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カテゴリー: 自分について

すべての悩める人への万能薬

2021 MAR 23 13:13:29 pm by 東 賢太郎

なぜ、かように奇怪な物が自宅の仕事机にあるかを人に説明するのは難しい。というか絶望的に無理である。あえていうなら、これは薬であるということになるだろうか。

好きな色は金と銀であり、幼稚園で使っていたクレヨンはこの2色だけがすぐに短くなった。光り物好きは母親譲りであるが、自分の生まれつきの色に対する感覚に世界にきっと自分しかいないだろうと想像するものもある。

とにかく、これがあると、気持ちがハイに前向きになる。凄いことだ。すなわち我が社の収益のかなりの部分はこれが生んでいるわけで、駄菓子屋で300円で買ったこれの本源的価値(Intrinsic value)は数億円にのぼると推定されるわけである。

そのことは、金貨チョコレートを混ぜることで、より鮮明に表現されるだろう。

会社のほうはというと、デスクはUSMハラー社の、全面がレモン色のガラス製だ。スイスから輸入した。なぜかというと、子供時分にヴィックス・ドロップに魅せられたからだ。アメリカから入って来たばっかりだったろう、駄菓子とちがうオシャレ感があり、味も気に入っていた。それを「薬だから」と止められたからまずかった。テレビCMで小鳥が嘴で三角形のこいつをくわえてるのが目に焼きついていて、ついに母の目を盗んでぜんぶ食ってしまう。もっと幼いころ、浅田飴でも前科があったらしく、大変なことになった。

それはアメリカで買えなかったビッグマックがいまだに高級食材であるのと似る。ヴィックスはたしかオレンジやハッカみたいのもあったが、レモン専門だったのでハラーの机が材質もろともそれに見えた。するとアドレナリンかエンドルフィンでも分泌されるんだろうか、それとも糖質が回った気になるんだろうか、とにかく頭が冴える。チェアはこれまた鮮やかな太陽のオレンジ色であり、周囲の壁も地中海ブルーと黄色に塗り分けてもらった。社員の皆さんには衝撃を与えたろうし値段も半端でないが、これがまた金銀と同じく絶妙の効果を及ぼし、そう思いこめるだけでも幸せだなあと感慨にひたらせてくれるのである。

人間も所詮は動物であってヤル気に「点火」するには色彩が効くことは検証されている(牛が赤い布で興奮するように)。コーヒーの香りが購買欲を刺激するという実験結果もあり、また、どの音楽がどう人の情動に効くかについて僕は多少の知見を持っている。五感は人を支配していると思う。そういうものすべてを総合して「薬理効果」だと考えれば、クスリをうまく調合することで自分自身のメンタルをけっこうコントロールできるようになってくる。一番難しいのは怒りと嫉妬とされるが、それとて今はうまく抑えることができる。それにはまず、自分に何を見たり、聞いたり、嗅がせたりすれば自分がどう反応するという因果関係を知ることである。

多くの宗教家や智者はそれを目指しているように思える。例えば、老子は『人を知る者は智なり、自ら知る者は明なり』(知人者智、自知者明)と説いている。他人を知ることより自分を知ることのほうが難しいという意味だ。この言葉は好きで、そう信じて生きてきたし、66にしてついにその境地に達したと書けば格好いいだろう。しかしそうではない。僕の場合、自分がどういう時にどう思考・行動しがちか(時に馬鹿か)は概ね学んでいるつもりだが、それは完全な法則ではなく、たぶんこうなるだろうが、なってもびっくりはしないという程度のものだ。ましておや、「だから他人もそうだろう」と思ったら大ハズレでしたという膨大な失敗の山の前には気の利いた言葉すら出ないという無残な現実が目の前に横たわっているのである。

今の僕の境地を素直に書こう。「自知」も「知人」も難しい、いや、というより、どっちも不可能なのである。老子の言い分を逆にしてみればわかる。自知者明、知人者智(自分すらわからない者に他人を知ることは無理だ)となって、これをしたり顔で説いてごらんなさい、誰しもが「昔の人はいいこと言うね」「だよね」と酒の肴ぐらいにはなれてしまうだろう。それはAならB、BならAであるということであり、つまりAとBは等価(同じ集合)であり、何のことない、よく考えるとA=B=0(不可能)だからそれが成り立っているだけだ。「木星も行けないんだから土星は無理だよね」「土星も行けないんだから木星もね」「だよね、だよね」ってなもんで、八つぁん熊さんである。老子様に何を言うか、不遜な奴めと思う方はぜひ最後までお読みいただきたい。

老子のご説を疑う者は2千5百年の間に出現しなかったとは思わないが、信者の多さが勝っただろう。僕がとりわけ天の邪鬼であることは認めるにしても、諸子百家は自身が大王であったためしはなく、多くが権力者に召し抱えてもらいたいモチベーションを持った遊説家であったことはどなたも認められるだろう。大王はみな闘争に忙しい。仮に天下を取ってもいつ寝首をかかれるかも知れない。そういう人は俺様=天下であって、自らを知ろうなんて悠長なことは普通は考えないのである。だから諸子百家や諸葛孔明やマキアベリに顧問のポストがあったのであり、大王は「猿でもできる帝王学」なんて本は書かないから顧問の進言のほうがむしろ成功に導いた名言だったとマーケティングされて後世に残っていくのである。

「江夏の21球」というのがある。自身があれを積極的に語ったのを見たことないし、マウンドにいる投手は大王であり、必死に投げてる者がいかに大投手とはいえそんな意識があろうとは思わない。彼はぽつりとスクイズ外しは「神業」と語った。つまり無意識に体が反応したのが本音だろう。それが球界の伝説に祭りあがり、wikipediaに21球全部の詳しい解説までついた。そんな「こっぱずかしい」ことを彼が語ったとは、賭けてもいいがないと思う。その手のものは、野球をやったことがない人だけが書けるのだ。江夏がどこかのコーチになって21球を教えようたってできるはずもないから、市井の人の酒の肴以上の価値はない。大王と顧問の関係はそんなものである。顧問は本を書いて人生訓にまでして儲ける。二匹目のドジョウで「岩瀬の13球」まで出てしまうのである。

経営者というのは会社の大王である。その意味はというと、偉いからでも人事権があるからでもない。全面的にリスクを取っているからだ。やってみればわかるが、その人にとって経営学の大先生の本やコンサルなんてものは微塵もあてにならない。大企業になって、椅子だけになった社長ポストに座って、企画室のような他人にアイデアをもらっているような人はただの「組織の通過体」であって、そんな組織のできた会社はすでに終わったに等しい。政治もそうだ。「秘書がしたことです」なんて輩は全面的にリスクを取る腹も能力もない人物で、つまりサラリーマンの大王ではあっても真の大王ではなく、企画室長におまかせの吹けば飛ぶような社長と実は同格の人材である。

「自分を知りなさい」と大王に説くのは奸計だ。そんなことを忙しい相手は知らないから智者に見える。そう見せられるタマかどうかだけが一流二流の分岐点ではある。首尾よく雇ってくれれば「閣下はまだ自分をご存じない」「ご慈悲をなさい」とマインドコントロールして利益誘導する機会が手に入る。失敗しても打ち首にされないヘッジもできる。「まだ自分の美しさに気づいてないんだね」と言われて嬉しくない女性はいない。だから古代中国に限らず爺殺しのセールストークでもあり、猟官活動に明け暮れたモーツァルトもオペラ「皇帝ティトの慈悲」を書いたし、秀吉は信長をこれでたらしこんだと僕は見ている。老子のご説の真偽は問題でない。ただ老獪と思うのであり、人間の性を鋭く突いているから正体不明でも25世紀の長きにわたって語られてきたのだと納得する。

他人など知る由もない、自分を知ることも不可能だ。僕がそう確信しているのは「宇宙ディズニーランド」説の信者だからだ。それはここに書いた。

見えている現実はすべてウソかもしれない

たまたま乗ったスペース・マウンテンの車両構造やスペックなど乗りながらわかるはずもないし、まして他人のなど調べる術すらない。だからA=B=0(不可能)以外の何物であるはずもないのである。老子様もショーペンハウエル様もイギリス経験論も、万物はこの宇宙の真理のしもべと考えるのがすっきり気持ちよく生きていくための万能薬だ。

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エリザベス女王の酒壺

2021 MAR 15 0:00:47 am by 東 賢太郎

上海の豫園が好きで行くと必ずお茶に寄るのが「湖心亭」だ。何度訪問したか、からっきし覚えてないが10回は下らないだろう。どうということない定番の観光スポットだし、お茶もそういう所なりにちょっと高くて、特におすすめの場所でもない。

中はこんな感じだ。上海で一番古い茶館で創業は1855年とある。当初は豪商の集会所として使われたらしい。

あれが何時だったか、そのときなぜ上海にいたか、さっきから考えてるがわからない。同行した面々の顔は思い出すのに、どうしてあの人たちと?というのが不明だ。上海雑技団で盛りあがったのしか覚えがないのだから気合の入ってない仕事だったのか早く帰りたかったのか。

たぶんランチの後で酒も入ってぼ~っとしてたんだろう、店の人がいろいろ由来を説明してたがうわの空だった。「はい、そのときお酒をお注ぎしたのがあれです」と骨董品らしいのが並んだガラスのショーケースを指さしていた。別に興味もなくそこから記憶は飛んでいるが、「エリザベス女王」と聞こえた気がした。

