河野発言の「天皇の存在と日本語」について
2021 SEP 16 17:17:47 pm by 東 賢太郎
総裁候補の河野太郎が「日本を日本たらしめているものは何かと問われれば、私は天皇の存在と日本語だと答えます」と公式サイトに書いている。彼の最終学歴はジョージタウン大学卒業だが、この発言が出るだけで「なんちゃってアメリカ留学のチャラ男」との格段のモノの違いを感じる。良い意味で日本人じゃないものまで身につけていると思われるからだ。
「日本人じゃない」と「日本的じゃない」は異なる。カタカナ言葉でフリをする西洋かぶれが後者。ただのカブキ者である。前者は思考回路にいたる話であって、英語を少々かじればなれるというものでない。言語は思考回路なので、英語の使い手になれば西洋的な回路の人に近くなる。英語ペラペラ、そんなものはない。そういう風に見える人はそれがわかってない、それだけのことである。
使い手になって日本に帰ってくると、知らず知らず日本人にはあれっというところが出る。すると「変人」といわれる。99%の日本人は群れて生きており、群れの保全のため異分子は排除するから仕方ない。「群れ」の変化語が「村」であり、村社会では同質性を確認し合うため同調圧力がある。それがいじめ問題になり自粛警察にも忖度にもなり、自民党の総裁選のドタバタにもなるのである。
ということは逆も真で、日本語の使い手になれば外国人でも日本的な回路の人になる。それで天皇への敬意を具有すれば日本人が出来上がる。河野発言は思うにそういう意味で、現に “日本的な” 外人はテレビで何人もが好感を得ている。しかし彼らは国籍が日本でないからという理由ではなく、靖国参拝はしないし君が代は歌わないし「天皇」の部分は欠けるから日本人ではない。
16年海外から日本を眺めて、日本人になるのは大変だと思った。日本語人になれば仕草も日本風になりいい塩梅に同調もでき、田舎の爺ちゃん婆ちゃんの目にも「いい人」になれる。しかし日本でそれが大事なのは個性や人権の尊重でなく村の保全のためでしかない。だから村の精神的支柱である天皇への敬意は要件であり、これを求められると改宗に近いからほとんどの外国人には難儀だろう。
「日本語と天皇」という国の個性を薄めても日本が存続するだろうか?という視点は海外生活を長くして西洋的な回路になった日本人は大なり小なり持つと思う。自国を相対化して観る眼が生まれる。それは日本が滅んでも世界は何ら困らないことを知るからだ。その危機感から、日本にいた頃より愛国的になり、右翼と呼ばれる人たちと表面的には似た主張にもなる。総論的にはそれでいい。
しかし帰国して各論になると「人の個性より村の存続」の壁に当たるのだ。夫婦同姓は長らく村の掟だから守る。同性婚は和を乱す。そしてその統合的象徴である天皇は男系というオーセンティシティを守れ。そうなる。困るのは西洋回路人になると個の尊重が大事と思うようになり、それの終点である民主主義と、村の存続の終点である日本国の存続とが自分の中で乖離してくることなのだ。
実はそれはアジアすべての国の抱える矛盾でもある。それを謳わないと地球を支配する西洋序列に入れない。キリスト教国家の軍事力が優位で、その宗教的価値観による序列だから存続には改宗か服従しかない。前者で蹂躙・同化され滅んだ文明は数多あるから後者を選択する。それに必須な「衣装」が民主主義による法治国家という体裁の確立であり、その急ごしらえバージョンが明治政府だった。
しかし非西洋のイスラム教国の民主主義はもっと衣装でしかなく、パレスチナ、アフガンを見るまでもなく対立軸であり続けるだろう。西洋の軍事的優位を覆す戦略の中国はいずれそれも脱ぎ捨てる日が来るかもしれない。その隣りで日本が平穏無事に生き延びる道は、蹂躙・同化されぬ尊厳を身にまとい、一定の経済力・軍事力を持つこと以外に客観的に存在しないのではなかろうか。
明治の元勲が幕末動乱の制約下で国家存続の選択をして倒幕した。お蔭で日本は国になり民族は生きながらえた。天皇ありきの王政復古なくして廃藩置県も廃刀令もなかった。徳川慶喜は幕府の存続・尊重の原理を捨て、日本という島の住民の命を守ったことにはなる。それが国家と呼ばれ結局は西洋と戦火を交えて破れはするが、それでもあそこで植民地化していれば我々の今はなかった。
いま自民党総裁選を見て古い体質だというが、あれは日本国の縮図である。投票という民主主義メソッドを借りて村の存続を図っているだけで、精神は江戸時代と違わない。彼らを選んだ国民も江戸時代と変わっていないのである。村は長老が治めて村民の命運を握り、いちいち村民に子細な説明などしない。菅さんはその意味でとても村の長老的な総理であった。
いま自民党で起きていることは村長の交代か、せいぜい若返りでしかない。内在的エネルギーによるレジーム破壊ではなく、「すぐ総選挙だ」という外圧が事を動かしているに過ぎない。コロナと五輪で国民の怒りが見えた時に、僕は戦前なら二・二六事件かなと、そういうきな臭さの発端ぐらいを嗅いだが、そのエネルギーは横浜市長選で往時の千分の一ほど垣間見えたが些細なもので終わった。
くりかえすが、日本が未来に平穏無事に生き延びる道は、蹂躙・同化されぬ尊厳を身にまとい、一定の経済力・軍事力を持つこと以外にない。①尊厳は天皇・皇室の存在・維持、そして②強靭な経済成長力と国富③相手の行動を抑止する最低限の軍事力だ。河野は②が弱い。法人減税で再分配促進は結構だがマクロの視点の経済政策が見えない所に再分配率なる言葉が出るのは違和感がある。30年株が上がってない唯一の先進国をどうやって成長させるの?ということだ。
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「45才定年制」の深い闇
2021 SEP 13 9:09:33 am by 東 賢太郎
45才定年制はサントリーホールディングスの新浪剛史社長の案だ。会社に頼らない人を育てる意味だというがネットで炎上してる。どちらの気持ちもよく分かるが、これを批判しても仕方ない、既に発表されているみずほ銀行の週休3日制も同じであって、マイルドに聞こえるが要は「もう正社員をそんなに雇えない」という意味なのだ。日本を代表する企業の収益力の衰退はもうそこまで来ており、病膏肓に入っている。定年延長議論は年金の枯渇問題を民間に押し付けようという悪いジョークにすぎない。
