甲子園をみていて目が行くところ
2018 AUG 17 21:21:56 pm by 東 賢太郎
(1)ボール交換を要求しない
ワンバウンドの投球を捕ったキャッチャーが審判にってことですね。ミットを外して両手でボールをこねこねこねして泥を落とし、場合によってはユニフォームでごしごしまでして、つるつるにしてピッチャーに返す。いいですね、心がこもってますね。よしがんばるぞって気になりました。ボールは貴重品だったんで内野ゴロでも何でもそのまま使って、チェンジでピッチャーに返ってきてプレートの穴に置くんです。プロ野球はちょっとでも地面に触れると当然のように交換ですが、あれ味気ないね、今でももったいないなあ~なんて違和感あります。
(2)整列して礼
試合開始。ホームベースはさんで両チームが整列。主審の発声。全員で「お~す」と礼。ここでこいつら強そうだ弱そうだと感じる。時に足が震える。後攻ならそこからまっすぐマウンドに。投球練習はたしか8球。主審のプレーボール!の発声・・・いろいろあって・・・また整列。ゲームセット(だったかな?)の発声。勝っても負けても「あ~した~」。高校野球の儀式、かわってねえなあ。
(3)女の子がベンチに
いいなあ、なごみそうでうらやましい。マネジはいたけどそんなことありませんでしたし。でも打席でバットは振ってほしくない。えっ、土俵じゃあるまいし?やっぱり古いですかねえ。
(4)ガッツポーズ
そんなのそもそもなかったです。グラウンドで歯をみせるなと言われてましたから無表情、無感動を装ってやってました。三振してマウンドで平然とされるとチクショーでした、あれなら雄叫びのほうがましかな。
(5)金属音
あのキーンはだめだ。僕のすぐ下の代からあれになりました。卒業してから一度夏練でフリー打たせてもらったら、なにこれって安心感ありましたね。折れないぞって。芯もアバウトで広いし飛びました。外野手は音で当たりを判断できないし、ピッチャーは詰まらせても内野超えそう。ああいやだ。
(6)150キロ
なんだそれは?今の子はデカイし筋トレしてるらしい。近鉄入ったジャンボ仲根もでかかったけど出てなかったろうなあ。打席でどんな音してるのか気になります。120あたりはサーーーーーパン!、130超えあたりでシュワーーーバチーン!!。150キロ??
(7)フォーシーム
減りましたね、甲子園だけじゃなく。直球とカーブだけのクラシックな子はいませんね。5,6球、「う~ん」とノドが勝手に唸ってしまったのが金足農業の吉田クン。この子のフォーシームはダントツ、凄すぎ。あんな伸びあがるの見たのは何十年ぶりだろう?高めは江川を思い出しました。ロッテかカープのドラ1たのむ!
(8)ホームラン
なんであんなに出るんだろう?やっぱり金属バットでしょう。でもその方が観る側は面白い。金足農業の逆転スリーランは頭が真っ白になりました。
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母校・九段硬式野球部が大健闘
2018 JUL 19 0:00:04 am by 東 賢太郎
昨日の東京の暑さはいっぱしのものだった。朝7時に早々と30度を超えたらしく、午後に外を歩いたがシャツの中の空気までが熱いというのは狂気の沙汰だ。こんなのはあまり記憶にない。
こういう中で高校球児は甲子園めざして野球をやっているのだ。いま思うと尋常なことではないが、暑さも野球の内という感覚だった。実は今年は母校の九段が東・東京大会で、
1回戦 広尾学園 16-5(5回コールド)
2回戦 文教大付属 10-9
3回戦 大田桜台 7-0(8回コールド)
と来ていて、雄々しい勝ちっぷりであった。残念ながら昨日とうとう力尽き明大中野に8-1で敗れてしまったが、しかし4回戦まで進んだのは最近記憶にない快挙でまことに痛快である。勝つとベスト16だったのだが、僕の2つ上の代が東西いっしょの時代のベスト32だったからそれに並ぶ可能性があった。
昨日勝ってベスト16を決めたのが関東一高、修徳、日大豊山、小山台、安田学園、そして今日は日大一高、二松学舎、成立学園、堀越、城東が4回戦をむかえるが、以上はみな甲子園出場校だからそれが4回戦のレベルなのだ(ちなみに7回勝てば甲子園である)。後輩たち、よくやってくれた、ありがとう!