帰り際にそのケースを眺めていて、ちょっと気をそそる形のものが目に入った。紅茶を注ぐポットを小ぶりにした感じで、いいな、欲しいなと思った。「すいません。これなんですか?」「ああ、さっきお話しした女王陛下の・・・」

そう、それで、家にこれがある。それはまちがいない。酒壺らしい。

どうも、即決で買っちまったらしい。いくら払ったんだろう?覚えてない。だまされたか?絵柄はあんまり高級にも見えない。売ったらいくらだろう、なんでも鑑定団かな。

ここから推測になる(自分のことだ、情けない)。

まず確実にいえるのは、僕は女王様にはあんまり興味ない。するとなんだろう?唯一考えられるのは、明治生まれの爺様が三井物産の上海支店長だったことだ。豪商の集会所・・・これでお酌されたんじゃないか?空想もいいとこだが、いまこいつを自宅の仕事机に置いているが、なんかほんわかと豊かな気持ちにしてくれてうれしい。

まあ僕が2才で逝っちまったから写真でしか知らないし、お通夜の枕もとで赤堂鈴之助を歌って踊った(らしい)のは喜んでくれたんじゃないか。たぶん、買っとけよとささやいてくれたんだろう。ともあれ子孫にはお願いしておく。食うに困ってもこいつはメルカリに出さないでくれよな。

なぜかわからない、僕にとって上海は不思議な気分になるところだ。

湖心亭の夜景

判官贔屓と広島カープ

 

 

 

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飲み会を絶対に断る男

2021 MAR 3 1:01:46 am by 東 賢太郎

証券会社から銀行に移籍してなるほどこれは違うと思ったものがある。母体が銀行といってもやってる業務は証券だ、ここでそれということは本丸では相当な差があろうかというもの。飲み会だ。

銀行員と証券マンは違う。「東くん、君らはファンファーレから入るけどね、僕らはお葬式から入るんだ」と教えてくれた役員さんは、証券マンほどお葬式の翌日から入る人種はないことをご存じなく証券業に入られたという意味でとても銀行員だった。各所で飲み会をしていただいて有難かったが、商売や人生の基本原理がまるで別物だから犬の集会に猫が一匹まじったみたいなものである。

「いいネクタイですね」。猫は毛の色まで珍しい。お酌をくれながら「野村だと毎日でしょ?」「いや、僕は年3回ぐらいですかね」。シーンとなる。大学で全優だったんだろうなという感じの女性からおそるおそる「あのう、ニバンゾコって何ですか」とあさっての質問が飛んでくる。「チャートで二番目の底です。僕もよく知らないんですよ、何の意味あるのか」。禅問答が10秒で終わる。まあこんな塩梅であんまり酔いが回らない。それなりの酒宴の在り方は面白くはあったがネクタイはちまきの宴会部長は1年待っても出てこないだろう。

驚いたのはそれだけでないが、もっと驚いたのは、「そんなものはいいんだ、ここは証券会社だ、そのために来てもらったんだから君の好きなようにやってくれ」といわれたことだ。後に社長になられる横尾常務(当時)だ。これを男冥利といわずしてなんだろう。31年サラリーマンをやって一番高揚感を覚えたのはこの時だ。自分をほめてもいけないが、モチベーションが上がると猫が豹に変って気がつくと自分でも信じ難い結果が出てしまっていることが幾度かあった。この時もそれだ。

そういわれたからといって証券流飲み会を決行したわけではない。なぜなら興味がない。若いころ盛大にしていたのは仲間と群れる時間が潤滑油として必要だったからだが、麻雀がわりのカジノと土日のゴルフの方がずっと多かった。それをここでやるわけにもいかず、結局120名の部下とは仕事現場でのつきあいだけで潤滑油はなし、しかしそれでうまく歯車が回ってしまうのだから銀行の組織力は大したものだと感嘆した。野村の組織力も強いが、人的つながりに依存するのでどうしてもプライベートで腹を割っておく必要があった。

サービス業でなく研究者のような就職をしていたら良かったと時々考えることがある。理系だったら本性のまんま「飲み会を絶対に断る男」で通して楽だった気もする。しかしそっちの世界はもっとヨイショが必要だよという声もあるので上司の不興を買って討ち死にしてた可能性も高かろう。たまたま入ってしまった証券界で生き延びたということは本性をかなぐり捨てて妥協してきたからである。そして、ということは「飲み会を絶対に断らない女」とあんまり変わらないのではないかという結論に至ってしまうのである。

総務省No2まで昇りつめた山田真貴子氏は「断らない女」を妥協というより功利で積極的に演じたのではないか。それはそれで生き抜くための立派な戦術だ。サラリーマン道では僕より一枚も二枚もうわてな人なのだろう、何事であれ達人には敬意を払うポリシーだから悪いという含意はないつもりだが、しかし、自分の人生もそれだったとなると全く認め難いものがある。妥協していたのは認めるが、野村から出たのはそれをもう一切しないという決断であり、そんなことをせずとも力だけで評価してくれたみずほ証券には心よりの感謝しかなく、もちろんその力を涵養してくれた野村は棺桶に入るまで「我が母校」である。

おかげ様でいまや「飲み会を絶対に断る男」にすっきりさっぱりと回帰し、達人の仕事をしてくれる部下、仲間たちと楽しくやっている。敵味方なくファインプレーが出れば達人だねえと愛でる、仕事でも趣味でも完全にそういう人間に生まれついていたのだということが自分でよく分かってきた。達人だなあと思う中身は年齢とともに変わっていくことはあるが、あの誰も抑えられなかった王貞治選手をワンポイントで三振にとる大羽進投手は凄いと小2でカープファンになった素地はそのまま三つ子の魂である。

だから、これからのビジネスもそうなのだと考えている。長年白人と仕事し、白人社会で生活してきた。でもそれが三つ子の魂ではない。そのことはスイスから異動になって香港チェクラップコク国際空港に家族と降り立った時、不意の衝撃として天啓の如く悟ることとなった。空港の雑踏でもみくちゃにされて周囲を見渡すと、みな髪の毛が黒いということだ。当たり前ではないかと笑われようが、まるで別な惑星で異星人の集団に取り囲まれたような気分に陥っていた。しかも、鏡を覗けば何のことないそこに写る自分はその異星人なのだ。不思議の国のアリスが目が覚めたとき、きっとこんな気分だったにちがいない。

そんなばかな、大袈裟なと思うかたには、少なくともまず欧米のお好きな国で14年の歳月を過ごしていただき、ある日突然の電話で「次は香港に2年半住みなさい」と有無を言わさず命令されていただく必要があるだろう。ノムラ・インターナショナル・香港のでっかい社長室に次々と押しかけてくる人達にそんな気分を微塵も悟られぬよう注意を払いつつ、何日かはアリス状態から頭が切りかわらない。さらにもう幾日かを経て、恥ずかしながら初めて悟ったことといえば、いかに自分から日本人目線が抜け落ちてしまっていたかということ、そして、日本人が東洋人の一部だという意識のかけらもなくボ~っと生きてきたのかということだった。

三つ子の魂は日本にあるに決まっている。しかし自分は東洋人だから香港です~っと吸い取り紙にインクが浸みこむみたいに受け入れてもらい、500人の部下とパイチュウで倒れるまでカンペーカンペーの飲み会をする必要もなく長年そこにいたかのように仕事ができた。中国や韓国やベトナムのビジネス慣行はとんでもなく違っていて失敗もしたが、東洋人という最大公約数から糸をたぐっていくうち何がなぜどう違っているかが分かってきた。日本人だって、東京人の僕に大阪の文化は驚天動地だったじゃないか。この発見は非常におおきい。なぜなら証券ビジネスという心理の機微や綾が非常に重要な要素を占めるものにおいて、飲み会や大宴会よりそっちの理解の方が実は部下やお客さんには本音で望まれていたことのように思うからだ。

不思議なもので、コロナで禁止されると飲み会やりたいなあと思ってる自分がいる。なんてあまのじゃくにできてるんだろう。「断る人は二度と誘われません。幸運にめぐり合う機会も減っていきます。多くのものに出会うチャンスを、愚直に広げていってほしい」(山田真貴子広報官)。いいこと言うなあ、やった人しか言えない、ビジネスを志す人は耳の穴かっぽじって聞きなさい、まさしくその通りなのである。男だ女だなんか関係ない、そのぐらいの覚悟と犠牲がないとNo2まで昇るのは到底むりだ。7万円が高いか安いかは接待する側がおもんぱかるもので、出てしまった饗応を断るすべはない。もったいなかったね、行ってしまったのがまずかったですな。

ところで、若い人にそう言いつつ、僕はもうそういう幸運やチャンスはいらない。ときに何の話題がなくても一緒に酔っ払ってくれる人は大事だったんだなあと思う今日この頃だ。

 

飲み会を絶対に断らない女

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飲み会を絶対に断らない女

2021 FEB 25 23:23:22 pm by 東 賢太郎

まったく記憶がないが、母親に芸大に行きたいと言ったことがあるらしい。あんなに音楽が好きなら行かせてやればよかったわと妻が茶飲み話にきいたのを最近きいたというややこしい話で、いいよといえば行けたと思っているとても世間知らずな家庭だったということでもある。

銀座で音大卒の子に男女比は2:8でしたときいて頭がくらくらした。大学のクラスは50人いて女子ゼロであり、そこまで共学だった僕としては野郎だけの宇宙船で月面に不時着したみたいな気がしたものだ。あそこに女子がいたら?いやもういるだけで間違いなくモテただろう。とすると、その逆である音大は?

