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カテゴリー: 新型コロナ・ウィルス

コロナは「君子」を炙(あぶ)りだす

2020 JUL 13 23:23:45 pm by 東 賢太郎

国内で確認された新型コロナウイルス感染者は、13日午前10時現在で2万2713人に上り、前週より2171人増えた。たった1週間で1割近く増えた。3~4月ごろなら蜂の巣をつついたような騒ぎになり「厚労省は何をしてるんだ!」と怒号が飛んだろう。

ところが今はどうだ。この数字を見ても首相はおろか責任者の厚労大臣すら影も形もなく、「東京の問題だ」とする。この人たちは自分が国民に責められ被告人状態になっても、気がついたら裁判長の席に座っている「忍術」の使い手だ。コロナ問題もそれになりつつある。第1波の失敗は専門家会議の責任。第2波は西村と小池をバトルさせて負けたほうの責任だ。裁判長は裁かれることはない。

東京は問題だ(都知事の失政で危ない)と言いながら「どんどん旅行に行きましょう!」である。経済対策は東京の中でやったほうが乗数効果がある。旅行である必要がどこにあろう?ココロは「東京のみなさん地方にお金おとしてね」だろう。とすると形を変えた「お肉券」「お魚券」である。それを「ウィルス拡散は大目に見ます」と税金で支援までする。もしも東京人が期待できなかったら?とても嫌な予感がする。外国人を入れてしまうのではないかと。すると羽田、成田からウィルスが東京に入る。かんべんしてほしい。

海外にはマスクをしない大統領が二人いた。トランプは「感染しても99 パーセントは無害」として1日で6万人(日本の150倍!)の感染者を出し世界一、死者数も世界一。もうひとりのブラジル大統領は「風邪みたいなもの」「みんなかかって抗体を持つべき」として、自分が率先垂範して罹患してしまい、国を感染者、死者で世界二位に導いた。まことに勇壮な両雄である。トップはマッチョを地で行く国々なんだろう、それが馬鹿と言われず選挙で許されてしまうお国柄もあろう。

わが国はどうか。マッチョよりマスクが大事であり、そこは二人と違って合格だ。むしろマスク文化を世界に広げたようだ。しかし「まだ病院のベッドは空きがある」とGo To Travel作戦を決行するのは、彼らと同じほど勇壮だ。ベッドが埋まってから作戦停止しても遅いのだから、重症者が出てきたら誰が責任取るんだろう(いま書いて気持ちが悪かったが、どうでもいいことだが、Go To Travelは英語として変じゃないか、go to Kyotoなら正しいが、それを言いたいのならGo travelだろう)。

冒頭の「1割増えた」だが、これは小池知事の言うように検査数が増えたからでもあるような気がする(原データがないから確たることは言えない)。4月のピーク時は症状がある人だけ検査したから無症状者は入ってない。今回は濃厚接触者である無症状者も検査している。そのサンプリング・メソッドの差が出つつあるのではないか。当時は発症したら検査だった(なかなかしてもらえなかった)からほぼ世の中の感染者の伸び率を反映したが、今は無症状既感染者も検査しに行って新たに確保した人数だから厳密には伸び率ではないかもしれない。

つまり、4月にも検査網にかかっていない無症状者はたくさん市中にいただろうし、今は毎日の伸び率が「発生数」でなく「捕捉数」でもあるからあんまり毎日一喜一憂する必要はないかもしれない。まあそんなことを乏しいデータで憶測するより、23区内の都民全員の検査を強行すべきだろう。それで陽性と出たら全員を病院、ホテルに隔離する。それさえしてくれたら僕は毎日満員電車で通勤するし、飢えているので毎日外食するし、銀座や赤坂にも心置きなく足を向けてカネを使う。皆さんも安心してそうされるだろう。「営業自粛要請はしません」という政策は、表向きはいかにもお店のために見えるが、その政策故にもっと感染が広がると思う客は来ない。お店に限らず、すべての経済活動をむしばんでしまう本当の地獄はそっちだろう。

国民は安心が欲しい。「桜の開花宣言」みたいな「お上のお墨付きご判断」はいらない。ここに至ってそんなもの誰も信用してないからだ。最低限の信用できる情報、データの開示だけでいい。例えば、新宿、池袋、東京、品川、渋谷の駅の乗降客数や、特に混みあうスポットの歩行者数や入場者数をリアルタイムでスマホ配信するぐらい簡単にできるはずだ。行った店で「感染者出ました」なんて何時間もたってから教えてもらっても、もう感染してるかもしれないのに何の意味があろう。行く前からリスクを自分で判断して行動する。それが大人の市民じゃないの。「君子危うきに近寄らず」という。時に豹変もするが、まずは無用なリスクを取らないのが第一歩、それが君子(立派な人徳やすぐれた知識・教養を身につけた理想的な人物)だと古典は諭しているのである。

べつに立派な君子になろうと勧めるわけではない。若者には息をするぐらい簡単なことだ。スマホの現在の数字見て「うわっ、渋谷の交差点増えてきた、いま行くとやばいな」、「池袋は減ってる、穴場だぞ」「東横線、意外に混んでないな」となればひとりひとりが自主的に行動変容するきっかけになるだろう。その変容ぶりを測定すれば有意なビッグデータができ、さらに有効な感染防止策ができるだろう。どうしてそういうことをしないんだろう。国や都がやらないなら民間でできるだろう。東京アラート?何がどうなって、誰が、何の根拠で、いつ判断して橋が赤くなったのかさっぱりわからん、そんなものを都民は信用しない。そんなショーに金かけるんじゃなく、判断材料となる「原データ」をぜんぶ、あっさりと、わかりやすく開示する。それを国民は見て、因果関係を学び、自分で判断して決めるように進化していくだろう。国の運命を左右するのは政治家でも役人でもない、国民なのだ。国民の進化こそがポスト・コロナでの国の在り方を決め、国を進化させ、日本が優位に立っていく道を切り開くだろう。

おそらく、政治家は、自分たちが選良であり賢くて優れていて国民は馬鹿なのだという図式を絶対にくずしたくない。政治家が政策決定するという「お仕事ぶり」を有権者に常に見せておきたい。だから、実は見れば子供でもわかる情報、データを囲い込んで開示せず、「慎重に検討しました」ともったいつけて発表する。これは国会議員が700人も存在するレゾンデトルを作るための有効なパフォーマンスであり、与野党は関係なく地位保全のための “互助会” としてそれをやることが暗黙の了解なのだろう。それで一定数の「他人に決めてもらいたい人々」(フォロワー)を作り、囲い込み、選挙でその人たちが確実に自分に投票してくれれば当選という安定したメカニズムをたくさん作った政党が「与党」になるのである。選挙のお金はそのためにばらまかれるのである。こんな馬鹿な事をやっていたら、予言しておくが、確実に、日本は沈没していく。我々世代はもう繁栄を充分に謳歌させていただいたが、若い皆さんにもそうあって欲しい、だから自分の未来の幸福のために選挙に行った方がいい。そして、その中からこれをぶち壊す若い候補者が出てきたらと切に思う。日本の政治革命をしてくれる選良が現れたら、僕は徹底的に応援する。

スマホを持てばどこの誰でも「発信者」になれ、小学生でも中学生でも、放送局にも芸能人にもニュースレポーターにもなれる時代が加速している。いっぽう、受信者としては、世界から好きなデータを好きな時間に無料でゲットして瞬時に判断に利用できるようになった。スマートになったのは道具だけではない、ユーザーもどんどん賢くなっているのだ。かたや、ファックスという言葉すら死語になった時代にいまだにそれを使って手書きで送り、見られてはいけない賄賂の記録がサーバー復元でバレてしまうことを、隠した者が知らないというお粗末以上に驚くべき日本の政治家、役所の「進化のなさ」は中世の如しである。役所の人たちは東大を出ているが、そんなものは進化の前には無力だ。ハンコは個人的には古典文化として好きだが、といってそのためにテレワークなのに満員電車で出社させられたり、IT大臣がPC使えませんというのはもはや笑えない。世代だから仕方ないというなら60才以上は議員も役人も全員無条件で引退してくれというぐらい国家の存亡のかかるリテラシーだ。