そういう中でのことだった。五反田で会議を終えた後にタクシーを拾おうとしばし歩いたところ、おばあさんが炎天下の歩道に倒れていて家族と若者が懸命に助け起こしている。意識はあったが頭を打っていて出血があり、なかなか起き上がれない。91歳のご高齢とお聞きしこれは急を要すると思い、我々の判断ですぐに救急車を呼んだ。ところが出番が多いのだろう、なかなか来てくれない。しばしの緊張の時間が過ぎやっとお乗せすることができたが、その後いかがだったのだろうか心配だ。
毎年猛暑はひどくなっている気もするし、若くても熱中症で亡くなる方が増えているようでもあり、オリンピックもさることながら高校野球もリスクを考えた方がいいかもしれない。甲子園も、例えば準々決勝までは京セラドームでやるとかだ。勝ち残った8チームが甲子園でやることができる、そこまでは比較的涼しい中で黒白つけるなら過度の消耗も熱中症も避けられるしゲームの質も最後まで保てるのでは。根性と精神論で、欲しがりません勝つまではの時代でもないと思うのだが。
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彦根東 VS 花巻東(春の甲子園)
2018 MAR 31 16:16:49 pm by 東 賢太郎
仕事に忙殺され、今年の春の甲子園は見る間もない。ところが今日土曜日、すごいことがあった。
彦根東(滋賀)の左腕・増居翔太(3年)が第2試合の花巻東(岩手)戦で、九回まで無安打無失点に抑え、試合は0―0で延長に入った。
甲子園大会でのノーヒットノーランは春夏通じてこれまで37回達成されているが、その中でたった1度だけ、延長戦で記録されたノーヒットノーランがある。57年第39回大会でのこと。その記録保持者こそが、早稲田実(東京)の2年生エースだった王貞治(元・巨人)である。
十回裏の先頭打者に右前安打を浴び、さらに無死満塁からサヨナラの中犠飛を浴び、0―1で敗れた。九回までノーヒットノーランをしながらの敗退は、センバツでは2度目。夏は1度、プロでは過去に3例ある。
ソナー・メンバーズ・クラブ評議会は増居翔太に「惜しかったね賞」と「文武両道賞」を授与することを決定した。理由は下記のとおり。
1.体がでかい⇒速い、ではないこと(171㎝、64㎏)
2.九回無安打14奪三振、うち12がストレートであったこと
3.京大工学部志望であること(ぜひ入ってね)
4.夏も頑張れよ!!
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以上
清宮くんの早実、敗れる(神宮球場にて野球の原点にふれる)
2016 JUL 24 2:02:18 am by 東 賢太郎
後輩のSくんに「清宮君の早実を見ませんか」と誘われ、何十年ぶりに高校野球を観ることになりました。この日の神宮球場は西東京大会の準々決勝4試合のてんこ盛りで、第2試合が注目の早実×八王子でした。2万4千人も入ったそうです。
内野席は満員で仕方なくライトの外野席に陣取りました。先日、筒香のドライバーショットみたいな弾丸ライナーが突き刺さった付近ですね。第1試合の国学院久我山×東海大菅生が試合中でした。たまたま国学院久我山は僕の初先発となった高校1年の秋季大会の相手だったので応援しましたが、残念ながら負けてしまいました。
さてお目当ての第2試合、早実×八王子です。試合前の練習(下、背番号3が清宮選手です)、真近で見ていると早実はいかにも強そうだ。Sくんは浦和高校の球児であり、お互い硬式やったもん同士で会話が弾みます。八王子の下馬評は知らず、キャッチボールとトス見ながら早実が5-2ぐらいか?なんて言っておったのです。 2年生の清宮くんが4番ではなく3番というのは1年生の野村くんがいるからですが、野村の打撃は脅威(2塁打、3塁打でした)。守備も肩も十分にこのレベルの選手で驚くしかないです。清宮くんも2塁打を打つには打ったが、ところが八王子の左腕・早乙女くんの好投にチームとしては要所を抑えられます。スピードは130キロ程度ですが球持ちが良くて低めまで伸びがあり、巨人の内海を思わせる。緩急をうまく使うのでキャッチャー小掛くん以外の下位打者は差し込まれてましたね。