そんなある日、サントリーホールでのことだ。舞台を黒装束で埋めつくすオーケストラをぼんやり眺めながら、なにやら釈然とせぬものが頭をよぎった。男のが多いじゃないか・・・。この事実に対する釈然とする説明には出会ったことがない。2:8の母集団から任意に8:2の集団を得る確率は非常に低いのだ。

「あっ、オケは入れません、難関です、欠員が出ないと」音大卒の子は平然と言った。それを埋めるオーディションに百人も来るという。そうか。とするとほぼすべての楽器において男の方がうまいということになる。それはないだろう、変じゃないか?なんか差別でもあるの?

どこかの医大の入試で男子の点数にゲタをはかせていたことがあった。あれはあれで理由があったと聞くが、オケにも業界の裏事情でもあるのだろうか。男は食うために必死で女を蹴落としてるのだろうか、それとも学校や先生や先輩のコネをつたって理事会や幹部に接待攻勢でもかましてるのだろうか?

こういう話になると、多くのサラリーマンの脳裏をよぎる言葉がある。「つきあい」だ。「あいつはつきあいがいい」、こんなんで出世が決まるんだぜ日本は。ロンドンのパブでそういったら「ボス、じゃ俺は夜に出勤するぜ」とオカマっぽいのが乾杯してきた。バカそっちじゃねえ。それ以来、社内でツ・キ・ア・イは英語になったが僕はカンパニーと言ったらしい。

「おい行くぞ、カンパニー」の一言で5,6人ツキアイが集まる身分になったのは課長になってからだ。まずソーホーでささっと中華飯を食い、リッツホテルのカジノにくり出す。じゃあ明日な、で帰宅すると2時ぐらいだ。「明日な」とは8時にゴルフのティーオフするから来いという意味である。問答無用であったため、実はここで出世は決まっていなかったが。

女子の総合職が初めて入ってきて、そのカルチャーは少しだけ変化したが、初めて本社勤務で帰国した僕は大いに面食らった。当時の野村の下士官クラスは僕のような野蛮な男ばかりだ、きくと同期もみんな女性様の扱いにそれなりに苦労していて、課の飲み会は必ずやさしい笑顔と猫撫で声で「行く?」とお伺いをたて、断られない努力をしていた。

しかし女子も野村に入ってくるのはタフだった。超高学歴で英語ネイティブだがお高くとまらず、飲み会を皆勤して男を手玉にとる人が現れるのは時間の問題であったのだ。みなの前で誘って「いたしません」されては新米課長は格好がつかない。飲み会を絶対に断らない女は時に神で頭が上がらず、こうなると学生時代の大事な四年間を月面で過ごした弱みはあなどれなくなってくる。

多くの女性と働いてきたが、みなこっちがどれだけ会社で大変か知っているのは楽ではある。しかしアフター5は口も滑らかだし、皆勤賞だと組織の構図を色々読めてしまうだろう。勘の冴えた女性だと意見を聞いてみたくもなるがこっちも品定めされてるかもしれない。幸い僕は良い人ばかりに恵まれたが、まあ色んな書けない話があった。大企業のポリティックスはジャングルみたいなもんで何が飛んでくるかわからない。真面目な男性のみなさん、脇が甘いのは禁物だ。

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九紫火星のみずがめ座

2020 DEC 30 17:17:41 pm by 東 賢太郎

運勢見というと四柱推命や占星術になりますが、そういうものを信じるかというと、もともと関心のない方です。それは受験で数学に熱中し、宇宙=パーフェクトという世界観に固まった影響が大きいです。それ以来、非科学的、非論理的なものは一切無視、軽視して生きてまいりました。

ところが、初歩的な量子力学の書物を読んでその世界観が崩れました。

物質は「観測」するまで何も決まっていない!

アインシュタインも解けなかったこの不思議を認めると(認めるしかない)、我々が見ている物質や宇宙は実は張りぼての舞台装置であって、数学や物理の法則は「張りぼて界」をプラモデルのように組み立てる仕組みにすぎず、それを作った「創造者」の世界は違う原理で出来ていると考えるようになったのです。素粒子より小さい世界は観測前から整合的に存在すると考える物理学者もいます。

そこでめぐり合ったのがショーペンハウエルです。『意志と表象としての世界』はさらに衝撃でした。ふと量子力学を思い出し、こういう考えに至ったのです。

宇宙は実は天界のディズニーランドである。アトラクションの「ワンダフル・ヒューマン・ライフ(素晴らしき人生)」は人気だ。テレビスクリーンに地球上の妊娠中の女性が映る。お客は自由に選択でき、ボタンを押すと下界に降りてそのお母さんの胎内に入る。そこからはその胎児の目線(五感)となって「70~80年コース」の4次元コンテンツが始まるが、上映時間は天空の1時間ぐらいである。割増料金で100年コース、上映時間は90分の長尺も選べる。

 

2020年は7月にこういうことが起きていました。

必然は偶然の顔をしてやってくる

人生を懸けて起業した会社の10周年に起きたこの「事件」は看過できず、「そんなのは偶然だ」とささやく僕の “常識” を消し去りました。

コロナの影響は我々の仕事には左程なく、リモートワークにも順応してきましたが、11月はじめに米中対立の余波が案件の帰趨を一変させる想定外の事態が発生しました。しばし対応で眠れぬ日々が続きます。

ところが、その逆境が12月に突然好転して今を迎えているのです。日記を見返すと、カマキリ、後光、二重の虹が出たとあります。

世の中の謎「色々見てしまう旅」というもの

その2日後に新しい案件が舞い込んできて、そこを境目にマイナスからプラスの「倍返し」が始まりました。

 

こういうことを科学が真面目に取り合うことはありません。しかし、その科学はこう認めているのです。

我々に見える物質(元素)はぜんぶ足しても宇宙の4%しかない。我々は96%の部分に何があるか知らないし「4%世界の常識」に合わないものは「そんな馬鹿な」で切り捨てている。

我々の人生は天界のディズニーランドのアトラクションであり、乗客(観測者=我々の精神)と舞台装置(宇宙=張りぼての山やトンネル、そして我々の肉体)と仮定すれば、物理学の素人でも以上のことが「科学的」と信じられるように思います。

 

経営を10年もしていると「一寸先は闇」と思うことが何度かあります。今年は特にそれを痛感しました。いかなる学問もそれを救うことはできません。だから多くの経営者が最後は神仏に頼り、易学の四柱推命や占星術を信じ、仏滅を避けたがります。「そんな馬鹿な」で切り捨てられないものを知っているからで、それを見た周囲は「そんな馬鹿な」と思うのです。僕自身、起業までの55年を生きた自分とは別人格になっているはずです。

 

僕は九紫火星みずがめ座です。その特徴を調べると、どちらもまったくその通り。他の星や星座も見ましたが、見事にちがう。2月4日の午前1時生まれで、易学ではそこが1年のスタート地点、みずがめ座はど真ん中です。九紫火星の世界的代表選手はドナルド・トランプ氏でしょう。4年前からどうも彼は悪からず思えていて、同種の人間だから言うことがよくわかるのかもしれません。いま世界にウソを垂れ流して彼を低能な変人扱いしている連中は、すべからく僕とは合わない、大嫌いなタイプだということになりますね。

みずがめ座代表は何といってもウォルフガング・アマデウス・モーツァルト氏でしょう。ネットで出てくる特徴は「権威主義(縦社会)への反抗と革新」「自由な発想と個性尊重」「発明と科学・技術、友情と連帯(フラットな関係重視)」で、「人と同じが耐えられず」「周囲は完全にスルー」「直感」「独創」「マニアック」「気分屋」「予測不能」です。まさしく彼そのものですが僕そのものでもあります。よって、組織人にはまったく向いておらず自ら飛び出す運命にあり、モーツァルト先生はザルツブルグ宮廷を飛び出し、三井物産、王子製紙の役員で飛び出した我が祖父もみずがめ座でした。

九紫火星

ネットを見ると「九紫火星は2021年から人生の転換期を迎え、その兆しが11月頃から表れ始める」「12月の九紫火星は九紫火星の上に乗って特別なことが起こる」とあります。まさに冒頭のように、絵に描いたようにそれが起きている。トランプ大統領にもぴったり当てはまっているように思います。

みずがめ座

つい先日(12月22日)木星と土星が400年ぶりに大接近(グレートコンジャンクション)しましたが、それはみずがめ座で起こりました。実は12月に景色をバラ色に変えた案件はその22日に何の前ぶれもなく飛び込んで来たのです。2021年から世界は転換して「風の時代」となり「みずがめ座がシナリオを書く」とあります。

 

まあなんと信心深いと思われてしまうでしょうが、経営者になってみてこういうことを気にするようになりました。でも、知ったからどうということはありません。流れに委ねるだけです。野球の球は力めば速くなるわけでなく、むしろ脱力して、離れる瞬間の0.1秒だけ指先に力を入れると威力が出るのです。

見えている現実はすべてウソかもしれない

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バイデンが隠しトランプが暴き出す秘密

2020 DEC 12 19:19:46 pm by 東 賢太郎

(1)ウォーターゲート事件について

いま米国で大統領選をめぐって起きていることの深層にあると噂されるものが真実なら、このごたごたはいずれ世界史の教科書に載るでしょう。どんなふうに載るかなと考えますと、僕が高校2年の時に世界を騒然とさせたこの事件がどうしても頭に浮かんでくるのです。