選良の作るはずの政策がお粗末なのは、選良でないからだ。お友達が選良と思ってる人が選良であるはずがない。個人がどうであれ、組織としてそうなればいいのにそれすらできない。知らないからだ。台湾のIT大臣はすばらしい政策を練り、難なく実行した。あれこそ国民の命を守る政治家の姿であり、選良であり、閣僚として圧倒的に若い彼を見つけ出して任命した蔡英文首相こそ僕は選良の上に立つ「君子」だと思う。女性であり、コーネル大学修士、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス法学博士であるが、それが君子の要件ではない。政治家として優秀だからの一言に尽きる。彼女を選んだ台湾国民も見事だが、候補者にこういう人がいたということがまず幸福だった。日本にもきっと、若い世代には、君子の候補がいると信じる。派閥の力学とか当選回数とか、国民の幸せにはまったく関係のない世界でトップが決まる。まず、その力学の構造を壊す人が出てこないかなあと渇望している。

 

 

 

 

 

「Go To トラブル」キャンペーンは乗らない

2020 JUL 12 0:00:38 am by 東 賢太郎

プロ野球に観客が戻った。少し不安に思ったのは、席はまばらに売ったのだろうが、場所によって三密になっているように見えたことだ。インタビューを受けたファンがこう言っていた。「やっとここまできました、嬉しいですね」。気持ちはよくわかる。しかし、政府が手綱をユルくしたから「もう大丈夫」なんてことはまるでない。人間はしばらく我慢してやった気になっているが、それはウィルスには関係ないことだ。

本稿を読まれると、僕は経済再生政策よりも感染抑止政策に寄っていると思われるかもしれない。その2つは車の両輪でどっちが大事というものではない。僕の仕事は株式市場が好調な方が有難いのは火を見るより明らかだ。したがって強力な経済再生政策が望ましい。ところが、それを不用意にやると市中感染者が増えてコロナにかかるリスクが増える。僕が倒れると会社はお終いだ。株の不調でそれはない。だからまずしっかりした感染抑止政策を望むのである。

東京の「1日200人台」は検査数が増えたからで、同じ検査をしていれば4月の数字はもっと多かったはずだから大したことないと堂々と言われている。これはおかしい。あの頃は「37.5度の熱がある人」だけ検査した。今はその縛りはやめて夜の街クラスターつぶしだ。つまり、サンプル(検査ターゲット)に別々の偏りがあるから数字を比べる意味などどこにもない。ワイドショーの茶飲み話に右往左往するのは見苦しい。

アメリカではアンソニー・ファウチ所長が6月30日、人々の行動が変わらなければ、米国内の新型コロナの新規感染者数は1日当たり10万人に増加する可能性があると上院の委員会で証言した。案の定、7月10日に6万3900人と過去最高の新規感染者が出た。数字を独占していたニューヨークはやや落ち着いたが、フロリダ、テキサス、ジョージア、カリフォルニア等が数字を激増させている。トランプが科学完全無視の俺様経済政策に舵を切り、ニューヨーク現象だったのが中西部に飛び火を始めた。

トランプは責任逃れで「ファウチは間違った」「99%の人にウィルスは悪さをしない」と驚くべき発言をくり返し、大統領選の主戦場となるサンベルト地帯で自ら首を絞めている。彼のコロナ政策を支持する国民は33%しかいない。この数字は「太陽が地球を回っている」と発言しても支持してくれる岩盤層の比率と合致する。それでもトランプ陣営が勝てるとふんでいるのは有権者の40%がバイデンは認知症かもしれないと疑っているからだ。80近い爺さんの一騎打ちだ。これがアメリカとは信じ難い。

日本も似た者同士だろう。新規感染者が増えてくると「専門家会議が間違った」と廃止する。「ウィルスはそんなに悪さをしない」とばかりに「Go To Travel キャンペーン」だ。「数字が増えたのは東京問題だ」と官房長官が逃げ、兵庫県知事も「東京が諸悪の根源」とまで言ってくれる。ほっともっとフィールド神戸で巨人が主催したヤクルト戦、東京のファンが数千人も応援に行ってるがTVを見るとけっこうスタンドは「密」だった。感染者が出たら今度は悪の枢軸に格上げしてくれるんだろうか。

コロナの空気感染をめぐっては、世界各国の研究者239人が連名で新型コロナウイルスが空気感染するとの書簡を専門誌上に発表し、あれほどパンデミックを認めるのが後手後手だったWHOがついにこう認めた。

 

「主に屋内で、混雑し換気が不十分な場所で新型コロナウイルスが空気感染することは無視できない」(WHOガイドライン、7月9日)

 

僕も冒頭に書いた野球ファンと同じでそろそろ箱根の温泉でも行ってみようかなと甘く考えていたことを白状しなくてはならない。もちろんやめる。空気感染というのは、咳、くしゃみでうつる飛沫感染と違う。近くにいる陽性者が息をするだけで感染する。いただけで、しばらくは空気中にウィルスが浮遊する。マスクは飛沫はブロックしてもウィルスは入りも出もダダ洩れだ。

ということは、「三密」をますます厳守ということだ。それしか身の安全を守る方法はない。200人出たら緊急事態宣言になるのかどうか?ついに第2波がやってきたのかどうか?そういうことを井戸端会議で論じるのは一興だろうし、それを仕事にされている方もおられるだろうが、「梅雨入り宣言」「桜の開花宣言」と同じほど僕にとってはまったくどうでもいい事である。やるべきことは変わらないからだ。

ちなみに、誤解してる人が多いが、三密とは密閉、密集、密接の3つだが、「全部同時にやると危険(=3アウトチェンジ)」ではなくて、「どれか1つでも危険(=ワンアウトチェンジ)」だ。それを徹底して避けて、うがい、手洗い、鼻洗浄を励行すれば大丈夫と思っていたが、空気感染という話が出てくるとソーシャル・ディスタンスは2mでは済まないのだろう。

小池都知事が不要不急の他県への移動を自粛するよう都民に呼びかけた。都民だから言うことをきこう。旅行に出ても東京人は諸悪の根源だから迷惑だし、冷たい目で見られてるんだろうなんて気にしながら温泉入ってもくつろげないし、東京問題などといってる政府のキャンペーンなんか乗っかったら「Go To トラブル」になるだけだ。

半年で知った「三密こそ安全のキーワード」

2020 JUN 22 18:18:30 pm by 東 賢太郎

「県またぎ自粛が解除になったので行ってみようと思いました」と笑顔で温泉宿にはいる老夫婦のインタビューを見ていて日本人は本当に真面目だなあとつくづく思いました。緊急事態期間中は「8割オジサン」のいいつけ通り、ほぼいい所まで都会の人通りは減ったと思いますよ。罰則なくても「空気」ができて、コロナ警察まで現れてしまう。空気パワーは罰則並みです。それに加えて国民一人一人に染みついてる、神道の「お清め」にルーツがあるといわれる清潔観念(不浄忌避)は世界でぴか一ときてます。アメリカでは「常にマスクして家で靴を脱ぐ人が現れた」なんてのがニュースになるぐらいですからね、日本の真似など百年早い。

日本の患者数、死亡数が少ないのは世界のミステリーになってます。医学的な理由があるかもしれませんが、やはり「真面目さ」「清潔観念」という数百年の文化の蓄積も大きいと思うのです。麻生大臣の「民度が違う」というのはその意味で当たってますね、だから日本の政治家は楽でしょう、上に乗っかってああだこうだ適当にやっていればOK。それがどんなヘマだろうと民度の高い国民が自分で適切に行動してくれるんですからね、票を買収してでも国会議員になりたいのわかりますね。でもやるなら身銭でやってつかまれ。それを税金(他人のふんどし)でやるなど品性が下劣極まりない。それが法務大臣って泥棒が裁判官やるみたいなもんでしょう?それやっちゃあ人間お終いですね。

