樹が間の抜けたストレートの四球を出して、緊張してた空気がたるんだ。よしよし、いいぞいいぞ。案の定、次の8回、先頭の鈴木誠也がセンター前にゴロで抜いて、世紀の恥辱は免れることができた。もしやられてたら1994年のミスター・パーフェクト、槙原以来27年ぶりになる所だった。しかも、その時も、やられたのは広島だったんだ。

しかし、もうひとつ恥辱があって、こっちはやられた。1試合17奪三振だ。

1試合最多奪三振記録

山本は8回投げて交代して15奪三振、9回は平野が2つ取って17だったが、ぜんぜん球威は落ちておらず代えなければ18いけたと思う。まあとにかく、やられた側から言えば史上6度目あたりの「17三振以上」という球史に残る恥ずかしいものだったわけである。

今年の交流戦はどういうわけかセリーグが強い(あるいはパリーグが弱い)。予想だにせぬ戦績で、負け越してるのは巨人と広島だけだ。そして、例年と何ら変わらない弱さなのが広島なのである。

コロナ禍があったとはいえ交流戦2勝8敗と堂々たる最下位独走である。今日はセリーグの他チームは全部勝った。DeNAは3位と好調であり、連戦連敗で始まったリーグ戦はまだ6位だが、5位広島を抜くのは時間の問題だろう。

先発投手もボロボロだが打線がひどすぎだ。ヒットは出るが長打もタイムリーも出ない。戦力で目新しいのは新人投手だけで、多少の若手の台頭はあるが外人が目も当てられない。ソフトバンクもキューバ勢が五輪で抜けて苦戦してるが、カープは元からいないのだ。かえすがえすもバティスタが消えたのが痛い。

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広島カープの新人4人は当たりである

2021 MAR 21 18:18:05 pm by 東 賢太郎

広島2-1ソフトバンク(オープン戦、マツダスタジアム)

最終回は公式戦さながらに手に汗握った。新人栗林が初のセーブシチュエーションでクローザーで登場。相手は実戦モードの王者ソフトバンク。この場面は今年のカープを占う。栗林はここまで自責点ゼロと抑えで全部成功している。

明石にいきなりレフト線2塁打(いい打者だねえ)。2球ストレートは甘かったね(捕手坂倉くん、たのむよ)。しかし、そこから牧原、栗原をフォーク(たぶん)で空振り三振(スイングが腰砕けで打たれる気配なし)。上林の3-2から内角スライダーで三振と思ったがボールの判定(あれはストライクだろう、やや動揺あり)。次は外角に大きく外れて四球(1塁空いてるんでまあいいが、ちょっと弱点を見たかな)。ここで代打長谷川(なんと元首位打者がここで来るわけ?う~ん構えが良くて集中してるぜオーラが凄い)。初球ストレートを痛烈なライト前安打(なんでスタメンじゃないの?)。守備位置がやや後ろ目だった右翼手曽根がバント処理みたいにつっこんで(運動神経すばらしい!)、本塁に投手並みの伸びのあるストライク返球(曽根くん、見事だ)、やむなくコーチが止めて明石は三塁ストップ(さもなくば同点だ。これは実にデカい!)。周東に3-2となり、サインに首ふって投げた150キロ外角ストレートをカットされる(やや余裕あり気味に見え嫌な感じ、周東は守備も成長してるし)、最後は外角フォークを見逃し三振(やや高くて甘かったが、ここでフォーク投げてストライク取れるのは想定外だったろう、栗林くん、メンタル強いな)。試合終了。

広島は森浦(7回)、大道(8回)もゼロに抑えており、ドラフト1-3位の投手が全部使い物に今のところなってる。これはBクラス確実としていたカープの評価を上方修正するに足る材料である。先発野村は5回無四球2安打で、広陵時代に甲子園で負けた決勝戦の7回までを思い出させる変化球自在でコントロール抜群の、彼の最高の投球だった。柳田を空振り三振に取ったストレートに見える変化球はすばらしい(あれはなんだ??本当にいい、天性の才能を持ったピッチャーである。願わくば7回まで投げてくれ)。先発は大瀬良、森下、九里、野村、床田、遠藤というところか。ジョンソンが抜けて左がいないのと、もう一枚、中村祐太、矢崎がなあ、ここが弱いなあ。ほんとうは栗林を先発でいきたいがフランスアのケガが実に痛い。

今日は勝ったが2点打の田中が打ったのは背番号122の大関であてにならない。打線はいまいち迫力がない。堂林が出遅れてクロンは30打席ぐらいノーヒットでこれはまずい、外人がこれじゃあセイヤ以外はホームランが怖くない。エルドレッド並みにまじめでいい奴らしいがそんなのどうでもいいよ、この程度なら去年のあいつ(なんだっけ、ピレラだったかな)がガッツがあって良かった。外人はホームラン打たなきゃ終わりだよ。

去年より格段に良さそうなのが足だ。先日、甲斐から曽根、上本が2盗を決めるなど足でかき回す気配が出てきた。これはヘッドコーチの河田だろう。それをしなきゃあカープ野球にならない。タナ・キク・マルがやってたから強かった。でも彼らはその面ではもうそろそろトシだ。代わりが絶対に必要だ。新人の矢野にすごく期待している。今日も大道が2本打たれて1,2塁にして、代打デスパイネのショートゴロのさばき方が良かった。ちょっと嫌な所にぼてぼてが飛んだが、うまいというより二塁トスのあの手慣れた感じは投手目線で頼もしく感じた。野球頭が良くて足も速そうで、ああいうのが敵にいるだけで圧を感じるタイプと思う(新人の頃の菊池がまさにそうだった)。うまくつかってくれ。

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