ホワイトハウスが編集した筆記録の提出を公表するニクソン大統領 1974年4月29日

簡単にまとめると、1972年の大統領選の予備選挙のさなかに、アメリカ民主党本部に5人の男が盗聴器を取り付けるため侵入して逮捕されます。はじめはコソ泥事件あつかいで11月の大統領選挙には何ら影響せず、共和党のニクソン大統領が再選を果たします。

ところが、大統領自身が関与していることが内部から暴露され、その証拠となる「録音テープ」をめぐり、もみ消し工作、CIA、FBIの介入、司法への介入、大統領特権発動など007さながらの攻防戦がくり広げられ、ウソが発覚したニクソンは米国史上初めて現職大統領として辞任に追い込まれたという事件です。

要は、選挙で怪しい事をやってバレれば当選してもクビという前例なのです。

今回は決定的に違うことがあります。ニクソンを追い込んだのはワシントン・ポストの2人の記者でした。CIA、FBIも協力し、暴いた秘密を紙面で公表し、ニクソン=悪玉の世論ができたことで辞任せざるを得なくなったのです。

対して今は、悪事を指摘しているのは現職の大統領です。マスコミは敵方であって、「トランプ=悪玉」の世論をあらゆる道具(コロナ、差別)を駆使して作っています。「2人の記者」=「正義の味方」、だったものを、「悪代官のポジショントーク」=「盗人猛々しい」の図式で処理しようという作戦です。

それを熟知するトランプは、まず法廷闘争を仕掛けます。正義を身にまとうためです。できれば時間を稼ぎ、裁判は受理されないようにします。不十分な証拠で敗訴すると判決が確定するからです。

1月6日までのどこかで部分的戒厳令のようなものを出し、軍の監視下で郵便投票数えなおしを要求します。ドミニオンの機械なしでです。バイデンが拒否すれば世論は反転します。

数えて負けてもOKです。不正の証拠を固めてバイデン大統領、ハリス副大統領を刑事告発して辞任に追い込めばいいのです。トランプとペンスは既に(12月7日)ウィスコンシン州巡回裁判所にバイデン、ハリスを告訴しています。

以上は僕の憶測にすぎません。自分ならそうやるかなあということです。そして、もしそうなれば、予言したとおり世界史の教科書に載るでしょう。それもウォーターゲートよりでっかい太字でね。いま、バイデンサイドはもちろん最高裁もビビってるでしょう。それだけは勘弁してくれ、俺にタマを渡さないでくれと。ひょっとして、最悪のことですが、Too big, to judge.で逃げを打つかもしれない。まあそうなったらアメリカは民主主義どころじゃない、国家ごと崩壊です。テロを心配します。テキサス州が最高裁に起こした訴訟に賛成した18州と反対の22州は内戦状態になるかもしれません。

 

これほどの事件の進捗が日本ではぜんぜん報道されません。怖くてできない大人の事情は分かりますがほぼ脳死状態といっていい。マスコミがどう判断してどういう末路になろうと構わないが、日本人は真実を知ってインテリジェンスを持つ必要があるし、その権利もあります。そこで本稿で私見から4つのyoutubeビデオを選び、論評いたします。僕は論者でなく単なるキュレーターの立場であり、クラシック音楽CDのリコメンデーションと同じという理解でお読みいただければ幸いです。

 

(2)日本のマスコミについて

選挙直前までバイデン優勢一色だった日本のマスコミは、11月3日の開票速報を見て、にわかに「トランプ圧勝ムード」に振れました。ところが日本時間で4日未明に、謎の「バイデン逆転満塁ホームラン」が出るのです。翌朝、某局のワイドショーは、特ダネ級に盛り上がったトランプ旋風の報道は「なかったことに」で、東京のどっかに出た猿のニュースを延々とやってる。ニューヨークに電話して、戻ってきたらまだ猿やってる。

僕は大学3年から下宿して、テレビは買いませんでした。つまり2年間見なかったわけで、見たくて親元に帰ったのはドリフの「8時だよ全員集合」だけです。海外にいた16年間も、そもそもやってないので見ようがありません。ちなみに、僕は世捨て人ではなく世界の先端情報がないと商売にならない証券マンです。ということは、要するに、日本のテレビは不要なのです。若い人は、そんなもの見るヒマがあったら本を読むかモーツァルトでもきくことです。

 

(3)米国のマスコミについて

海外で見ていたのはBBC、CNN、CNBCなどです。昔はそれなりの情報量と品質がありました。ところが、今回の大統領選で不測の事実が発覚します。米国のほとんどのメディアが「ウソも百回言えばホント」は本当だと経験的に理解させてくれる膨大なウソと無視を垂れ流し、CNNの社長が朝会で「トランプをディスれ!」と幹部に命令した声が録音されてネットで全世界に放映されてしまった。この “万人がびっくり” の事件をどの社も報道しない事実は、視聴者目線の「ニュース・バリュー」という放送の尺度が、放送者の利害関係という尺度によって殲滅されており、実は我が国の戦時中のごとき報道管制が敷かれている事実を指し示します。

米国がマーケティング国家であることは書きました。手法として、ケチャップを売るのも大統領候補者を売るのも同じなのです(ちなみに僕はハインツのファン)。そのツールがテレビCMです。商品の中身よりイメージを売るのです。中身はカス、イメージはウソで構いません。CMを百回流せば売れるからです。だから選挙はカネの戦いになります。バイデンはトランプの3倍のカネを選挙戦に投入しました。自己資金でまかなったトランプと違い、バイデン家にそんなカネはありません。ではどこから降って来たのでしょう。国家の根幹である州知事や最高裁判事でさえカネで買える国になり下がった米国で、「PRマンにすぎないマスコミが買えない」と信じるのは、百万円落しても返ってくる善良な国、日本ぐらいです。

 

(4)SNSというメディアについて

SNSは玉石混交ですが、なるべく多くを視聴することで偏向や誤謬の修正をかけて見れば真実の輪郭ぐらいはつかめます。日本でかけらも報道されない12月2日のシドニー・パウエル弁護士の演説のようなものもあります。この人はトランプ弁護団の一員ではありません。「法の正義」を体を張って守ろうという意志は国籍は関係なく伝わるし、米国の危機は民主主義の危機だということも理解できるでしょう。正義は他人事でも、大統領選挙が日本の国防にとっては我が事であることをどれだけの日本人がわかっているのでしょうか。

ネットのプラットフォームは報道管制カルテルの一味であるGAFAなどSNS運営会社の所有物だから米国の通信品位法230条を根拠とする「投稿削除」が横行し、トランプ寄りのサイトは一種の魔女狩りにあっています。先週からいよいよyoutubeもそれを始めましたから本稿に引用したビデオも消滅するかもしれません。しかし、報道しない自由で世論操作するテレビとの最大の違いは、ネット世界では「消せば消すほど炎上」という法則があることです。なぜ放送しないという不作為が、言論の自由侵害すれすれの削除という作為に転化し始めたか、人々は裏の事情を推察するようになりました。

しかし、彼らはマーケティングというビジネス・スクールで教える原理に従っているのですから、ウソつきだと一刀両断に切り捨てるのは知的な態度ではありません。それは、かつて日テレが「巨人ファンを増やせ」の社是で放送していた地上波ナイター中継とおんなじだと理解すればいいのです。巨人軍にソンタクする解説者しか呼ばない。巨人のプレーは大げさに褒める。監督も選手も人柄まで持ち上げる。負けても明日が楽しみですねという。不祥事はなかったことにする。それに見合うスター選手をそろえ、常勝というフィクションの目標を課し、うまくいかないと監督をコロコロ替えて目くらましする。そして、相手チームは戦いを盛り上げるヒール扱い。この社是に則って昭和時代から粛々と放送を続けた結果、巨人ファンにも飽きられて消えていったのです。

 

(5)中国の介入について

横山光輝の名著

トランプが敵と明言したため中国人が悪いと短絡的に思う人もいますが、それも知識人の取る態度ではありません。中国という国は重層的な国家で、よって中国人という概念も一枚岩ではないからです。国を出て自由主義国に居住する中国系知識人の言説はyoutubeでたくさん見ることができますが、米国の権力相関図に中共が関与する経緯を詳しく解き明かしています。それが介入であり悪事だと説く人は三国志を知らないのでしょう(まあトランプやポンぺオは読んでねえだろう)。大統領選の民主党候補にもなったカリフォルニア州のエリック・スウォルウェル下院議員をずぶずぶにしていた中共の美女スパイ・ファンファンが時の人になってますが、ハニートラップなぞ1600年前の『兵法三十六計』の第三十一計に美人計」と書いてある。そんなもの中国人にとって常識なのです。呉を滅ばした西施や、董卓をハメて殺した貂蝉などそれで歴史に名を遺した女もいて、2千年も前からそれをやってた連中がけしからんなどナンセンスの極み。知らないアメリカ人が無学なだけです。youtubeの書き手はみなアンチ中共であり(あたりまえだ、諸葛孔明が仕掛ける前に作戦など明かすはずがない)、是非はともかくバイアスがあることには違いありませんから除去して視聴する必要がありますが、日本が米国の軍事同盟国である以上彼らのSNSは知っておくべきソースとして僕は常時チェックしています。

中共の昨今の諸々の行動への是非論を主義主張、感情でとらえるのは個々人の自由ですが、まず、イデオロギーを除去して原理的に理解してみようというのが僕の常日頃変わらぬスタンスです。人間は2種類いて、何かニュースを聞いた時、「誰が言ったの?」を聞く人と聞かない人です。「ああ、あいつか、じゃあ信用できないね」となったりするのが前者で、日本人は欧米人中国人と比べこれ(レッテル判断)が非常に多いと思います。僕は後者であり、まずニュースの含意、そして是非を考えます。次に誰が?(ソース)を尋ねます。ソースは是非のノイズにすぎないという処理です。この方が大事な情報を取りこぼす確率は低いというのが経験則です。

