自民党の「罪と罰」
2024 MAR 15 8:08:22 am by 東 賢太郎
「第2次世界大戦はなぜおきたの?」
小学生にきかれ、ちゃんと答えられる大人は何%いるだろう?
ドイツでナチ党が政権を獲得し、国際連盟を脱退した(1933年)。ベルサイユ体制打破の狼煙が上がり、日本は日独伊防共協定を結ぶ(1937年)。ところがドイツはポーランドとの不可侵条約を破棄し、8月23日に共産国ソ連と不可侵条約を締結して世界を驚愕させ、9月1日にポーランドに侵攻して第2次世界大戦がはじまる(1939年)。独ソにポーランド分割秘密議定書という裏契約があったからである。
日独伊防共協定は大義を喪失、日独外相はソ連を加えた4か国による対米同盟を望んでいたが失敗する。バルカン半島やフィンランドを巡って独ソ関係が悪化したからで、6月22日にドイツ軍は不可侵条約を破棄してソ連へ侵攻し、12月8日に日本は真珠湾攻撃によって米国から宣戦布告を受ける(1941年)。そしてソ連は日ソ中立条約(1941年)の破棄を通告して日本に対して宣戦布告を行うのである(1945年)。
以上は前稿のくりかえしになるが、このくだりは僕もあまり勉強しなかったし、人間を性善説で見るように教えられていたのでよく理解できてなかった。のちに三国志を読み、外国でディールに明け暮れているうちに腑に落ちたのが現実だ。
ワルぞろいの英米独露に比べれば計略に乗せられてブチ切れた日本軍は純真だった。それじゃだめなんだよ。中国は2千年も前からやってる。いまさらハニトラなんてきくと「貂蝉がいただろ、お前ら少しは勉強せいよ」と言いたくなる。
世の中には「罪と罰」のラスコーリニコフのように「1つの罪は100の善行によって償われる」「選ばれた非凡人は、新たな世の中の成長のためなら、社会道徳を踏み外す権利を持つ」と信じている者がいる。
国を救う善行のためには原爆で何十万人殺してもいいと考える人間が現実にいたのだから、条約の破棄など罪の意識すらない。まして国のために選ばれた自分は脱税しても許されると信じる国会議員がいても驚きでもなんでもないのである。
ラスコーリニコフが殺した老婆が金貸しに設定されたのはキリスト教の利息禁止を犯した悪人だからで、「1つの罪」の重さを減じている。「政治は金がかかるんです」という永田町の教えも資金使途記載漏れの罪を巧みに減じている。
法と証拠に基づいて適切にやっているので、ダンサーにお札を口移ししようと腰を触ろうと、法には触れていない。しかも当時の記憶の中では触ってないし、今の記憶の中では覚えてない。個別事案についてはお答えを差し控えます。
「赤ベンツで歌舞伎町のラブホに乗りつけ、一戦を交えたその足で国会議事堂に何食わぬ顔で出勤して居眠りすることを禁ず」なんて法律はない。ワタクシも法と証拠に基づき、厳正公平・不偏不党を旨として、適切に政務を執行している。
選ばれた我々なのだから少しぐらいは行政権が法を乗り越えてもいい。「泥棒に追い銭」はあっても「泥棒に立法権」という格言はない。罪であっても罰はないように巧妙に法を作ってあるから裏金作りだって安心安全なのだ。
昨年の9月に「岸田政権の支持率は0%まで下がる」と書き、11月に「次は上川陽子になる」と断言した。僕は政界情報など何もない。あるのは仮説だけ。それによると自動的にそうなる。ホントにそうなってきたぜ、恐いなといってる。
我が周辺は自民支持の右派ばかりだが、皆さん怒ってる。やっぱり確定申告だ。エッフェル姉さんで笑えた空気はもう皆無。議員はいったんアダ名がつくとネットで永遠に言われ、いずれ100%がネット社会になる。人生棒に振るよ。
「ラブホ出勤も口うつしも、どうでもいいけどさ、フケツだわな不潔、こいつカネにもケガレてるんだろうってなっちまうな」。もっぱら遊びには寛容なYがこう言う立場をとるのはけっこう稀なことだ。
ソナー・メンバーズ・クラブのHPは http://sonarmc.com/wordpress/ をクリックして下さい。
2 comments already | Leave your own comment
桜井 哲夫
3/23/2024 | 11:08 PM Permalink
お恥ずかしい話ですが、2022年の参議院選挙、自民党の市議会議員から、松川るいの演説会に来て欲しいと言われ計3回も行きました。話の内容はしっかりしていたし、なにより演説が巧く引き込まれました。で、同じ大阪の知り合いに投票をお願いしました。
しかし、「こうした写真をSNSにアップしたら炎上するだろう」という彼女の「想像力の無さ」「危機管理能力の無さ」に心底失望すると同時に、自分の「人を見る目」の無さに絶望しました。「学歴(東大法学部)は知性を担保しない」ということもありますが、やはり参議院ならではの「緊張感の無さ」ではないかと思います。解散もなく任期は6年ですからね。参議院って本当に要らない。参議院で否決されても衆議院に戻され、2/3の賛成で法案が可決されるのですから。参議院が無くなればどれだけ日本が良くなることか!
東 賢太郎
3/24/2024 | 12:44 PM Permalink
政治家は国民から日本国の命運を預託される「選良」の仕事です。国家運営の原理をそういうことにしようというのが民主主義であり、江戸時代は156年前に終わっているのであり、政治家は「お代官様」ではない、税金は「年貢」ではない、それを全国津々浦々の国民がよく咀嚼して「エア民主主義」を変える時代と思います。
国会議員の身分は「今だけ金だけ自分だけ」の人々の利権になりつつあるように思います。与党も野党も配役が違うだけで演じている劇はおんなじです。するとそれを維持する選挙で絶対的に有利である二世三世の比率が増え、益々それを有利にする法案が通り、やがて現在の世襲議員比率である3割が5割を超え、実質的に衆議院は貴族院化します。元々それを止める権能のない参議院は今のままなら不要です。
裏金・脱税問題などは氷山の一角で、いま正に我々日本人の命と幸福を預けられる資質でない議員が次々と馬脚を現しているわけですから、国会に議員が713人も必要かどうか、国民はよく考えた上で彼らの活動を注視すべきです。『人間』として「選良」テストに合格する人が何人いるかということです。人間が不適格であればどんな閨閥、学歴であろうと問答無用で即刻アウトです。無理に国会議員になってもらう必要はないわけで、人口比での定数の多寡など関係なく、目的から逆算して選挙制度、二院制を考えてみる機会が来ているのではないかと思っております。