ただし政府のしたことで一つだけよかったことがあります。4月3日に海外からの入国制限令を出したことです。オリンピックと習近平ソンタクで甚だ遅れはしましたが都知事も立場上いえなかったんでしょう。でも羽田、成田を通すと東京来ちゃいますからね、東京は一番危険地帯になるんです。ウィルスの防御は、海外から持ち込まない事こそ最善策です。日本人は民度高いですから、入ってしまったものは何とかマネージする。「入り」さえ制すればいい。宣言解除後も数字が増えてないのは政府の宣言が効いたのではなく、入国制限令をまだ解除してないからです。だから、解除するとまたどーんと増えます。それだけです。

緊急事態宣言を解除しようがウイルスが空気読んでくれるわけではありません。でも、日本人が5,6月にどうウィルスをマネージしたかを自分で知ってそれを真面目に続ければ県またぎしようが温泉行こうがそれほど問題ではないでしょう。なぜマネージできたのか?「真面目」「清潔」という世界最高峰の民度のうえに「三密はダメよ」が乗ったからです。海外はソーシャルディスタンシングでしたかね。なんでシングなんだよ、動名詞だよって、そんなのどうでもいいし長ったらしくてすぐ忘れるし、一番危ないソーシャルでない連中にコロナを機にいい子になれっての?道徳の授業かよって。

かたや「三密」はどことなくねちっこいワーディングです。密ってのが妖しくていいですね。僕など即座に壇蜜さん思い出しましてね、彼女にCMで「ダメよ」言わせたら一発だろうなんて家内に言ったものです。東京の話ですが小池都知事の「ダメ」は僕的には効きました、真面目に聞いちゃいました。首相や専門家委員会じゃ効かなかったろうと思うのはべつに彼らの問題ではなく、相手が男だと男は理屈で受け取るからです。ほんまかいなとなって拒否反応が出るか忘れるかしたでしょう。こういうのは女性のが強いですね。

これ、僕だけじゃなく国民的に「三密ヤバい」になったと思うのです。日本がうまくいったからSANMITUは外国でも流行ると思いましたがまだなってませんね。何がヤバいかこまめに分類して3つ束ねて覚えやすい標語にする。この知恵と文化にミステリーの謎があると思いますよ。そういう文化がないから海外は数字がああなったんだと思ってます。ブラジルなんか大統領が俺はマスクしない、全員が一度かかって抗体を持とうと勇ましくて大丈夫かと思ってたら数字が爆増してカウント公表差し止めになっちゃった。彼はSANMITUを小池さんに学んだらいいですね。それで経済が一時は止まりますが、どこかで+-の均衡点が見つかる。それは国の民度によるから絶対の基準はなく、三密しながらオープンにする試行錯誤の経験値を積み重ねればいいわけです。

そう考えますと、これからワクチンができる数年後まではウィルスと同棲していくわけだから日本流の「三密回避型ポスト・コロナ社会」がそのうちできあがって、世界の賛美を得ながら規範になる気がします。「三密がヤバい」ことだけは確かだから、各人、各業界が三密なしでどう生き延びていくかを日々必死に模索するしか手はありません。かつても今も誰も経験したことはなく政治や学問が解決法を教えてくれることは絶対にありません、生活の知恵みたいなものです。逆に、どなたでも、家庭の主婦でも学生さんでも一気に世界を変えられるかもしれません。

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ぎょうさんやぎょうさん、無量大数や

2020 MAY 13 23:23:30 pm by 東 賢太郎

一、十、百、千、万、億、兆、京、垓、 杼、穰、溝、澗、正、載、極、恒河沙、阿僧祗、那由他、不可思議・・・つぎなんだっけ?

にいちゃん、そんなん数えたってあきまへんで、誰もわからんがな、ぎょうさんやぎょうさん、無量大数や

 

尾身副座長

報告されているより感染者の数が多いのは間違いないが、それが10倍か、15倍か、20倍かというのは、今の段階では誰も分からない(5月11日、参院予算委員会)

安倍首相

現在の感染者が、PCR検査で確定している感染者数よりも多いだろうと考えているが、どれぐらいいるかは申し上げられない(同上)

ファウチ博士

州や市が感染拡大への十分な対応能力のないまま尚早な経済再開を進めた場合は、あちこちで感染者が増加し、さらには手のつけられない流行に至る恐れがある。そうなれば避けられるはずの苦痛や死を招くだけでなく、経済回復への道まで後戻りすることになりかねない(5月13日、上院公聴会)

トランプ大統領

コロナの数字はだいぶよくなってきている。どの地域でも数字が下がっている。大きく前進した!(5月11日、ツイッター)

 

尾身さん、すばらしい。ついに安倍首相に忖度させてる。まあアンリ事件でそれどころじゃないかもしれないが。トランプ大統領はいったいどうしちゃったんだ、4月終息、金正恩、武漢研究所、ぜんぶハズレかよ。このツイッターで投票してくれるのは無教養の層だが、患者、死者はそこが多い。ご両者ともおんなじ、コロナでコロリかな。

 

ファウチ博士

死者数の実態は政府の公式死者数である約8万人より多い可能性が高いことを認める、その理由として、流行中心地であるニューヨーク州などで多くの人が病院に搬送されることなく自宅で亡くなった(5月13日、上院公聴会)。

厚労省

感染拡大で感染者やその病状などの把握が困難になったとして、厚生労働省は9日、集計方法を変更した。その結果、全国の退院者数などが大幅に修正された(5月10日)。

東京都

東京都は12日、新型コロナウイルスの感染者数の集計ミスに伴って修正した日ごとの新たな内訳を公表した。この他にも複数の日にわたって発表していた人数に増減が生じ、差が2桁に上った日もあった(5月10日)。

 

役所の忖度も必要なくなってきたのか。こうなってくるとウィルスの正体がわからん以前に、データがあっとるんかもわからん。もうだあれもわからん!!

 

ぎょうさんやぎょうさん、無量大数や

 

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素晴らしい吉村知事の大阪モデル

2020 MAY 8 1:01:34 am by 東 賢太郎

なにより素晴らしいのは吉村知事の発言に「専門家」という言葉が出てこないことです。いまのところ新型コロナの専門家は世界に一人もいません。

彼自身の言葉を聞いてよくわかりました。

①感染者数の山を低くして医療を守る(ワクチン、抗体、治療薬なければいずれ同数が感染)

②ワクチン開発(または抗体獲得)まで時間稼ぎ(ウイルスと経済のいたちごっこになる)

③データを「見える化」して市民に我慢のインセンティブを与え、一緒に考える

ということ。①「移動平均線」で観測するのはかようなデータを扱う常識です。③透明性、国民への情報開示はこれから最も支持される政治家の必要条件でしょう。非常に素晴らしいのは自粛再要請の条件に④「感染経路不明者の前週増加比1以上」と変化率の概念を入れたこと。①②は積分、④は微分がわかってないと発想が出てこないし、説明されてもよくはわからないでしょう。「いたちごっこ」は連立方程式で、概数とはいえPCR検査データがある程度揃わないと解けません。大坂はあるんでしょうね、だから数値を入れられた。

これ、「専門家に聞きました」じゃないんです、吉村さんは。収集したデータを吟味し咀嚼して、アドヴァイスはもらっていようと自分の頭で考えてます。それは受け答えを見れば一発でわかります。彼は数学ができますね。これからの時代、コネと口だけ得意技の政治家は不要でしょう。

東京はデータがHPにあまり出てません。国の感染者の30%がそれですから政府は全国の解除条件の数字を出せないでしょう。PCRをやらなかったツケであり、山中教授が大学などを動員すれば1日10万はできるし人もいると言ってるのにできない。なぜかというと、厚労、文科、農水、自衛隊、経産、警察に検査機能が分散してるから。役所の縦割りは誰かが鶴の一声を発しなければ解消しません。それができるのは今の日本で首相か西村大臣しかいません。目詰まりはそこでしょう。

 

(追記)

 

加藤厚労大臣 相談目安「我々から見れば誤解」発言にネット怒りの声「ふざけるな」「酷い」https://news.yahoo.co.jp/articles/311595d1cfabed7f267ffd5d2dec5db96bb7b6cb