企業の収益力の衰退はコロナのせいではない。国を人とするなら株価は体温のような健康のバロメーターである。我が国は先進国で唯一30年も株価が横ばいで、相対的にどんどん体温が下がっている。30年前に米国人が脅威に感じるほどリッチな国になったのが泡沫の夢であったかのように、現在の我が国はというと、国民ひとりひとりの物価調整後の購買力(金持ち具合)を示している「一人当たりGDP」はすでに韓国に抜かれている。
これに対してよく出る反論は、上位を占める人口の少ない国とは事情が違うというものだ。人口5000万人以上の国で比較すれば日本は世界第6位であって、名目GDPが第3位である事実と乖離は少ないという。しかし、ご覧のとおり、もはや人口5000万人以上の国だけで比較しても韓国に負けている。いうまでもなくGDPは一定期間に国内で生み出された付加価値(中間投入物を除いた生産額)の合計でほとんどは企業活動が生んでいる。つまりこの表は日本人が依然として世界で有数の豊かな国民であることを示してはいるが、日本企業が衰退の一途にある可能性を示唆してもいる。
企業は利益がなければ給料は払えない。「45才定年制」という提案は、含意をどう前向きに表現しようと、「利益に貢献はしないが給料はくれという社員は辞めてもらいたい」という、収益状況の実態に基づいた経営者の本音である。「経営者が無能だから稼げないのを従業員のせいにするな」という批判も成り立ち得るが、そういう経営者でも昭和までは稼げてきたのも事実だ。日本を取り巻く環境が平成あたりから激変しており、国も民間も過去の成功にあぐらをかいて対応を30年も放置してきたのが原因だったと考えるべきだろう。
新浪社長の意図が「会社に頼らない人を育てる」趣旨であるなら、菅総理が掲げた「自助」と重なる。賛成だ。日本はそれ抜きでは国も企業も、成長はおろか繁栄を維持すらできない局面を迎えていることは間違いない。そのことと、本当に助けなくてはいけない弱者への公助(セーフティネット)の必要性はぜんぜん別な話である。菅政権が国民の支持を失ったのは五輪のせいではなくコロナの自宅待機で救える命を救えず「なにが自助だ、公助すらないではないか」と怒りが爆発したからだが、そのことと、日本を沈没させないために「まずは自助を」が必要であることを混同はできない。
自助が何かは一概に言えない。僕は団地住まいのサラリーマン家庭で育った無産階級の子だ。学校の友達は豪邸に住む有産階級ばかりで悔しさが原動力になって勉強し、朝から晩まで働いて有産階級にはなった。別にどうということもない、会社を作っただけだが、日経平均株価が上がれば自分の資産も増える順張りポジションだから第2次安倍政権さまさまで金はできた。たまたまの結果論だが自助には成功した。だが元から金持ちなら苦労は無用で、気持ち的に僕はいまだ無産階級だ。菅総理は政治家として家柄、地盤なしの無産階級から頂点まで昇りつめた人だ。それが首相公邸に頑として入らず理由は語らず。あれがもしもレジスタントな気持ちによるなら僕は共感できる。
自助は簡単ではない。できてもできなくても実はそれでは解決しない根が深いものがあり、それが上級国民という怨嗟の言葉を生んでもいる。「45才定年制」は「ま~しょ~がねえよな~」で終わり、野党の政権交代など論外、自民党総裁選は株高路線の高市でいいんじゃない。思うに世の経営者の本音はこんなもの、運よく手に入れたものを今更変えたくない。僕だってもう充分に頑張ったし面倒だからそれで結構となりかねない。我々世代あたりの逆の意味でレジスタントな意識が根底にあって、官民ともに過去の成功にあぐらをかいて30年も対応を放置した。そして中国はおろか韓国にも抜かれてしまっているのにマスコミはおおっぴらには報道もしないのがまぎれもない日本の現状なのだ。
野球なら中盤まで楽勝だった試合が8回に逆転されて9回の攻撃を迎えてしまっている。66才の僕の実感だ。このまま負け試合にしたくない思いは同世代の皆さんにも共有されていると信じたい。
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ええじゃないか、ええじゃないか
2021 JUL 15 0:00:39 am by 東 賢太郎
天からたくさんの御札がひらひら降ってくる。見ろ、「安心安全」とご祈祷の文字が書いてある。これは慶事の前触れじゃ、おどれ、おどれ。
バッハ氏については5月28日の稿に書いたとおり。東洋人なんてのはみんなおんなじで、お金くれたらよいしょしとこうかって、白人はそんなもん。日本の台頭でそれは変わらなかったが中国の台頭で明らかに変わったからああなる。
厚労省医系技官感染村。PCRしたくない(保健所守る)。感応度30~50%しかない抗原検査で無症状者は野放し。その弥縫策がクラスター対策。そしてクラスター探すと必然的に「酒を出す飲食」に至る。よって、政府はそこを叩く。
また緊急事態。しかも五輪で異例に長い。飲食にオモテでご協力求めながらウラで金と酒を絞る。従っても従わなくても潰れる非業のイジメ。飲食、酒業の激怒はあまりに当然。びっくりしてカネを配るらしい。それ、誰のカネだ?
西村大臣。責任は自分と総理をかばう代償に「朝から夜までコロナ対策で頭がいっぱい」と総理も西村をかばう。朝から夜まで考えて頭いっぱいになった結論がそれならば大臣の能力の問題という結論に至るんだけどこの内閣、大丈夫か。
東京都議選、世田谷選挙区で僕が投票しなかった自民党の土屋美和さん。ニューヨーク大学経営大学院修了ってMBAだよ。「学校に記録がないが」「そりゃそうですよ、留学生枠でやってないので」って、なにそれ?わけわかんねえ。こんなホラがバレないと思っちゃう頭の人はMBA無理だよ。
「東京五輪の新型コロナウイルス感染予防策として表彰式では選手自らがトレーに載せられたメダルを首に掛ける」。バッハさん、なにを気にしたんか自虐ネタなのかあれもこれもきれいに的外れだ。マスクとシールドあればそこまでしなくてもいいと思うがそんな空気の中でやるなら選手が気の毒だ。
「来日中の米国と英国籍の東京五輪スタッフ4人が麻薬取締法違反容疑で逮捕されたが、4人は逮捕前、東京・六本木のバーで飲酒していた」。まあ、捕まったしええじゃないか。でもコカインはどこにあったんだろう?
