U-18野球は負けたけど評価(野球と確率について)
2015 SEP 8 0:00:18 am by 東 賢太郎

僕は野球は確率だと確信してます。自分のグラウンド経験からの体感でもあり、数学でもあります。1、2回はフロックなんてこともあって都立高校が甲子園常連に勝ったりもしますが、100回、1000回やったら個々人の打率、防御率etcの確率が結果をほとんど説明(予見)するはずであるのは東大の90何連敗を見ればわかります。東大の試験と野球能力の相関は確実にゼロですから東大がここ10年で弱くなったということは説明できません。他大学が何らかの理由でレベルアップしたんでしょう。
このブログはその観点で書きました(広島打線の能力は良くて4,5位)。では、それはほんとうでしょうか。野球というゲームは確率論に支配されているんでしょうか。そこで実際の記録を検証してみます。確率は統計サンプル数が多くないと意味を持ちませんから可能な限り長い戦後70年間の記録を見てみましょう。
まず平均的なチームのレギュラーメンバーの打率(=安打確率)を想定しましょう。
1番、2番が2割8分、3-5番が3割、6番が2割7分、7番が2割5分、8番が2割2分、9番が投手で1割
どうでしょう、だいたいのイメージですが、違和感はないのではないでしょうか?
この打線が完全試合(27連続アウト)になる確率を計算すると0.032%です。12球団の年間総試合数は(変動がありましたが)約840で、それが70年続きましたから、その確率どおりに完全試合が達成されると、その数は、
0.00032×840×70=18.7(試合)
になるはずです。
そこで日本プロ野球の完全試合達成投手数を調べると15人です。けっこう近いですね。打率の数字を多少上げ下げしても大きなずれはないでしょう。ことは確率論どおりに進んでいるとみていいのではないでしょうか。
70年に15人というのは、逆算すると、完全試合は3125試合に先発してたった1回しかできないということです。不動のエースを20年続けても、年間30試合先発するとして人生で600回しか機会はありません。同じ人が5回生まれかわらないとできませんね。
プロ野球の投手の歴代勝利数ランキングを眺めると200勝して名球会入りした人が24人いますが、そのうち完全試合をやった人は1位(400勝)の金田正一(1957年)と24位の藤本英雄(1950年)のふたりだけです。次が159勝で47位の槙原寛己で、槙原が1994年にやって以来現時点でまだ達成者はありません。
こう見ると実力はあっても27個同じもの(アウト)を並べるには運の要素もあって、そこに確率論が働くのかもしれません。アマチュアを見ても、甲子園大会では選抜(春)は2回だけ、夏はまだありません。大学はどうかというとプロとアマぐらいの実力差があって最もやられそうな東大が2回、京大が1回しか献上していません。
こういうことを知っていると、06年でしたか、中日の山井が日ハムとの日本シリーズで8回まで完全試合であったわけですが、9回に降ろして岩瀬に替えるという落合監督の愚策はあまりに気の毒だったと感じ入るばかりです。それでも、のちにしっかりと無安打無得点をやって見せた山井投手はそういう風に記憶されて欲しいものです。
確率はサンプル数を増やすと一定の期待値に収束します(大数の法則)。これは一例ですが、一試合だけ見れば偶然や選手の調子や監督の采配で左右されるように思える結果も、実は確率という神のルールの支配のもとにあるということです。
しかし、毎試合に一喜一憂している下界の我々にすればその方が人生楽しいよねということもあります。神様は先がわかっちゃって退屈だろうなと。
運の要素があると言っても実力がない所に完全試合は100%やってきませんから、まずは良い防御率という投手の技術の全てを包含したベーシックな確率があって、そこはほぼ神様のおっしゃるとおりなんですが、そのうえで27回ジャンケンして勝つみたいな運の要素が乗っかる。だから一試合一試合のハプニングが悲喜こもごもになって、選手は大変だけど見ている方は面白い。そういうことなんじゃないでしょうか。
今回のU-18野球W杯の勝ちっぷりなんか、選手個々人の能力からして打率や防御率という確率値に置き換えられるデータは他チームとかなりの差があったと感じます。そうでないとあれだけの試合数を大差で勝てないはずだからです。ところが、決勝で米国のいい投手が本気で向かってくるとパタっと打てなくなって1点に封じこまれてしまう。70年もやれば神様の言うがままですがここ一発の勝負だとそうはいかない、そこが面白いのです(大数の法則はサンプル数が少ないと働かないということ)。