これが清宮の打席です。 野球はわからないもんで、早実が6対3でビハインドの最終回を迎えます。ノーアウト1、3塁で清宮という最高の場面は盛り上がりました。カキーンと打った瞬間いい角度で我々の方向へ飛んできて、入った同点!と思ったがわずかに失速してフェンスぎりぎりでライトのグローブに。結局、優勝候補の早実は6-4で敗退してしまいます。残念ながら投手陣があまりに弱かったですね。エースが引っ込むと控えはもう甲子園レベルとは遠い。高校野球はピッチャーで決まると言いますが、まさにそう。八王子はエースの投球術が早実をしのいだということです。それに加えて内野守備(特にショート竹中くん!)がすばらしく、打撃も5回に集中打で5点奪ったのですが、大物はないがシュアな印象でした。ショート、センターが中軸のチームは強い。あの3,4番がいるだけで普通はビビるでしょうがまったく位負けしなかった。ナイスゲーム! 第3試合は早稲田高等学院×創価。これはネット裏に移動して観ました。結局、覇者覇者ワ・セ・ダの応援歌を二試合聞くことになったのですが、試合前練習で見るに創価は強そうだし、野球エリートの早実とちがって学院は勉強はできるだろうがとあんまり期待してなかった。ところがふたをあけると、この試合が一番面白かったのです。
それは早大学院のエース柴田くんに尽きます。今日出てきたすべてのピッチャーの中で文句なく最高。ストレートは最速142キロあたりで、最近の高校生ではそれは珍しくないですが、彼の場合は球の質が素晴らしくいい。球離れの力の入れどころが理想的で、回転がよくエネルギーにあふれた「強いストレート」です。カーブは浮き上がって落ちる、いわゆるブレーキがあってタイミングがとりにくいでしょう。先日、交流戦でソフトバンクの東浜をネット裏で見ましたが、彼のボールと質的に近いものがあります。
無死3塁でスクイズのミスで無得点というのがあり、あそこで1点取れば勝っていたのですが、結局は延長10回にホームランで負けました。しかし彼の球は目に焼き付きましたね。最高の目の保養、快感であり、いいものを見せてくれたお礼を言いたい。タラレバですが、もし彼が早実にいれば甲子園だったのではと思ってしまいます。大学で磨けばプロも夢でないでしょう。できれば東大に入って宮台君と勝ち点とってください。 第4試合は日大三が聖パウロ学園に5回コールド(13-3)で圧勝でした。今日は午前10時から午後7時まで9時間ぶっ続けで 4試合見ました。飽きないかと思われるでしょうが、先日書きました通り、まったくそういうことはないんですね。これは同じく飽きないS君がいたことが大きいのですが、グラウンドでやったもんしかわからないことが多々あって、ぽろっとつぶやいたことにちゃんとした反応が返ってくる。それにまた僕が返す。こうやって会話のキャッチボールになるのが心地よいものなのです。
周囲もたぶん経験者だろうというオジサンがたくさんいて、熱い。OBじゃなくどっちが勝つ負けるはどうでもよくて、野球という競技を楽しんでる感じの人たちが。チームの応援ではなく、野球の神様のお恵みへの応援ですね。ラッパや太鼓で盆踊り大会みたいになってるプロ野球はうるさいだけでかないません。これが野球の原点、ホンモノです。
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U-18野球は負けたけど評価(野球と確率について)
2015 SEP 8 0:00:18 am by 東 賢太郎
僕は野球は確率だと確信してます。自分のグラウンド経験からの体感でもあり、数学でもあります。1、2回はフロックなんてこともあって都立高校が甲子園常連に勝ったりもしますが、100回、1000回やったら個々人の打率、防御率etcの確率が結果をほとんど説明(予見)するはずであるのは東大の90何連敗を見ればわかります。東大の試験と野球能力の相関は確実にゼロですから東大がここ10年で弱くなったということは説明できません。他大学が何らかの理由でレベルアップしたんでしょう。
このブログはその観点で書きました(広島打線の能力は良くて4,5位)。では、それはほんとうでしょうか。野球というゲームは確率論に支配されているんでしょうか。そこで実際の記録を検証してみます。確率は統計サンプル数が多くないと意味を持ちませんから可能な限り長い戦後70年間の記録を見てみましょう。
まず平均的なチームのレギュラーメンバーの打率(=安打確率)を想定しましょう。
1番、2番が2割8分、3-5番が3割、6番が2割7分、7番が2割5分、8番が2割2分、9番が投手で1割
どうでしょう、だいたいのイメージですが、違和感はないのではないでしょうか?