大統領選のすったもんだのケースでいいますと、古来より天の道を信じる「中華思想」とは、AKB48のセンター争いといっしょで、中国皇帝が世界の中心」でなくてはならないのです。「中心(センター)は地球に一つしかない」ですから、原理原則の帰結として、「神は一人しかいない」とする一神教の米国と真っ向から対立する運命にあるのです。

中国が経済力を蓄えいよいよその時が来たというのが僕のシンプルな理解です。その蓄財の契機となったのは2001年の中国のWTO加盟であり、野村金融経済研究所の部長当時より「中国ビッグバン仮説」として今日の姿を予測して参りましたから、昨日今日の思いつきではございません。また、その予測はその後の人生をかけた決断の根拠となり財も得られたという意味で、それを裏切らなかった中共のポリシーの一貫性については良くも悪くも大したものだという気持はあります。反民主的行為への途惑いは大いにあるものの、それとこれとは別な事です。

米中のどっちの言い分が正しい、どっちが正義だという争いに日本が参加しても、目下の両者との国力差からして意味ある位置をとる可能性はほぼゼロで、勝てない戦いをする意味はありません。センターのパシリのトップ(上級奴隷)の地位をとるのではなく、むしろAKB48には加わらず、どっちに転んでも必要不可欠とされ続ける道を王道と知ることが子孫に残さなくてはいけない我が世代のインテリジェンスであると僕は固く信じます。そして、それは圧倒的な経済力(金儲けの力)、交渉力(騙してでも言いくるめる力)、そして許容される最大限の軍事力(ケンカに強い)しかありません。こういう子は学校でいじめられないのは子供でも分かることで、同時に、どれも役所の理屈から出てくる力ではありません。この歴史的に重要な文脈の中で首相になられた菅さんは多分それを知る人と思います、その確立を天命と思って頑張っていただくしかありません。

 

(6)米国が社会主義国になる時代について

バイデン陣営が「トランプの狂気から民主主義を取り戻す」と主張すれば、トランプ陣営は「バイデンは米国を社会主義化する売国奴」という。1980年代、僕が留学したころに「コーラ戦争」というものがあって、コカ・コーラとペプシが相手を名指しのテレビCM合戦を展開したのを思い出します。バイデンの主張はそのレベルですが、トランプはそうでないと思います。彼はすでに米国に社会主義が巣食っており、中共がまずはカネで、やがてはイデオロギーで浸食する妖怪であると暴き立てています。しかし、テレビしか見てない人はそんなことあるわけないだろうと思い、バイデンがまともな人に見えるのです。

「弱者を救います」であるはずの社会主義者と強欲・金儲けの権化であるウォール・ストリート(WS)が結託してるなんて信じ難い。でも人種差別をなくします、科学を尊重してコロナ対策をしっかりやりますというリベラルに響く部分と社会主義は矛盾なく聞こえ、それをメディアが声高に宣伝し、その選挙資金はWSが面倒みる。ならばいいじゃないかとなり、民衆の支持を得るのだから民主主義でしょ、しかも公正な選挙で選んでるしとなるのです。しかし、選挙資金は中国からも出ていて、それが妙な機械に回っていて、それを堂々と導入して票を改竄したりいかさまを隠蔽したりで「毒饅頭(まんじゅう)」が飛び交い、盛大な八百長試合が行われていたとなればどうでしょう。

選挙不正があったというニュースはSNSでしか得られませんから真偽の確証はありません。どんなにもっともらしくても、そっちだってウソかもしれないと疑念の種を常に持っておく心のバランスは重要です。それがないと、米中どっちが勝とうとフレキシブルに生き残るしなやかさが失われるからです。生き残ったのは強者の恐竜でなく、柔軟に環境適応した哺乳類なのです。

しかし、仮にいかさまがあったとするなら、ここだけは個人的なステートメントを述べておきますが、絶対に許し難い。拙ブログをフォローしていただいている皆様は、僕が「ウソ、ヤラセ、なりすましが大嫌い」であり、STAP細胞事件、論文改竄事件、食品偽装事件、にせベートーベン事件、司法試験問題漏洩事件、公文書改竄事件など、どれほどボロカスに書いたかご存じです。正義の味方を気取っているのではなく、単に、生まれつき、心底、大嫌いなのです。

本件についても、アメリカ政治への関心ではなく、もしそうなら許さんぞという怒りから書く動機が発しています。

ただ、一個人が吼えたところでどうなるものでもなく、また、中共の奸計に易々と篭絡されている米国も救いがたい低レベルに没落しているのであって、トランプが再選しようとしまいともう遅いでしょう。したがって、我々が目撃しているかような事態は「所与の条件」と思うしかない。お天気だと理解し、晴れなら晴れで、雨なら雨で、より良い一日になるよう対処していくしかないでしょう。

「米国に中共DNAが入り込み、リベラルに寄生して民主主義の殻をかぶった社会主義国家をつくる」というSFかホラーかというストーリーが所与の条件とは俄かに信じ難いことですが、あり得ないことではない。その説明は、駿台予備校の世界史の講師であられる茂木誠氏のこれで一発で気持ちよく分かります。

こんなこと危なくて文科省にソンタクする学校は言えないが予備校は言える。面白いですね。テレビとネットの関係と見事に相似形です。僕もこれで頭の整理ができました。自分はどう考えてもリベラルな人間なのですが、どう考えても左翼ではない。しかも、ウォール・ストリート・ビジネスのど真ん中で40年も生きてきています。そして、菅官房長官には批判的でしたが菅首相はすんなり受け入れてる。あれ、僕は何者なんだろう?と自分で驚くのです。そのぐらい、世の中は捻じれつつあるのです。

なるほど茂木氏の座標軸に照らせば、僕は19世紀的リベラルで米国開拓民的リバタリアンに近く、それは草の根保守と同居して現代の共和党の一部を成しており、だからショーペンハウエル的啓蒙思想とベーコンの英国経験論に共鳴し、革命家モーツァルト好きであると同時にオールド・ノスタルジーのルロイ・アンダーソンのフリークでもあり、政治家はサッチャーを尊敬し、安倍首相と真逆である菅首相の自助と小さな政府がとりあえずのところ気にいったのです。これだけ一気通貫で説明がつけば、氏の説は数学的帰納法的に正しいのだと思うしかございません。

 

(7)自分の座標軸というものについて

毎日世界のインフォメーションの洪水に晒されていますと知らず知らず「ウソも百回言えばホント」の妖術にかかってしまいます。すると理性が曲がってしまうのでニュースの真贋が見抜けず、騙されて大損する危険が出てくるか、それが怖くて何もしない人生で終わるかとなりかねません。負けないことを旨とする僕にはあり得ないことです。だから、身を守るために一定の座標軸を自分で作り上げることが必須なのです。それができれば自分のインテリジェンスとなり、それに従って、自己責任で大事な決断ができるようになります。それでも失敗はしますが、どのぐらい外れたか定量的に感知することができるのでリベンジの失敗確率は減ります。

その判断を他人任せにするのはダメです。最低です。たとえば、「上がる株を教えてください」というようなものです。そんなものがあるはずないでしょう?仮にあってもタダで教えるはずないでしょう?教えますよというのは100%詐欺師なのです。だから、他人任せの人は大なり小なり詐欺師に騙されて、しかもそれに気づかないで生きることになります。気づいたところで居酒屋で悪口いうぐらいです。だから自分の座標軸を持ちなさいというのです。

以下、僕なりのスタンスで書きます。たとえば、これは中国人の方のサイトです。これを盲目的に信じるのでもなく、何が真実かをえぐり出すための座標軸を学ぶのです。思考回路といってもいい。天を見ている民族ならではの動的、原理主義的かつ明晰な発想と思いますし、自分に元からある思考回路と違和感ないなあとも感じます。そうやって検証しながら、自分の座標軸らしきものを見つけ、磨いていくのです。

ちなみにこれは茂木氏の言説に通じるのがお判りでしょう。彼が駿台で人気講師と聞くと日本の未来に少し安心します。こういう発想ができる人は日本人にはほとんどいませんが、欧米人、中国人には当たり前のようにいます。僕は留学と勤務経験で年月をかけて知ったのですが、いまやそうしなくても家でSNSで10分で学べるのは大変なアドバンテージです。

張楊氏の番組は何本か見ましたが情報の質が高く、読み込みや洞察が深く、要するに頭が物凄く切れますね。ここから学ぶことはたくさんありますが、翻ればこういう人が中共幹部にたくさんいるのだろうからマスの力として米国を転覆させるほどのことができて何ら不思議でないという恐ろしさも体感します。

面白いものはまだいくつもあります。自分で見つけてください。

 

(8)僕はどうやって座標軸を作ったかについて

19世紀的リベラル人間であることが座標軸の根幹をなしている僕ですが、意識してそうなったわけではありません。両親は特にそういう傾向はなく、先生や先輩・友人など誰かに吹き込まれた記憶もありません。19世紀の日本にその思想はありませんから、要は外来種であって、どこでそうなったかは未だわかりません。若いころ衝動的に米国に行ったことから遺伝的な素地はあったと思われ、16年海外に住んでいるうちに学んだというよりも空気を吸ってそうなったとさえ思われます。