この試合はオペラでほとんど見られなかったのですが、VTRを見ていて日本がピックオフプレーで米国の一塁走者を殺した(一塁手がバント処理で前進したすきに二塁手がすばやくベースに入って捕手が投げるというもの)、ああいうのを見ると、たぶん捕手のサインなんですが、急造チームですごいなあと感嘆するわけです。僕らのしていた野球なんかとはもう違うスポーツをしてる。大阪桐蔭の西谷浩一監督、お見事ですね、強いチームを作ったんですね。
最後の負けは負けで悔しいですが、一発勝負になってしまうと結果は仕方ない。審判のストライクゾーンやボークもあったがそれはお互い様なんで言ってはいけません。米国とは力(個々人の能力的に勝つ確率)は互角だったがむこうの方がガッツがあったかなということでしょう。シカゴからウィスコンシンに行ったとき、飛行機の窓から野球場を数えたらあるわあるわ、なんと100もあったんです。30分ぐらいで。米国人にとって野球はそういうものなんです。それと互角なんだから誇っていいいですよ。
清宮くん、打てなかったが、いい勉強です。どうあれ周囲が騒ぎすぎで変になった可能性もありますね。4番だろうがたかが1年坊主でしょ、試合以外では体育会ではせいぜい平民です(僕らの時代は奴隷だった)。そういう当たり前の扱いをすべきであって妙な空気は作らない方が本人のためでもあると思います。
16才でホームランを軽々と打てるのはまぎれもなく才能だしもっと伸びるのでしょうが、確率論という眼で冷静に野球を眺めると僕はやっぱり打者はまず、いの一番に打率(安打率)かなと思います。ヒットの延長がホームランなのかどうかは知りませんが、彼はプロで長くやるとして打率さえ良ければ試合で使われますから。打席数が多ければ彼の才能による高い本塁打率どおりに数は出ますから。大成を祈りたいです。
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やはり20億円の男
2015 SEP 6 2:02:37 am by 東 賢太郎

U-18野球W杯はついに最強の一角キューバを完封して無傷の8連勝となりました。宿敵・韓国にも7回コールドで12-0であり、8試合の半分がコールド勝ちで合計3点しかとられていないという圧勝ぶり。オリンピックの柔道、レスリング、体操、ジャンプも強いことがありましたが、国際試合で日本がこれほどの力の差を見せつけるケースはあまりなかったのではないでしょうか。
東京の球児であった僕としては3番・勝俣(東海大菅生)、4番・清宮(早実)と西東京の二人がクリーンアップというのがうれしいですね。特に勝俣は大会三冠王が取れるかもしれず、期待してます。このチームはほとんどプロ入りできるんじゃないか。黒田級の20億円の男が出て来そうです。今日、米国との決勝ですが、前回の先発の左が出てくると簡単には点が入らない感じです。2004年はダルビッシュと涌井が、一昨年は松井祐樹と森友哉のバッテリーがいて勝てなかった決勝です。頑張ってほしい。
さて、昨日はTVで広島戦を見ましたが、黒田の7回3安打零封にはしびれました。何にかというと、7回先頭の山田にヒットを打たれましたが、その執拗な牽制にです。10数回は放ったでしょう。あんなに投げられるもんじゃないです。打者に神経が行かなくなるし、牽制って真剣に放るとけっこう疲れるもんなんです。
それでも盗塁した山田もさすがですが、クイックで投げて畠山、雄平、ミレッジに打たせなかったのは圧巻です。絶対に点をやらんという執念。技術的にも川端を3-0に抑えたコーナーワーク、大引、中村あたりは手玉にとって何もさせず、昨日ジョンソンに合っていてヒットを打った比屋根を赤子あつかい。山田も微妙に芯をはずされました。零点に抑えても勝ちがつかない打線は毎度のごとく論外でしたが、そんなことは一顧だにせず、あの強力ヤクルト打線を3安打!最終回に暴投から4点取ったのは黒田の執念がマウンドに残っていた感じでした。やはり20億円の男です。
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高めのストレートは投手のプライドである
2015 AUG 31 22:22:18 pm by 東 賢太郎

さっき終わりましたがU-18野球ワールドカップは
日本 15-0 チェコ
で大分商の森下が7回無四球12奪三振の3安打完封でコールド勝ちでした。森下くんは甲子園は出てませんが好投でした。これで日本は1次ラウンド1試合を残し、3日から行われるスーパーラウンドへの進出を決めたそうです。
米国に完封勝ちするチーム相手にチェコは健闘だったと思います。欧州も最近は強いですよ、王貞治の本塁打記録を抜いたバレンティン(ヤクルト)も今季7勝無敗のバンデンハーク(ソフトバンク)もオランダ代表ですしね。