この国民の怒りは当然。目安か基準かなど国民はわからない。わからないものを出しておいて多くの命が失われ、軽症者、無症状者をダダ洩れ放置して感染を広げてしまったのは、100%厚労大臣の大罪である。断言するがこの人はまったくの無能。指針を変更する前に厚労大臣を変更すべき。

(ちなみにこのデイリースポーツの記事についてる大量のコメントを全部読みました。気になる記事はいつもそうします。マスとしてみればネットのコメントは、マスコミの色がついていない、政治操作もされてない貴重な生の情報源です。自分の記事のヒット数を見てもネットの力は増しているように感じます)

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安倍政権に漂うインポテンツ感

2020 MAY 5 21:21:12 pm by 東 賢太郎

【きのうの感染症対策専門家会議の会見】への感想です

検査数が増えて陽性率が下がっている ➡ あたりまえ

PCR検査が少い理由6つ ➡ ダメ社員ほどダメな理由をたくさんあげる

感染防護具の圧倒的な不足 ➡ 武器がないと戦えない ➡ アベノマスク

我々に経済の判断能力はない ➡ 政権にふって逃げている

知事のリーダーシップに期待 ➡ 政権もふって逃げている

 

なぜこれを指摘するか、政府も感染研も昼夜努力してるではないかという人もおられましょう。私事になりますがノンポリなので政治家になりたいと思ったことはありません。高い税金を払っているが公共サービスを提供してもらって釣り合っていると思い生きております。

よく考えましょう。我々市民は日々「生活をあがなう労働」をしています。失業、倒産をすれば路頭に迷います。政治家、公務員は公共サービスさえしていればそれはありません。では、公共サービスとは何でしょうか?より大きなリスクを取っている我々市民が安全で幸福な生活をできるようにすることですね。

いまはコロナで安全で幸福な生活がなくなっています。ということは、ここで役に立たない政治家、公務員は仕事をしていないのです。「昼夜努力したけどダメでした」の言い訳は我々市民にもありませんが彼らにもないのです。このような目線で市民すなわち有権者は政治をしっかりと監視しなければなりません。

その目で専門家会議の感想をもう一度お読みください。この会議体は役に立ってません。皆さん真面目で優秀な学者さんで、懸命にやられているとは思います。「政権に意見はしたが・・・」と述べてもおられます。しかしそれなら妥協でなく辞任するのが筋でしょう。公共サービスの相手は首相でなく国民なのです

御用学者を集めて専門家に聞きましたとする手法は、お気に入りを大臣にすえ、人事権で手なずけた御用役人を登用する手法そのものです。山口4区の25万人に選ばれた国会議員が1億4千万人を支配するかつてない完成度の統治方法を構築した安倍さんの手腕は見事というほかありません。

ビジネスマンとしてその政治力への称賛の気持ちは今も変わりませんが、ここで抗いがたく救いがたい不安感が同時に沸き起こってきている、それが本稿の執筆になっております。かような会見を見るにつけ胸中にぬぐい難く去来する日本の政治への危機感であります。どういうことかご説明します。

それは、この国は首相が統治はしているがいったい誰が責任者なのか?という疑念です。上に乗っかって調整だけして自分は決めずに任期を全うして銅像でも建てたい、僕は動機はなんでも結果だけ出してくれれば結構という市民ですが、それならもっとまともに仕事のできる連中を配下に選べといいたい。

調整だけしますというのは本当のリーダーではありませんが、それでも最後に責任はとるから成り立つ統治です。そうでなければただの生徒会長だ。生徒会長は失敗しても退学にならないでしょう?いまの日本の政治はそんな人に学校が統治できてしまっているようなもの。何か気味が悪いのです。

それでも学校が普通に動いているときはよかった。今のように、いわば台風に見舞われてケガ人も出るわ校舎も崩壊だという事態になると、調整もなにも部下も浮き足だって必死です。うるさいから出ないでくれになる。3-11の菅首相もそうでしたね。下が動かず機能不全になった政権はおわりです。。

たとえば国会で加藤厚労相が「政府が旗をふれば動くというものではない」、安倍首相が「キャパは2万に増やしたがどうも増えない」と認めるPCR検査不足の指摘への無力感とあきらめ。気持ちはやりたいけどできない、肝心の “現場” が動かない。なぜなんだ?これって、インポでなくてなんでしょう?

そこで昨日の会見で尾身副座長が忖度したのか官邸に頼まれたのか、PCR検査を拡充できない理由をご丁寧に6つあげます。6つもあれば国民も納得してくれるだろう。尾身さんそうじゃないのです、何個あろうが結果が出なければあなたは役に立たない、仕事をしてないのです。それが公共サービスというものです。

有事にいきなり言われてものお気持ちでしょうが、消防車や警察は火事や泥棒の有事に呼ぶのです。アベノマスクやめて医療用の防護器具に回せとか、一般の医療機関を都道府県と契約して検査させろと専門家が強硬に主張すれば官邸も動いたかもしれない。そんな体を張ったコミットメントはあなた方には見えない。

しかも、「専門家はみな検査を増やすべきと思ってた」「フラストレーションがあった」と業界保身し、「日本の制度だ」、「PCR検査能力の拡充の機運が起こらなかった」と逃げてしまう。安倍首相を守ったおつもりでしょうが、実は自分たちを任命した首相を「売ってしまっている」ことにお気づきでない。

安倍政権はかように、責任感も能力もない従順が売りの人を要所に置き、その神輿に乗って平時はそれでよかったが、有事でツケがきて台座ごとひっくりかえってしまった。従順ではないが能力ある人を使う能力がなかったからその手法になった。インポテンツになるべくしてなったと思料いたします。

緊急事態宣言の解除条件につきひとこともなく14日と21日ごろ専門家に聞きます(西村大臣)。専門家ってまた尾身さん?勘弁してくれよ。かたや大坂の吉村知事は4つの条件を数値で明確に出しました。実行力、スピード、想像力、創造力、首相官邸と雲泥の差だ。本当に吉村氏に首相をかわってほしい。

 

緊急事態宣言

(追記)

スタジオで元国立感染症研究所研究員で白鴎大教授の岡田晴恵氏は吉村知事の会見で「大阪の会見を見て思ったことは、吉村さんを見て話し方を見て思った事があったんです」とした上で「この人、自分で理解して自分の言葉で話しているなっていうことだった。ちゃんと勉強されている」と評価した。

 さらに「そういう場合は部下は知事が怖いんです。鋭く指摘されますけど、分かっていて指摘されますので、そういう場合は職員の方も働くんだと思うんです」と分析し「ちゃんと理解してもらえるから評価もしてもらえるしモチベーションも上がる」と指摘していた。(スポーツ報知より)

まったくそのとおりと思います。「人事のアメとムチでソンタクさせる政治」とは真逆ですね。こういうことを書くのもなんだけどそれは権力さえ握れば馬鹿でもできる、しかしもう昭和じゃないんでね、ある程度は学力がないと、言葉できちっと説明できないと、これから有能な人はついてきません。

BCG有効説と感染研のメンツ仮説

2020 MAY 4 2:02:11 am by 東 賢太郎

GW後半ですが人出はかなり減っているイメージですね。強制もなく。これは「空気」が働きだしていると思います。従わない人もいますが世界のどこの国もいます(むしろ、圧倒的にいます)。カリフォルニアのビーチにはじけだした若者の群れはファウチが自由を奪ってると騒いでる。このひとたちはいったい誰と戦ってるかもわかってない。アメリカですらこんなものです。パチンコや江の島ぐらいでニュースになってる日本人はほんとうに真面目で、法律もないのにおカミの言うことをよく聞く国民という思いを新たにいたします。こんな景色は僕が住んだり訪問したりした約40か国、どこにもありません。

僕は「きれい好き文化」、「空気に従うこと」が爆発的感染拡大にはなっていない大きな要因と思ってますが、しかし、{人口、感染者数、死者数} でアメリカ {3億、100万、6万}、日本 {1億、1万5千、5百} という数字が本当に正しいならば、どう贔屓目に見ても初動対応も法的措置もお粗末だった日本がこんなに優等生である理由にはなり得ません。あれほどPCR検査をこなして医療対応もSARS、MARSの経験値のある医療機関がうまくやった韓国の死者数が250です。あれほど何もしなかった日本が人口比換算でほぼ同じ死者数というのは非常に不思議であります。