この打線が完全試合(27連続アウト)になる確率を計算すると0.032%です。12球団の年間総試合数は(変動がありましたが)約840で、それが70年続きましたから、その確率どおりに完全試合が達成されると、その数は、
0.00032×840×70=18.7(試合)
になるはずです。
そこで日本プロ野球の完全試合達成投手数を調べると15人です。けっこう近いですね。打率の数字を多少上げ下げしても大きなずれはないでしょう。ことは確率論どおりに進んでいるとみていいのではないでしょうか。
70年に15人というのは、逆算すると、完全試合は3125試合に先発してたった1回しかできないということです。不動のエースを20年続けても、年間30試合先発するとして人生で600回しか機会はありません。同じ人が5回生まれかわらないとできませんね。
プロ野球の投手の歴代勝利数ランキングを眺めると200勝して名球会入りした人が24人いますが、そのうち完全試合をやった人は1位(400勝)の金田正一(1957年)と24位の藤本英雄(1950年)のふたりだけです。次が159勝で47位の槙原寛己で、槙原が1994年にやって以来現時点でまだ達成者はありません。
こう見ると実力はあっても27個同じもの(アウト)を並べるには運の要素もあって、そこに確率論が働くのかもしれません。アマチュアを見ても、甲子園大会では選抜(春)は2回だけ、夏はまだありません。大学はどうかというとプロとアマぐらいの実力差があって最もやられそうな東大が2回、京大が1回しか献上していません。
こういうことを知っていると、06年でしたか、中日の山井が日ハムとの日本シリーズで8回まで完全試合であったわけですが、9回に降ろして岩瀬に替えるという落合監督の愚策はあまりに気の毒だったと感じ入るばかりです。それでも、のちにしっかりと無安打無得点をやって見せた山井投手はそういう風に記憶されて欲しいものです。
確率はサンプル数を増やすと一定の期待値に収束します(大数の法則)。これは一例ですが、一試合だけ見れば偶然や選手の調子や監督の采配で左右されるように思える結果も、実は確率という神のルールの支配のもとにあるということです。
しかし、毎試合に一喜一憂している下界の我々にすればその方が人生楽しいよねということもあります。神様は先がわかっちゃって退屈だろうなと。
運の要素があると言っても実力がない所に完全試合は100%やってきませんから、まずは良い防御率という投手の技術の全てを包含したベーシックな確率があって、そこはほぼ神様のおっしゃるとおりなんですが、そのうえで27回ジャンケンして勝つみたいな運の要素が乗っかる。だから一試合一試合のハプニングが悲喜こもごもになって、選手は大変だけど見ている方は面白い。そういうことなんじゃないでしょうか。
今回のU-18野球W杯の勝ちっぷりなんか、選手個々人の能力からして打率や防御率という確率値に置き換えられるデータは他チームとかなりの差があったと感じます。そうでないとあれだけの試合数を大差で勝てないはずだからです。ところが、決勝で米国のいい投手が本気で向かってくるとパタっと打てなくなって1点に封じこまれてしまう。70年もやれば神様の言うがままですがここ一発の勝負だとそうはいかない、そこが面白いのです(大数の法則はサンプル数が少ないと働かないということ)。
この試合はオペラでほとんど見られなかったのですが、VTRを見ていて日本がピックオフプレーで米国の一塁走者を殺した(一塁手がバント処理で前進したすきに二塁手がすばやくベースに入って捕手が投げるというもの)、ああいうのを見ると、たぶん捕手のサインなんですが、急造チームですごいなあと感嘆するわけです。僕らのしていた野球なんかとはもう違うスポーツをしてる。大阪桐蔭の西谷浩一監督、お見事ですね、強いチームを作ったんですね。