大差ゲームは自分も経験があって、7回9-0のコールド負けがありました(高1、東京都秋季大会、国学院久我山)。逆に5回10-0のコールド勝ちもありました(27才、ニューヨーク日系企業トーナメント、三菱商事)。いずれにしても男として凱旋も屈辱も忘れようのないレッスンであって、両方ともはっきりくっきりと覚えてます。
特に9-0の負けの時、「バカヤローおまえ、もっと悔しがれよ」と先輩に怒鳴られたんです。1年生だったし相手は甲子園級で、とにかくそんなにポカスカ打たれた経験なかったですから悔しさも忘れ茫然としてたようです。
硬式で投手をやるのはそれなりのタマを放るということで、特に高めのスピードと伸びです。高めは20mのキャッチボールで胸の高さ。それがグーンと伸びて正確に相手の胸にパシーンといかない人がピッチャーをさせてもらうということは、古今東西どこでもあり得ません。自分もいいタマ行ってたと思うし、相手が普通の人だとその距離では危険であって本気で放れなかったです。
このキャッチボールすると怖い、アブナイという感じはなかなかお伝えしにくいです。元西武の投手とゴルフしたとき「工藤さん(現SB監督)とやってて急にカーブ投げられて殺されると思いました」と。投手のタマってそういうもんなんです。プロの練習みてると、内野手のタマでも充分凄味があります。元投手だったりですが、それでもプロでは投手はやってないのです。
だからマウンドからでも高めのストレートいうのは投手のプライドです。勝負して空振りの三振を取りたい。今日の森下くんはそれができて気持ちよかったはずで、年甲斐もなく見てて嫉妬してしまいました。だから反対のことも言えて、それを打たれるとショックなんです。これから野球をご覧になるとき、気をつけて見ると楽しいです。
きのう、カープの一岡投手がDeNAの主砲・筒香を外角低めストレートで見逃し三振をとりました。グーンと伸びるいいタマでした。で、次のロペスの初球、甘い外角高めのスライダーをレフトにホームランされた。一岡はやっちゃいけないことやった、もったいなかったチクショーとは思ったろうがショックはたぶんないです。
なぜならあれはコントロールミスですが捕手の配球ミスでもあって、しかも直球を打たれたわけじゃない。ダメージないです。まずかったのは四球の走者を置いて打たれた捕手・嶺井のホームランです。これは渾身の高めストレートで体重の乗ったいいタマでした。要は自信の勝負球です。筒香を三振にとってるから自信があった。これを完璧なフルスイングでバックスクリーンに叩き込まれたのです。
それで1点差が3点差になって勝負が決したことより、自信を粉砕されたことこそショックで、投手経験者ならわかる。あれはへたするとダメージが残るんです。次からダメになることはなくても、ちょっとしたときに投げる瞬間に指がその恐怖を思い出して、また打たれたりする。そうするとまた次も、と悪循環します。大瀬良がやっぱりオープン戦で日ハムの中田に同じ球をバックスクリーンにぶちこまれて、交流戦の中田におかしかった。あとは一岡の性格次第ですが、あれは嶺井がすごかった、絶賛できますね、だからあっさり忘れちゃってほしいです。
高めのストレートで忘れられないのは、だいぶ古いですが、全盛期の江川卓と晩年の山本浩二の対戦です。試合は巨人が10-0ぐらいで勝っていてもうどうでもいい。法政の先輩後輩のプライドの対決でした。江川は全球高めストレートで、山本はそれを全部スイングしてファウルチップ。見ている方も何が行われてるかわかってるので球場が固唾をのんで緊張します。たしか7,8球ファウルが続いて、ついに最後の渾身の一球を、なんと会心の一撃でレフトスタンド中段にホームラン。どちらも千両役者でした。
あれはきっと江川も納得で、浩二さんさすがですと気持ちよく脱帽したのでしょう。高めのストレート、ドラマがあるんです。
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甲子園もカープも大詰めに
2015 AUG 19 22:22:47 pm by 東 賢太郎

仙台育英 7-0 早稲田実業 (甲子園)
東海大相模 10-3 関東一 (甲子園)
中日ドラゴンズ 8-1 広島東洋カープ (ナゴヤドーム)
本日行われたこの3試合、残念ながら力の差というものは仕方がないという点で共通の印象があった。
JFE西日本 3-2 広島東洋カープ二軍 (コカ・コーラウエスト野球場)
こちらは過日行われた「社会人野球広島大会」である。カープは安部とエルドレッドのソロホームランだけに抑えこまれ予選敗退であった。そして本日マツダ・スタジアムで行われた決勝は、
伯和ビクトリーズ 5-3 JFE西日本