コロナ死亡数が肺炎死亡数に紛れてないかと言う声がありますが、その理由でアメリカより少ない数字になっていると仮定すると例えば年間約10万人の肺炎死者数の6分の1(3~4月)である1万7千が実は全部コロナでしたという計算(人口比換算)になり、実際にあったミス、PCR検査数の少なさ、検査精度の誤差を勘案したとしても無理があるように思います。国と国を比較する場合、ミス、検査精度は比較的無視でき検査数のバラつきは無視できないという立場から僕は死亡者数を注視しております。

すると3つ仮説が出ていることを知りました(もっとあるかもしれませんが)。

①「日本のBCGが有効」説

これは要検証です。日本株BCGを使用しているイラク、台湾、タイもコロナは抑えてます。暴発してしまったアメリカ、イタリアは接種を行っていません。スペイン、ドイツ、フランス、イラン、イギリス、オーストラリア、スウェーデンは過去はしていたが現在はしていません。大阪大学免疫学フロンティア研究センターの宮坂昌之招へい教授の作成された表をご覧ください。

100万人当たりの死亡者数が10以下の国が7カ国(赤字)あり、そのうちの6カ国が広範なBCG接種を現在行っており、その6カ国のうち3カ国がBCGワクチンの日本株、2カ国が旧ソ連株(筆者注:両者はほぼ同じ株と理解)を使っているという結果は、偶然でなければ説得力があります。韓国が3.7と日本より高いのは韓国のBCGが日本株でないための可能性とも考えられます。京都大学iPS細胞研究所の山中伸弥教授が「BCGの接種と死亡者数に逆相関がみえるのは確か」と発言したそうです。

(ご参考記事、4月5日)

http://新型コロナとBCGの相関関係について免疫学の宮坂先生にお伺い …

 

「東洋人かかりにくい」説です。中国の数字は {14億、8万、5千} ですが、感染者、死者の人口比をアメリカ並みとすると460万、28万で、中国は60倍のウソをついていることになります。感染地図でインドを含むアジアの丸印の小ささは確かに目立ちます。民族の遺伝的要因(遺伝子配列の違い)による違いの可能性はあるとされますが、アメリカで黒人、ヒスパニックの死亡率が高いのはむしろ経済格差が主因と思われます。今のところこの説の科学的根拠からの説明は目にしておりません。地図の印象はむしろ①説の表で「赤字」(優等生)7か国中5か国がアジア・オセアニアあるためとも考えられます。

 

「ウィルス変異説」です。一応「仮説」として挙げますが、後述のように、そうではない可能性が高い。武漢型が欧米で変異して強毒化したために欧米では大量の死者が出たが、その時点で日本にはまだその変異株は上陸しておらず、1月に上陸させてしまった武漢型はすでに封じ込めに成功した、だから日本の死者数は欧米のようになっていないのだとする説です。

これは感染研、専門家会議の主張であり、欧米型変異株は3~4月に上陸して国内に拡散したと強く示唆されると強調しています。事実なら強い示唆などなくてもいいわけで、自ら「仮説」であることを暴露しています。即ち、③説は強毒化したことの疫学的証明、日本の医療が武漢型を消滅をさせたことの証明が必要です。「現在は欧米変異型が蔓延している」事実だけではそのどちらも証明されません。

その2点目、「武漢型を制圧するのに成功した」という言明に弊職の周囲の多くが違和感を感じています。「検査で陽性と判定された国内の約560人の検体」だけからどうしてそれが科学的に結論できるのでしょう?世界でビリから2番目のPCR検査数によって当初から無症状者は野放しだったわけですし、現在も引き続き国際比較で少ない検査数で無症状者の凡その数すら推定の域を出ないのだから、武漢型が国内で変異して欧米型と別個に大量に存続している可能性を排除できるはずがないという子供でも気がつくウソではないかということです。

「医療崩壊が危険」と検査を抑えて野放しになった無症状者が患者を激増させて医療崩壊させました。即ち、どう贔屓目に見ても、無症状者は無視のクラスター戦略が大失敗だったことは明白なのです。それを「再び無症状者を無視したデータ」で「成功だった」と「自認」し、その理由が「日本の死者数は欧米のようになっていない」(5月4日、尾身専門家会議副座長)なのです。そうではない、「大失敗したけどなぜかそうなってない」が真相であって、その疫学的理由を感染研がつきとめているなら自身の名誉のためにも即座に公表すべきだ。そうでないなら「私は正しかった。なぜなら神風が吹いたからだ」と言ってる単なる馬鹿です。

その程度の③説に基づいて「目の前の第2波を国民一丸で抑えないと今度は欧米なみの拡散になってしまう危険がある、よって、ステイホームは5月末まで続けるべきだ」という論旨が組み立てられ、それが専門家会議の結論となり、それを受けた形で政府が緊急事態宣言の5月31日までの延期を発表したのですから、説の正否は国家の命運をかけた決定的に重要なものであることは論を待ちません。このことはいずれ精緻に検証される時が来るでしょう。

①「日本のBCGが有効」説が正しいと仮定すると?

今後も宮坂先生の表のまま進むので、第2波封じ込めに関わらず100万人当たりの死亡者数は韓国(3.7)、台湾(0.2)、日本(0.6)の延長線上の数字が緊急事態宣言解除後も出てくる可能性があります。これは要注目です。防御しているのは政府でなくBCG抗体ではないかという可能性が確認され、それを検証すべきということになるからです。BCGは子供しか使えず大量確保できないので検証する意味がないという議論ではない、政府がしていることが正しいかどうかという有権者の眼として大事な観点からそう考えております。

政府の危機対応レベルが非常に高い台湾は5月3日でも0.2のままですから、政府対応の巧拙にはBCG抗体によるセーフティネットがかかっていると書けば台湾に失礼にならないでしょう。また、そうであったとしても、日本の医療現場の最前線で戦っている医療関係者の皆様のご努力をいささかも軽視するものではありません。あくまで「大本営」の戦略の話をしております。

表のデータは4月初め時点ですから、3月からであった日本への欧米型変異種もブロックできていたということになるでしょう。今後の第2波の防衛に政府が成功しようと失敗しようと、感染研の言うように変異種が強毒化していようといまいと、出てくるのは優等生の韓国、台湾と変わらない数字になり、すなわち、日本は今度は水際防衛に成功しましたという “輝かしい成果” を発表できるようになるでしょう。

つまり、官邸にとってベストで厚労省、感染研のメンツも立つシナリオは、

①が実は正しいかもしれないがあえて証明はせず、③の強毒化は仮説と言わずにそうなのだと主張し、国民に頑張ってもらって3週間たって予定通り優等生の数字が出てきて、「みなさんのおかげです、では少し緩めましょう」とほほ笑んで経済政策に舵を切って、よくやったと支持率があがる

ということでしょう。今回はここまでの指摘にとどめておきます。

最後に、実効再生産数をオンゴーイングの指標として時々示すのではなくドイツのように毎日公表していただきたい。岡田先生の言われるように計算根拠とデータも開示したほうが良いでしょう。

(ご参考)

5月3日のデータ

韓国(4.88)、台湾(0.25)、日本(3.89)

こちらで日々確認できます

http://人口あたりの新型コロナウイルス死者数の推移【国別】

 

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国家管理下の金融市場という史上最大の危機

2020 APR 30 16:16:46 pm by 東 賢太郎

CNNを夜中ずっと見ている。アメリカは感染者100万、死者5万だがロックダウンを州によって緩める方向に舵を切っている。これは大きな、ひょっとして非常に危険な賭けだ。カリフォルニアではビーチに普段なみに見える人が押し寄せている。大都市のある州の知事は民主党が多く言うことは聞かない。トランプは選挙の11月までは財政発動し、大企業に資金供給し、株価をなんとしても維持するだろう。11月までは・・・。