その意味で、米国で2年間教育を受けたこと、そして2年半香港で「香港居民」のビザを持ったことは、その空気の中でも大きな影響があったものです。米国のリベラルな空気は素晴らしい物でした。今回の選挙で話題となっている民主党の牙城フィラデルフィアだったというのもありましょう。しかし、住んでみてリベラリズムという意味で最も衝撃を受けたのは、どの西欧の都市でもなく香港だったのです。向上心ある者にとって、見上げた空は「青天井」。こんなイメージで心底ワクワクさせられたという点で、香港に勝る処はなかったと断言できます。

そのワクワク経験がなければ25年いた野村を辞める大決断など到底できなかったでしょう。だから、それが座標軸の大枠を作ったと思います。商人の街で超リベラルな大阪(20代前半)、智の経験のアメリカ(20代後半)、動の体験の香港(40代半ば)。これが3本柱でした。奇しくも日米中。いまとなると理想的なトライアングルですがそれは結果論で、社命で行かされてどれも大変な苦労をした処ばかりです。座標軸はインテリジェンスです。インフォメーションからは絶対にできません。だからなるべく若いうちに体験して悩み、もがき苦しんだ方がいい。そうすれば必ず座標軸が見えてきます。汗の中からしか出て来ないのです。空気を吸うとはそういう意味です。

 

(9)失敗からしか生まれないインテリジェンスについて

最後に重たい経験をした香港について書きます。僕はブログを回想からしか書けません。もう済んだ話だからです。昔話は自慢話です。人間の記憶回路には気持ち良いメモリーだけ残りますからどうしてもそうなります。そんなもので若者の大事な時間を奪う気はありません。うまく行った話は汎用性がありませんから、うまくいかなかった話、失敗談を書きます。

香港にチューリヒから赴任したのは1997年12月。世界的事件だった香港返還の5か月後でした。混乱と停滞と一縷の光明の中で多くの香港人、中国人の政府関係者、民間人と接点を持ち、Nomura International (Hong Kong) Ltd.の新任社長として毎日情報を吹き込まれました。それまで欧米派だったので香港どころかアジアの事情もよく知らなかったのです。しかし油ののった42才でしたし、証券業務のプロという自信はみなぎっており、役員会で50億円の予算をもらって新規事業を立ち上げました。

性格は慎重なので1か月かけてあらゆる角度から関係者の話を聞き、収益性の検討を重ねました。信頼できるスタッフもそろい、できないはずはないと自信がありました。しかし、その時、すでに株式のブローカー業務収益は手数料自由化で陰りが出ていたのです。それは世界の時流でもちろん承知はしていましたが、前年にダボス会議に出席して「アジアの時代」と吹き込まれており、アジア株だけはそれが及ばないと考えたのです。「経営に希望的観測は入れるな」は今の座標軸なのですが、この経験からそれができました。ということは、当時、それはなかったのです。

まずかったのは、僕が大物の英国人COOとぶち上げた計画を社内で止める人がいなかったことです。反対者がいても当時の僕が耳を貸す可能性はゼロでした。それほどの覚悟で香港に赴任したからであり、少なくとも自分では「野村の株式業務のエース」を自負していたからです。俺がマウンドあがったんだガタガタ言うなという気迫で、謙虚であればもらえていただろう意見やアドバイスが一切もらえなかった。そうして退路を断ってうまく行ったという成功体験に絶対の自信があったのです。成功は失敗の母であることを知りました。

結果、赤字が続きます。どう頑張っても単月黒字が2度あっただけで、外人社員相手に怒鳴るわけにもいかず気が荒れてすさんだ毎日を送り、眠れぬ夜が続きました。僕は全アジア拠点を統括するアジア株式業務部門長でしたが、野村香港の社長でもあったのです。物理的キャパとして相当無理がかさみ、他部門も収益状況は苦しくストレスは倍加しました。メンタルの強さ。これも絶対的自信がありました。ところが、ある日突然にパニック障害の症状に襲われたのです。鼻呼吸ができず窒息する恐怖で一ヶ所にじっとしていられず歩き回ってしまい、今度はそれが会議中出たらどうしようという恐怖に連鎖します。飛行機が怖くなり東京出張は船で行こうと真剣に調べました。立場上、それは秘書にも言えないのでこっそりと自分でです。

自分がメンタルに陥落するなどということは想像すらしたことがなく、業務というよりもそのことでかつてない「敗北感」のようなものに陥りました。失敗すると10倍返しを狙う性格ですが、この時だけは自分はもうだめだとかなり危険な状態だったと思います。ベートーベンのエロイカの稿でこの曲にいかに共感するか書きましたが、それはこの時の経験があるからです。想像ですが、ドナルド・トランプも会社を3度破綻させてこういう恐怖を味わい復活した。それがメンタルの強さの源泉だろうと思うのです。仕事はそこまで突き詰めてはいけません。自分が崩壊したら終わりなので。鈍感力というかアバウトというか、遊びがないと続きません。これで懲りたので今は体の声を聴くのです。ヤバいと聴けばさっと切り上げて休む。その流儀が身についてパニックは収まりました。

 

(10)東洋と西洋の闘いについて

香港に着任した時、西欧に13年いた僕の目に強烈に焼きついた「東洋」というもの、「東洋人」という自我。これは日本から行った場合とは少し異なっていて、欧米人が初めて香港に来て味わうであろう諸々の驚き、それと同じようなものをリアルに味わっている自分が実は東洋人なのだという奇妙な相対観が芽生えてきて、ここでも「自分は何者なんだろう?」の問いが何日ものあいだ心を去来していました。

いま米中の間でヘゲモニー争奪戦が始まっており、大統領選挙という舞台でバイデンはそれを隠し、トランプがそれを暴き出しました。彼は1月6日に勝っているかもしれないし、負けたとしても7千万人の支持は揺るがないのではないでしょうか。それは民主主義にとって救いであることは確かですが、その戦いは明治維新を経て富国強兵の道を進んだ日本国がかつて急先鋒に立った東洋対西洋の争いの延長戦ではないのか?敗戦で日本が西軍に付き、終わったかに見える戦いは本当に終わったのか?という疑問を投げかけるでしょう。東軍である僕は中国を応援すべきなのでしょうか?

 

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本音で、DNAのままに音楽を聴くと、こういうことになります。

クラシック徒然草-音楽の好き嫌い-

 

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奇々怪々な脳ドックのMRI画像

2020 OCT 21 22:22:18 pm by 東 賢太郎

脳ドックでMRI、これがいけません。トンネルに入れられる方式は耐えられない閉所恐怖症なのです。そういう人は結構いるそうで、オープン型マシーンを置いている所が人気です。それをトライしましたが、床屋もだめなレベルですからそれでも危機的でした。

画像を見せられました。自分の写真でこれほど妙なものはありません。下の方にチューブみたいのがぐるぐるあったりして、こんな奇怪な物体が俺なのか?と思うわけです。画像をいくら調べたって、僕という意識がどこにいてネコ派だなんてことはわかるはずない。何兆個あるか知りませんが全部の細胞をバラバラにして分子レベルまで調べたってわからない。

どの部位を破損すると何ができなくなるかはわかるそうですが、その理由はわからないそうです。そして、その脳を使ってる僕自身にもわからんのです。よく人生訓で「己を知れ」といいますが、己はたぶん脳なんで、じゃあわからないです。わかる方法は、いろいろ仕事させてその結果を見るしかありません。

8月に浸水した地下の荷物をひっくり返していたら、浪人時代の予備校の成績表が出てきました。いちばんハードな仕事をさせた結果で貴重なデータですが受かってしまうと用済みで中身は覚えてません。まず、思い起こせば僕は不得意な国語の勉強時間を削り、暗記で伸びそうな英・社に回したのです。それは失敗だったことがわかりました。なぜならその2つは偏差値がさっぱり伸びず、ずっと65前後というデータがいま目の前にあるからです。

逆に、伸びたのは理科の84、数学の81、三番目がその国語の75で、この3つは天井も高いが不発だと50代もあり、順位だと全国1番から2千番までと天国と地獄でした。つまり英社は「平凡安定型」(失敗しないので型)、理数国は「巨大バラつき型」(大バクチ型)で、これが自分の脳ミソの個性だったわけです。

そこで国語です。見ると70代が2回出て全国14番までなってますがまったく記憶がありません。英・社は何千回試験受けても絶対にそんなことはおきない自信がありますが、国語もそうだと思ってました。実は「巨大バラつき型」だった。イメージが大きく変わりました。社会に出てお世話になったのは国語力だったかもしれないと思うようになりました。

ここまで人生大きな悔いはありませんが、ひとつあるとすると「巨大バラつき型」が活かせてないことです。ホームランしか狙わず、バントとか進塁打には何の情熱も湧かない脳なので、持って生まれたものに逆らわずこれから狙います。

こういうデータは脳ドックでは出てきません。出てきたのは「問題ありません」の1データだけでした。

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安田、ひるんだら負けやぞ

2020 OCT 5 18:18:50 pm by 東 賢太郎

今年は野球観戦はもっぱらテレビですが、1度だけ東京ドームに行きました。阪神戦です。巨人は田口で、遠投を見ていて今日はいいなと予感しました。案の定、138キロぐらいの直球でぐいぐい差し込んで楽勝の完封かなという展開に。7回1失点で替わりましたが、唯一の先頭打者ヒットを打たれていた近本を見逃し三振に取った外角低め、これも138なんですが、観衆5千人のドームに響き渡ったミットの音は雷鳴の如き凄まじさで、プロの球はあんな音がするのかと絶句したのです。遠投はリアルに実感できますが、あの音は人生このかた聞いたことがない。グラウンドにいたら怯(ひる)んで凍ったでしょう。田口を速球投手という人はいません。138は素人でも出るし、後ろを守ってる野手の方がひょっとして速いでしょう。でも彼らが投げれば打たれます。ピッチャーしか投げられないストレートというものがあるのです。