で伯和ビクトリーズが優勝を飾った。こういうことがおきる程度の球団なのだから、これをぜひ観てみたいものである。
東海大相模 ?-? 広島東洋カープ
本日のナゴヤドーム三塁側内野スタンドは見事にガラガラで、一時は球場を真っ赤に染めていたカープ女子は潮がひくように消えていた。彼女たちも野球をよく知っているようだ。去年戦力外の投手になすすべなく3連敗、今日は2勝しかしてない投手にわずか3安打と、打撃コーチ全員解任というのが世界の常識という結果であり、そうしない限り確実にファンは去っていくだろう。
最近はどうでもいいのでまったく観てなかったが、たまにTVをつけるとこんなものを見せられる。セリーグは団子レースだ混戦だ、どこにも優勝のチャンスがあるぞというが、ということはどこにも恥ずかしい最下位の可能があるのだ。かろうじてまだ4位ではあるが、計9つも負け越している5位6位との3つ巴の最下位争いは優勝争いよりも白熱するかもしれない。
(追記)
なお、この試合のジョンソン投手の投じた右打者インコース、ベルトやや下の直球の主審のボール判定はひどいものだ。高低外れではあり得ず、天井カメラ画像では誰がどう見てもベース板上を通過しているのであって明白な誤審である。あれをボールと言われたら投手はインコースは甘くなるしかなく、中日の打者は(たぶん)それを狙って打っていた。そこへ投げさせる捕手も馬鹿だが大瀬良の暴投(會澤のパスボールである)、内野のミスなど、これだけ投手に受難が続くとこわい。
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清宮とオコエ、東京勢が4強に残る!
2015 AUG 17 20:20:27 pm by 東 賢太郎

今年は残念ながら出張っていて甲子園を見ておりません。13日は京都にいたのでぶらっと行こうかなと思ったのですが、あいにく早実があってなにせこの清宮君フィーバーですから当日券はないだろうと断念しました。
清宮はすぐプロに入ってもいいんじゃないかという豪打です。甲子園に来てますます凄味が増しているのがいいですね。早実みたいな学校で1年でベンチに入るだけで並みじゃないですが、今日のライナーのホームランは金属バットということを割り引いても恐るべしの打球でした。
早実は予選で危なかったんです。西東京大会5回戦の都立日野に9-8の辛勝でした。思えばマー君の駒大苫小牧を倒して全国制覇した2006年も、東京都大会の初戦で都立昭和に3-2(斎藤 佑樹が完投)と危なかった。この庶民的なところがニクめませんね。
関東一高は予選は全部大差で勝ち上がりましたが、オコエの存在は大きかったようです。とにかく足が速い。走塁のカンもいい。センター守備もうまい。肩もいい。そして今日、同点の9回、ここぞの勝負どころで13三振くらった投手からホームラン。すぐカープに来てくれ!
ベスト4に東京が2つ残ったのも東京人として嬉しいことです。しかし関東一を6回までノーヒットに抑えた中京大中京の上野投手、良かったです。このチームの体格の良さは群を抜いてますね、上野君の球の力もあって失投はサヨナラホームランだけでした。
今日負けた秋田商の成田翔投手、身長は170cmないが桐光学園の松井 裕樹を思いだしました。1球ごとに「いい球投げるなあ」と思わず感嘆の声が出てしまいました。すばらしい投手です。
花咲徳栄の4番でセンターの大滝愛斗くん、でかくて顔つきがいいですね。構えの迫力が凄い、投手はビビります。カープに欲しいなあ。
そして今日、沖縄の興南はオコエにツーラン打たれた9回裏です、あそこで1点返した気迫は圧巻でした。負けても堂々たるチームでした。
高校野球は「いい仕事しました」なんて世界がないので実にすがすがしいですね。このまま宮城と神奈川に勝って東京決戦をやってもらいたいものです。
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早実の清宮君を見たことなど
2015 JUL 27 0:00:49 am by 東 賢太郎

今日は西東京の決勝をTV観戦。こういう結果でした。
●西東京大会:早稲田実 - 東海大菅生
早実|000 000 080|8
菅生|004 001 001|6
今日の東京は気温36度と今年最高で、11時試合開始だからきつい。特に投手が大変だ。菅生の先発はテンポよく投げ相手に考えさせない間の取り方は良かったです。ただ140kmほどの力投型であり、7回あたりから握力に来るだろうなと思って観てましたが、6回に5点目が入った段階で楽勝の感じもありました。選手もそう思ったろう。