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田村正和に見た男の美学
2021 MAY 22 12:12:11 pm by 東 賢太郎
わがままに生きてきたせいか、唯我独尊というか、自分だけの美学とスタイルを持っている男に共感がある。それも野放図にそうだというのでなく、少々無理してでもそれを変えたくない、違う風に見られたくないという繊細さ、依怙地さが裏に見えるぐらいがちょうどいい。その最高峰が高倉健だったが、田村正和もそうだった。先だって見た古畑任三郎の「笑うカンガルー」は、ロケ地がオーストラリア(ポート・ダグラス)のシェラトン・ミラージュなのに驚いた。一昨年も行った我が家お気に入りのリゾートホテルだからだ。その矢先なのが悲しい。
田村は成城学園だからあの雰囲気かな、というのはとてもある気がする。僕はというとぜんぜんぎすぎすした世界に入りこんでしまったが、あの感じはいいなというのがどこか残っていて、心の故郷というかお袋の好きな世界だったというノスタルジーを感じさせてくれる大事な役者さんだった。僕自身、仕事用に作った世界があって、完全にそういう人を演じて繊細に依怙地に生きてきたが本当はそうじゃない。それを仕事の局面で見抜かれるへまをしたことはないが、女性には通用しないと思ったことが何度かあり、その方たちは例外なく今でも尊敬申し上げている。そして家では完全に丸出しである。
コロナでなくても外へ出ず外食もあまりしなかったと語っている田村だが、想像するに、それが面倒くさいから家が楽だったのではないだろうか。軽く見ているというのではない、逆だ。そしてその面倒くさいが人生までを支配してしまう境地に至る感じこそが男の究極のわがままであり、その真髄とでもいうべきものなのである。彼はおそらくサラリーマンが勤まるに最も遠い部類の人種に属していたろうが、まさにそうである僕も30年もよく耐えたものだと感嘆するばかりであって、そうさせてくれた家内のおかげというほかない。
77才は早く逝きすぎだが、お爺さん役も定年まじかの古畑任三郎も似合わない、年をとったらいけない人だった。似合っていたのは私見で最高傑作の「ラストダンス」と思うが、お人柄というか、引退宣言は柄じゃないという言葉も、最後の作品を観て自らダメ出ししてやめたのも格好いい。所作や手がきれいでキザなんだけど嫌味にならないのは本当の二枚目で誰も手が届かないし、ご自身の人生そのものが完璧な役者だったという役者さんはもう出てこないんじゃないか。静かに死にたいと、静かに去っていかれ最後まで格好よかった。美学に心酔。たくさん楽しませていただきました。ご冥福をお祈りします。
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東大生が注目する就職企業ランキングに驚く
2021 APR 3 11:11:35 am by 東 賢太郎
【東大生が注目する就職企業ランキング1位は?–2位アクセンチュア、3位ソニー】
オープンワークは3月23日、「就活生が選ぶ、就職注目企業ランキング(大学別編)」を運営する就職・転職のためのジョブマーケット・プラットフォーム「OpenWork」で発表した。
同サービス内で22卒の学生ユーザーが検索した企業を集計したもの。今回は、東京大学2,656名、京都大学1,762名、早稲田大学5,272名、慶應義塾大学4,453名、MARCH(明治大学・青山学院大学・立教大学・中央大学・法政大学)1万2,450名を対象にそれぞれランキングにした。
(以上、2021/03/23付のマイナビニュースをコピペ)
「検索数多い」=「就職注目企業」かどうかは知らないが今どきの世の中だからそうと仮定するなら、野村総研の1位はともかく野村證券の東大5位というのは信じ難い。驚異だ。僕の頃、野村證券は早慶が各々3,40人の会社で東大の同期は5人しかいなかった(1人はすぐやめた)。狭き門ではない、証券はいまの言葉ならブラックのイメージがあって(現に入るとそうだったが)非常に、極めて、東大生には人気がなかったのだ。「銀行から証券への時代になる」と口では言っていたが言ってるそばから信じてなかったし、駒場時代のクラスでも金融に行くとなるとほとんどが安全第一で世間体も良い銀行にという時代である。かくいう僕も銀行員の親父にそう説かれて羽交い絞めされかかっていた。それが今や銀行は20位に入ってもいない。おそらく本筋の官僚志望にもその傾向が出ていると思料する(とするなら、政治に起因する国家の質を揺るがす問題の可能性がある)。なぜなら官僚の母体である法学部の人気に異変が起きている。2019年の入試で開闢以来初めて文Ⅰ(法学部)と文Ⅱ(経済)で合格最高点も最低点も文Ⅱが上だったと聞いて仰天したが、そんなことは当時あり得ない。この事実は東大生の方が「変質」していると解釈する余地がある証左だろう。
本ブログは東大生がかなり読んでくれているそうなので、以下先輩の親心で書いておく。大事なメッセージはというと就職は人気で決めるなよに尽きる。君ら株なんかやったことないだろうが、経済現象を理解するに株ほどいい教材はないし、そんな経験すらないのがいっぱしに経済を語ってコンサルですなんていわれてもね、僕なら5秒で坊やおとといおいでになるね。学校で教えないことが実は一番大事でしたというのが日本の悲劇の根源なのよ。騙されたと思って小遣いで好きな銘柄を買ってごらん。ランダムではなくちゃんと理由を考えてね。誰もが「いいね」「安心感あるね」「時流だね」という銘柄は見事にすっ高値だという確率が高いことをやがて悟るだろう。むしろショート(空売り)した方がいいと。就職もまったくもって、そうなわけだ。これは会社の問題ではなく、より重要な意味で、「株価」(valuationという概念での株価)の問題なのだと書いてわかるだろうか。例えば “超優良企業” が株価1000円なら「買い」でも、2000円なら「売り」になる。これが相場というものだ。その間に会社は何も変わってないのにである。相場においては会社でなくvalueを買っている。これが腑に落ちない人は民間への就職はやめておいた方が無難だよ。value、valuationとは何か?こんなのはその辺の本にいくらも書いてあるから説明は省く。
しかし普通の人は(東大生でも)そんなことすら知らない。ウブでオボコいとしかいいようもない。政府はもっと知らない。だからニーサをやれば国民の株式保有が進むと思ってる。自分が株を持ってもいない役人の考えることだ、あまりの能天気に笑うしかないが、株がこんなに上がると株保有の有無で国民のディバイドが歴然としてしまうから笑える問題ではない。簡単に書けば、みんなが良いと思えば当たり前の需給関係の結末で相場は上がるわけだ。しかし相場という概念が脳にインプットされてないからそれを見てますます確信をこめて2000円でも高い”超優良企業” 株を3000円で買う人がいる。驚くべき現象と表現するしか僕にはすべがない。我が国の就職戦線はそうやって動いている。人気があるから?そういう100%イロジカルかつ非本質的な情報で大事なことを決めるのはインテリジェンスがない人間だけだ(はっきりいえばバカ)。僕はいたるところでそう書いたり言ったりしてきた。でもね、それで気がついたんだが人間ハタチにもなっちゃうと知らず知らず自分の思考回路が確立していて、そこからはみ出した意見は理解はしても取り入れなくなる。頭がいいとかえって間違って固まるからもう始末に負えない。教えても無駄なのだ。勉強は大秀才だったのにそういう人は驚くほどたくさんいるよ、昔の超優良企業にね。