ロッテに移籍した澤村がいい投球をしています。以前に東京ドームで何度か観た彼は150は軽く出ていましたが、一生忘れない田口の138に比べたら全然印象がありません。それが今は様変わりで鬼気迫るものがある。157出る上に、フォークかスプリットか、とにかく変化球が150(!)。あんなものを打てる人間がこの世にいるかと思っていたら、先日テレビで日ハムの渡邊との対戦があって、これが凄かった。全球150超え、全球ファール。フォークも当てる。渡邊は澤村に微塵も怯んでない。ファールが5、6球続いて、明らかに、澤村が追い込まれてる。そういうのはピッチャーの端くれだからわかります。結局、渾身の157を完璧な当たりで三遊間を割られました。ハブにマングース。記憶に残る稀代の名勝負でした。日ハムファンが「直球破壊王子」と書いた紙を振ってるではないか。なるほど、そうなのか。東海大甲府か。一皮むけたらどうしようもない打者になるなあ。でもあそこで120のカーブで三振だったな。澤村はないんだなあ。

ロッテは福田の復帰が大きいように思います。彼は182㎝ですが細身だからか打席でデカく見えます。インコースは引きつけて真芯に乗せて軽く右翼中段まで運ぶ懐が深いスイングで、ホークスにいた時に嫌だなあと思ってました。先日の10月2日、3-2で負けた日ハム戦のことです。21才の若さで4番を任されている安田が、二死満塁で宮西の真ん中低め直球を見逃し三振してゲームセットになった。「この馬鹿、振れよ」と怒鳴って僕もテレビを消したあれ、全ロッテファンがっかりのシーンだったのです。それが祟(たた)ったか翌日も西武のニールに抑え込まれ0-0で延長になだれ込み、10回に澤村がメヒアに一発打たれてロッテは1-0の完封負け。最悪のムードになりました。これはいかん、ホークスはしぶとく負けないしずるずる後退かと思ったのです。

しかし、この試合、一縷の望みがあって、わずか2安打だったロッテの9回、安田がクローザーの増田からセンターフェンス直撃、あわやサヨナラ本塁打という2ベースを打った。彼はこの試合、4の1で三振もありましたが、ぜんぶ振ってました。そしてその翌日の西武第2戦、劇的なことがおきます。安田は3回の二死満塁でまた凡退します。そのまま3-0の嫌なムードで負けていた6回、まず、福田がスリーランで同点。そして、7回。二死一二塁と再度の好機にまた安田。すると福田が近づいてきて二言三言。あとで報道で「怯(ひる)んだら負けやぞ」と檄を飛ばしたと知りました。そして、その安田がスリーランで逆転。漫画でも出来すぎのストーリーで逆転勝ちをおさめるのです。第3戦でも2ベースを打ってお立ち台の安田は、あの日ハム戦の見逃し三振でビビッて考えこんでたら打てなかったろうと思います。失敗はめげずに吹っ切ってやれば、若者は必ず成長できます。

先週たまたま野村の副社長だった大先輩が来社され、ひょんなことからあんまり思い出したくない若気の至りの昔話になりました。海外のディールで僕は本社の課長として国内の営業体に300億円の株の販売予約をさせました。これは営業への僕の信用でやったことです。ところが、あらんことか急にその株の引受がロンドンでキャンセルになってしまい、なんだこれはと大問題になったのです。夜も眠れず、完全にクビを覚悟しました。翌日がっくりしていると、常務が席に来られ「東、一緒に来い」と肩をたたかれます。向かったのは社長室でした。「社長、この件は東の責任ではありません。引受の判断として一切間違ってもおりません。おかしいと言われるなら、私は引受担当常務を辞めます」とおっしゃった。びっくりしました。僕が無罪放免だったのは言うまでもありません。「ひるんだら負けやぞ」は、僕はこうやって叩きこまれました。

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僕のライフワーク(田中平八と真崎甚三郎)

2020 OCT 3 9:09:11 am by 東 賢太郎

だいぶ前に先祖の “天下の糸平” こと田中平八のことを書いたところ、お読みになられた親戚の方から丁重なメールをいただきました。ありがとうございます。

信州の駒ケ根、伊那、飯田を訪問したのは前々職にあったころ、ただ一度です。2006年の秋だったでしょうか、当時、SBI証券副社長でした。伊那支店長に案内されてゆかりの地を回りましたが ”糸平さんの子孫” と紹介されるや何処でも恐縮するばかりの歓迎をいただいたことを覚えています。連れて行ってくれた支店長に、この場を借りて深謝します。

宿は高遠の温泉旅館にとりました。著名な桜の名所ですが秋もよろしく、湯も食事も堪能しました。高遠は武田勝頼の弟である仁科盛信が籠城し織田信忠軍に滅ぼされた激戦地です。勝頼が天目山に敗死してから武田一族は天下に流れ、高遠にほど近い信州赤穂村(現・駒ケ根市)に隠れて藤島を名乗ったのが平八の十七代前だと早乙女貢著「天下の糸平」(文春文庫)に書かれています。メールをくださったのは、その藤島様でした(平八の幼名は藤島釜吉)。

メールによると「来年の渋沢栄一大河ドラマにつき、駒ヶ根地域おこしで駒ヶ根シルクミュージアムで天下の糸平パネル展を行っておりその関係でいろいろと関係者が聞きに来ます」とのこと。行きたかったです、テレビに疎く知りませんでした。健在だったころ叔父が仕切って、母方一族郎等で平八の墓がある横浜・良泉寺、伊藤博文筆の ”天下の糸平”の石碑がある墨田区の木母寺へ参ったりしてましたが、世代が変わるとそれもなくなって寂しく思っていたところでした。

田中平八(1834~1884)は横浜開港と同時に英国人相手に生糸の商売をし、両替商、東京証券取引所発起人、銀行家でありましたが、僕もそれらの業務で家族を食わせてまいりました(ただしまったくの偶然の成り行き)。いまも何の疑問もなくそれをしており、特に外国人と株式取引をすることは、好んで選んだわけではないですがやっていて楽しくて仕方ない天職の域に感じます。

僕は平八の姉の玄孫でDNAは16分の1ですが、学者、官僚タイプでなく根っからの商人であること、それも彼とまったく同じ証券、金融の道で自分の腕一本で食ってきたという自負はございます。渋沢栄一は、彼を古川市兵衛、三野村利助と共に「財界における3傑」と評し、「いずれも無学でありながら、これほど非凡の才能を備えた人を見たことが無い」と評したそうですが、お言葉ですが僕はビジネスの現場で学が必要と思ったことは一度もありません。

平八の生涯は資料が潤沢とは言い難く、評伝はどれを見ても同じことが書かれています。稀代の相場師と喧伝されていますが、商売は仕入も販売も相場でありそれに長けていたのは当たり前です。伊那の農家の三男坊にとって出世のための蓄財のいち手段にすぎずそれが職業のように書かれてしまうのはおかしい。彼は政治家とつながってはいましたが権力に執着は見られず、熱海の水道・電話線を私財で架設するほど財を成し東証の大株主でも銀行のオーナーでもありましたが、座った公的ポストは東京米商会所頭取ぐらいでした。ポストで人を見る日本において評価が定まりにくかった原因はそこにありましょう。

藤島様とは来年にお会いし、 “天下の糸平” の系図や資料を共有させていただき、事績を彼と同じビジネスの目で評価し、できれば何か書き残したいと願っています。これともうひとつ、我が祖母・真崎ミカと2・26事件の陸軍大将・真崎甚三郎のつながりを調べることがライフワークです。

伊藤博文と太平洋戦争

本性は職業軍人的な理由(二・二六事件)

 

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魅力ある株を探しだすことは最大の趣味

2020 SEP 13 1:01:11 am by 東 賢太郎

ソナーという社名はソナー探知機からとった。それは僕の最大の趣味が、魅力ある株を探しだすことだからだ。野村時代にドイツでSAP、香港で超大現代農業という株を見出し、どっちも株価は10倍になった。飲み屋で中国人のお姉さんに儲かりましたと感謝されたが、一介の証券マンが世間様のお役にたつなどその程度のものだ。中国人もアメリカ人も不労所得はいかんなどと辛気臭いことを言わないのは実にすがすがしい。労働は尊いものだという価値観が日本にはあるが、キリスト教国では労働は悪であって、だから早く帰宅するし休暇も1か月も取る。ドイツ人などその最たるものだ。別に日本の文化にケチをつける気はないが、だからといってお金に働いてもらうのがおかしいということはない。この妙な考え方がコロナ経済下で二極化批判のダシに使われるなら人生百年時代の日本国民の資産形成には絶望的な話だろう。