8回に案の定タマが浮いて暴れ出し、早実が芯でとらえだします。すぐ替えるかなと思いましたが続投。しかも同じテンポでポンポン投げて押し出し。ついに替えた2番手、3番手は球速もコントロールもちょっと使えないレベルでした。それで先発引っ張ったんですね。あっという間に8点で逆転。高校野球はこれがあるから怖い。
話題の清宮君は中断があったので2打席だけ見ました。でかいですね。それが第一印象。上半身が強そうで振りが速くて軸が動かないんで当たれば飛びそう。投手目線で見て恐いですね。ただ高校時代の清原や松井と比べたらどうだろう。一球必殺のホームランバッターというオーラは感じませんでした。まだ1年だしこれからですね、末恐ろしいのはわかりました。
西東京は国学院久我山に頑張ってほしかったが準決勝で菅生に5-3で負け。結局、甲子園は早実になりましたが、投手力を整えて勝ってほしいです。きのう見た東東京は唯一残った都立の篠崎が日大豊山に3-0で負けてしまいました。しかし篠崎のリリーフ山本くんは6回を3安打零封し良かった。バテない投げ方であり先発したら面白かった。
終了後、昨日に続いて二子玉川まで10kmノンストップで走りましたが、昨日よりさらに暑く1時間10分かかりました。まあ二日で20km走破したのは良しとしましょう。東京大会を見ていると血が騒いで心身ともに若返るんで、ありがたいことです。
さて夜は広島・巨人です。5-0で完封勝ち。ジョンソンの鋭い右へのスライダーと左へのツーシーム、最速は150km速球は低めで伸びており、いつになくコントロールも安定して1四球のみ。こりゃ誰も打てんというレベル。暑さに負けずたのもしい。いっぽう打線は19才左腕の田口に手玉に取られ6回で7三振。
天敵と化している中日の八木、阪神の能見にやられるのと同じパターンで右のインローに食い込むスライダー、カーブに右も左も手もくるくる回るだけで足も出ないのですよ。それを意識させられて外角の逃げる球を空振り、高めの力のある速球を力ないポップフライ。今年に始まったわけでなくずっと前から谷繁、阿部にナメられきってる。ほぼバカの一つ覚えの配球で打てない方はさらにバカということだ。
7回の無死満塁でポップフライしか打てない菊池と新井。結果は仕方ないがねばりがないですね。いくら混戦とはいえこんなんじゃあ優勝はほど遠いだろう。カープの打者は本当に見事にねばりと嫌らしさがない。納豆でも食ったらどうだ。嫌らしい木村、中東、赤松は使わないんだから、お茶漬け、おすましのサラサラです。初球からぽっこーんと内野フライ。ピッチャーにすりゃ暑いのにごっつぁんでしたーてなもんです。なんかベンチは打者を並べ替えるだけで、甘い球を仕留めろ!みたいにわけわからん低能なこと指示して後は雁首そろえて見てるだけみたいな感じがするのです。
緒方は現役時代に初球の甘い球を一振りで仕留めてレフトスタンドにぶちこむ天性の能力がありました。神宮で何回それを見て溜飲を下げたか。しかし、そういう天性はない奴が多いのであって、それを修正するのが打撃コーチなんだろうが、再度書くが去年オリックスを戦力外になった八木が広島戦の防御率0点台、他球団は13点台であり、それと同じ攻めの田口なんて小僧も打てないということで打撃コーチは完全に戦力外だと思うが。
昨日はシアーホルツの、今日は梵のホームランだけ。この勝負弱い打線をなんとかしないと投手が弱る8月は先が思いやられます。
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夏休みがなかった高校時代
2015 JUL 15 1:01:33 am by 東 賢太郎

高校時代に夏休みはなかった。夏の甲子園予選東京都大会があるからであり、いまそれがたけなわである。毎日の勝敗を見るにつけ血が騒ぐ。最近は知らない高校名もたくさんあるが、だいたいのところは名前で力が想像できてしまう。ああ、ここなら勝てるななんて今でもグラウンド目線で見てるのは、高校野球に完全燃焼できなかったからだ。
中学で背が伸びて171cmになり、草野球ではオトナでも打たれる気がしなくなった。早生まれのせいか体が小さく、でかい女の子に腕相撲で負けたしでかい男子にはケンカも運動も勝てないと思い込んでいた。ところがもっとでかいオトナを三振総なめにして、得意なことを磨けば世の中わたっていけるかもと思えるようになった。
野球は硬式と軟式がある。硬式の人間は軟式は野球と思ってないがあのオトナたちはきっと軟式の人だったのだろう。思えば中学でリトル(硬式)に入って同世代のうまい子にコテンパンにやられていたら小学校の弱っちい自分のままだった。古来、男子が大人になるのが元服だが草野球のおかげでそれがすんだ。
投手のタマと野手のタマは質がちがうのは経験者はわかる。練習しても野手にはああいう球は放れない。野球部員はみなそれなりに自負心があるが投手は別格の天狗だ。世の中に自分のタマを打てる男はほとんど存在しないと思っている。そんなことはどうでもいいのだが、世の中がどう思おうと、そのことがどうでもいいのである。
