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道三と信長の破天荒を見たり

2019 APR 21 1:01:55 am by 東 賢太郎

県庁でとあるプレゼンテーションがあって、岐阜市に一泊した。ここに前から関心があったのは信長の城があるからで、安土山は登ったが金華山はまだだったからである。その程度でファンを語るのはおこがましいが、彼が企てていた(と思われる)プランは実に破天荒である。魅力的以外の何物でもない。日本の支配者にこんな男がいたためしはなく、まずもう出ない。秀吉は人たらしの天才だが、たらす相手がいなくなるとだめなNo2男だった。家康は相手が官僚タイプの光成だったから勝てたが、信長が生きていたらどこかで殺されたろうと僕は思う。

金華山の頂から信長が見た城下の眺望はこんなだ。周の文王の気分になったとしてそう不思議ではない。岐阜とはいい名だ。

この写真は実は前回訪問で撮ったもので、今回は城に登ったわけではなく、老舗の十八楼に宿をとってふもとの鏡岩水源地や護国神社あたりを歩いた。そして、常に信長に見張られているかのように、山のてっぺんに城を認めた。

東京から来ると、この感じは得も言えぬ奇妙なものだ。

思った。あそこに家を建てる奴はいないだろう。この感覚は、北京の北方で万里の長城を歩きながら懐いたものにまぎれもなく近い。

先人の道三もそうだったことになるが、破天荒ここに見たりだ。家臣や人夫の気など知ったことではない、防御と威嚇のためのラショナールを瞬時に貫通する電光のごとき発想。天下を取るとはそういうことなんだろうか。ふたりが息子や家来に襲撃されたのも世の中はちゃんとお釣りがくるようにできていたのかもしれないが、いつしかわが身も平穏になってしまったなとふと考えた。

 

安土城跡の強力な気にあたる

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