僕は勤勉実直でお堅い銀行員の息子である。「アリとキリギリス」や「小原庄助さん」の訓話で育ち、二宮尊徳は偉いと教わり、「学生の仕事は勉強だ」といわれて官僚養成所の学校に進んだ。労働が尊いと思うようにはならなかったが、食うために働いて自助努力するのは当然という価値観はできた。そこまでは親父の計画通りであったが、無計画にアメリカへ2度行って放浪し、本能に従って進路を勝手に決めた。計画からは180度ずれ、親不孝になってしまった。なぜあんなに熱病みたいにアメリカへ行きたかったのかは長らく謎だった。どういうわけか、ほんとうに忘れてしまったのである。ずっとベンチャーズの影響だろうと納得していたが、ちょっと動機としては弱いと思っていた。ところが先日、CS放送で刑事コロンボをやっていて、「これ、夢中になって見てたよなあ、こうやって犯行がバレるんだよなあ」となつかしく思い、いつごろだったかなとwikipediaでシリーズの初回放映日を調べてみたら、まさにあのころだ。そうか、これだ。

思い出した。成功者でセレブである犯人たちの大豪邸だ、それが頭に焼きついたのだ。やっと合点がいってくる。なるほど、だから最初に行ったのが西海岸だったのか。あれに憧れて渡米し、ハリウッドやビーチの豪邸を眺め、ああいう生活ができる富がほしいと思って帰ってきたのだった。劇的なカルチャーショックだったのは、アメリカのセレブに官僚やサラリーマン出身はいないことだ。会社を興した事業家であり、歌手やスターであり、スポーツ選手であり映画監督であり、弁護士や医者であり、何であれ才能で輝いて自営業で自由に生きてる連中だ。そうでなければMBAをとってウォールストリートでサラリーマンとして高給を取って元手と人脈を作って勝負するわけだが、これは才能がないほうの連中の道だ。

そういうことをカリフォルニアで現実に見知って、ウチに資産はないから自分で稼がなくてはいけないと思った。なんのため?ああいう家に住むためだ。男の人生最終の通信簿はどんな家に住めるかだと思うようになった。あんまり子孫の名誉にもならない話だが、僕はそんな動機でなんとなく進路が決まってしまったことは否定できない。菅さんが上京して段ボール工場で働きながら天下国家を動かす道を志したと聞くと恥ずかしくなる。しかもサラリーマンという一番なる気のないものになったわけで、その理由はといえば何の才能もなかったからだ。才能というのは先にあるのではない、やってから、あったねとなる。だから何もしなければないし、やってみないとあるかどうかは誰にもわからないのである、などと今になって慰めてもいるが。

最大の趣味が魅力ある株を探しだすことだと知ったのは野村證券に入ってからだが、日本のウォールストリートで富を作りたいのだから当然だろう。10倍になる投資というと株しかない。1、2割もうかるなどという話にはさっぱり興味がなく、30年も証券マンをやってきてお客さんに債券を売ったことは一度もない。こういう人間にとって、個人営業で大坂を駆け回った平社員時代は楽しかった。君は面白いやつだと、小僧が絶対に会う事もできない大物のお客さんたちにかわいがってもらったからだ。そこで株式投資を通して生活やお金への考え方や処世術をじっくり学ばせてもらい、実は素顔は名刺からは想像できない普通の人だという事もわかった。

役員や拠点長になりたくて頑張ったからサラリーマンはやっていたわけだが、その動機は出世すれば大いに給料が上がるからである。しかし、なってみるとそれでは足りない。トップになっても大したことはないだろう。すると、職務規定で株を買えないという本末転倒は人生のゴールに向かうにはナンセンスだったし、自己都合の退職はいずれ来るべきものだったと思う。起業が絶対だったわけではない。デイトレーダーでもよかったが、出資してくれる方が現れそれはなくなった。人様の資金を増やすとなるとひとりでは弱いからだ。そこでSくんに出会ったことは幸運だった。渋谷の中華料理屋で初めて会って、彼と会社をやろうと即決した。同じ趣味の持ち主だったからだ。

生命保険会社で運用キャリアをスタートしたSくんは儲かる株を探す求道者でありマイスターである。何時間語り合っても疲れない、そこが同じなのだ。こういう仕事はいい意味でオタクでないとできない。Sくんがやって資金は3倍になったがこれは偶然でも不労所得でもない、あらゆる経験と知恵を使って労働して出た利益である。だから報酬は相応に頂くしお客さんにご満足いただける。知恵の勝負で労働が見えにくい金融業は成功して顧客満足があってナンボだ。成功報酬なるものを成功率5割の人がもらう資格はない。一発屋がビギナーズ・ラックでもらえるものでもない。満足な結果を5年以上継続して出すのは統計的に至難とされる。彼は20年も出している。説明はいらない、それがすべてだ。

僕に彼の才能はない。ただ彼が異能の人だと見抜くことはできて、組む利があると判断した。彼のほうはデイトレーダーでも問題なく食えるが、なぜ僕と組んだかというとそのほうが利があるからだろう。彼の利と僕の利は中身は同じではないだろうが、会ったときに1+1が2以上になるとお互いが思ったということだ。パートナーシップ、成功するwin-win関係とはこういうもので、こと人に関しては直観、第一印象を大事にしている。見かけや服装ではない。話してみないとわからない。どんなに家柄や履歴書が立派でいいと思っても、僕は理屈ではなく決める。どうして自分がそうしたか自分にも説明はできないが、それに逆らわないことにしてきて失敗してないからそれでいい。

だいぶ後になって執行役員のKくん、Dくんが加わった。基幹の業務ラインが2つになって大臣がもう一人必要となり、経営全般に官房長官が必要になったからだ。僕はプロ野球のスカウティング以上に学歴を見ないが、結果的に慶応4人、東大2人になった。非常に満足なのは9人に重複がなく特技がクリアに違うことだ。僕自身もプレーヤーのひとりであり、名刺には社長兼CEOとあるが対外的にそういう “配役” を演じているということにすぎない。では対内的に指揮者かというと、9人が同じ曲をやることはまずないからそうでもなく、僕が指揮台に立っていると客席が埋まるという意味でだけ指揮者だ。

この「ゆるい」組織は気に入っている。全員がプロのプライドと時間を持てるし、貢献度に応じて利益配分を受けられる。なぜそうしたかというと単純で、若いころ自分がそういう会社に入りたかったからだ。こうすれば専門性の高い人のモチベーションとパフォーマンスは上がるし、求人においても他力本願のサラリーマンは来なくなり、自信のあるプロが寄ってくるのである。そして、ラッキーなことに、この組織はリモートワークになってもダメージがないことがだんだんわかってきた。むしろコストをセーブできるかもしれず、要は、コロナはあんまり関係ないという事だ。

魅力ある株を探しだすことは推理ゲームである。株がその他(債券、FX、仮想通貨、ゴールド、原油など)と違うのは対象が日本だけで3500銘柄あり、その個々に “ファンダメンタルズ” と呼ばれる企業業績のデータがあるからで、株価をモデル化するならば複雑な多変数回帰分析が必要だ。その他のほうは対象も変数も圧倒的に少ないから解析のインテリジェンスで優位性を持つことができず、結果的に長か半かのバクチに近くなってしまう。しかし、もっと重要な差異はというと、株価は企業価値そのものでありすべての経営者はそれを増加させようと人生を賭けて努力していることだ。円レートや金価格を高くしようと頑張っている人など世界のどこにも存在しないが、すべての企業には手金で勝負をかけたCEOがいる。つまり株価には常に上昇バイアスがかかっているといえる。参加する価値のあるゲームではないだろうか。

しかもゲームに勝てば運用益というお駄賃がもらえる。払ってくれるのは市場であり、相手は匿名性のあるリスクマネーだから恨まれることもない。短い人生で普通の人が資産を10倍にし得るのは株しかないし、いくら儲けても世間様にご迷惑にならないのも良さだろう。日経平均が上がっても株を持ってるのは富裕層だから庶民には関係ないなどという政治家がいるが、こういう人は浅知恵から株をバクチと思ってるのであり、払えるはずのない年金で国民をごまかしているのである。コロナが長引いて世界の政府は財政出動と異次元金融緩和を継続せざるを得ず、それは図らずも国家が株高政策を採ることを意味する。それを税金で行うのであれば庶民に小口でも株を持たせ、国家と利害の一致したポジションを取らせてあげるよう適切な投資教育を行うことが善政なのではないだろうか。

僕は自分の感性という探知機で見つけた企業の株とコールオプションをソナーという蔵にがっつり貯め込んできた。あと2年ぐらいでそれがIPOして何倍になるかは時の運だが、不発でも2倍だろうし10倍も夢でない。だから来年までワクワクドキドキして過ごせるわけで、これぞソナーを作ったご利益と天に感謝する。たぶんあと2、3発の「弾込め」をすれば後進に道を譲って後顧の憂いなき人生になろう。娘が健康を心配してくれて、お父さん仕事しすぎだよ、もういいから人生楽しんでと言ってくれる。ありがたいことだ。でも僕にとってこの仕事は労働ではなく最大の趣味なのだ。他は全部捨ててもこれだけは残るものであり、尊いとも思わないが嫌と思うこともなく、すでに理想郷であるショーペンハウエル的幸福に近づいているのだ。オーストラリアか屋久島の好きなホテルからリモート参加なんて形なら80になっても後進のお役ぐらいには立てるだろう。

ところで、証券ビジネスへと背中を押してくれたコロンボの豪邸だが、もう家はあるしあんなでかいのをいずれ家内と二人でとなると猫を増やさなくてはいけないだろう。そのためというわけではないが、先日に、野良だった4匹目のフクが来た。こいつは気が良いしオスの黒猫であることに大きな意義がある。福を呼んでくれそうだしクロが2匹で黒字経営と縁起もいい。そして何より、我が家は猫を入れると男女比が2:6と劣勢であったが盛り返すこともできるのである。

 

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