社会に出て仕事で気おくれする場面はある。それでも、相手が打席に立った姿をイメージすれば気持ちで完全優位になってしまう。人前に出るなどなんでもない、投手は衆人環視になるのが仕事だ。良し悪しはあるだろうがもともとが小さかった僕にはちょうど良かった。野球好きなのは男子としての自信をつくってもらったからだと思う。
九段高校ですぐ硬式にはいった。都立とはいえその夏の東京都大会の第六シード校で4回戦まで行ったから弱くなかった。草野球出身で誰に習ったこともなく投げ方はもちろんプレートの踏み方すら知らなかったが、先輩方とキャッチボールしてみると自分の球のほうが速いと思った。野球だけは自分は特別と天狗になりきっていた。
その夏からすぐベンチ入りさせていただいて、大会終了後に背番号1をいただき一級上の2年生を飛び級した。だから客観的に能力がすこしあったのは球を投げることで、学業など比にもならないと書いて自慢にも謙遜にもならないと思う。この1年でエースというのに比べれば2浪して東大に入ったり徹夜続きでMBAを取ったなどというのは汗の匂いがする格好悪いことだ。
硬式で初めて同世代のうまい子と対戦することになる。天狗はそこまでだった。秋の新人戦は国学院久我山だった。甲子園も出てロッテの井口、日ハムの矢野などプロ選手も多く出している。9-0の7回コールドで負けた。一回り目は零点でたいしたことないと思ったら次から打たれ、それも人生初というほど自慢の直球を打たれてショックをうけた。
打撃では甲子園に出た日大一高戦で一塁線ゴロが抜けたと思ったら併殺打。盗塁は何度かしたがだいたい1メートル手前でアウトだった。そもそも上の子相手ではいい思い出自体があまりなかったのか。二けた三振で2安打完封された聖学院の左腕からセンターオーバーの三塁打を打ったのがいい方の唯一の記憶のように思う。珍しいから覚えてるのだろう。
硬球の怖さも知った。初登板だったOB戦で先輩にぶつけてしまった。それも速球が首を直撃して昏倒され騒ぎになった。走者一三塁の場面で一塁走者が盗塁したとき、捕手が擬投で僕に思い切り投げ返してきた。サインがわかってなく危険だった。打球では何回も怖い思いをした。18.44メートルの距離を強烈に襲ってくる。捕れなければ頭、心臓、股間などを直撃のもあった。
2学期がはじまって同級生が山へ行った海へ行ったという話をする。こっちはあの学校に勝ったの負けたのだけ。体育会というのはクラスでは軍人みたいで戦いの話しか興味がないし女の子とは話題すらない。軟派な都立高だから完全に浮いていた。どうしてそこまでして野球に没入していたのか、あるとすると闘争本能とお試し本能だ。
人間なにごともうまくなると試したくなる。足が速ければかけっこしたい。力自慢なら相撲したい。相手をやっつけたいというより自己確認、それがお試し本能だ。ゴルフはそれだけでできる。相手が人間になると闘争という要素が入る。へたすると戦争にもなる。闘争性を除去してお試し性だけにしたのがオリンピックだ。
僕は2年で肩とひじを両方やって球が投げられなくなった。硬式のレベルでは終わり。お試し本能は出番がなくなったが火がついてしまっている闘争本能は消えなかったので、3年になってやおらそれが受験に向かったような気がする。学業はドべの方だったが、勝ちたいという動機は野球の終焉からやってきた。
野球はお山の大将の蜜の味を教えてくれたし、そこから奈落の底に転落して地獄も見せてくれた。16,17才のみそらでそんな経験ができたのは幸いだったのかもしれないが、どうしても高校の夏休みというとなにか「損したな」という気持ちを抑えきれない。もっと楽しいことがいっぱいあったにちがいないと。
もし、アラジンの魔法のランプがあって、何でも願いを叶えるといわれたら?もういちど高校時代に戻してくれというだろうな。そこで何をやるか?とても迷うにちがいないが、やっぱり野球をやってしまうような気もする。
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今年の甲子園
2014 AUG 26 17:17:08 pm by 東 賢太郎

三重高校は強かったです。正直のところ大阪桐蔭が10点ぐらいとっての完勝かなと思っていましたが逆に三重が押してました。三重は勝ててましたね。失敗したスクイズや最終回の選手起用はよくわかりませんでしたが、監督さんは今年からの新任だそうです。アマ野球の監督というのはとくに外部の方の場合はいろいろ大変でしょう。短期間にチームをここまで引っ張りあげた人の判断なのだからあれはあれで良しです。