株を買うとは株主になることだ。就職するとは社員になることだ。株主になっていい事がない会社に人生預けるか?株は損切りできるが人生はできないよ。つまり、10年後には株価が10倍ぐらいになってるだろうと思う会社に入りなさいということだ。10年前のGAFA、Teslaがまさにそうだ、実感としてわかるでしょ。もっと言えば、その会社の成長の原動力を学んで盗んで、自分で会社作って儲けなさい。そのぐらいの気概じゃないと中国人にいい所をぜんぶ持っていかれるぞ。中国の学生トップレベルの受験戦争は日本の比じゃない。北京大、清華大に入れないセカンドランクの高校生がハーバード、スタンフォードに行ってる(日本と逆だ)。米中対立でアメリカ留学できなくなったからそれがどんどん日本に来てる。親はみんな富裕層で、カネを持ったら次は教育であり、マンションをぽんと買ってやる。高田馬場に10ぐらいVIP中国人用の受験予備校があって大盛況だ。昼は数学やって夜は日本語をやる(我々の英語に相当、ハンディじゃない)。猛勉強してすでに東大に何人も合格してる。院や留学生じゃないよ、我々とおんなじ入試で正面突破だよ、中国語で受けられるからな、ちょろいと思ってるんじゃないか。
君たちが30ぐらいになるころ、断言するが、日本国内ですら最強のライバルは中国人エリートになる。当然だ。あと7,8年で中国はGDPでアメリカを抜く。その世の中でそうならない理由などあるはずがない。そこで彼らは英語、日本語、中国語の完璧なトリリンガルなのである。需要がないはずがない。アジアで日本人だけが優秀なんて思ったら大間違いである、英語、中国語はおろか日本語の読み書きもまともにできない日本人なんて需要はまったくない。だから僕はこれから日本在住の30代の中国人たちと戦略的業務提携をすることに決めた。そしてもっと若い中国人エリートをどんどん高給でスカウトする。つまり、すでに彼らは君たちのライバルなのだ。株価の予測なんて習ってないしできない?ジョークだろ、それはとてもまずい。僕の周囲にいる中国の若者にそんな子は一人もいない。株式に対する興味は凄まじく、日本の難関大学卒で日本語は敬語を完璧に使いこなすレベルであり、ビジネスは僕の門下にいる。ゼミみたいなもんだが題材は実際に金が動く投資であり億円単位の企業買収である。「君は僕が30の時より優秀だ」と言っているY君は親御さんがスコットランドにお城を持ってるが、彼はそんなのなんとも思ってない(ここが日本の金持ちのボンと決定的に違うのよ)。40のころ彼の資産は1000億円にはなってるだろう。
そもそも君らはハタチにもなって失敗を知らないうえに世間でとーだいせーってちやほやされて、ものすごくそういうことにオボコいのだ。だからそのノリで就職して世間に出て社内の手練れのワル(どこでもいっぱいいる自分だけかわいい狼みたいな奴らだ)にひっかかるといいように手足にこき使われてしまう。受験で鍛えてるから仕事早いし正確だし徹夜する耐久力もあるし、なによりド真面目だ。学力の著しく劣る国会議員のアンチョコ書かされて貴重な時間を空費する官僚の諸君など本当に気の毒でならない。そこまでしても人間は可愛くなければ往々にして使い捨てにされて終わる運命にあるのは昨今の某省の事例でお気づきだろう。東大卒はプライド高いし一般にあんまり可愛くない。下手すると他大卒からいじめにもあう。だから賢い者は戦略的忖度という策に走る。それは方便として間違っていない。ところがそれが諸刃の剣で、バカが上に来て下手に迎合でもすると想定外である便利屋の評価が固まってしまう。そうするとそのまんまトシとってスーパー総務課長代理みたいになって人生を終わるなんてこれまた気の毒な運命になる。企業は東大生を一応は幹部候補生として採るわけだが、うまく育たずハズレになっても構わない。仕事はリライアブルでステイブルで給料は安い中間管理職の存在はありがたいからである(役員が楽できるからだ)。それも見込んで一定数は必ず採用する構図が出来上がっている。別に頭がいいからではない。つまり実はそうなっちゃう人が多いということの裏返しでもあり、出れば安泰なんて時代は僕の頃ですらとっくに終わっていた。
東大卒の肩書は爺ちゃん婆ちゃんが鼻が高いと喜んでくれる程度のもんで何の足しにもならん。世の中は甘くないと心得ろ。ハズレになりたくなかったら三国志を熟読することをお薦めする。古今東西共通、人類永遠普遍の「修羅場の原理」が書いてあるよ。君たちのアンチテーゼの元東大生による本ブログは人生をかけて書いてきて2500タイトルぐらいにはなった。東西の証券ビジネス最前線で40年戦ってきた思考のエッセンスだ、くだらない本に2000円も払うよりはましと思うよ。ところで、検索数5位の野村證券だが、ニューヨークでヤクザな韓国人が運用してるファミリーオフィスでマージンコールがひっかかって2200億円の損失計上するらしい。ゴールドマンら米系はうまく逃げた。記事の情報しか知らないが、アルケゴス・キャピタル・マネジメントのこいつは昔タイガー・マネジメントにいて大博打を貼るので有名な手練れの男だ。所詮は証券業はヤクザな商売なんだ、アホなヤクザはケツの毛までむしられるだけだよ(こういう手合いは手数料はくれるが危ないから僕は絶対に商売しない)。しかしまあ野村ともあろうものがプライムブローカーなんてフェイクで安直な金融業もどきでこんな奴のクレジットとるとはなあ、いい会社というかずいぶんオボコい普通の会社になったもんだのう。勘違いの東大卒だらけになって沈没しないといいが。
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飲み会を絶対に断る男
2021 MAR 3 1:01:46 am by 東 賢太郎
証券会社から銀行に移籍してなるほどこれは違うと思ったものがある。母体が銀行といってもやってる業務は証券だ、ここでそれということは本丸では相当な差があろうかというもの。飲み会だ。
銀行員と証券マンは違う。「東くん、君らはファンファーレから入るけどね、僕らはお葬式から入るんだ」と教えてくれた役員さんは、証券マンほどお葬式の翌日から入る人種はないことをご存じなく証券業に入られたという意味でとても銀行員だった。各所で飲み会をしていただいて有難かったが、商売や人生の基本原理がまるで別物だから犬の集会に猫が一匹まじったみたいなものである。
