Sonar Members Club No.1

since September 2012

クラスから事務次官

2016 JUN 4 11:11:22 am by 東 賢太郎

きのうクラスメート佐藤文俊くんの総務省事務次官ご就任のニュースを知った。僕ら50LⅠⅡ9Bはドイツ語で、文Ⅰが36、文Ⅱが17の53人だったがそこから官僚のトップ事務次官が出たのはなんともうれしい。クラスで1,2の秀才だった彼のことだから自然な感じもあるが(しかし愚妻愚娘どもというと前任の桜井俊事務次官がアイドルグループ嵐の櫻井翔の父君という話題のほうで持ちきりだ・・・)。

本郷に行ってからは大教室で授業を聴いて自分で勉強して試験を受けるだけだ。入ってしまえば出るのは簡単と言われるがとんでもない、法学部は卒業するのが非常に大変だ。いっぽう1,2年生の駒場のほうは文Ⅰ、文Ⅱはいっしょで高校の延長みたいにクラスがあってみんなでわいわいやる。本当に楽しかった。共学しか知らなかったので男子校みたいで新鮮でもあり今もクラス会で酒が入るとあのムードになる。

教養学部だから授業も多岐で、先生も環境も文句なく最高である。以下敬称略で、哲学の井上忠の「パルメニデスの有」はそんなことをまじめに考えるのが哲学なのかと目からうろこでいまだに言葉を覚えてるし、小田島 雄志のシェークスピア読解は人間洞察が深くて英語の読み方が変わった。村上 陽一郎の科学史で習ったケプラー第3法則発見の顛末は強烈なインパクトがあって、西洋史の理解が変わったばかりか自分の精神史にすら影響があった。

思えばあれは「虎の穴」だった。独学派、唯我独尊派の天狗だった僕が、自分より頭の良い人に教わるとよくわかることを知って流儀まで変わった。クラスメートもそういう人たちばかりという後にも先にも異例の環境でのインタラクティブな4年間の経験はプライスレスで、金融で米国MBAトップのウォートンにいても学生の基礎学力は東大法学部の方が上だとなめきっていたのを思い出す。

日本の高級官僚は佐藤くんのような人の集団であって、世界に比して優秀でないわけがない。世界一の負債があっても円が強い、国債が売られないのはそのクレジットによるところが大きい。そういう人たちと机を並べさせていただいて、ところで当時払った授業料はというとたしか年3万6千円だったのだからこれは日本国に負債の感覚がまだある。税金を多少多めに払うのは仕方ないか。

 
Yahoo、Googleからお入りの皆様

ソナー・メンバーズ・クラブのHPは http://sonarmc.com/wordpress/ をクリックして下さい。

 

 

 

 

Categories:自分について

▲TOPへ戻る

厳選動画のご紹介

SMCはこれからの人達を応援します。
様々な才能を動画にアップするNEXTYLEと提携して紹介しています。

ライフLife Documentary_banner
加地卓
金巻芳俊