最後の負けは負けで悔しいですが、一発勝負になってしまうと結果は仕方ない。審判のストライクゾーンやボークもあったがそれはお互い様なんで言ってはいけません。米国とは力(個々人の能力的に勝つ確率)は互角だったがむこうの方がガッツがあったかなということでしょう。シカゴからウィスコンシンに行ったとき、飛行機の窓から野球場を数えたらあるわあるわ、なんと100もあったんです。30分ぐらいで。米国人にとって野球はそういうものなんです。それと互角なんだから誇っていいいですよ。
清宮くん、打てなかったが、いい勉強です。どうあれ周囲が騒ぎすぎで変になった可能性もありますね。4番だろうがたかが1年坊主でしょ、試合以外では体育会ではせいぜい平民です(僕らの時代は奴隷だった)。そういう当たり前の扱いをすべきであって妙な空気は作らない方が本人のためでもあると思います。
16才でホームランを軽々と打てるのはまぎれもなく才能だしもっと伸びるのでしょうが、確率論という眼で冷静に野球を眺めると僕はやっぱり打者はまず、いの一番に打率(安打率)かなと思います。ヒットの延長がホームランなのかどうかは知りませんが、彼はプロで長くやるとして打率さえ良ければ試合で使われますから。打席数が多ければ彼の才能による高い本塁打率どおりに数は出ますから。大成を祈りたいです。
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やはり20億円の男
2015 SEP 6 2:02:37 am by 東 賢太郎
U-18野球W杯はついに最強の一角キューバを完封して無傷の8連勝となりました。宿敵・韓国にも7回コールドで12-0であり、8試合の半分がコールド勝ちで合計3点しかとられていないという圧勝ぶり。オリンピックの柔道、レスリング、体操、ジャンプも強いことがありましたが、国際試合で日本がこれほどの力の差を見せつけるケースはあまりなかったのではないでしょうか。
東京の球児であった僕としては3番・勝俣(東海大菅生)、4番・清宮(早実)と西東京の二人がクリーンアップというのがうれしいですね。特に勝俣は大会三冠王が取れるかもしれず、期待してます。このチームはほとんどプロ入りできるんじゃないか。黒田級の20億円の男が出て来そうです。今日、米国との決勝ですが、前回の先発の左が出てくると簡単には点が入らない感じです。2004年はダルビッシュと涌井が、一昨年は松井祐樹と森友哉のバッテリーがいて勝てなかった決勝です。頑張ってほしい。
さて、昨日はTVで広島戦を見ましたが、黒田の7回3安打零封にはしびれました。何にかというと、7回先頭の山田にヒットを打たれましたが、その執拗な牽制にです。10数回は放ったでしょう。あんなに投げられるもんじゃないです。打者に神経が行かなくなるし、牽制って真剣に放るとけっこう疲れるもんなんです。
それでも盗塁した山田もさすがですが、クイックで投げて畠山、雄平、ミレッジに打たせなかったのは圧巻です。絶対に点をやらんという執念。技術的にも川端を3-0に抑えたコーナーワーク、大引、中村あたりは手玉にとって何もさせず、昨日ジョンソンに合っていてヒットを打った比屋根を赤子あつかい。山田も微妙に芯をはずされました。零点に抑えても勝ちがつかない打線は毎度のごとく論外でしたが、そんなことは一顧だにせず、あの強力ヤクルト打線を3安打!最終回に暴投から4点取ったのは黒田の執念がマウンドに残っていた感じでした。やはり20億円の男です。
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高めのストレートは投手のプライドである
2015 AUG 31 22:22:18 pm by 東 賢太郎
さっき終わりましたがU-18野球ワールドカップは
日本 15-0 チェコ
で大分商の森下が7回無四球12奪三振の3安打完封でコールド勝ちでした。森下くんは甲子園は出てませんが好投でした。これで日本は1次ラウンド1試合を残し、3日から行われるスーパーラウンドへの進出を決めたそうです。