「いいネクタイですね」。猫は毛の色まで珍しい。お酌をくれながら「野村だと毎日でしょ?」「いや、僕は年3回ぐらいですかね」。シーンとなる。大学で全優だったんだろうなという感じの女性からおそるおそる「あのう、ニバンゾコって何ですか」とあさっての質問が飛んでくる。「チャートで二番目の底です。僕もよく知らないんですよ、何の意味あるのか」。禅問答が10秒で終わる。まあこんな塩梅であんまり酔いが回らない。それなりの酒宴の在り方は面白くはあったがネクタイはちまきの宴会部長は1年待っても出てこないだろう。
驚いたのはそれだけでないが、もっと驚いたのは、「そんなものはいいんだ、ここは証券会社だ、そのために来てもらったんだから君の好きなようにやってくれ」といわれたことだ。後に社長になられる横尾常務(当時)だ。これを男冥利といわずしてなんだろう。31年サラリーマンをやって一番高揚感を覚えたのはこの時だ。自分をほめてもいけないが、モチベーションが上がると猫が豹に変って気がつくと自分でも信じ難い結果が出てしまっていることが幾度かあった。この時もそれだ。
そういわれたからといって証券流飲み会を決行したわけではない。なぜなら興味がない。若いころ盛大にしていたのは仲間と群れる時間が潤滑油として必要だったからだが、麻雀がわりのカジノと土日のゴルフの方がずっと多かった。それをここでやるわけにもいかず、結局120名の部下とは仕事現場でのつきあいだけで潤滑油はなし、しかしそれでうまく歯車が回ってしまうのだから銀行の組織力は大したものだと感嘆した。野村の組織力も強いが、人的つながりに依存するのでどうしてもプライベートで腹を割っておく必要があった。
サービス業でなく研究者のような就職をしていたら良かったと時々考えることがある。理系だったら本性のまんま「飲み会を絶対に断る男」で通して楽だった気もする。しかしそっちの世界はもっとヨイショが必要だよという声もあるので上司の不興を買って討ち死にしてた可能性も高かろう。たまたま入ってしまった証券界で生き延びたということは本性をかなぐり捨てて妥協してきたからである。そして、ということは「飲み会を絶対に断らない女」とあんまり変わらないのではないかという結論に至ってしまうのである。
総務省No2まで昇りつめた山田真貴子氏は「断らない女」を妥協というより功利で積極的に演じたのではないか。それはそれで生き抜くための立派な戦術だ。サラリーマン道では僕より一枚も二枚もうわてな人なのだろう、何事であれ達人には敬意を払うポリシーだから悪いという含意はないつもりだが、しかし、自分の人生もそれだったとなると全く認め難いものがある。妥協していたのは認めるが、野村から出たのはそれをもう一切しないという決断であり、そんなことをせずとも力だけで評価してくれたみずほ証券には心よりの感謝しかなく、もちろんその力を涵養してくれた野村は棺桶に入るまで「我が母校」である。
おかげ様でいまや「飲み会を絶対に断る男」にすっきりさっぱりと回帰し、達人の仕事をしてくれる部下、仲間たちと楽しくやっている。敵味方なくファインプレーが出れば達人だねえと愛でる、仕事でも趣味でも完全にそういう人間に生まれついていたのだということが自分でよく分かってきた。達人だなあと思う中身は年齢とともに変わっていくことはあるが、あの誰も抑えられなかった王貞治選手をワンポイントで三振にとる大羽進投手は凄いと小2でカープファンになった素地はそのまま三つ子の魂である。
だから、これからのビジネスもそうなのだと考えている。長年白人と仕事し、白人社会で生活してきた。でもそれが三つ子の魂ではない。そのことはスイスから異動になって香港チェクラップコク国際空港に家族と降り立った時、不意の衝撃として天啓の如く悟ることとなった。空港の雑踏でもみくちゃにされて周囲を見渡すと、みな髪の毛が黒いということだ。当たり前ではないかと笑われようが、まるで別な惑星で異星人の集団に取り囲まれたような気分に陥っていた。しかも、鏡を覗けば何のことないそこに写る自分はその異星人なのだ。不思議の国のアリスが目が覚めたとき、きっとこんな気分だったにちがいない。
そんなばかな、大袈裟なと思うかたには、少なくともまず欧米のお好きな国で14年の歳月を過ごしていただき、ある日突然の電話で「次は香港に2年半住みなさい」と有無を言わさず命令されていただく必要があるだろう。ノムラ・インターナショナル・香港のでっかい社長室に次々と押しかけてくる人達にそんな気分を微塵も悟られぬよう注意を払いつつ、何日かはアリス状態から頭が切りかわらない。さらにもう幾日かを経て、恥ずかしながら初めて悟ったことといえば、いかに自分から日本人目線が抜け落ちてしまっていたかということ、そして、日本人が東洋人の一部だという意識のかけらもなくボ~っと生きてきたのかということだった。
三つ子の魂は日本にあるに決まっている。しかし自分は東洋人だから香港です~っと吸い取り紙にインクが浸みこむみたいに受け入れてもらい、500人の部下とパイチュウで倒れるまでカンペーカンペーの飲み会をする必要もなく長年そこにいたかのように仕事ができた。中国や韓国やベトナムのビジネス慣行はとんでもなく違っていて失敗もしたが、東洋人という最大公約数から糸をたぐっていくうち何がなぜどう違っているかが分かってきた。日本人だって、東京人の僕に大阪の文化は驚天動地だったじゃないか。この発見は非常におおきい。なぜなら証券ビジネスという心理の機微や綾が非常に重要な要素を占めるものにおいて、飲み会や大宴会よりそっちの理解の方が実は部下やお客さんには本音で望まれていたことのように思うからだ。
不思議なもので、コロナで禁止されると飲み会やりたいなあと思ってる自分がいる。なんてあまのじゃくにできてるんだろう。「断る人は二度と誘われません。幸運にめぐり合う機会も減っていきます。多くのものに出会うチャンスを、愚直に広げていってほしい」(山田真貴子広報官)。いいこと言うなあ、やった人しか言えない、ビジネスを志す人は耳の穴かっぽじって聞きなさい、まさしくその通りなのである。男だ女だなんか関係ない、そのぐらいの覚悟と犠牲がないとNo2まで昇るのは到底むりだ。7万円が高いか安いかは接待する側がおもんぱかるもので、出てしまった饗応を断るすべはない。もったいなかったね、行ってしまったのがまずかったですな。
ところで、若い人にそう言いつつ、僕はもうそういう幸運やチャンスはいらない。ときに何の話題がなくても一緒に酔っ払ってくれる人は大事だったんだなあと思う今日この頃だ。
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飲み会を絶対に断らない女
2021 FEB 25 23:23:22 pm by 東 賢太郎
まったく記憶がないが、母親に芸大に行きたいと言ったことがあるらしい。あんなに音楽が好きなら行かせてやればよかったわと妻が茶飲み話にきいたのを最近きいたというややこしい話で、いいよといえば行けたと思っているとても世間知らずな家庭だったということでもある。
銀座で音大卒の子に男女比は2:8でしたときいて頭がくらくらした。大学のクラスは50人いて女子ゼロであり、そこまで共学だった僕としては野郎だけの宇宙船で月面に不時着したみたいな気がしたものだ。あそこに女子がいたら?いやもういるだけで間違いなくモテただろう。とすると、その逆である音大は?