アメリカもPCR検査不足が問題になっておりウィルス感染症の世界的権威ドクター・ファウチは週に3~5百万必要と言っている。抗体の信頼度はまだ高くないとも。PCR検査のキャパは増えているが実数が至らないのは日本と同じ事情があるだろうか。ファウチは検体サンプル数が多い中国とのワクチン開発競争に劣後するという政治的危機意識もあるだろうが日本国でそれをやるのが感染研なのか民間なのかアメリカさんにおまかせなのか、開示がないのでさっぱり政府の戦略がわからない。密室政治だ。首相に大統領の指揮権がないならなぜそれを仕切る厚労大臣が素人の文科系で医師、疫学専門家が任命がされないのだろう。まったく危機感を感じない。

多少のやらせはあろうが、アメリカの意思決定はTVで可視化されている。ファウチは「レムデシビルは回復日数がプラシド・グループが15日に対し11日と効果があり、単独または別の薬との併用で死亡率を下げる可能性がある」と言った。トランプはJ&Jのワクチンを期待してるがファウチは12~18か月かかる、治療薬が先と明言していた。仮にワクチンができても量産は別の問題で220か国にすぐ行きわたることはないとも(ならば来年のオリンピックは無理ということだ)。僕の知人が人工呼吸器寸前まで行ったが、アビガンを4日で50錠飲んで自宅療養まで回復した。レムデシビルはアメリカが承認すれば日本でも5月に特例承認かというニュースも出ているが中国は効果を確認しておらずここにも政治のにおいはする。ただ治験数が増えることで早晩両者のプロコンがわかってくるだろう。

とにかく、どちらでも結構だ、既存薬を組み合わせてでも重症患者の治療、軽症者の早期回復を可能にする最適なオプションを ”早期に” 手にしてウィルス拡散を止めることは全人類の命運をかける絶対の使命だと確信する。そうしないと、後述するが、「財政ファイナンス」という劇薬を投与されている国の方が先に破綻して世界経済は大恐慌と金融恐慌のダブルパンチに見舞われ滅茶苦茶になる。困窮した国民や民族は追いはぎ、強盗となり、あらゆる犯罪、大量難民押し寄せ、国家安全保障放棄、へたすると武力衝突、戦争という道かもしれない。国家が投薬で歩けるうちに、ウィルスをどんな方法でもいいから抑え込まないと万人が生き地獄になるだろう。

そのためには無症状陽性者を洗い出して隔離すること、つまりPCR検査数を限界まで増やすことを徹底しなくてはならないのに増えない。パチンコや江の島だけで騒いでる場合ではない。ホテルから軽症者が逃げ出し、陽性が出ても入院を断る人が出ているが例外を放置すると意味がなくなる。時限立法で私権制限やむなしだろう。日本がここまで死亡数が少ないのは何らかの国民独自の文化的あるいは疫学的な “アプリオリな” 理由があると思料するが、永続する保証はない。何より大事なのは治療するオプションを手にできるスピードである。意思決定のスピードの遅さという点において日本を凌駕できる国はそうはない。前例踏襲の役所の演繹型では国が致命傷を負う。負ってからいくら入念に傷口を調べても、調べがついた時は死んでいるのである。医師、疫学専門家が全責任を負ってトップダウンで指揮すべきである。一説には小池百合子は国政に出て後継に医師を都知事にというプランがあると聞くが、その発想を持つだけでも素晴らしい。こういう手を迅速に打てる政治家だけで国政をやって欲しい。

アメリカはホワイトハウスでトランプと専門家のディスカッションの場をCNNが放映し、そこに記者も入れて質問させているから実にわかりやすい。ニューヨークのクオモは毎朝地下鉄の消毒を徹底的にやれ、それなしでどうやって働きに出れるんだと強く語り愛国心とリーダーシップを見せた。しかし、それでも感染者100万、死者5万と最大の犠牲者なのだ。僕の中でアメリカという概念が変容しつつある。アメリカの覇権は軍事とエネルギーとドル(金融)が切り札だが、軍事は空母まで感染し要諦のボーイング社も業務縮小、エネルギーはシェール油田が絶滅の危機で、命脈は株が下がってないぐらいだ。エスニックには国内にアフリカ、メキシコ(ヒスパニック国)があるような特殊な国家で大都市をロックダウンしても最下層は守れないことが露呈した。ウィルスは人体でしか生存しない。守れない層がそれとなり劇的に拡散する温床と化したかもしれない。

トランプは選挙だけでなく覇権維持に必死なのは当然だ。厄災の元凶をWHOに見立て敵国中国を叩く戦略だろうが、テドロスが台湾のデータを無視したぐらいでは弱い。「近々に調査結果が出る」というが何かは不明だ。FATCAを通じ世界のドル口座の送金データからしっぽを握ったか?この手で中国要人のマカオ等への裏金流出をつかんで習近平を脅した(それで習自身の口座もあげられ見せしめに配下を何人か切ってアメリカとは通貨主権戦略でバーターして手打ちした)前歴があるから当然調べてるはずだ。潰したい本命はアフリカを賄賂で手籠めにしてレアメタルと国際機関のアフリカ票を囲い込む中国の周到な作戦だが口実がない。WHOはそれの格好の標的になる。クオモはニューヨークは守ってもアメリカは俺が守ったというプロパガンダになる。

トランプが経済活動を消毒液を注射してでも緩めたいのは経済がヤバいからである。本当にヤバい。1QのGDPのが4.8%減だが2Qは間違いなくその何倍も落ちる。通年で3~40%は覚悟だ。航空産業は悲惨で日本もANAに4千億円入れるがデルタ、アメリカン、ユナイテッドも50~60億ドルの政府支援をするがそんなのは3か月で蒸発する。英国はそんな応急処置では持たないとBAが最大1万2千人(従業員の3割)を解雇すると発表した。原油先物が負の値とはどんな天変地異よりも異常な光景だ。スタンドでガソリンを入れるとお金をくれるわけだ。シェールガスは原油が$40~50が損益分岐点であるから、世界の経済活動を再点火して石油を盛大に燃やさない限り業界破綻が起きる可能性が高い。それにはファウチの言う数のPCR検査をしてコロナを止めるしかないのだ。当面はFRBが面倒を見るにせよ限界に来れば中西部地銀などから金融に連鎖が広がりリーマン再来の火種になる。

この事態でありながら昨日NYダウは$500も上がっているわけだ。$2兆の財政出動を評価していると素人は表向きを見るが、同様に世界の中銀が禁じ手の財政ファイナンスに踏みこみんでいる。今期の企業収益見通しは国家容認で下駄をはかせるのである。こんなこと聞いたためしもなくアナリストは合理的な予測をたてようがない。従って、唯一合理的に結論できることは、世界の株式市場はもはや官製の鉄火場であるということだ。FRBは企業の短期債務であるCPの購入まで宣言したがそれは市中銀行の仕事だ。むしろ銀行が吹っ飛ぶことを心配しているという意味なのだ。そこまで事態はひっ迫している。鉄火場でエクイティファイナンスなどできるはずもないが、政府が潰さないように資本はつっこむからとにかく国民が動揺する株の暴落だけは避けたいということ。それが怖いからヘッジファンドはショートできず、ロングでバクチを張りたい奴はやる意味があるぞということなのである。

なぜなら、言うまでもないが、トランプは株安は絶対にまずい。経済失速の代名詞として攻撃されると過去の大統領選は現職が8割負けているというパターン認識が有権者に発生する。FRBの「大人買い」の限界が見えるまでに経済活動を戻さないとフェークの株価はもろい。しかし経済に舵を切ってコロナの第2波に襲われるとその作戦の戦線は全滅するだろう。だから保険として、なんとしてもコロナの初動の失敗の責任を中国、WHOに押しつけなくてはならないのである。責任回避の上でアメリカのヘゲモニーを守るというのは実はクリンチして逃げまくりのボクサーなのだが、一見するととてもアグレッシブに攻めているように見える鉄壁の戦略だ、うまくいけばだが。「WHOの忖度の根拠になる密約メールがないか」、「カネが流れた証拠があれば無敵だ」、「探せ」。至上命令が飛んでいるだろう。ジェームズ・ボンドには任務遂行中は自分の一存で容疑者を殺めても不問にされる殺人許可証が与えられる、それぐらいのことと思料する。

