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ラグビー日本代表、スコットランドを撃破

2019 OCT 14 14:14:46 pm by 東 賢太郎

昨日、巨人の優勝を観てどっと疲れて帰ってきたら今度はラグビーのスコットランド戦が始まっていた。国と国のプライドをかけたすさまじい戦いを見た。最後の数分はもうだめかと思うほど相手は強かったのを知ったし、あってはならない殴り合いをしかけられる寸前の場面もあり、あそこまでスコットランド選手を追い詰めた力は本物なのだろうと思った。ベスト8への歴史的勝利を讃えたい。

日本代表のインターナショナルな顔ぶれはこれからの日本国、日本国民の在り方を示唆していると思う。日本文化を深く理解し『武士道』や『覚悟』といった言葉を好み、「『君が代』の意味まで知ることが日本代表だと思います」と覚悟を述べるリーチ・マイケルは誇るべき日本人であり、彼らのような才能に対してスポーツに限らず各界は大いに開かれていくべきだ。日本国籍だから日本人なのだという人がいても多様性としては受容しなくてはならないが、日本の文化と歴史を深く理解しリスペクトしない人はリーダーにはなれないし、日本国のサステナビリティを築き上げることはできない。なぜならそこに、あらゆる意味で日本を永続させる、世界における日本の絶対の強みが凝集しているからであり、したがってそれを失えば国は滅びて子孫は不幸になるからだ。

戦況を見ていて思ったのは、あそこまで両軍選手全員が一極参加してぶつかって体中の筋肉の力と知恵を振りしぼるスポーツはないだろうということだ。野球も「総力戦」とは言うが、ベンチにいる者が全員ゲームに出るというだけのことであって、戦場は基本的にバッテリー間だけ、全員一極参加になるのは乱闘のときぐらいだ。スクラム、モールのような一見乱闘に見えるバトルをルールに則って整然と進めるラグビーは格好いいと思う。だから終わればノーサイドなのであり、実に紳士的である。英国でアッパー(上流階級)の競技たるゆえんだ。アッパーは支配者層であり、支配する以上は戦争で一般市民より前線に出て戦うことを求められる。それがいわゆるノブレス・オブリージュ(noblesse oblige)であり、喧嘩が強くて賢いことを求められ、それが「ラグビー憲章」の5か条である「情熱」「品位」「規律」「結束」「リスペクト」となって結実している。

英国に6年お世話になっていた僕としてはラグビーというブリティッシュ・エンパイアの看板スポーツで日本が世界ランキングで過去最高の7位というのも誠に誇らしい。韓国は31位、中国は80位である。当然のことであるが、ノーベル賞の授賞者数と同じくアッパーのスポーツで国の差が見えている。数々のノーベル賞は日本人科学者が明治時代から基礎研究を営々と積み重ねた努力の成果であるが、ラグビーも田中平八の長男、田中銀之助(1873-1935)がケンブリッジ大学から持ち帰って慶応のラグビー部を作り「日本ラグビーの父」と呼ばれる。こっちも明治時代から営々とやっているのである。ラグビー憲章の5か条である「情熱」「品位」「規律」「結束」そして「リスペクト」。カネやミサイルでは手に入らないものがあることを認めるのが文明国というものだ。

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