そんなある日、サントリーホールでのことだ。舞台を黒装束で埋めつくすオーケストラをぼんやり眺めながら、なにやら釈然とせぬものが頭をよぎった。男のが多いじゃないか・・・。この事実に対する釈然とする説明には出会ったことがない。2:8の母集団から任意に8:2の集団を得る確率は非常に低いのだ。
「あっ、オケは入れません、難関です、欠員が出ないと」音大卒の子は平然と言った。それを埋めるオーディションに百人も来るという。そうか。とするとほぼすべての楽器において男の方がうまいということになる。それはないだろう、変じゃないか?なんか差別でもあるの?
どこかの医大の入試で男子の点数にゲタをはかせていたことがあった。あれはあれで理由があったと聞くが、オケにも業界の裏事情でもあるのだろうか。男は食うために必死で女を蹴落としてるのだろうか、それとも学校や先生や先輩のコネをつたって理事会や幹部に接待攻勢でもかましてるのだろうか?
こういう話になると、多くのサラリーマンの脳裏をよぎる言葉がある。「つきあい」だ。「あいつはつきあいがいい」、こんなんで出世が決まるんだぜ日本は。ロンドンのパブでそういったら「ボス、じゃ俺は夜に出勤するぜ」とオカマっぽいのが乾杯してきた。バカそっちじゃねえ。それ以来、社内でツ・キ・ア・イは英語になったが僕はカンパニーと言ったらしい。
「おい行くぞ、カンパニー」の一言で5,6人ツキアイが集まる身分になったのは課長になってからだ。まずソーホーでささっと中華飯を食い、リッツホテルのカジノにくり出す。じゃあ明日な、で帰宅すると2時ぐらいだ。「明日な」とは8時にゴルフのティーオフするから来いという意味である。問答無用であったため、実はここで出世は決まっていなかったが。
女子の総合職が初めて入ってきて、そのカルチャーは少しだけ変化したが、初めて本社勤務で帰国した僕は大いに面食らった。当時の野村の下士官クラスは僕のような野蛮な男ばかりだ、きくと同期もみんな女性様の扱いにそれなりに苦労していて、課の飲み会は必ずやさしい笑顔と猫撫で声で「行く?」とお伺いをたて、断られない努力をしていた。
しかし女子も野村に入ってくるのはタフだった。超高学歴で英語ネイティブだがお高くとまらず、飲み会を皆勤して男を手玉にとる人が現れるのは時間の問題であったのだ。みなの前で誘って「いたしません」されては新米課長は格好がつかない。飲み会を絶対に断らない女は時に神で頭が上がらず、こうなると学生時代の大事な四年間を月面で過ごした弱みはあなどれなくなってくる。
多くの女性と働いてきたが、みなこっちがどれだけ会社で大変か知っているのは楽ではある。しかしアフター5は口も滑らかだし、皆勤賞だと組織の構図を色々読めてしまうだろう。勘の冴えた女性だと意見を聞いてみたくもなるがこっちも品定めされてるかもしれない。幸い僕は良い人ばかりに恵まれたが、まあ色んな書けない話があった。大企業のポリティックスはジャングルみたいなもんで何が飛んでくるかわからない。真面目な男性のみなさん、脇が甘いのは禁物だ。
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2021年の正月に思ったこと
2021 JAN 3 23:23:13 pm by 東 賢太郎
昨夜も1時間半の海外とのビデオ会議でした。コロナに年末年始はありませんが、我々の熾烈な世界にもないのです。頭はそれで一杯で、箱根駅伝を見て勝負は怖いなと思ってますます身が引き締まって、正月気分とは関係なく過ごしています。それでも、自分を良い状態で保ち、家族と猫と平穏に過ごし、毎年同じお節料理をいただき、家内は関西ですが子どものころと同じ関東の雑煮を作ってくれる。我が家にとって、とても大事なことです。ソナーという会社の命運も、そうした僕の良い状態にかかっています。
お客様は4か国にわたっていますが、必要としていただいているものは我々のインテリジェンスです。それで十分な報酬、ご信頼を頂いています。去年は初めて「サムライですね」といわれました。嬉しかったのは自分のことではありません、日本人が尊敬されていることです。
お金に関わるビジネスですからいろんな情報が入ります。出所は書けませんが、youtubeには良いチャネルがたくさん現れており、良質な情報はどなたも無料で入手できる時代です。皆さん、今や新聞・テレビは無用の長物です。そんなものだけに頼って生きていれば無知になるどころか洗脳までされます。
今年は米国と中国で歴史的地殻変動があると思います。トランプが勝ちます。バイデン・ハリスは吹っ飛び八百長選挙、証拠隠滅、虚偽報道に加担した連中は牢屋行きでしょう。中国にその反作用が及びます。日本国が無縁であるはずがなく、それを国民に意図的に隠す本邦メディアは重罪です。全部潰してもいい。
菅政権も何をしてるのか。国家元首が国家観ありませんなどジョークにもならない。バイデンに祝辞など外務省のインテリジェンスの無さも甚だしい。トランプに飛び込み外交した安倍氏のセンスが必須の形勢になってきたのではないでしょうか。揚げ足取りのショーの技だけ競う野党も一掃される側の人達でしょう。
僕は何度も書きましたが共和党びいきでもトランプ・ファンでも民主主義を憂える正義漢でもなんでもありません。生まれつきウソ、ヤラセ、なりすましが毛虫より嫌いな一市民であり、今回の件は、盗っ人が居直って偉そうに大ウソの説教まで垂れる図式であって、それが虫酸が走るほど格別に気に食わないのです。
それがいかんと思うならこうして糾弾すべきです。我が国は政府もメディアも何もしないのだからやってもいいと思ってるのでしょう。それなら、目には目をで秘密諜報部員を他国に潜入させ、嘘八百ならべて賄賂、ハニトラやりまくってインテリジェンスを盗むぐらい仕事しろ。国益を守るとはそういうことだろう。
日本は米国と対等にアライアンスを組むためだけに憲法改正をすぐにでもして、米国は尖閣はおろか沖縄も守らない最悪の前提で子孫の代の存続を図るしかないでしょう。その上で、米中が「必要だ、組んでくれ」と擦り寄ってくるインテリジェンスを持って永遠にキープする。他に名案が何かあるでしょうか?