それに呼応するように日本国ではマスクが2枚配られた。トランプ政権同様に、安倍政権には衆院選挙が重大なハードルになってきている表れと思料するものである。安倍マスクはシャビイだが百合子マスクは小粋だとネットで評判だ。「あれを送ってくれ、1枚でいいから」という声が政府に向けて国民からあがることだけはなんとしても阻止せよという至上命令が官邸官僚に飛んでいるだろう。広島では元法務大臣からカネが流れた証拠がたくさんあがってしまった。財務省自殺問題はくすぶったままだ。こんな状況の中で連休明けに経済に舵を切ってコロナの第2波に襲われると政権は全滅だ。しかし舵を切らなけらばフェークの株価はもろい。しかし日本には中国、WHOを叩くという保険はない。つまり王手飛車取りなのである。

安倍総理の在任7年間で顕著に成功したのは株価政策だけだ。この点に関しては株式関連業務コンサルである弊社は恩恵に浴したが、それは株が上がったからではなく安倍政権になれば株が大きく上がる理由があるという弊社の仮説的予測が的中したからだ。現在はどうか。安倍政権の7年間で一人当たりGDPが4万ドルと横ばいなのはアジアで日本だけだ。シンガポールに次いで2014年に香港に抜かれ、いまのペースだと5,6年で韓国に抜かれる可能性がある。それでいながらその7年間に日経平均は7千円から3倍になった。日銀のBSを使ったこと以外に合理的な理由はない。日銀の資産の中身(ETF、10年国債)はボラが他国よりずっと高い。株のコストは1万9千円と推定されそれ以下だと評価損だが長期金利が上がると国債の下げでもっとやばい。だから宣言のみならず買う必要もある。すると内容はさらに悪化する。150円、インフレもありかもしれない。財務省はプライマリーバランスを盾にこれを忌避する(役人は相対的に貧乏になる)。だから経済対策の真水は少なく、ショボい。責任は首相に行く。それで降りてもらって全然結構というのが本音だろう。これが森友事件の貸しであるなら、ツケの請求書はなんと国民に回ってきていることになる。

ウィーンのペスト記念柱

困ったもので、株価は僕にとって経済の体温計だ。これを日々読みながらやってきたが、国家にここまで堂々と株価操作されるとお手上げだ。強力な解熱剤を打って「平熱です」と診断する医者のようなものだ。よって僕は社業の危機管理として最大のリスクを想定するしかない。それはコロナの有効な治療薬、ワクチンが変異などの理由で2,3年もできず、財政ファイナンスが燃料ぎれとなって民間企業はもちろんのこと財政の危ない国家の破綻にまで至ることだ。大恐慌(経済恐慌)に金融恐慌が重なったら大変だ、リーマン以上だなどと騒ぐ輩が増えているが、コロナに金融など存在しない。国がやっているのである。ということは、それは国家破綻を意味するのである。みなさん、いま日本国がなかったら生活も未来もどうなるかご想像いただきたい。2、3年の巣ごもりができるかどうかなどというレベルの話ではない。ポスト・コロナ、ニュー・ノーマルはコロナが終わらないと永遠に来ないが、数が減った生き残りの人々がついに耐えきれなくなり、「もういいじゃないか、終わったことしよう」という世界がそれだ。ウィーンの奇っ怪なペスト記念柱はそうして建った。

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経済はウィルスの奴隷である

宇宙人の数学的帰納法

2020 APR 26 21:21:45 pm by 東 賢太郎

CS放送で「古代の宇宙人」(Ancient Aliens)という米国のシリーズ物を見てます。高校の頃、エーリッヒ・フォン・デニケンの『未来の記憶』を穴のあくほど熟読した者としてこの番組は垂涎です。地球外生命体の存在を確信しているしSETIプロジェクトは多大な関心をもってフォローしているのです。ただ、この話をすると、ほとんどの人に、えっ、まじめにそんなの信じてるんですか?という目で見られます。興味ぐらいはある人も怖いもの見たさです。SETIまでは科学と認める人もデニケンの古代宇宙飛行士説まで行くとオカルト扱いです。西洋でも疑似科学とされていてまともな学者がとりあうものではないとされているように思います。

影響を受けた本はもうひとつあって、中学か高校か忘れましたが、神話のトロイの遺跡は実在すると信じて掘り当てたシュリーマンの伝記です。彼は商才はあったが家柄も学問もなく、ほら吹きだ遺跡を台無しにしたと後世のエスタブリッシュメントからの毀誉褒貶もあります。でも、たしか雑貨屋だかの見習い店員だったころ、よっぱらいのおっさんが高吟していたホメロスの詩を聞いてトロイに興味を持った。それが世紀の大発見となったなんて素敵じゃないですか。彼は幕末の慶応元年に世界旅行で日本まで来て旅行記を書いています(右)。とても好奇心のある人だったのでしょう。

アレキサンダー大王、ガイウス・ユリウス・カエサル、マルコ・ポーロ、ヴァスコ・ダ・ガマ、クリストファー・コロンブス、みんな好奇心旺盛な男ですが人をたくさん殺したり略奪してますからワルですね、でも魅力あるんですね、なぜなら、やってみないとわからない未知なことにまったく怯んでないからです。みな仮説・検証型の人間だったのでしょう、演繹でなく帰納型で、自説に自信があって突き進んで自分で検証して見せて、どうだ見たかというタイプでしょう。想像力がたくましく政治家、軍人、冒険家でなくても、現代ならビジネスマンで大成功するタイプです。シュリーマンもそのタイプで、目的はカネだ功名心だなんて揶揄されますが、そんな批判は成果からすれば吹けば飛ぶほどのものです。

どうして日本人がいないかと不思議ですが、仮説・検証型、帰納型が少ないと思うのです。与えられたもので「うまくやる」人は多いのです。でも革命的創造、原理的発明、解析モデル構築、地球的ディファクト作りみたいなものは弱いですね、圧倒的に。信長がそれに近いですが彼も鉄砲作りの真似で成功してから中国、キリシタンのアイデアに「開明的」であっただけで、それすらしない者ばかりなので目立ったということです。仮説・検証型、帰納型の反対が既存モデル適用型、演繹型です。モデルは自分で一切作らず、成り行きをじっと見て事例が出そろうまで待ち、モデルと矛盾がないことを確認し、間違いないとなって満を持して結論を出す。調査、研究には向きますがビジネス、投資には最も失敗する方法で、世にいうエリート、役所、大企業病の会社の得意技であり、まさにそれを政府、厚労省は新型コロナでやって初動が大変に遅れたわけです。

デニケンは上掲書に旧約聖書エゼキエル伝の一節は古代宇宙飛行士に遭遇した筆記者エゼキエルによる目撃譚だと書いています。これをユダヤ教徒、キリスト教徒が真面目に請け合うとは考えられません。しかしデニケンにおける聖書はシュリーマンにおけるホメロスの『イーリアス』だと考えることにはむしろ異教徒の日本人の方が思考に自由度があるでしょう。100%否定できないものは否定も肯定もしないというのが科学的態度であります。僕は科学者ではないですが受験生のころ数学にハマって何でも解けるという全能感に近い所まで行って、まったくの勘違いでしたがそれでも自分の限界の淵は見ました。そこで、科学は神聖という犯し難い天界のルールみたいなものがあるかなと感じました。そこからは、論文の捏造とかガセネタとか似非科学には天罰を求めたい欲求すら懐くようになっています。

デニケンを読んだ時はガキだったし、今は彼の説を一刀両断しておかしくないのです。ところが、そうならないのは、ある決定的な経験をしたからです。僕が帰納法型人間であるのは「知は力なり」の英国経験論者フランシス・ベーコンの影響ですが、す。ということは、経験から仮説を作って生きてるわけですからどうしようもありません。その経験とはなにかというと、1990年にメキシコシティーに出張ついでにテオティワカン遺跡に行ったときの度肝を抜かれる「不思議感」がそれなのです。CSの番組でも取り上げてますが、巨大なピラミッドが3つと小型が複数あり、西暦紀元前後にできたのですが、誰が作ったかも用途も不明です。そもそもギザのピラミッド同様、これだけの巨石を積み上げるのは現代のクレーンでも困難のようです。