米国に完封勝ちするチーム相手にチェコは健闘だったと思います。欧州も最近は強いですよ、王貞治の本塁打記録を抜いたバレンティン(ヤクルト)も今季7勝無敗のバンデンハーク(ソフトバンク)もオランダ代表ですしね。
大差ゲームは自分も経験があって、7回9-0のコールド負けがありました(高1、東京都秋季大会、国学院久我山)。逆に5回10-0のコールド勝ちもありました(27才、ニューヨーク日系企業トーナメント、三菱商事)。いずれにしても男として凱旋も屈辱も忘れようのないレッスンであって、両方ともはっきりくっきりと覚えてます。
特に9-0の負けの時、「バカヤローおまえ、もっと悔しがれよ」と先輩に怒鳴られたんです。1年生だったし相手は甲子園級で、とにかくそんなにポカスカ打たれた経験なかったですから悔しさも忘れ茫然としてたようです。
硬式で投手をやるのはそれなりのタマを放るということで、特に高めのスピードと伸びです。高めは20mのキャッチボールで胸の高さ。それがグーンと伸びて正確に相手の胸にパシーンといかない人がピッチャーをさせてもらうということは、古今東西どこでもあり得ません。自分もいいタマ行ってたと思うし、相手が普通の人だとその距離では危険であって本気で放れなかったです。
このキャッチボールすると怖い、アブナイという感じはなかなかお伝えしにくいです。元西武の投手とゴルフしたとき「工藤さん(現SB監督)とやってて急にカーブ投げられて殺されると思いました」と。投手のタマってそういうもんなんです。プロの練習みてると、内野手のタマでも充分凄味があります。元投手だったりですが、それでもプロでは投手はやってないのです。
だからマウンドからでも高めのストレートいうのは投手のプライドです。勝負して空振りの三振を取りたい。今日の森下くんはそれができて気持ちよかったはずで、年甲斐もなく見てて嫉妬してしまいました。だから反対のことも言えて、それを打たれるとショックなんです。これから野球をご覧になるとき、気をつけて見ると楽しいです。
きのう、カープの一岡投手がDeNAの主砲・筒香を外角低めストレートで見逃し三振をとりました。グーンと伸びるいいタマでした。で、次のロペスの初球、甘い外角高めのスライダーをレフトにホームランされた。一岡はやっちゃいけないことやった、もったいなかったチクショーとは思ったろうがショックはたぶんないです。
なぜならあれはコントロールミスですが捕手の配球ミスでもあって、しかも直球を打たれたわけじゃない。ダメージないです。まずかったのは四球の走者を置いて打たれた捕手・嶺井のホームランです。これは渾身の高めストレートで体重の乗ったいいタマでした。要は自信の勝負球です。筒香を三振にとってるから自信があった。これを完璧なフルスイングでバックスクリーンに叩き込まれたのです。
それで1点差が3点差になって勝負が決したことより、自信を粉砕されたことこそショックで、投手経験者ならわかる。あれはへたするとダメージが残るんです。次からダメになることはなくても、ちょっとしたときに投げる瞬間に指がその恐怖を思い出して、また打たれたりする。そうするとまた次も、と悪循環します。大瀬良がやっぱりオープン戦で日ハムの中田に同じ球をバックスクリーンにぶちこまれて、交流戦の中田におかしかった。あとは一岡の性格次第ですが、あれは嶺井がすごかった、絶賛できますね、だからあっさり忘れちゃってほしいです。
高めのストレートで忘れられないのは、だいぶ古いですが、全盛期の江川卓と晩年の山本浩二の対戦です。試合は巨人が10-0ぐらいで勝っていてもうどうでもいい。法政の先輩後輩のプライドの対決でした。江川は全球高めストレートで、山本はそれを全部スイングしてファウルチップ。見ている方も何が行われてるかわかってるので球場が固唾をのんで緊張します。たしか7,8球ファウルが続いて、ついに最後の渾身の一球を、なんと会心の一撃でレフトスタンド中段にホームラン。どちらも千両役者でした。