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安い女
2020 SEP 20 14:14:17 pm by 東 賢太郎
「ワタシ、そんな安い女に見える?」。どういう成り行きだったか、言われてぎょっとしたことがある。いつどこだったのかさっぱり覚えがないからひょっとして夢だったかと思うが、たぶんそうじゃない。女が酔っ払っていたのを覚えてるからだ。いくら若いころでも見知らぬ酔客を口説くなんてことは僕はない。しかし、それなら、じゃあなんだったのか、まったくわからないのである。
安い男ってのはない。男の価値はカネで測れない暗黙の了解があって、口にしたら血を見るかもしれない。もちろん女だってそうなのだが、それを自らぶち破る言葉が飛び出したものだからぎょっとしたのだ。およそ品はないが今になってなかなかハードボイルドである、アイリッシュの幻の女はきっとそんなだったろうという気がしないでもない。
なぜって、「安い」というところに有無をいわせぬインパクトがあるではないか。「兄ちゃん、わて、そんな安もんとちゃいまんねん」こう来たら笑って返すのだ。「おおこわ、高うつきそうでんな」。大阪は都構想が無くても一個の国である。商都文化の蘊蓄でできた大人の練れまくった会話が街でも漫才でも並立する。東京の人間関係は浅薄なもんだ、この会話が成り立たないのだ。
「罪と罰」で高利貸しの老婆を殺したインテリ頭のラスコーリニコフに罪を告白させ自首させるのは、他の誰でもない、売春婦のソーニャである。ロシア正教を盲目的に信じる無知な女だが、地球が太陽を回ってることを知らなくても女は男を動かせる。もしも僕が演出家でこの劇をやったら、インテリ頭は東京弁に、ソーニャは迷うことなく大阪弁にする。
東京ドームで阪神戦を観ると、あなたは7回の表と裏に2度、古関裕而の名曲を聞くことになるだろう。「六甲おろし」と「闘魂こめて」である。福島生まれの作曲家が音で描いた大阪と東京にどちらのファンも何ら違和感なく浸っているが、そんなのはかわいいもんだ、彼は国家も描ける。「東京オリンピックマーチ」である。まさにTPOを心得たモーツァルトの職人技だ、感嘆するしかない。
甲子園に鳴り響く勝利チームの校歌はあまりにつまらなくていつも早く終わらんかなと思ってる。2,3分で限られたコード進行でやれというのも無理があろうが、大方が作曲が素人くさい。安いのである。かたや、こういうのを我々は知っている。本邦音楽史上、最高傑作の一つである涅槃交響曲の作曲家、黛敏郎のNTVスポーツ行進曲だ。
たった1分。それでこのインパクトである。校歌ではないが条件は一緒だ。その昔、プロ野球は巨人、巨人は日テレだった時代、この曲を聴くと胸が高鳴った。サビの部分があって普通そこまで行かないが、このビデオのメインテーマの1分で心拍数が2,3割増え、しかも、何度聴いても飽きないのである。そういう音楽をクラシックと呼ぶのだ。要するに、高い音楽である。
この「題名のない音楽界」は今もやっているが素晴らしい番組だ。大衆は安い音楽しか知らない。高い音楽の一端をわかりやすく教えてくれ僕もとても勉強になったが、収録当時の会場にいる聴衆もこうして見るとそこそこレベルが高そうだ。紅白歌合戦とは違う。黛さんは「スポーツなんかいらない」とのたまわっている。僕はそうは思わないが、音楽家にはきっといらないだろう。というより、サッカーもやりますロックも好きです実はオモロイ人ですよなんてのは、本当にそうなら結構だが、大衆に寄せようという醜い欺瞞以外の何物でもない。
「ワタシ、そんな安い音楽家に見える?」
モーツァルトはいつもそう言いながら欲求は満たされず死んだが、その音楽は高かった。ゴッホの絵は生前は数枚しか売れなかったが、けっして安い画家でなかったことが後日わかる。
大衆に寄せようという欺瞞を盛大に執り行っているうちに、存在そのものが欺瞞な人の集団になってしまったのが今の日本国の政治だ。したがって、後日になればなるほどその安さが見えてくるだろう。
「ワタシ、そんな安い政治家に見える?」
吹けば飛ぶような安い、騒音でしかない常套文句を選挙カーから垂れ流して実は組織票だけ狙ってるアナタ。とっても安いですね。
ヘタすると、あと2,30年もすれば、日本が安い国になってしまわないだろうか?スポーツ行進曲に拍手していた年輩の聴衆の大半はもう世におられないだろう。文化が世代と共に廃退するなら危険だ。強く主張するが、政治は若い世代にまかせるべきである。爺いは退場だ。当たり前だろう、我が世を謳歌した世代が使いまくった膨大な債務を背負うのは彼らだからだ。そして、我が世代は、文化を継承するのである。コロナに負けて灯を消してはいけない。
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私的ポスト・コロナ序論(飛行機の終焉)
2020 JUN 11 17:17:16 pm by 東 賢太郎
これまで我々の業務はリアル(自社で会議、顧客訪問、電話)とバーチャル(メール等、ビデオ会議)に分かれてました。比率は8:2ぐらいでしたが、それがテレワークにしたこの2か月は逆転していて2:8ほどです。リアルの会議、顧客訪問がゼロになり、電話とメールはそのままで、バーチャル会議(ZOOM)が増えているという内訳です。ZOOMの利点は音質ですね。バーチャルの弱点はリアル感の欠如でしたから、飲み会ができるほどそれを補ったというのは非常に大きいメリットです。「すぐそこに相手がいる」感じは画質の良さのせいもありますが、僕的には音質がすごく評価できます。
トータルのイメージはというと、仕事の質は落ちておらず、量はむしろ増えてます。それで感染リスクゼロですから、僕の仕事かぎりで言えば、満足です。
例えば昨日はZOOMのビデオ会議が4本、ひとつ1~2時間ぐらいです。電話も数えたら23本あって増え、朝9時から午後6時まで食事もそこそこでぶっ続けでした。海外とも違和感なくでき、オフィスまで往復で2時間近く仕事できない、東京だけでも4件を一日で訪問するのは時間もコストも体力も無駄、ということを考えると業務効率もテレワークのほうが上でした。
欠点があるとすると、ZOOMは会議の両側がそれでOKという了解がないとできないことでしょう。しかしOKの輪はどんどん広がると予想します。思い出すのは「クールビズ」です。小泉首相が言いだして、即座にみんないいなと思いました。くそ暑い夏に誰もネクタイなんかしたくないのが本音です。でも「してないと無礼だ」と社会が刷り込まれていたので勇気が出ない。結局、クールビズは官庁が先陣を切ってやったのが効きました。お役所もしてないんだから俺達もしなくていいよねとなって民間にコンセンサスができ、一気に広がったのです。