演繹的な思考だと、こういう従来のモデルで説明できない遺物は(日本の古墳の土偶、埴輪もそうですが)「祭祀用」ということになってしまう。なぜなら、未開人は科学を知らず呪術や祭祀を尊んでいた、という思考のルール(モデル、正統とされる学説)があって、テオティワカンは未開人の造ったものである、したがって祭祀用であるという三段論法で結論する。典型的な演繹法です。真面目で高い教育を受けた人ほどこの思考の鋳型にはまりがちです。ルールに従った処理だから何の祭祀か、神は誰かという余分な論考は無視します。要はわからんものは「その他」に入れて蓋をしてしまい、その事例がルールを覆すものかもしれないとは考えないし、考える者は異端として排除したりするのです。ところがテオティワカンでそれをすると99%が「その他」でしたとなって、ルールの意味すらなくなってしまいます。

僕は一切のルールは間違ってるかもしれないと考える疑り深い人間なので、初めて遭遇する物事を演繹法で考えることはほとんどないです。テオティワカンでも太陽と月のピラミッドは、上掲写真の目線までけっこう急な石段を登るのですが、高所恐怖症だから本当に怖く、それでも、あまりの不思議感と好奇心でみっともなかったですが這いつくばって必死に登ったのを覚えてます。番組はこれを、高度な文明を持つ地球外生命体が飛来して建築した宇宙船のエネルギーチャージャーとして、水銀を用いた超電導空中浮遊装置だろうと比定していましたね。確かにUFOは空を飛ぶのです。というと、空中浮遊?どっかの新興宗教か、アホかと大概の人はなるでしょう。でもこれをご覧ください。

現にリニアは空中浮遊してます。テオティワカンのピラミッドの最近の発掘調査で土中から超伝導体の水銀が検出されたそうだから、否定しづらい仮説であろうと思います。ここの大ピラミッドも、エジプトのクフ王のピラミッドも、どちらも三つあり、空中から見るとオリオン座の三ツ星の形に並んでいるというのも、二つの遠隔地で偶然そうなる確率はかなり低いと思います。よって、僕の中ではデニケン説を否定する科学的姿勢は取りづらく、ヒストリーチャンネルの「古代の宇宙人」をまじめに見るという行動が合理的という結論になっているのです。

最後に一つだけ。「宇宙人」は低レベルの訳ですね。英語もスペースマン、エイリアンとは言いますが漫画っぽい、オトナはエクストラテレストリアル・インテリジェンス(地球外生命体、extraterrestrial intelligence)というんです。映画ETもThe Extra-Terrestrialの頭文字です。その存在は正統派の天文学者、物理学者が認める帰納的推論だから米国でSETI(地球外知的生命体探査、Search for extraterrestrial intelligence)が行われている。ただ、空から宇宙人の電波が来るのを待つなんてアホだ無駄だという批判は世論としても哲学者からもあり予算はついたり打ち切りになったりしています。僕は税金も払っていない米国がそれをしてくれることに謝意と敬意を表明したいし、それは「西へ西へ」という金採掘者のアメリカンドリーム(シュリーマンも参加した)が「上へ上へ」になったものと理解します。

さらに言うなら、そのムーヴメントは、アレキサンダー大王からシュリーマンまで僕の思いついた6人の「仮説・検証型人間」、「帰納法的人間」、つまり、思うに日本は言うに及ばず、ひょっとしてコロナ禍で人類がより現実的、現世肯定的になって世界中で減っていくかもしれないタイプの人種に元気になってもらうプロジェクトでもあると考えるのです。日本はもっとダメになるんだろうか心配です。そもそも日本語で宇宙人と呼んでいること自体が思考停止ですね、お化けみたいなもんです、いるはずないけどいたら怖い、だからお化け屋敷行ってみようよという、この番組を見てる人たちは科学的思考とは無縁であり、TV会社もそういう客が入れば当りとならなければいいが。

ちなみに、GAFAのCEOは異口同音に「これからビジネスで必須な勉強は?」という質問に「数学と哲学」と答えています。

 

PS.

なんともいいタイミングで本稿の2日後にアメリカ国防総省からこんな発表が出た。

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(こちらもどうぞ)

宇宙人のいる星の画像(NASA)

新・のぞき劇場

2020 APR 19 20:20:37 pm by 東 賢太郎

米1ドル紙幣の「神の全能の目」

4月2日からテレワークで経営会議やお客様とビデオ会議をやっている。いまだかつて半月も会社に行かなかったことも家にこもったこともなく、これは行動変容というより人間変容を起こすのではないかと思うようになってきた。

さきほど、久々に多摩川の巨人軍グラウンドまで走った。足が動いたのも意外だったが、もっとそうだったことがある。まばらに河原に人が出ていて、いままで人影を見ると危険と思ったのがなぜかジーンときたのだ。そうか、ヒトは社会的動物だった。知らないうちに自分も変容してる。

もともと、社会に電車も飛行機もなかった。あるのが当たり前の存在になったのは高々7、80年前のことだ。なくても誰も困ってなかったが、ないと戦争や収奪競争に負ける。そういうものを平時になって産業が「便利」という言葉に置き換えて普及させたに過ぎない。便利と必須はちがう。

競争本能だろうか、人間は列を見ると並ぶ。野球場へ行けばより前の方の良い席で観たくなるからそういう料金体系になってる。では全試合が無観客ならどうだ。座席の競争はなくなる。生の迫力は犠牲になるが、平等にそうなら仕方ないとテレビでそれなりに楽しむだろう。観客入りは必須でなくなるかもしれない。

テレワークしてみると、満員電車に乗って定時にオフィスに集結することが必須かどうかわかる。参勤交代なみの忠誠心の証ならば雇用契約を細分化して実績型にかえ、総合評価と称して現場で見張る中間管理職は廃止し、全員の通勤定期券は回収したほうがいいかもしれない。

僕が入社したころ社歌なるものがあった。今でも歌えるが、それが日本の孤発事象であるという点において入社式も入学式も同じだ。テレワーク企業の専門職採用、年齢でなく学力に合わせたオンライン教育が広まれば入社、入学は必須でも一斉でもないどころか概念もなくなるだろう。

学校でオンライン化できないのは体育と部活ぐらいだ。それは社会性の育成として地域社会のローカルなミッションとし、知識の習得とテストは全国一律に東京からリモート教育としてでき、飛び級も落ちこぼれ対策も自在にできる。登下校の時間は別途使え、現場の先生の負荷は減り、なによりいじめがなくなる。

60年ほど前、鉄人28号という漫画のTV主題歌に「敵に渡すな大事なリモコン」とあった。リモートコントロールは長らく人類の夢だ。医療は入り口のオンライン診療ができるばかりか5Gで日本からブラジルの患者のリモート手術ができればドクターXみたいなスーパー・ドクターはフリーランスが当然になる。

要するに「テレ」「リモート」はITの産物なのだ。買物も趣味も仕事も教育もオンライン。それが便利となり、やがて必須となり、人のオンライン滞留時間を増やす。その時間は世代交代と共に不可逆的に漸増してきているが、コロナのひきこもりで急加速して人間変容、社会変容を一気に誘発するだろう。

コロナ禍の出口がいつ、どこかはまだ誰も見えないが、人類が死滅しない限りはどこかで来る。その後のことを「ニュー・ノーマル」(新たな平常)と呼ぶが、それは変容後のヒト、今の我々からすれば新人類が作ると考えたほうがわかりやすい。オンライン化で中国のような全体主義国家は国民を容易に監視できるようになる。新人類は対抗措置として政府を監視する法律とツールを駆使するようになる。双方向の「神の目」がバランスしたところに、新しい国家像が見えてこないだろうか。

 

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