あれはきっと江川も納得で、浩二さんさすがですと気持ちよく脱帽したのでしょう。高めのストレート、ドラマがあるんです。
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甲子園もカープも大詰めに
2015 AUG 19 22:22:47 pm by 東 賢太郎
仙台育英 7-0 早稲田実業 (甲子園)
東海大相模 10-3 関東一 (甲子園)
中日ドラゴンズ 8-1 広島東洋カープ (ナゴヤドーム)
本日行われたこの3試合、残念ながら力の差というものは仕方がないという点で共通の印象があった。
JFE西日本 3-2 広島東洋カープ二軍 (コカ・コーラウエスト野球場)
こちらは過日行われた「社会人野球広島大会」である。カープは安部とエルドレッドのソロホームランだけに抑えこまれ予選敗退であった。そして本日マツダ・スタジアムで行われた決勝は、
伯和ビクトリーズ 5-3 JFE西日本
で伯和ビクトリーズが優勝を飾った。こういうことがおきる程度の球団なのだから、これをぜひ観てみたいものである。
東海大相模 ?-? 広島東洋カープ
本日のナゴヤドーム三塁側内野スタンドは見事にガラガラで、一時は球場を真っ赤に染めていたカープ女子は潮がひくように消えていた。彼女たちも野球をよく知っているようだ。去年戦力外の投手になすすべなく3連敗、今日は2勝しかしてない投手にわずか3安打と、打撃コーチ全員解任というのが世界の常識という結果であり、そうしない限り確実にファンは去っていくだろう。
最近はどうでもいいのでまったく観てなかったが、たまにTVをつけるとこんなものを見せられる。セリーグは団子レースだ混戦だ、どこにも優勝のチャンスがあるぞというが、ということはどこにも恥ずかしい最下位の可能があるのだ。かろうじてまだ4位ではあるが、計9つも負け越している5位6位との3つ巴の最下位争いは優勝争いよりも白熱するかもしれない。
(追記)
なお、この試合のジョンソン投手の投じた右打者インコース、ベルトやや下の直球の主審のボール判定はひどいものだ。高低外れではあり得ず、天井カメラ画像では誰がどう見てもベース板上を通過しているのであって明白な誤審である。あれをボールと言われたら投手はインコースは甘くなるしかなく、中日の打者は(たぶん)それを狙って打っていた。そこへ投げさせる捕手も馬鹿だが大瀬良の暴投(會澤のパスボールである)、内野のミスなど、これだけ投手に受難が続くとこわい。
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清宮とオコエ、東京勢が4強に残る!
2015 AUG 17 20:20:27 pm by 東 賢太郎
今年は残念ながら出張っていて甲子園を見ておりません。13日は京都にいたのでぶらっと行こうかなと思ったのですが、あいにく早実があってなにせこの清宮君フィーバーですから当日券はないだろうと断念しました。
清宮はすぐプロに入ってもいいんじゃないかという豪打です。甲子園に来てますます凄味が増しているのがいいですね。早実みたいな学校で1年でベンチに入るだけで並みじゃないですが、今日のライナーのホームランは金属バットということを割り引いても恐るべしの打球でした。
早実は予選で危なかったんです。西東京大会5回戦の都立日野に9-8の辛勝でした。思えばマー君の駒大苫小牧を倒して全国制覇した2006年も、東京都大会の初戦で都立昭和に3-2(斎藤 佑樹が完投)と危なかった。この庶民的なところがニクめませんね。
関東一高は予選は全部大差で勝ち上がりましたが、オコエの存在は大きかったようです。とにかく足が速い。走塁のカンもいい。センター守備もうまい。肩もいい。そして今日、同点の9回、ここぞの勝負どころで13三振くらった投手からホームラン。すぐカープに来てくれ!