勝負にタラレバはないので大阪桐蔭が一枚上手だったということです。前回、野球留学の話を書きましたが、その最大の派遣元は大阪と思います。そこで地元に残った子たちなのだから強いだろうと思ってしまう。ダルビッシュもマー君も巨人の坂本も大阪から出て行った方なのだからと。
ところが大阪桐蔭のベンチ入り18人中11人(福岡4兵庫3 奈良2 愛知1 広島1)は留学生だったそうです。一方の三重高校は2人だけでそれも隣の愛知県からなのでほぼ地元のチームといってよさそうです。予選参加校数で見ると大阪は180校で三重は62校です。大阪が勝ったとはいえそれほどの差は感じませんでした。この世界、事情はそう単純なものではなさそうですね。
今大会、全部見たわけではないですが、プロですぐいけるような選手はいなかったような気がします。松井秀喜、松坂、藤波、田中、松井 裕樹みたいなですね。昔になりますが井出元、鵜久森などすごいと思いましたがプロへ入ってからは今一つ。名球会入りした投手の半分も甲子園に出ていないなど、あそこで勝つこととプロでトップクラスになることとは別な話なのだということがだんだん納得できてきます。今年、僕が見たうちで印象に残った投手は東海大相模の先発の子(3回までですが)だけでした。
高校野球というのはおそらく多くの人間が人生をかけて切磋琢磨している数多ある業界のひとつの縮図です。あらゆる技能、職能、職業において、その分野の甲子園クラスの人はいます。野球の甲子園に出る子はたしかに鍛えられていますが、一般高校球児の中での偏差値は60-65ぐらいではないでしょうか。それがプロで通用するとなると75-80でしょう。受験でのイメージですが50と60の差を1mとすると60と70の差は10mはあります。80となると100mでしょう。50の子でも努力で65ぐらいは届きますが 70以上はどうでしょう。
僕のもう一つの趣味である音楽でもそう思います。演奏家はショー、人気商売の側面があるので難しいですが、歴史の淘汰を受ける作曲家はまやかしがきかず、85ぐらいの人しか名が残りません。それ未満の人は調べると星の数ほどいて、後世の人は彼らのソナタをこまめに聴くほど人生に時間はありません。演奏家も80ぐらいでなければ当代の最も耳のこえた聴衆をうならせることはないと思います。それを耳のこえてない人向けのショーが補完しているという業界構造です。科学では85以上がノーベル賞候補にノミネートぐらいでしょうか。そういう人をひとり我が国が失うことになったSTAP論文事件は非常に罪深いと思います。
 
お知らせ
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東海大四の西嶋投手に感動
2014 AUG 19 23:23:20 pm by 東 賢太郎

東海大四の西嶋投手が延長戦の末2-0の無念の敗戦でした。168cm59kgの体躯で球速は130km台ですが、とにかくピッチングがうまい!間合いやタイミングやコーナーワークが駆使されているのですが、内外角高低の精密なコントロール(左右上下)と緩急(前後)のゆさぶり、ストレートの伸び、という想定外の要素で打者は変化球に泳ぎ、直球に差し込まれます。ほれぼれして見入ってしまいました。
解説者の方が「投手らしい投手」といわれましたが正にその通りの好投手と思います。小手先のワザに聞こえそうですが、打者との駆け引きがうまいということで、それは好投手の条件です。それがなくて速いだけの投手は今どきいくらもいますし、一方今どきのバッターは150kmでもマシーンで打ちこんできていますから予選で打たれて消えている場合も多いのです。マシーンは駆け引きしませんから絶対に練習できません。プロの現役でもすぐ思い浮かぶのはヤクルトの石川ぐらいです。
今日は山形中央の先発、2年生で背番号11の佐藤投手がこれまた5回までノーヒットにおさえるという見事なピッチングで緊迫した投手戦になりました。佐藤君に打者がタイミングが合っておらず、あと4イニングでひょっとしたらという嫌な感じもあっただけに6回からエースの石川投手にすぱっと変わった時がチャンスだったと思います。結局そこで得点できず、石川君の最速148kmの速球が冴え、最後まで打てませんでした。西嶋投手は8回あたりから握力が落ちたかちょっと球が甘くなりだしたので、延長になっては不利でしたね。
たった一球の失投と守備の乱れで負けはしましたが、留学生のいない北日本のチーム同士の息づまる熱戦、これぞ高校野球という素晴らしい試合を見せていただきました。9回を完封したわけですから西嶋君の投球は文句なくすばらしいものです。ここまで見てきた試合のなかで、最も目がくぎづけになったのは彼の2試合です。ずっと記憶に残ると思います。ナイスピッチングでした!