昭和生まれの人しか知りませんが、1989年の昭和天皇の崩御で「歌舞音曲は控えましょう」のお触れが出たのです。このときも同じことが起きてます。当時野村証券は利益が5千億もあって儲けすぎの批判があり、カラオケで殴られた奴が出たらしいと社内で噂になりました。それでバッジは(はずすと違反なので)裏返しにつけて行くようになったのです。
ところがだんだん「接待だからってそこまでして行くか?」の空気が社内に流れ始めました。すると接待される側のお客さんもそうだよねとなってきて、「実は私、あんまり好きじゃないんです」みたいになってカラオケ接待は自然に消えました。奥様達にはわからないでしょうが、ああいうのは旦那が好きでやってるんじゃなくて、ネクタイと一緒ですね、みんなやってるから仕方ないお仕事なんで、この時も会社からやめろとなったのではなく、双方がやる意味を感じなくなって自動消滅したのです。
そんな感じで世の中はじわじわっと変わっていきます。
いま、同じことがいろんなところでコロナでおきてます。まだはっきりとは誰にも見えませんが、2,3年のうちに社会現象として出てきます。ひとことでいえば「バーチャル慣れ現象」です。長いこと家にいて誰もがネットにつながる時間が増えてます。するとだんだん、ネットで見るものをリアルだと感じられるようになってきます。無意識にそういう「置きかえ」が脳内で回路化されるからです。リモート飲み会がいい例ですが、そんなのいらんと言ってたのがやってみたらハマったという人がたくさんいます。そうやって人は環境に適応していきます。バーチャルでもおんなじだねとなってくると、リアルに高い金を払うのがアホらしくなってくる。それが人間というものです。ネクタイ、カラオケ接待は日本だけの話でしたがコロナ禍は世界共通の現象です。「バーチャル慣れ現象」はクロスボーダーで、いまは誰も予想もしてない莫大な規模で起こります。
その昔、エールフランスとブリティッシュ・エアが事業化したコンコルドという飛行機がありました。超音速でニューヨークからロンドンに3時間で着く。通常5時間です。2時間短縮するのに1stクラスの2倍の料金がかかります。それを払ってペイする時給の人がそんなにたくさんいますか?ということですね。いないから2003年に。コンコルド事業は潰れました。とてもわかりやすいですね。
いちど乗りましたが内部はエコノミーというか、新幹線の自由席をさらに狭くした感じです。爆音+キーンという音で2万メートルまで昇ってスピードメーターはマッハ2を超えました。ジャンボの倍です。空は成層圏で青黒く、二重ガラスの窓は空気摩擦で触るとあっちっちとなるほど熱い。高い料金払うなら1stクラスのサービス受ける方がいい、それで5時間かかってもいいと思いましたが、そんな思いを補って余りあるほど「速い」ということに価値があったのですね、当時は。搭乗記念品をいろいろくれましたが興味ないんでどっかへ行ってしまいました。思えばあれは強烈な「三密」でしたんでね、仮に復活しても誰も乗らないでしょうし、経費申請して通してくれる会社はもうないでしょう。
さように、高速で移動すると得して儲かる時代はもう完全に終わりました。ロスチャイルド家の資産はナポレオンの戦争敗北のニュースを誰より早めに仕入れたからできましたがそれは200年前の話です。今やニュースはネットで瞬時に流れますから速さの価値は確実にゼロです。まして人が短時間に行き来することに経済的優位性など既にまったくなく、もはや個人の趣味の世界でしかありません。つまり飛行機の出張などカネをどぶに捨てるようなものであり、安価で目的は100%達することのできるZOOM会議に置き換えないと株主総会で経営者が糾弾される時代に確実になっていきます。
ウォーレン・バフェットはそう結論して、保有していたエアライン株を一株残らず売りました(大損にもかかわらず)。利益率の高いビジネス需要は激減して、もう元には戻らないと、つまり民間航空機はネクタイ、カラオケと同じ運命になるという読みです。僕も同感です。むかし社内で「不要不急の海外出張の禁止」とお触れが真面目に出て笑いを誘いましたが、そもそも日本の大企業のお偉いさんの海外出張は今も昔も物見遊山だったのです。だから外国行きたい人は自費で行ってねってことになります。でも三密のエコノミーなんか誰も乗りたくないからなくなって、LCCでもビジネスクラス仕様の座席になって海外旅行はこれから高くつくでしょう。僕は若者は海外へ出ないと遅れると主張してきましたが、コロナで人のモビリティが世界的に減るので条件はいっしょ、そうも言えなくなりますね。
いま個人的には温泉に行きたいです。あと日本各地のうまいものが食べたい。海外旅行は猫も杓子も行くものでなく昔のように富裕層の贅沢品に戻って、代わりに精度のいいVRが出てくるでしょうね。高性能360度ヴィジョンで完全に外国に行った気になれ、墜落の心配はないしめんどうくさい外国語をしゃべる必要もないし、実際に足を動かして歩けば名所めぐりのめちゃリアルなVR散歩ができ、恋人と手をつないでヴェルサイユ宮殿やナイアガラ瀑布で食事(マックかコンビニ弁当だけど)ができ、音もリアルにシミュレートされてウィーン国立歌劇場でオペラが高音質ヘッドホンでVRで臨場感たっぷりに観られる。ソフトは世界中を網羅してタンザニアのライオンの群れの中から南極のペンギンのコロニーから月面、火星までなんでもあり。安心だしチョイスはユニクロみたいに趣味に合わせて豊富だし、なにより激安だし、グーグルあたりが本気でやればすぐできちゃう。そうかなと思われるでしょうが、「バーチャル慣れ」に進化した人の感覚はもう今の我々と違うので、それで十分楽しめてしまうでしょう。
4,5年後にコロナのワクチンができようと致死性のウイルスは永遠に絶滅はしないから三密だけは死ぬまで避けるつもりです。となるとリアルの旅行は自分の車で行ける箱根ぐらいまで、セーブした飛行機代は宿泊と遊びに投入するという新たな重要が出てきます。ホテル、旅館もコテッジ型でクルマで到着して一切ほかの客に会わずにワールドクラスのサービスを受けられるスタイルが出るはずです。僕はオーストラリアの某ホテルのコテッジが気に入ってますが、あれが箱根か葉山あたりにできれば1か月入りびたってもいい。10なん時間も狭い機内で外国人と同じ空気を吸うのはエアロゾル感染で実に危ない。清潔で倫理観が世界一の日本にいるのが安心です。高い金払ってそんなリスクを犯さなくても東京の近場でいいところはいくらでもあるし、それに金をかけるのがカッコいいという感覚に進化して真の贅沢は近場旅行とVRという人たちが主流になるでしょう。
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