ベスト4に東京が2つ残ったのも東京人として嬉しいことです。しかし関東一を6回までノーヒットに抑えた中京大中京の上野投手、良かったです。このチームの体格の良さは群を抜いてますね、上野君の球の力もあって失投はサヨナラホームランだけでした。
今日負けた秋田商の成田翔投手、身長は170cmないが桐光学園の松井 裕樹を思いだしました。1球ごとに「いい球投げるなあ」と思わず感嘆の声が出てしまいました。すばらしい投手です。
花咲徳栄の4番でセンターの大滝愛斗くん、でかくて顔つきがいいですね。構えの迫力が凄い、投手はビビります。カープに欲しいなあ。
そして今日、沖縄の興南はオコエにツーラン打たれた9回裏です、あそこで1点返した気迫は圧巻でした。負けても堂々たるチームでした。
高校野球は「いい仕事しました」なんて世界がないので実にすがすがしいですね。このまま宮城と神奈川に勝って東京決戦をやってもらいたいものです。
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早実の清宮君を見たことなど
2015 JUL 27 0:00:49 am by 東 賢太郎
今日は西東京の決勝をTV観戦。こういう結果でした。
●西東京大会:早稲田実 - 東海大菅生
早実|000 000 080|8
菅生|004 001 001|6
今日の東京は気温36度と今年最高で、11時試合開始だからきつい。特に投手が大変だ。菅生の先発はテンポよく投げ相手に考えさせない間の取り方は良かったです。ただ140kmほどの力投型であり、7回あたりから握力に来るだろうなと思って観てましたが、6回に5点目が入った段階で楽勝の感じもありました。選手もそう思ったろう。
8回に案の定タマが浮いて暴れ出し、早実が芯でとらえだします。すぐ替えるかなと思いましたが続投。しかも同じテンポでポンポン投げて押し出し。ついに替えた2番手、3番手は球速もコントロールもちょっと使えないレベルでした。それで先発引っ張ったんですね。あっという間に8点で逆転。高校野球はこれがあるから怖い。
話題の清宮君は中断があったので2打席だけ見ました。でかいですね。それが第一印象。上半身が強そうで振りが速くて軸が動かないんで当たれば飛びそう。投手目線で見て恐いですね。ただ高校時代の清原や松井と比べたらどうだろう。一球必殺のホームランバッターというオーラは感じませんでした。まだ1年だしこれからですね、末恐ろしいのはわかりました。
西東京は国学院久我山に頑張ってほしかったが準決勝で菅生に5-3で負け。結局、甲子園は早実になりましたが、投手力を整えて勝ってほしいです。きのう見た東東京は唯一残った都立の篠崎が日大豊山に3-0で負けてしまいました。しかし篠崎のリリーフ山本くんは6回を3安打零封し良かった。バテない投げ方であり先発したら面白かった。
終了後、昨日に続いて二子玉川まで10kmノンストップで走りましたが、昨日よりさらに暑く1時間10分かかりました。まあ二日で20km走破したのは良しとしましょう。東京大会を見ていると血が騒いで心身ともに若返るんで、ありがたいことです。
さて夜は広島・巨人です。5-0で完封勝ち。ジョンソンの鋭い右へのスライダーと左へのツーシーム、最速は150km速球は低めで伸びており、いつになくコントロールも安定して1四球のみ。こりゃ誰も打てんというレベル。暑さに負けずたのもしい。いっぽう打線は19才左腕の田口に手玉に取られ6回で7三振。
天敵と化している中日の八木、阪神の能見にやられるのと同じパターンで右のインローに食い込むスライダー、カーブに右も左も手もくるくる回るだけで足も出ないのですよ。それを意識させられて外角の逃げる球を空振り、高めの力のある速球を力ないポップフライ。今年に始まったわけでなくずっと前から谷繁、阿部にナメられきってる。ほぼバカの一つ覚えの配球で打てない方はさらにバカということだ。
7回の無死満塁でポップフライしか打てない菊池と新井。結果は仕方ないがねばりがないですね。いくら混戦とはいえこんなんじゃあ優勝はほど遠いだろう。カープの打者は本当に見事にねばりと嫌らしさがない。納豆でも食ったらどうだ。嫌らしい木村、中東、赤松は使わないんだから、お茶漬け、おすましのサラサラです。初球からぽっこーんと内野フライ。ピッチャーにすりゃ暑いのにごっつぁんでしたーてなもんです。なんかベンチは打者を並べ替えるだけで、甘い球を仕留めろ!みたいにわけわからん低能なこと指示して後は雁首そろえて見てるだけみたいな感じがするのです。
緒方は現役時代に初球の甘い球を一振りで仕留めてレフトスタンドにぶちこむ天性の能力がありました。神宮で何回それを見て溜飲を下げたか。しかし、そういう天性はない奴が多いのであって、それを修正するのが打撃コーチなんだろうが、再度書くが去年オリックスを戦力外になった八木が広島戦の防御率0点台、他球団は13点台であり、それと同じ攻めの田口なんて小僧も打てないということで打撃コーチは完全に戦力外だと思うが。
昨日はシアーホルツの、今日は梵のホームランだけ。この勝負弱い打線をなんとかしないと投手が弱る8月は先が思いやられます。
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