西嶋君、これからも応援します、頑張ってください。
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西嶋投手の超スローボールについて
2014 AUG 18 2:02:39 am by 東 賢太郎

先日、東海大四高(南北海道)の西嶋亮太投手が投げた推定50キロの超スローボールを僕もTVで見ました。これについてクレームが出ているというのは少々驚き、去年書いたこのブログを思い出しました。
「高校野球らしくない」という批判といえば古くは松井秀喜の5打席連続敬遠騒動がありました。高校野球は勝てばいいってもんじゃない!という声が上がり、明徳義塾高校の監督さんや投手は勝ったのにそれで記憶されることになってしまいました。勝った者を称賛しないのは、それが高校野球であるかどうか以前にスポーツではありません。
ちょっと脱線しますが、日本の大企業の経営会議では往々にしてこういう人が出てきます。「あれはいかがなものか」、「あそこでは言わなかったが私は反対だ」。出席していて反対しなかったにもかかわらずです。そういう会議はまじめにやっている人間がわからなくなるだけです。そこでみんなで決めたことがすべてというルールがあるから会議が成り立つし、決めるために会議というものが必要なのです。それをその場では黙っていて後で寝技で覆すようなことがあれば会社経営など成り立ちません。
経営もスポーツもルールに則ってやるから全員が納得するのであり、だからこそ責任が明確になるのです。ルールのない会議で決めておいて成功したら経営者がいい格好をし、失敗したらケツをまくって逃げる。こういう経営をやってきた会社はおおかたダメになってます。なぜなら、ルール通りに決めて失敗したら責任を取らせる、成功したなら評価するという論功行賞に納得性がなければ創意工夫によるリスクテークなどしない方が得であり、社内はサラリーマンばかりになるからです。そういう会社の株を投資家は買わないし、スポーツの場合はつまらないのでお客が入らなくなるでしょう。
5回敬遠してはいかんというルールがあるならともかく、ないのですからそれはルールに則った戦術です。4番打者を5回も一塁に出すというペナルティを負って勝ったのだから、5、6番を打たせなかった明徳が強かったと解釈されるべきことだと思います。「肉を切らせて骨を断つ」。これは剣道で強敵を倒す時の極意とされる言葉だそうですが、それと何が違うのかということです。強かった明徳義塾がその戦術を要するほど星稜は強敵だったということでしょう。
仮に「高校生らしくやれ」という精神がそんなに大事なら、それを具体的な事例としてルールブックに書き込んで審判がペナルティを科すかその場で注意をすべきなのです。会議と一緒で、後であれはいかがなものかと言われたのではまじめにやっている人間がわからなくなるだけです。勝つための創意工夫をする者がなくなります。体重による階級制のない大相撲で決まり手が10種類しかなかったら舞の海のような小兵力士は勝てないでしょう。それが48手になったのは創意工夫の結果だと思うのです。そしてそれによって大相撲という競技は根強い人気を長く保ってきたと思います。
つまり、ルールで禁止されていない攻め方、それは立派な戦術であって、予想外の戦術に負けてしまったら要は弱かったということです。そういう大前提のもとに監督も球児たちも炎天下のグラウンドで切磋琢磨しているというのが僕の理解であり、エアコンのきいた部屋で見ている方もそういう理解をしてあげるべきと思います。高校野球は負けたら終わり。だから負けないためにあらゆる合理的な戦術を使うのはグラウンドにいる者たちには当然のことです。相手の4番を5回敬遠することは今でも可能です。誰もそうしないのは、それが高校野球らしくないからではなく、5回も無駄なランナーを出せば負けてしまうからです。
では本件はどうでしょう。60km未満の球速の投球は違反とする、そんなルールはどこにもありません。身長169cm、体重59kgという地区予選レベルですら小兵である西嶋投手が優勝候補の九州国際大付属に1失点12奪三振というのは、同じぐらいの体格だった僕として信じ難い偉業です。誉めても誉めきれません。遅球は打者のタイミングをずらす立派な戦術です。なめているという人がいるようですが、なめたスローボールで12個も三振が取れるならピッチャーをやっている人間は誰でもします。やる人が少ないのは投げるのが難しいからです。五条大橋の牛若丸といっしょで、欄干から奇襲した小兵の西嶋君が強かったということ、それだけと思います。
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